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会計検査院のシステム運用業務委託費が激減 176

ストーリー by yoosee
錬金術の裏側 部門より

sillywalk 曰く、 "読売新聞の記事によれば、会計検査院において運用されている決算確認システムの運用業務委託費の激減が明らかとなりました。2003年度は2億4000万円あまりだったものが、2004年度は6830万円、そして2005年度はなんと730万円になったといいます。

このシステムはNTTデータが開発し2003年度から稼動したもので、運用初年度は運転・保守業務等、総額2億4000万円の随意契約で請け負いました。この後、会計検査院は運用委託費の検証に着手し、常駐スタッフの廃止や別業者への委託で人件費を大幅に削減したり、マニュアル等の平易より他業者の参入を可能にし、一般競争入札への変更を行いました。
こうして2004年度の最後の4ヶ月(12月~3月)について初の一般競争入札を実施し、応札した5社から日立情報システムズが330万円で落札。さらに来年度1年間についても今年2月に同じく一般競争入札を行い、入札参加した4社のうちNTTデータが約730万円で落札しました。NTTデータは「2003年度はサービス開始直後で、利用者の問い合わせや問題が発生した時の対応など作業量が多いため、請負金額は適正な額だった。その後は運用が安定して作業量が減少し、費用が下がった」と落札価格が下がった理由を説明していますが、2004年度の当初見積でも前年度とほぼ同額を検査院に提示していました。

税金の節約という点では歓迎すべき話ですし、今後、中央省庁のみならず各都道府県、地方自治体にもこうした動きの広がることが予想されますが、複雑な思いの関係者も多いのではないでしょうか。"

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 発注側の責任でもある (スコア:3, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2005年03月04日 16時54分 (#703505)
    1月18日のクローズアップ現代でも自治体vsITゼネコン [nhk.or.jp]
    と題してこういう問題を取り上げてた。
    発注側もシステムをよく理解してないから、ほとんどメーカーの
    言うなりになってきたけど、自治体が自分たちで業務を分析して
    仕様書を書いて、機能をバラして発注してみたら、あーらびっくり
    全然安くできちゃいました、みたいな話。

    開発側のはしくれとして思うんだけど、こんなの当たり前だよね。
    こういうお客さん、めずらしくない。
    自分たちのシステムなのに、全然内容わかってなかったり他人任せ
    にしてたりすることはよくある。そのくせひどいときには後から
    文句だけは言ったりする。
    メーカーに任せれば任せるほど金がかかるのは当然だし、メーカー
    はそれが目当てでもあるわけだ。

    問題なのは、税金だったり会社の金だったりすると、とたんに疎く
    なるその意識の問題だよ。自分の家建てるときに、どんな家が建つ
    のか分からずに発注しないだろ?
    でもこれは仕組みからドラスティックに変えないと、自分の懐には
    かんけーねーや的立場はいつまでたっても同じだと思うけどな。

    がんばってる自治体もあるんだろう。しかしその頑張りも、どこか
    でちゃんと評価されないと長続きはしないさ。

    # 的はずれだったらごめんよ
    • by Anonymous Coward on 2005年03月04日 17時27分 (#703521)
      ある意味正しいと思うけど、ある意味間違っていると思う。

      正しい点:
      発注する側がちゃんとシステムの技術的な面も理解して業務を分析して発注すれば表面的に必要な出費も少なくなる。

      間違っている点:
      その理解や分析力を得るために必要なコスト(人件費)という見えない部分の出費を考えていない。
      あるいは個々人の資質(言い換えればサービス残業と同様な個人でカブる投資)によって表面的に見えるコストを抑えているだけではないか。
      また、発注側が分析、仕様書きをしている間は他の業務を遂行する時間が減っている(または残業が増えている)はずだが、そのコストは考慮されているのか。
      バラで発注した場合、納品された個々のパーツの統合、テストにかかる作業、費用が新たに必要になってくるが、その部分は考慮されているのか。
      そういう部分にかかった費用まで合計して考えた場合、果たして本当に「あーらびっくり」という程安く上がっているのかどうか。

      そういう部分まで考えた上でバラして発注した方が安くなるほどベンダがボッているというのなら的確な批判だと思うけど、そういう見えない部分を0と査定して費用の多寡を論じているのであれば全くの的外れ。

      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2005年03月04日 17時37分 (#703529)
        そうね。あと、考慮漏れとかね。
        セキュリティとか負荷とか可用性は、素人だとまったく考えてない仕様を作りがち。
        そのへんがちゃんと盛りこんであるシステムとそうでないシステムはコストが全然違う。

        システムの価値が問われるのは異常系なんだよね…。特に役所の場合、もっとも信頼性が問われるのに。
        親コメント
      • この座談会 [nikkeibp.co.jp]をみてもわかるのだけど、かなり個人的なスキルに頼らないと、小規模に切り分けて効率的に発注することはできなさそうですね。
        究極的にはITの専門職が行政側にいて仕様書を作成すればいいということになりそうだけど、今の土木工事の発注(入札)をみていると、あまりコストダウンにはならなさそうな予感がします。
        #素人意見です。
        親コメント
      • > その理解や分析力を得るために必要なコスト(人件費)という見えない部分の出費を考えていない。

        だね。

        で、その点を補うために、コンサルタント的な人材を外から連れてくるって方法もあるんだけど、
        メーカ紐付きの人を連れてきても意味ないんだよね。
        親コメント
      • >そういう部分まで考えた上でバラして発注した方が安くなるほどベンダがボッているというのなら的確な批判

        うん、ベンダーはボッてるよ。代表格がまさにDATAやF。こいつらは天下りを受け入れるかわりに、税金を食い物にしてる。だから的確な批判。

        だいたい、自分たちで勉強し努力してシステムコストを抑えようとしているのに、勉強や努力することを「コスト」とみなすあんたがすごいよ。努力するというコストがあるから、それよりはるかにでかいムダなシステムコストが削減できるんだろ。
        親コメント
    • by Anonymous Coward on 2005年03月05日 1時48分 (#703831)
       構築(建設)と運用(運営)の分離発注なんてIT関連への発注じゃなかったらあたりまえのことなのに、いまさら注目されているなんて全く遅れているとしか言いようがない。

       実際の話し、IT関連へ対する社会的なイメージは「最先端」、「高度」なんてイメージ持っている人多いようだけど、幻想に惑わされてはいけません。
       機械でも、電気機器でも図面さえあれば高校でたての新人でもほぼ同じ品質の品物をイメージできるのに、そうじゃないのは情報関連ぐらいだよ。第一誰が見ても同じ物をイメージできる共通の図面に相当するものさえいまだに一本化できていない。

       正直なところ、IT関連はエンジニアリングできていない工芸の世界ですよね。今回の分離発注が注目されることから見ても他の分野に比べると30年は遅れているんじゃないかな。実際のところこのあたり工学がしっかりと体系化できていないから今まで分離発注もままならなかったというのが真相でしょう。

       「ITゼネコン」なんて呼び方、本物の「ゼネコン」に非常に失礼だと思う。
      親コメント
  • 730万円と言うと、ちょっと優れた管理者を一年張り付けて少しおつりが来るかこないかの額ですね。
    企業(この場合は日立情報システム)の利潤を取ったら、派遣や初心者などの人件費の安い人材でチーム組んでメンテやらせるのがやっとの額ですね。多分赤字だ。
    安いのはいいんだけど、メンテナンスの質も劇的に落ちるのではないかということと、公が賃金の低落や雇用の不安定化に加担するという二つの点でちょっと問題があると思うのですが。

    • by Anonymous Coward on 2005年03月04日 16時46分 (#703495)
      単に、日立情報システムズさんが、潜り込みたかったということで、安く応札したのだと思います。 日立情報システムズさんも、他の会社も、他でそういうことをやってることを見ていますよ。
      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2005年03月04日 17時20分 (#703516)
      730/12≒60万
      この単価だと下請けの2年生とか、孫請けのPGの金額です。
      というのが、ウチの会社の相場なんですけど、よそ様はどうなんでしょう。
      親コメント
    • > 公が賃金の低落や雇用の不安定化に加担する

      これは全く問題ないと思います。 公共事業の規模を維持するのにも賛成ですか?

      公が賃金の低落や雇用の不安定化を考えて無駄遣いをするより、国民から集めた資金の利用効率を考えた方が、
      大局的な視点ではプラスだと思います。

      #コメントの趣旨とずれたところに対するコメントかもしれませんが。。
      親コメント
      • >> 公が賃金の低落や雇用の不安定化に加担する
        >
        >これは全く問題ないと思います。公共事業の規模を維持するのにも賛成ですか?

        確かに公共事業には無駄が多いし政治的な視点から見れば問題がおおいんだけど、全てを否定するのも危険だと思う。

         私が言いたかったのは、公の事業を企業(この場合、大抵はITゼネコン)が不当に安く受注することが一般化することによって、人件費に割ける金額が非常に安くなり、派遣や艤装請負などの不正規雇用や(正社員でも)使い捨ての労働者しか使えない状況が一般化してしまう事への危惧だし、

         製造業などの民間企業間の受注合戦に於いては既にそのような劣悪な雇用条件が前提になっている現状であるのに、公がそれを改善するどころか推奨するかのような事を「安けりゃいい」で進めるのは、劣悪な労働条件を固定化するという意味で社会的にまずいのではないかと言うことです。

         経済学的に言った場合、公は、富の再分配を公正にする役割を持つのであり、今回のようなことが常態化して公がこの役割を放棄した先には貧富の格差の拡大や固定化、経済の低迷の固定化と言う事態が目に見えているのですが、如何でしょうか?

        親コメント
  • by doi (25249) on 2005年03月04日 17時34分 (#703528)
    企業が参入のためにコスト割れの価格で入札することは確かにありますが,今回は

    <----------
    検査院は02年度の検査報告で、各省庁のIT調達の問題点を指摘した経緯があり、内部でも自主的にチェックしようと、04年4月、民間のコンサルタント会社に依頼し、決算確認システムの運用委託費の検証を始めた。
     その結果、それまで「システム運用のため」として、連日、庁舎内に常駐していたNTTデータ側の3~1人が、実際にはほとんど業務がないことが判明。
     必要な時に専門家を呼べるサービスを別の業者に委託すれば常駐の必要はなく、人件費を大幅に削減できることがわかった。
    (読売新聞)
    http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20050302mh13.htm
    ---------->

    とありますから,本当に無駄遣いだったようです。

    経営トップが費用の細かいとこまで目が届く小さな会社ならともかく,ある程度の規模の会社や役所だとこういうことはとても多そうです。

    生産部門以外だと,コスト削減の努力がいまいち人事評価につながらないことが多いんですよね。
  • 隗よりはじめよ (スコア:2, 参考になる)

    by halo (12510) on 2005年03月04日 18時06分 (#703556) 日記
    数日前ですが、社会保険庁のシステムのコストを数百億円削減できる
    試算のニュース [yomiuri.co.jp]もありました。
    今後、こうした分野で公官庁のコスト削減の動きが出てくる場合、
    会計検査院は無駄を指摘する立場ですから、まず自分達で実績を
    作ってみたということなんでしょうか。
    • by SHAM69 (25595) on 2005年03月04日 18時52分 (#703595) 日記
      「隗より始めよ」は、郭隗ですらあれだけ重用されるならばと、
      もっと有能な士が集まってくると言う故事なので、
      会計検査院でさえあれだけ節約したのなら、
      我が省はもっと効果的な節約の見本を見せようと
      各省の競争が始まるということですね。

      #いい傾向だ。
      --
      if the kid?
      親コメント
  • by NOBAX (21937) on 2005年03月04日 19時27分 (#703615)
    昔、電光掲示板の補修見積もりをしたら
    随分と高かったので、職員が切れた電球だけを取り替えたら
    経費が激減した。そのことを新聞は褒めていた。
    メーカーはまもなく寿命が来るであろうから全取替えを
    考えるよね。
    今回の話を聞いて、ふと思い出しました。
  • by itoshikazu (15602) on 2005年03月05日 11時35分 (#703995)
    税金の無駄遣いってのは、大きな箱モノの建造物については、しばしば語られますが、コンピュータシステムについては、多分、マスコミも理解できないせいでしょうけど、無駄だと語られることは少ないですね。

    役所の連中は、システムに対して全く何も興味がないので、設計から何から丸投げです。そのシステム構成が、その業務に対して適切かどうかということが十分に検討されてないし、その能力も彼らは持ってないし、その気もないわけ。だから、入り込んでいるベンダの言いなりです。そのベンダの担当者が優秀ならいいのですが、そうでないことも非常に多いわけでして。

    ワタシは、安くていいシステムを提案したいと思うのですが、ワケわかってない人が書いたヒドいRFPにしばしばぶち当たり、高くてヒドいシステムにしかならないことがしばしばあります。「いまさら変えられないからそのまんま提案するしかない」なんてこともよくあって。だから、RFPには、必要もないのにむやみに冗長な構成が書かれていたり、その割には予算が少なかったり、だから必要な構築費用を積めなかったり、だからハード構成だけはやたら立派だけど、運用のしようがないようなシステムになってるということがしばしばあります。

    そんなわけで、役所がコンピュータシステムにかけてるムダ金って、こんなもんじゃなくて、もっとたくさんあると思うです。
  • ・・・・ (スコア:1, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2005年03月04日 16時22分 (#703473)
    表向きの費用だけだと激減したように見えますが
    トータルで見るとあんまり変わらんかった

    なんて事じゃないの?
  • by ncube2 (2864) on 2005年03月04日 16時46分 (#703496)
    これは運用費だけど、もとのシステム作ったのはどこだろう?
    役所に限らず発注する側もベンダーが赤字になるのを承知の上でとんでもない安い金額で作らせて、運用委託で補填するってのはありがちだし。
  • by Anonymous Coward on 2005年03月04日 17時51分 (#703541)
    変な表現ですが何でも特注にしないで大量生産品で間に合う所は間に合わせる、ある程度のダウンタイムが許容できる所を見極めて、ITゼネコン言いなりの過剰品質を止めるという面もあるような気がします。

    ただ、下請け孫受け...の階層ピンハネ構造をどうにかしないと、逆にリアルゼネコン(土建業界)のように、末端では手抜きが横行しまくり欠陥システムだらけな体質になりかねない危惧もありますね。
    • すでになってるのではないでしょうか。

      現実の土建業界同様に、下請けが作った物の検査もロクにしない元請けばかりな気がします。
      ピンハネするならするなりにちゃんとした品質のものを納品して欲しいです。

      東証1部上場というブランド(?)にお金払ってるわけではないのです。納品されるシステムにお金払っているのです。

      ・・・と、現場では思っていても、結局偉い人はブランドにお金払っているのよね・・・。
      親コメント
  • by ganq (2885) on 2005年03月04日 23時05分 (#703710)
    SLM活動の一環として、
    一般企業などでも、運用系アウトソーシングを止めるところが出てきているし、別にそれほど不思議ではないな。
  • by minz (3213) on 2005年03月05日 3時26分 (#703885) ホームページ 日記
    > 730万円
    むーん,0.5人月ってとこですか
    どれだけ大きなシステムか知らんですが
    とりあえず数億の構築はしてそうですよね

    この値段じゃワタシは担当にゃなりたかない...
    --
    みんつ
  • by Anonymous Coward on 2005年03月05日 14時39分 (#704131)
    人を貼り付けた人月計算かプロジェクト計算かの違いな気がします。

    例えば人月140万円のエンジニアとマネージャーを
    エンジニアを1年間3交代で3人。
    それにマネージャー1人の合計4人勤務させたとします。
    単純計算すると合計6720万円になります。

    これをプロジェクト単位系さんにすると変わってきます。
    1人が0.5人月仕事とすると仮定して上記人月計算だと840万円になります。
    運用管理は、規模にもよりますが作りが良ければ毎日する仕事がある訳ではなく
    システム変更が無い限りそんなにする仕事はないのが通常で
    エンジニアは貼り付けじゃなくて、仕事がある度にエンジニアを派遣の方が
    コストを削減できる場合が多いでしょう。

    しかし、忘れてはならないのが人を貼り付けるのが顧客の要望な事も多々あります。
    ベンダーとして「必要ないですよ」と言っても大事なシステムだからと、
    常時エンジニアの貼り付けを要望してくる事もあります。
    そうなれば、お客様の要望通り人の貼り付けをするのがベンダーです。

    ベンダーが悪いという意見も出てますがそれには違和感を覚えます。
    人の貼り付けを要望する事が多い役所の問題が、かなり強いと思います。

    よく考えればシステム(効率)化すると要らない役人が増えるんですが、
    その辺は公開されて居ない事が多く、そちらの議論も重要だと思います。

    # さすがにAC
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未知のハックに一心不乱に取り組んだ結果、私は自然の法則を変えてしまった -- あるハッカー

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