概日リズムの機能に十分な因子が明らかに 7
ストーリー by Acanthopanax
体外体内時計 部門より
体外体内時計 部門より
teratera 曰く、 "Science誌より。概日リズムの維持に『十分な』因子が明らかにされたと'Reconstitution of Circadian Oscillation of Cyanobacterial KaiC Phosphorylation in Vitro'という論文(要登録)で報告されている。以前から、KaiA, KaiB, KaiCというタンパク質が概日リズムの機能に必要であるということが、これらのタンパク質の変異体では概日リズムに異常をきたす事から明らかにされていた。また概日リズムはKaiCタンパク質が周期的にリン酸化・脱リン酸化された結果生じているらしいことも示されていた。
今回の論文では、KaiA, KaiB, KaiCタンパク質及びATPを試験管内で混ぜたときにも、生体内と同様にKaiCタンパク質が周期的にリン酸化・脱リン酸化される事を示しており、これら3つのタンパク質とATPだけでリズムを生み出せることを明らかにしている。これまでは生体内と言う複雑な条件下でしか研究できなかった分野であるが、試験管内で単純化した系を用いて研究を行えるようになったのは大きな進歩であろう。
概日リズムがおかしくなったとしても生存自体に支障はないようだが、不眠症など概日リズムの異常が原因とされる症状に悩む人は多いのではないだろうか。そうした症状の改善にこの研究成果の利用が期待される。"
精度 (スコア:1)
プレスリリースによると温度が変っても速度は変らないらしいですが。
#生命の働きが1つ1つ明かになるのはわくわくしますね。
Re:精度 (スコア:2, おもしろおかしい)
個人的な感覚では、目覚まし時計が鳴る3秒前ぐらいに目覚ましをよく止める経験上、5時間で±4秒程度は出ていると思われます。
ただ、窓から漏れてくる光、隣人の物音、猫の攻撃の影響も無視できないため、さらなる比較実験が必要ですが、遅刻が怖いので出来ません。
それにしても、このサイクルをクロックアップすることが出来るなら、加速装置が出来そうな気がしませんか?その分寿命も縮まりそうですけど。
Re:精度 (スコア:1)
温度が変わっても速度が変わらないというのは、そういう観点から見るものではありません。
一般に酵素反応は10度環境温度が上がると2倍になると言われています。しかし夏と冬で概日リズムが数倍違うと言う話は聞きません。というわけで、酵素反応にも関わらず温度への依存が極端に低いと言うのもこのKaiタンパク質の特徴であると言えましょう。
#酵素の反応速度についてはうろ覚えなので間違ってたらゴメンナサイ
Re:精度 (スコア:2, 興味深い)
それは酵素を触媒としない化学反応の場合ですね。
酵素反応は普通至適温度というのがあって、高すぎても低すぎても酵素活性が下がります。まあ、いずれにせよ温度依存はあるわけで、この場合は遠からず、といったところでしょう。
個人的な予想ですが、kaiタンパクそれぞれの酵素活性は温度依存でもおかしくないと思います。kaiAはkaiCをリン酸化、kaiBはkaiCを脱リン酸化するそうですが、それぞれの反応が温度依存でも、その比率は温度によらず一定という事もありうるわけで、二次的な出力である概日リズムは温度に依存しない、みたいな。例えるなら、振り子の振幅が変わっても周期は変わらないみたいな感じかもしれません。
ついでに書いちゃいますが、ショウジョウバエやほ乳類ではtim(timeless)やper(period)などの概日周期遺伝子が随分前にクローニングされています。遺伝子産物がそれ自身の転写を抑制する(ネガティブフィードバックする)事でON/OFFのリズムを生み出してます。
多分シアノバクテリアの場合はkaiC->kaiA or kaiBというフィードバックがあるんでしょう。実際はそれほど単純ではないかもしれませんが、、。
#何となくチューリングモデルで説明できそうな気がしませんか?
概日リズムって何? (スコア:1, すばらしい洞察)
ニュース自体は先に見聞きしていたから、すぐ気がつきましたけど。
プレスリリースやasahi.comの記事 [asahi.com]なんかでは「生物時計」って表現してますよね。
その言い換えが気に入らないんでしょうか?
それならそれで、軽く説明文でも入れればぐっと分かりやすくなるのに。
# 部門名が説明?w
欲しい薬ベスト3 (スコア:0)
やっと一つ実現に近づいたと。
Re:欲しい薬ベスト3 (スコア:1)
メラトニンじゃだめですかね?まぁ個人輸入じゃないと入手できませんが。
私はこれでときどきリセットしてます。しばらくは朝爽快に起床できます。