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デスクトップ核融合装置の開発に成功 98

ストーリー by Acanthopanax
中性子発生 部門より

MIYU曰く、"カリフォルニア大学ロサンゼルス校の物理学者、Seth Putterman博士の研究チームが、常温で「核融合」反応を作り出すトースターサイズの装置の開発に成功したそうです。(Nature論文概要Nature Web News訳文Wired Newsの記事
今回の実験で鍵になったのは、「lithium tantalate(タンタル酸リチウム)」の焦電気性結晶というものだそうです。この結晶が冷凍状態から室温状態に加熱されると強い電場を作り出し、重水素イオンのビームを光速のおよそ1%まで加速出来るそうです。この加速されたビームを重水素核を含んだ標的にぶつける事によって核融合反応が生じ、「ヘリウム-3」が作り出されています。反応によって生じた中性子数は1秒当たり1000個ほどだったそうです。" (つづく)

"この装置は、反応を起こすために投入されたエネルギー以下の量しかエネルギーを生み出しませんので、発電用途には向きませんが、現在の、大量にエネルギーを必要とする巨大で高価な粒子加速器を使った中性子発生源を置き換える事になるかもしれない、と研究者は語っています。
また、この装置はエックス線も生み出すため、将来的にはより小型化した装置を身体内部に送り込み、腫瘍部分にだけ放射線を当てることに使えるかもしれないそうです。宇宙探査の分野でも、先頃月に到達した欧州宇宙機関(ESA)の「SMART-1」などの様なイオン駆動装置を使った宇宙船にこの装置を応用することによって、その推力を増加させスピードアップさせることが可能かもしれない、とコメントされています。"

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 常温核融合といえば (スコア:3, おもしろおかしい)

    by jud (15801) on 2005年04月29日 15時54分 (#729074) 日記
    俺が学生だった頃、どこにするか悩んだ末に俺が入学した学校の
    電気工学科の教授が、
    「常温核融合のためには電子を取り出す必要があるっ!」
    ということで電子レンジに穴をあけていました。

    ちょっと自分の選択に自信が持てなくなりました。
    --
    イタチの最初っ屁。
  • by kapaer (9728) on 2005年04月29日 16時36分 (#729086)
    これは、今まで巨大だった粒子加速器を(用途は限定されるが)トースターサイズに小型化したってことですよね。
    粒子加速器による核融合(常温と呼ぶかどうかは知らない)は以前から可能だったわけで。

    一般人がイメージする常温核融合って言うと、「燃焼」みたいにどんどんエネルギーを発生する感じだと思うんですが、今回のはなんつーか「無理やり錆びさせる」って感じですかね。
  • by apj (8158) on 2005年04月30日 0時16分 (#729216) 日記
     加速器の場合、荷電粒子の軌道を曲げるのは磁場、加速は電場、ですから。ウェブの情報だけでは装置の図や実験のセットアップの見当がつかないんですが、素直に読めば、加速用の電場を作り出す部分を焦電性結晶で置き換えた、という理解になりそうです。
     焦電性結晶は、磁石に対する「電石」のようなもので、自発的な(温度に依存する)電気分極を持ち、周りに静電場を作り出します。なので、そのへんの空気中に置いて放置しておくと、表面に耐電したイオンやらなにやらがくっついて電場を打ち消すので、結晶の外側の電場は減ってしまってほとんど無い状態になります。温度を変えると、結晶構造のずれというか歪みによって、また電場が出てきます。
     低温から高温に変えることで結晶の周りに電場を作る、というのはそれなりに納得できるし、電場ができれば粒子の加速に使えるはずだというのもわかるのですが、一体どの程度の速度で昇温したのかとか、電場が一番強くなったときにうまいことD2イオンがそこにくるようにするにはどうするのかといった、具体的な部分がよくわかりません。結晶表面のあっち側とこっち側にはそれぞれ正・負の電荷があるわけで、そこに荷電粒子を入れたら、下手すると表面にくっついたり電荷を打ち消したりしそうです。まあ、そういう技術的なことを解決して装置を作ったんでしょうから、どうやったかには興味が持てますよね。
     ということで、詳細な装置図面が出て、どっかが追試をするまで、判断は保留ですねぇ……。
    • サンプル交換に研究所に来たついでに論文見てみました.

      >ウェブの情報だけでは装置の図や実験のセットアップの見当がつかないんですが

      きちんと公開されていて,論文のFigure1に載っています.

      >一体どの程度の速度で昇温したのかとか

      Figure2に載ってます.

      >電場が一番強くなったときにうまいことD2イオンがそこにくるようにする
      >にはどうするのかといった

      これは別に難しいこっちゃ無いでしょう.
      単に希薄なD2ガス中に入れておいて十分な速度で昇温すれば,ある程度の
      電場になったところからイオンビームが出現して,さらにある電位以上になった
      ところで核融合が起きますんで.
      #まあこれも本文とFigure2でわかりますが.

      エネルギーをある程度決めたければ,真空に引いといてある程度の温度まで
      昇温した段階でガス導入すりゃいいだけですし.

      >下手すると表面にくっついたり電荷を打ち消したりしそうです。

      まあ,そりゃそうです.
      ただその過程で,+極側ではDがイオン化して吹っ飛ばされる.
      だから当然連続放射は無理です.まあ,原理から明らかですが.

      >まあ、そういう技術的なことを解決して装置を作ったんでしょうから、
      >どうやったかには興味が持てますよね。

      言葉は悪いですが,あまりたいした事はやってません.
      非常にシンプルな装置です.
      言われてみればああ,なるほどね,という感じです.

      論文はwebでも公開されています.
      印刷版を買うより安いので,年間購読とかもお勧めかも.
      一冊だけほしいなら,でかい書店に行くと置いてあることもあります.
      #昔は定期購読してたんですが,結局研究所にばっかり居座ってるんで
      #ここで買ってるの見りゃいいや,ってなって今はやめちゃいました.
      親コメント
    • >ウェブの情報だけでは装置の図や実験のセットアップの見当がつかないんですが

      あれ?論文中にFigureで載ってませんでしたっけ?
      #今帰ってきて家なんでアクセスできませんが,載ってたような.
      #明日確認しよっと.
      親コメント
    •  ちょいと自己フォローです。
       原理的には、小さな箱でも何でも原理はどうでもいいから、とにかく猛烈に強い電場を作って、核融合可能なところまでイオンを加速できればいいんです。普通はそれは難しいので、くそでかいサイクロトロンを使って山ほど電力を投入してぐるぐる回したりしてます。なので、「核融合」がクローズアップされていますが、以前の電気分解モドキ常温核融合とは根本的に違う話で、実際は、「超小型の加速器を作ることに成功した」って話ですよね。
       ですから、次の検証は、本当に主張通りの仕様の加速器が実現しているのか?ということになります。ただ、この手の追試は、結晶の物性・イオンに対してどんな電場をかけるか・加速の結果をどう計測するか、という各段階でノウハウがありそうなので、やっぱりこの手のことをやってる人たちの追試を待ちたいところです(素人が手出しをすると思わぬ失敗をすることがあるので)。
       この方法が本当に役に立って、実際に加速できているなら、もしかしたら他の加速器でこれまで電場で加速していたところを置き換えることもできるかもしれませんし、加速器を運用するコストが減らせたりするかもしれませんよね。また、そういったことが、より強い電場を発生させる焦電性結晶材料を作る、といったモチベーションにつながるかもしれません。
      親コメント
  • by shoji12 (14093) on 2005年04月29日 16時05分 (#729078)
    どの部分が常温なんでしょうか? もしかして、核融合しているターゲットが常温?
  • by locate (5848) on 2005年04月29日 23時59分 (#729210) 日記
    それにしても、たれ込み文がひどすぎるな。
    元論文ぐらい読んでから、たれこめよな。

    論文には Room temperature でfusionを起こす実験したとは書いてあっても、
    cold fusion を実現したとは一言も書いていません。
    よっていわゆる常温核融合とは全く関係のない話題です。

    結晶内で10keVのビームを作っているわけで、ビーム温度は10keV=1億度であって、
    この温度で核融合が起ることは昔から分かっていた話。

    新型の小型加速器の開発の新規性で、Natureに載ったんでしょう。
    しかし、ビームのエネルギーを測るのに、わざわざ核融合中性子の観測を
    する必要はないので、あえて話題性を出すために行ったんでしょう。
    結果として、常温核融合と勘違いされたことを思えば、あまり良かったとは言えませんね。
    • > それにしても、たれ込み文がひどすぎるな。
      > 元論文ぐらい読んでから、たれこめよな。

      ごめんなさい。たれ込み文には、「常温核融合」とは書いてありませんね。
      たれ込み人を批判した上記2行は撤回いたします。(m--m;)
      親コメント
  • トンデモかどうかは私にはわかりませんが
    トンデモでないなら、何かの役には立つだろうし
    それがSFみたいな核融合発電でなくても
    十分に意味があることだと思います。

    #投入した予算と釣り合うかとかいう問題は別にして。

    なんでここまで/.で話題になるかというと
    それだけみなさん核融合に思い入れ(?)があるからでしょうか。
  • by maruto! (18665) on 2005年04月30日 15時10分 (#729429) 日記
    このへんあたり [kyoto-u.ac.jp]などで結構以前から研究されてます。やはり強電界を用いていて、球形グリッド電極の中心で反応を起こすタイプです。ぼちぼちながら中性子も発生していて、簡易中性子源への応用も期待されてます。エネルギー効率を考えなければ核融合反応は実は比較的簡単に起こせるものなのだなと考えさせられます。
  • >この装置は、反応を起こすために
    >投入されたエネルギー以下の量しかエネルギーを生み出しませんので、
    >発電用途には向きませんが、

    って本当でしょうか?
    投入したエネルギー: x
    発生したエネルギー: y
    発電効率: z
    とすれば、
    このシステムから得られる電気エネルギー: z * (x + y)
    となりますから、
    z * (x + y) / x > 1
    であれば、発生した電気エネルギーを x として再投入する事で
    ポジティブフィードバックがかかるため
    発電は可能ではないかと思います。

    日本語読む限りは単に x < y であるので
    発電に向かないと書かれているように読めるのですが、
    どうなんでしょう?
    --
    uxi
    • 実際効率をどこまで上げられるか等は私は知りませんが,この系では
      投入したエネルギーのうちかなりの部分が「再利用不可な熱」の形で逃げます
      ので,(投入したエネルギー+発生したエネルギー)が次に使えるわけでは
      ありません.
      また,実用上はせめて投入した量の数倍から10倍以上はエネルギーが発生して
      くれないと,あちこちのロスも含めると次のサイクルが回りませんので,
      そういう意味でも無理っぽいかなあと.
      #核融合に使われたエネルギー,多分0.1%も無いぐらいだと思います.
      #実際にはちゃんと中性子数等から求めないといけませんが.
      親コメント
    • ちっともエネルギーのことに詳しくない素人だけど、
      z = y / x
      のような気がするのと、
      投入したエネルギーと発生したエネルギーを足すってのがよくわかりません。

      x = 100, y = 75, z = 0.75で計算すると、
      0.75 * (100+75) / 100 = 1.3125 > 1
      だけど、100投入しても75しか得られないので、だんだん減っていく気がします。

      # ま、石油使っても何使っても投入分より発生分の方が少ないんだろうけど
      --
      1を聞いて0を知れ!
      親コメント
    • by uxi (5376) on 2005年05月04日 1時53分 (#730864)
      発電するには結局熱として取り出したエネルギーでタービン回すのが現実的なのだから、吸熱反応でもない限り、結局は、投入エネルギー + 発生エネルギーが熱として出て来るのではないかと言う疑問ね。
      --
      uxi
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2005年04月29日 15時00分 (#729060)
    ノート型でしょうか?
  • by Anonymous Coward on 2005年04月29日 15時21分 (#729065)
    ネタじゃないんですよね?
    ・・・いや、常温核融合 [wikipedia.org]と言われると、もーれつな胡散臭さが・・・(--;
    • Re:memo (スコア:2, 興味深い)

      by chiba-f (6867) on 2005年04月29日 15時50分 (#729070)
      去年こんなことをメモしてたのを思い出しました.その後どうなっているかは知りません.
      「 パリティ,2004年7月号に「常温核融合はいま?」という記事がありました.これは検証する記事ではなく,常温核融合を巡る科学者たちの見方を記したものです.
       現在も大半の科学者たちは懐疑的というか,かかわり合いにはなりたくないと思っています.しかし,完全に否定されたと言う話はありません.それで,割合は少ないが,キャリアに傷がつくかもしれないのに研究をしている科学者は少なくないらしいです.国際会議も定期的に開かれています.自分では研究しないまでも,好意的に見ている科学者もいるようです.そんな中,常温核融合の熱心な研究者は米国・エネルギー省に常温核融合の再査定を今年認めさせました.この決定には何か裏があるのではないかと疑う人もいます. 」
      親コメント
      • Re:memo (スコア:2, 興味深い)

        by Technical Type (3408) on 2005年04月29日 17時00分 (#729096)
        「完全に否定されるまえでは、どんな事でも正しい可能性がある」というのであれば、ちまたで売っている「奇跡を生む幸運のペンダント」とか、「ダイエットせずにみるみる痩せる薬」とかは、幾ら疑わしくても一切効能を否定できない、だから全て購入して試してみる必要があるんだという理屈になるますが?

        > キャリアに傷がつくかもしれないのに

        前回のブームは狂信的な人も居ましたし、注目されたいばかりにインチキ臭い成果を発表する人もいましたから、今もこれを研究をしているだけでも鼻のつまみ者視されて当たり前でしょうけどね。

        > 米国・エネルギー省に常温核融合の再査定を今年認めさせました

        DOE報告は、常温核融合が、すぐに夢のエネルギーとして実現する可能性は低いと、当時の狂熱状態に火を消す物で、常温核融合の研究に資金的援助をする価値を否定しているけれど、自費で研究したければ、すればいいんじゃないでしょうか。

        ちなみに、エネルギー省の最終報告書には (水と水素と金属(下) [chuo-u.ac.jp]) より引用

        • 常温核融合と呼ばれている現象から有効なエネルギーが取り出せるとは考えられない。
        • 常温核融合についてのすべての実験結果が否定されたとはいえないので,今後も研究を続ける意味はある
        とある通りかと思いますが。

        > この決定には何か裏があるのではないかと疑う人もいます.

        そう思うは自由ですが (狂信的な信奉者だと、既存の電力メーカーや石油メジャーの圧力で「研究成果が握りつぶされた」のだと思い込んでいるようですが) エネルギーを取り出せるか否かに全ての価値がかかっているわけで。エネルギーを加えて、何か反応が起きた、「これは常温核融合だぁ!」と騒ぎ、「でも今はまだエネルギーを取り出せないけど」っていうのは、勝手にやってくれればいいのであって、騒いで注目を浴びたり、見込みがありそうな事を言って金集めとかしなけりゃ別にいいんじゃないかな。

        逆に、金目当てだと疑われるだろうけどね。

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    • by tamaco (19059) on 2005年04月29日 17時17分 (#729104)
      ここに2つの雑誌の例があります
      ムー5月号 [gakken.co.jp]
      ついに人類が手にした究極のエネルギーは、天使か悪魔か!?
      衝撃の反物質宇宙論
      ニュートンPressWeb [newtonpress.co.jp]
      一般的な超弦理論や、大統一理論の記事例

      どちらも記事も、最新の実証科学による証明済みの部分と
      現在まだ実験による証明を持たず仮説のものを含みます。

      まず実証済みのことは「ムー5月号」「ニュートン」どちらも
      かなり深く突っ込んだ内容で書いてあり感心します。

      次に仮説の部分ですが、両者で書き方が違うように見受けられます。
      ニュートンの方はわりあい、仮説であること明記してある印象です。
      ムーの方は(今回の5月号しか読んでいませんが)実証済みことと
      仮説の部分の境界が「非常に紛らわしく書いており」
      読んでいる分には興味深いのですが、いわゆる「トンデモ」という
      印象を受けます。

      森教授「ゲーム脳」などそうなのですが、一般の人の目に触れるものは
      疑似科学レベルのものは精査したもののみ広報すべきと強く思います。
      しかしながら肝心の各新聞社のサイエンス系の記事などを読むと、
      ときどきヘンテコな印象のものがあり、原文を読んで納得するなど、
      質の高いテクニカルライターは少ないような気がします。

      またいわゆるトンデモ系に感じられる記事は、疑ってかかる(≒精査する)のは
      正しい傾向だと思います。例えばスラドの投稿 [srad.jp]より、
      2週間以上遅れての井田茂氏よりコメント紹介 [astroarts.co.jp]の例は
      参考にする部分があると思います。
      親コメント
      • 関東の「東スポ」、関西の「大スポ」はてまた九州「九スポ」のように、
        一面の強烈な見出しと、折り目の下に9ポイントぐらいの文字で
        かわいらしく「か?」とか書いてあるw

        ・・・・そういうのを希望するわけではありませんが、
        最近スラドの投稿は断定的な見出しが多い気がします
        親コメント
    • by Anonymous Coward
      あの時代、Σプロジェクトなんてのもありましたねぇ
typodupeerror

人生の大半の問題はスルー力で解決する -- スルー力研究専門家

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