硫酸に代わる新触媒を砂糖から開発 12
ストーリー by yosuke
環境負荷も減らす触媒 部門より
環境負荷も減らす触媒 部門より
naocha曰く、"朝日新聞の記事や共同通信社の記事によれば、化学合成につかう触媒を砂糖やでんぷんから簡単に作ることに東工大の原享和助教授らの研究グループが成功。10日付のNatureで発表した。
研究グループは、硫酸の触媒作用を担うスルホン酸基を結びつければ、固体の触媒を作れると考え、砂糖やでんぷんなどの炭素化合物を300~400℃で焼いてカラメル状態と炭のあいだの「中途半端な炭」にし、150℃の濃硫酸で煮た。すると、硫酸並みの触媒能力を持つ固体の化合物(カーボン系固体酸)ができた。
この化合物は、酸を触媒とする反応において硫酸並みの高い能力を示すうえ、固体なので生成物との分離も簡単になる。また、軽油の代替として期待されるバイオディーゼル燃料の合成においては、既存の固体触媒の8倍という高い活性を有するとのこと。
原料が安価で製造方法も簡単、大量に作れてリサイクルも可能なのが特徴。アルコールや食品添加物、医薬品などを作る反応においても利用できそう。"
再帰的利用 (スコア:2, 興味深い)
この「濃硫酸で煮る」作業をこのカーボン系固体酸でできれば素敵ですね.
# と言いつつも有機化学は高校レベルで止まってるので実現可能性は分かりませんが.
Re:再帰的利用 (スコア:3, すばらしい洞察)
朝日の記事で (スコア:1, 興味深い)
と思った私に、どなたか識者の方解説を。
つか、朝日の記者は自分で「触媒は、それ自身は変化せずに化学反応を活発にする物質で...」
と書いておきながら、再利用できないということに疑問を持たなかったのだろうか?
蒸発しない (スコア:4, 参考になる)
それ自体は蒸発しないくせに、水分を吸収したりと困った野郎であります。
(硫酸として使ってなくても、ボイラー燃料用の重油由来の硫黄が反応して硫酸になり、腐食原因になるとかいうのは結構ある。)
そのまま使い回すってのは硫酸に限らず面倒臭い物であります。参考までに、触媒ではないですが硫酸を洗浄用途でゴマンと使うセミコン関係では、再生プラントなんかを使う場合が在ります。
とにかく、洗浄用に過酸化水素水と混合とかするので [fujitsu.com]ド危険であります。
Re:朝日の記事で (スコア:2, 参考になる)
触媒を硫酸のままで分離できないためでは無いでしょうか?
目的のものが得られた時点では硫酸は硫酸のまま混ざっているものの
生成物に薬品を加えるなどして硫酸を分離すると硫酸ではなくなるのでリサイクル不可能
固体ならろ過するだけで取り出せるからリサイクル可能とか。
LAN内LAN稼働中
Re:朝日の記事で (スコア:0)
Ba(OH)2 + H2SO4 → 2H2O + BaSO4(難溶塩なので沈殿)
とか云うのが中卒レベルで思いつくのですが、これだと BaSO4 の再利用が面倒くさそうですね。
Re:朝日の記事で (スコア:1)
再利用って…と連想したらとてもコワイ考えになっちゃいました(;つД`)
#鳥の糞
And now for something completely different...
Re:朝日の記事で (スコア:2, すばらしい洞察)
目的とする反応自体に対しては触媒でも、生成物と混ざったり別の反応してしまったりするから分離が面倒なんじゃない?「固体なので分離が容易」ともあるし。
Re:朝日の記事で (スコア:2, 興味深い)
取り出しにくいというのが一点。
プラス、硫酸を触媒として使うのは
一般に脱水反応である場合が多いのですが
反応によって水が生成するので硫酸が薄まってしまい、
このために活性が落ちてしまいます。
工業的には水をとばして再度濃縮するよりも
新しく濃硫酸を買って来た方がはるかに安いので、
そのまま捨ててしまっているというのが現状です。
ろ別で取り出せるなら確かに理想的ですね。
Re:朝日の記事で (スコア:0)