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11240 story

タミフルの話題2題 33

ストーリー by Acanthopanax
備えと憂い 部門より

Yet Another Coward曰く、"「タミフル 服用後 2人異常行動死 学会で報告 副作用との関連不明」(読売新聞)とのニュースが流れている。子供に多いことから、セロトニンとの関連が疑われているが、まだはっきりしたことはよく分かっていない。中外製薬も添付文書を変更したようだ。
別記事:「インフルエンザ治療薬:タミフルで異常行動死 服用の2少年、副作用か」(毎日新聞)

一方、鳥インフルエンザ対策を考え、国家的政策として、日本、米国、中国などがタミフルの備蓄に走り出したようだ。
タミフル自治体備蓄4倍に 新型インフルエンザ対策」(産経新聞)
抗ウイルス薬『タミフル』、アジアで備蓄強化」(日経新聞)
米、新型インフルエンザ薬4400万人分を国家備蓄へ」(日経新聞)"

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • もう1題。 (スコア:3, 興味深い)

    by Tsukitomo (22680) on 2005年11月15日 23時18分 (#832439) 日記
    八角:インフルエンザ薬の原料、高騰 食べても効果なく、中毒症状の懸念も [mainichi-msn.co.jp]

    八角からインフルエンザの治療薬「タミフル」の原料となるシキミ酸が抽出されると広く報じられたため。

    ってのも出てますね。
    --
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    Tsukitomo(月友)
  • by naocha (15411) on 2005年11月15日 23時57分 (#832474) 日記
    流行る前に
    インフルエンザ情報ページ [elan.ne.jp]を読んで気をつけたいですね
  • by Anonymous Coward on 2005年11月16日 10時32分 (#832679)
    風邪薬全般、一般的に胃に来るとは思うのですが、
    この薬は強烈に胃にきます。

    一緒に胃薬を飲んでいるにもかかわらず、
    胃が痛くて死ぬかと思うほど胃にきます。
    明らかに毒薬だと思いました。

    高熱などで命に危険があるインフルエンザ以外では
    二度と服用したくありません。
    • > 明らかに毒薬だと思いました。

      気分が悪くなるような毒薬は、毒薬として一人前じゃなかったりして。
      --
      いや、そんな! あの毛は何だ! 枕に! 枕に!
      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2005年11月16日 14時22分 (#832858)
      PDF [chugai-pharm.co.jp]
      副作用に胃痛は書いてないのだが。腹痛に含まれるってことなのだろうか。
      親コメント
    • >一緒に胃薬を飲んでいるにもかかわらず、
      そもそも胃薬とはいえ併用は大丈夫なんだろうか……。
      • by Anonymous Coward on 2005年11月16日 13時08分 (#832805)
        一度インフルエンザで受診してごらんなさいな。
        抗生物質と胃薬を基本に、あとは症状に応じて咳止め・鼻水止め・整腸剤に熱冷まし・・・。
        薬だけでおなかがいっぱいになりそうなほど処方されますから。

        #それってつまり、私がかかっている医者がヤブだ、ってだけかも orz

        親コメント
        • by seoth (17664) on 2005年11月17日 9時22分 (#833419)
          いやいや、インフルエンザに限らずただの風邪でも凄い薬ですよ。
          風邪は”治す薬”を出せないが故に各症状分(熱、痰、鼻水、腹痛、頭痛…)の薬を出されます。
          単なるカネ稼ぎという説もあれば、とにかく何か薬を出さないと患者が納得してくれないから慣習的に出すようになってしまった、という説も聞きますね。

          最近の医者は皆ヤブだ、というのは2年前まで都市伝説だと思ってましたが、本当に症状緩和だけの薬を山ほど出したり、尿酸症でも酸血症でも脱水症状でもないのに点滴したりする病院に連続で当たっているので今は信じてます。
          重大な疾患になったらどうしよう…?
          親コメント
    • >高熱などで命に危険があるインフルエンザ以外では
      >二度と服用したくありません。

      本来目的とする治療用途以外で飲ませられることなんて、あるのかね。
      間違った目的で飲むなら、どんな薬でも毒だわさw
  • 毎日新聞の見出しは「タミフルで異常行動死」と、ちょっと煽り気味ですね。

    なんだか「子供の場合は発熱だけでも異常行動はある」とか読んだ気もするので、
    この二件の死亡をもって「タミフルで死んだ」というのはまだ早いかもしれません。

    今日の毎日新聞社説では
    「ただ、タミフルと異常行動の因果関係は否定されていないが、確実ともいえない。
    インフルエンザそのもので意識障害などを起こすケースもある。」
    とトーンダウンしています。

    「政府のタミフル備蓄を批判したいからちょっとおおげさにしたのだ」
    とは言いませんが、少し気を付けたほうが良さそうです。

    • by parsley (5772) on 2005年11月15日 21時52分 (#832372) 日記
      ストーリー中には詳細に記述しませんでしたが、小児に関しては、セレトニンに関して脳の制御を左右する作用があるとおもわれています。現に大人には滅多に発生していません。従って、タミフルを与えた後は親は充分に注意して監視を行うことがお勧めされます。
      --
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      親コメント
      • s/セレトニン/セロトニン/ですね。
        #タレコミ文の方も。

        #これだけでは何なので。
        そもそも新薬の開発過程で副作用を検討するときには、小児に絞って検証を行うわけでもないので、後から見つかってくる事例というのは意外とあります。特に感染症関係の薬やワクチンの副作用ではよく見られる。

        で、今回の死亡例がタミフルによるものかどうかは、リンク先にもあるように「判らない」としか言いようがないです。そもそもインフルエンザで脳炎が起きるメカニズム自体が判ってないですから。
        親コメント
    • by hado (21151) on 2005年11月16日 1時27分 (#832527)
      そういえば私、子供の頃高熱が出ると幻覚を見ていました。
      それは中学生頃まで続き、最後の幻覚は今でも憶えています。

      夜中に一人でトイレに行き、出ようとすると扉の前を巨大な何かが群れて通る。
      数回扉を開けるがその度に何かが通る。
      途方に暮れていると私の両脇に小さな人型の、太陽の塔みたいな頭部を持った何かが2体現れ、
      なんとか私を誘導してくれた。
      そのとき扉から出て見たモノは、日常では突き当たりのはずの廊下がどこまでも続いていた。

      見たこと無い人には頭がおかしいんじゃないかと思われても無理のない話ですが
      高熱が出た時以外の私は正常(のつもり)でした。

      高熱で異常行動を取る子供達の統計とか無いんでしょうか。

      それで得られる発熱で異常行動を取る子供の確率と、今回のそれとを詳しく検証して見ないことには
      「朝遅刻した人間は朝食を取っていない確率が高い。よって朝食を取らないことが遅刻の一因であると考えられる」
      とかのわけのわからない統計と同列だなぁと。
      親コメント
    • ちょっと亀レスですけども週末に機会がありましたので。

      タミフルの副作用と思われる幻覚については
      未成年の事例は国内で2人のみ。海外では成人の事例しかない
      ・逆にシェアの高いはずの国内では未成年の事例しかない
      ということで
      幻覚作用は未成年に限った副作用ではない可能性、タミフルだけが原因ではない可能性が指摘されており、結論は出ていない模様。

      それと、粗雑な管理体制のもとでタミフルが大量に使用されると耐性菌の出現が危惧されるということでアジアでタミフル類を製造、使用することはちょっと好ましくないという意見があがっているという話でした。

      #伝聞形が多くなってしまったが、仕方ない。
      --
      Youthの半分はバファリンでできています。
      親コメント
  • by maia (16220) on 2005年11月15日 22時05分 (#832383) 日記
    中外製薬の2002年11月の文書 [chugai-pharm.co.jp]によると、厚生労働省通知による改定で、「重大な副作用」の中に、アナフィラキシー様症状等が追記され、ついでに自主改定として加えられた「その他の副作用」の中に下記があります。

     精神神経系:幻覚、興奮、振戦、しびれ(ただし頻度不明の項)

    最新の添付文書の文章(PDF) [chugai-pharm.co.jp]の中では、

     精神・神経症状 (頻度不明):精神・神経症状 (意識障害異常行動、譫妄、幻覚、妄想、痙攣等) があらわれるこがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、...

    とあります。
    #副作用に、思いもかけないものがあるのは事実のようだけど(医者も副作用について説明不足の場合があるようだ)、そこは薬のメリットとデメリットのトレードオフなわけで、なんとも言いがたい。ただ、飲んだ場合は、観察を怠れないようですね。
    • by maia (16220) on 2005年11月15日 22時15分 (#832390) 日記
      #現在の添付文書はタレこみにHTML文書でありましたね。

      余談ですが、A型に有効な、シンメトレル(塩酸アマンタジン)という薬について。これの作用機序はタミフルとは違いますが、それはさておき、「インターフェロンと似た作用があるため、抑鬱による自殺企図などの副作用が出る場合もあり、幻覚、不眠などの副作用がある」そうです(ソース [nifty.com])。

      あと、耐性ウイルスが出るなど、とにかくタミフル使いすぎだろうっちゅう話はありますわな。使わない医者も当然いるわけで。
      親コメント
      • アマンタジンがインフルエンザに有効であることは、タミフルよりも先に見つかってたんですが、実際にインフルエンザ治療薬として国内認可されたのはほとんど同時期だったと思います。そのきっかけになったのは1997年の香港でのH5N1の発生。

        #確かタミフルより先行開発されたザナミビルとアマンタジンが同時期に認可され、その後半年か一年くらいしてタミフルだったかな?

        アマンタジンはタミフルやザナミビルよりも耐性ウイルスが出やすいという理由からあんまり使われてません。

        タミフルの耐性ウイルスについては、これまでに数例報告がありますけど、まだはっきりとは判ってない部分が多いと言うか…ただ少なくとも今までに見つかった耐性ウイルスについて言えば、大流行するきっかけにはなりにくいと考えられるでしょう。
        というのは、今見つかってるタミフル耐性ウイルスは、ノイラミニダーゼにほとんど頼らずに細胞膜表面から離れて放出されることが可能なんですが、これは細胞との接着力が弱い(ウイルスの持つヘマグルチニンの、細胞膜上のレセプターに対する親和性が低い)変異体だからだと報告されてます。このことは裏を返せば、感染力が比較的低いということになりますので。

        ただしもちろん、今後、感染力も強い耐性ウイルスが出現しないという保証はまったくないので、現状を無闇に恐れる必要はありませんが、将来を見据えた上での覚悟というか、備えは必要ですね。
        親コメント
  • 添付文書 (スコア:2, 興味深い)

    by AnonymousCcoward (17894) on 2005年11月15日 22時08分 (#832384) 日記
    > 中外製薬も添付文書を変更したようだ。
    とありますが、毎日新聞の記事では去年2月の事故の後に
    > タミフルの輸入販売元の中外製薬は同年7月、「薬との因果関係が否定できない例」として厚生労働省に報告した。
    となっており、
    リンク先の平成16年5月12日 薬食安発第0512001号 別紙 3 [pmda.go.jp]は去年5月。

    えーと、こういうものはどういう順番で進むか教えていただけないでしょうか。
  • これは深刻だと思う。ある病気を恐れるあまり、副作用が灰色(それもかなり黒い)薬を大量に準備するのは、リスクとして変わらないんじゃないか。

    製造元(カナダだっけ?)がライセンス生産を拒否してると聞いた記憶があるのだけど、それもリスクを更に大きくしているんじゃないかな、と。

    この辺り、日本国外でも議論が足りないor未消化って気がするなぁ。政治とアメリカの製薬業界の思惑とかがありありと。

    • by y_tambe (8218) on 2005年11月15日 22時18分 (#832393) ホームページ 日記
      確かに薬の副作用で死亡事例が出ることは悲劇ですし、深刻なことです。

      しかし深刻さで比べると、新型インフルエンザの発生の方が副作用より100万倍は深刻です。私にはむしろ、そこらへんの認識がまだ足りない人が多いように見えます。SARSの恐怖も今や過去のものになった感がある。
      まぁTVが「新型インフルエンザの恐怖」を連日のように吹聴している上、「本当は怖い家庭の医学」などのように、無駄に恐怖心を煽るだけの番組が多い中なので、麻痺してる人も多いのではないかと思いますが、こと新型インフルエンザに関しては今の報道内容でも決して大げさではありません。

      で、その新型インフルエンザに対抗しうる、人間の持つ切り札がタミフル……というより、本当に切り札になるか過信もできないけど、手札はほとんどこれしかないのです。その状態で、何とか1シーズンを(最低限の被害で)乗り切ることが求められているというのが現状です。患者の移動を制限することで食い止められたSARSと違って、新型インフルエンザの発生はその手の検疫法ではおそらく食い止めることができないと考えられますから、結果的に大部分の人が感染して(生残って)免疫を獲得し、その人たちが二回目以降はある程度、流行を防ぐ「壁」になってくれることに期待するしかありませんので。

      そういう意味では、まだ日本の備蓄は足りてないとすら言えますし、炭疽菌テロ以降「いざとなったら特許を無視してでも特効薬やワクチンの取得を行う」と宣言してるアメリカのような強行的な態度を、いざというときに日本政府がとれるかどうかも判らない。そういう状況では事前の備えが何より大事です。
      親コメント
    • スイスの製薬会社であるロシュ社はつい先日アメリカでのライセンス生産を始めた [sfgate.com]そうです。
      これまではライセンスは行っていなかったのですが、この記事に挙げられているライセンスを行った理由は

      • インフルエンザの大流行が予測されるのにロシュ社一社では全人類の2%程度の需要しか満たさない

      • 1年の歳月と爆発の危険もある10以上の工程が必要で生産が難しい

      • インドの企業が製造に成功したとアナウンスしてライセンスした方が利益になる


      とのことです。

      企業は慈善事業ではないので利潤を追求するのは当然ですが、自前の生産能力では不足が明らかな上にこのまま
      では金の亡者として非難される可能性もあり、更に勝手にコピーを作られて収益源がなくなってしまう可能性ま
      であるわけで、今ライセンスを与えないということは非常に考えにくいです。

      去シーズン家人がタミフルの世話になったので実感しましたが、タミフルはインフルエンザに対して現状では唯
      一と言っていい治療薬です。数例の副作用の報告で危険な薬品であるとするのは誇張し過ぎで、それよりもその
      効果や来るべき大流行への備えの方に心を砕くべきだと思います。
      とはいえ副作用も報告されることで医師の説明も聞かずに本当に必要な人の分までタミフルを使ってしまうよう
      な人がいなくなればよいことではありますが。

      日本政府も備蓄の必要性は理解しており、今シーズンだけで1500万人分のタミフルの確保を予定(PDF) [mhlw.go.jp]
      しているそうです。昨シーズンからの持ち越しを含めればおよそ2000万人分ですが、スペイン風邪レベルの流行
      になればこれでも不足する可能性があります。おそらく日本の企業や政府機関もライセンス生産に向けて交渉は
      行っていると信じていますが、供給が間に合うかは分からないのが不安な部分です。
      --
      kaho
      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2005年11月16日 1時39分 (#832535)
      タミフルの製造元はスイスのロシュ社です
      ちなみに日本の中外製薬が輸入・製造販売しています。
      成分はリン酸オセルタミビル

      日本で昨冬(2004年冬から2005年春)に出荷されたタミフルの量は、1日2カプセル×4日の標準量換算で、1080万人分。今年6月の供給計画によると今冬の分は、1500万人分が予定されていました。日本政府が備蓄を予定しているのは2500万人分です。(添付資料:中外製薬の抗インフルエンザウイルス剤『リン酸オセルタミビル』2005-2006年シーズンの供給計画 [66.102.7.104](上手く飛べないのでGoogleキャッシュ)

      その膨大な投与患者数に対して、どれだけの副作用(現時点では、脳症や高熱の影響も疑われている)が出るとデメリットだと見るのか?という話ですね。 ちなみに、鳥インフルエンザが人間に感染した東南アジア等の事例は200人を越していますが、致死率は50%を超えています。今後、人間に感染するような変異を起こした場合も、影響は大きいと予測されています。

      最近の報告
      鳥インフルエンザに感染した患者達の肺などの組織を調査したところ、免疫細胞が分泌する「サイトカイン」と呼ばれる物質の量が通常のインフルエンザに比べて異常に多いことが判明しています。これは免疫システムに「サイトカイン・ストーム」と呼ばれる暴走現象が起きたことを示唆する物だそうですが、それによって体内の臓器がうまく働かなくなる事があるそうです。

      タミフルは、インフルエンザを治療しない為(ウイルスの増殖は抑止するが、ウイルスを殺すのは免疫系)、日本以外では免疫系の弱っている高齢者や感染症に弱い慢性疾患の患者に主に投与されています。(欧米ではインフルエンザは「自然治癒」する病気とされているので、通常は対処は安静のみ)

      インフルエンザには、免疫を獲得する事でしか対抗できないので、ワクチンが無いと話にならないわけです。そのワクチンですが、まだ … なのよね。 だから、ウイルスの増殖を抑えるタミフルが最後の頼みの綱です。

        # 病気より薬が怖いかどうかは、数字を見ればわかるよね
      親コメント
      • ワクチンに対する考え方にも誤解があるのですよね。

        現在のインフルエンザワクチンは感染予防にはあんまり効果がないのですが、脳炎などのような重症化を抑えるのには効果があると考えられてます。だから、ワクチンを打ったからといってインフルエンザにかからなくなるわけではないけど、高リスク群への接種は積極的に行うべきだと。
        ここらへん、ワクチンとはどういうものなのか、という理解抜きに「夢の予防法」みたいな理解をしている人が多いのも、ちょっと問題かなあと思わなくもない。

        一時期行われていた学童への接種が任意化されたのも、これに基づいてるわけです。まぁ学童を重症化の虞れがある高リスク群と考えるかどうかについては両論ありますけど、とりあえず接種義務化する必要まではないだろうということに落ち着いてます。ただこの義務接種がなくなった弊害で、ワクチンの作成に必要な孵化鶏卵を作る業者が減って、国内のワクチン生産能力が落ちたのは大きな痛手でしたが。

        インフルエンザウイルスの感染は、主に気道粘膜上皮で起きるんですが、こういった粘膜には、抗体の中でも分泌型IgAと呼ばれるタイプのものが多く存在しており、血中に多いようなIgGやIgMはほとんど機能してません。だから分泌型IgAを産生できるようなタイプのワクチンでないと、感染防御の役には立たないのだと考えられてます。で、現行の静脈注射型のワクチンでは血中IgGやIgMは増えるけど分泌型IgAは増えない……これが感染予防の役にはたたないいちばんの理由だと考えられてます(ただし重症化の防止にはどうも血中IgGなども有効に働くらしい)。このあたりは経鼻ワクチンなど、投与経路を変えることでなんとかならないかと模索されてますが、今のところまだ実用化には至ってないです。

        それから新型ウイルスの場合は、当然、ウイルスが出てくるまではワクチンは作れないわけですが、現状からみて今、流行しているトリインフルエンザに対するワクチンを準備できれば、それなりの役に立つんじゃないかという考えもあります。ヒトの新型インフルエンザになるときにもう一つ変異が入るにしても、それ以外の部分がいくらか交差反応して、重症化を抑える役に立つかもしれないので。
        ただ、今流行しているみたいな高病原性トリインフルエンザにはもう一つ問題があって。インフルエンザではワクチンを作ったりウイルスを大量に増やそうというときには通常、孵化鶏卵を使うんですが、ニワトリに対して高病原性であるがゆえに途中で卵が死んじゃって、うまく作れないという問題があるのです。
        ここらへんをクリアするために、遺伝子工学の技術を応用して、既存の低病原性のウイルスに高病原性ウイルスの遺伝子を組み込んだキメラウイルスを作って、それによってワクチンを作ろうというプロジェクトも進んでます。そのためにはインフルエンザウイルスの遺伝子の機能解明が重要なんですが、このあたりについては去年くらいから、東大の研究グループが、インフルエンザウイルスの粒子を作るためのパッケージング機構の解明を行うなど、日本の研究者も大いに貢献しながら、かなり基礎的な部分は解明が進んでるところです。
        親コメント
      • by Anonymous Coward on 2005年11月16日 8時55分 (#832620)
        > 日本以外では免疫系の弱っている高齢者や感染症に弱い慢性疾患の患者に主に投与されています。

        日本では、若い患者にもバンバン投与するんでしょうかね?
        私は特に持病などを持っていない29歳男性ですが、昨シーズンにインフルエンザにかかったとき、投与を受けました。
        その場では熱で苦しいから言われるまま支払いましたが、後でレシートを見直して、ちょっと引きました。高価いっ。
        医師には、既に発症してから48時間くらいは経っているかも、と伝えたはずなんですが・・・。

        親コメント
        • by Anonymous Coward on 2005年11月16日 13時05分 (#832803)
          普通のインフルエンザへの「医者」の対応は対処療法だけです
          「肺炎になれば治療が出来る」、というのは冗談ではないのよね
          日本医師会生涯教育シリーズ : インフルエンザ [forth.go.jp]

          病原体:インフルエンザウイルスinfluenza virus
          通常であれば1週間程度で寛解する

          タミフルがしているのはウイルスの増殖抑止だけですので
          ウイルスの少ない時期に飲めば身体が戦うウイルスが少なくてすみます。
          故に、症状(身体がウイルスと戦った結果でる)が軽くてすむのです。
          でも実際は、高熱などの症状が現れる期間を1日ほど短縮するだけなのよね。
          高熱が出るほどウイルスが増えていたら(既にからだ内部で大戦争中)
          投与しても無意味だった可能性もありますね。

          特に持病などを持っていない29歳男性
          通常のインフルエンザではほとんど死なない年齢層ですね
          でも普通の人は、「これで早く治ります」と言われたら飲みますよ。例え短縮される不快な期間がわずか1日であっても。みんな会社勤めの都合が有ったり、学校を余計に休めなかったり、自分で食事の支度をする必要が有ったりするのですから。

          ただ、健康な大人に対して、発症期間を1日短縮するために「高価な抗インフルエンザ薬」を使うのは日本だけです。医療制度の仕組みのおかげでも有るのですが、一昨年の冬のインフルエンザ流行時には、世界の使用量の8割が日本で使われ、状況を知る外国の研究者達の顰蹙をかっていた事実もあります。

          外国が今大騒ぎをしながら求めているタミフルは「迫ってきている非常時の為の備蓄」用で、通常のインフルエンザに罹患した健康な大人に「今」使う為のものではありません。タミフルを世界中が必死に求めている時に、健康なインフルエンザ患者(妙な表現だ)に投与するのは、普通に考えて「顰蹙もの」だと思うんですけど。しかも、日本では危険に備える為の備蓄分も充足されていないのよね。

            # 高リスク群に使うなとは言わない
            # でも、「死ぬ危険性が高い疾患の為に優先備蓄する」戦略の方がまともだと思う
          親コメント
    • by Anonymous Coward on 2005年11月15日 22時14分 (#832389)
       双方のリスクをまったく比較せずに、「リスクとして変わらないんじゃないか」では、
      議論として、何の意味もありません。

       ちなみに、インフルエンザの死者は数百人〜千数百人程度。 [med.or.jp]
       高齢者が中心ですが。
       この数にしても、タミフルなどの薬によって相当減った結果のはず。

       対して、タミフルの副作用の報告は、現在2例。

       #結局、大事なのは情報公開とインフォームドコンセントなんだろうけど。
      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2005年11月16日 2時53分 (#832568)
      この記事 [cocolog-nifty.com]が事実だとすれば、アメリカのそれも裕福層だけは安全かつすばらしい金稼ぎになるのでしょうか、、
      親コメント
    • ちなみにスイスの薬です。
  • by Anonymous Coward on 2005年11月16日 9時07分 (#832623)
    タミフル値上がり [idrugstore.com]して価格も ¥14,000円から ¥25,000円に。
  • by kyayoi (627) on 2005年11月18日 21時04分 (#834317) ホームページ 日記
    さっきまでこの薬のこと「タフミル」だと思ってました.
    で,某ツバメ球団の親会社が作ってるものだと・・・

    かなりダメだorz
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コンピュータは旧約聖書の神に似ている、規則は多く、慈悲は無い -- Joseph Campbell

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