パスワードを忘れた? アカウント作成
11875 story

かつて大西洋は風呂だった 20

ストーリー by yosuke
海洋も温暖だった時代 部門より

地球セクション希望曰く、"Physorg.comの記事や、LiveScience.comの記事によれば、ウッズホール海洋研究所(WHOI)等の研究グループが、中生代の大西洋は風呂並みの温度だったことを示す証拠を見つけたそうだ(WHOIのプレスリリース)。この結果はPaleooceanographyに発表される(論文のプレプリント[pdf 304KB])。
その証拠とは、深海掘削船「JOIDES Resolution号」 によって2003年に南米大陸北東沖の海底から掘削された堆積物中の、炭素化合物や化石化した貝に含まれる酸素同位体比やマグネシウム/カルシウム比を用いて推測されたもので、8400万年~1億年前(白亜紀Turonian〜Cenomanian)には±2℃の精度で海面温度が33~42℃だったと見積もられた。同時に有機物から当時の大気中CO2濃度を1,300~ 2,300ppm(現在は380 ppm)と見積もられた。なお、白亜紀は無氷河時代と呼ばれ、海洋深層も暖かいため溶け込んでいたCO2が大量に大気に放出されていたことは既に知られている。研究リーダーのKaren Biceは「現在用いられている数値気候モデルの再構成が必要だろう」と述べている。
気候学などでは海面温度がある一定以上の値になると蒸発が盛んになり、上空に対流が生まれて雲が形成されることで太陽放射を遮り、昇温がとまると考えられている。その値は、現在の地球の海面温度から30度前後ではないかと見られてきた。数値気候シミュレーションなどでも35度を超えるような海面温度が算出されると、まず数値モデルプログラムのエラー(もしくは対流のパラメタリゼーション)が疑われる傾向があった。このため、この結果を踏まえると現在の数値シミュレーションではCO2放出による温暖化の影響を過小評価している可能性がある。"

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
typodupeerror

※ただしPHPを除く -- あるAdmin

読み込み中...