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タミフルの合成に成功 30

ストーリー by yosuke
ケミカルケミカル 部門より

maia曰く、"NHKニュース読売新聞の記事によれば、東京大学大学院薬学系研究科の柴崎正勝教授らの研究グループが、石油から生成される安価な化学物質である1,4-シクロヘキサジエンを原料に、抗インフルエンザウイルス剤のタミフルを作ることに成功した。タミフルは現在のところ、八角から精製されているシキミ酸を原料に製造されているが、この方法なら「天候などの自然条件に左右されず、短期間に生産量を増やすことができるうえ、原料の費用も現在より安く抑えられる」とのこと。この成果は3月28日から始まる日本薬学会第126年会で発表される。
東大は大学所有の知的財産としてこの製造法を特許出願したが、「タミフルの製造販売権を押さえているロシュと話し合い、実用化研究を進めることになるだろう」としている。"

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 命名法 (スコア:3, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2006年02月25日 17時15分 (#889815)
    オフトピですが
    IUPAC命名法1993年勧告に従うなら
    1、4―シクロヘキサジエンではなくて

    Cyclohex-1,4-dieneというべきではないでしょうか。

    # 命名法なんてすっかり無視されてる気がする。

    •  CAがオンライン化されて、縦横無尽に検索が可能になったら、厳密な命名法を知らなくてもよくなったんでは?
       さすがに投稿論文ではそこもチェックされるだろうが、新聞記事程度なら誰も突っ込まないよ。
       私に言わせれば「タミフルの合成に成功」というタイトル自体が噴飯ものだ。タミフルはロシュの商品名で、物質名ではない。
    • by Anonymous Coward
      間違った命名法で査読通ってる文献も山ほどあります。
      IUPAC命名法1993年勧告は日本語に翻訳すらされていません。
      wikipediaのIUPAC命名法の項目も1993年勧告に沿っていません。(内容は1979年のままです。)
      Cyclohex-1,4-diene をどう日本語で表記するかも定まっていません。
      高校化学の教科書も、おそらく1993年勧告を反映していません。

      10年以上経過しているにも関わらず。

      新聞記事に限らず、命名法なんてみんなどうでも良いと思っているに違いない。
      別に不都合ないかもしれないが。
  • by KAMUI (3084) on 2006年02月25日 21時23分 (#889855) 日記
    状況がどう変化するんだろう?

    1)タミフルが安価に流通し,インフルエンザによる死者が減少する。

    2)タミフルが安価に流通しすぎて,結果ウイルスが耐性を獲得。パンデミックに至る。

    #一寸怖くなって来た(汗)
    • by ei (19798) on 2006年02月26日 15時03分 (#890165) 日記
      | 2)タミフルが安価に流通しすぎて,結果ウイルスが耐性を獲得…

      に1票。
      昨冬インフルエンザに罹患した(らしい)と思った同僚が翌日客先で打合せとかの予定だったので医者に直行。「タミフル出しますけど、2日は休んで安静ね」と言われたが、案の定翌日は平気な顔で打合せに行きましたとさ。こんなふうに体力をウィルス撲滅に集中しない且つ死にかけウィルスを周囲にばらまくモラルの低い人はたーくさんゐるわけで、「タミフル処方は2乃至3日間個室隔離が必須条件」とかにしない限り、耐性ウィルスの蔓延は遠くないと思います。
      親コメント
      • 医者曰く、「あくまでもウイルスの活動と増殖を押える薬だから、渡した分だけ(3~5日分?)はきちんと飲んで寝てなさい」だそうですが、仕事の都合や「とっておいて人にあげる」「来年の予備」とか思って二日くらいで飲むのを止める患者が相当数居るとか。

        私の周囲でもタミフルを「飲む=すぐ直る」と勘違いして菌を撒き散らす輩がおります。
  • お役所 (スコア:2, 興味深い)

    by orangeful (21839) on 2006年02月25日 23時29分 (#889899)
    仮にロシュがこの話に乗ったとしても、
    FDAや厚生省etc.に書類を提出して長いこと返事を待たされたり、
    臨床試験をやり直さなくてはならなくなったりするということはないのですか?

    何が言いたいかというと、今回の話は、来シーズン (2006-2007年冬) に間に合う話なんでしょうか?
    エロいひと教えて。

    --
    名物に旨いものなし!
    • by thrillseeker (5161) on 2006年02月26日 16時09分 (#890204) ホームページ
      原料や製法の違いはあれど、生成物の化学式が同じであれば
      新規に認可を取る必要は無かったりするんじゃないかね。
      想像するに。
      親コメント
      • Re:お役所 (スコア:2, 参考になる)

        by Anonymous Coward on 2006年02月27日 12時25分 (#890597)
        一般的に
        薬のFDAは製造工程込みです。確か。

        要するに副生物が何であるか完全にわかっているか、副生物の影響が把握できる必要があるはず。

        現実に副生物を確認するのは無理なので、収率が上がる製法を開発してもなかなか変換は出来ないらしい。

        完全な新規認可よりは楽でしょうが。

        #会社で医薬の製造委託を受けているのでAC
        親コメント
    • by Anonymous Coward
      間に合わないだろうけど、緊急事態になったら例外的な扱いにするんじゃないか。

      # オレはエロくない
  • by Anonymous Cat (27860) on 2006年02月26日 3時35分 (#889960)
    タミフルは現在のところ、八角から精製されているシキミ酸を原料に製造されているが、
    この方法なら「天候などの自然条件に左右されず、短期間に生産量を増やすことができるうえ、
    原料の費用も現在より安く抑えられる」
    という事は、今回の製法が開発されるまでは、「八角」の成分のシキミ酸 [wikipedia.org]を
    抽出・精製してタミフルを製造していたのでしょうか?
    構造式は意外と単純なようですけど、実際に合成するのは大変だったりするんでしょうかね?
    あるいは、シキミ酸は合成できるけど、それを利用した製法は特許で抑えられているとかでしょうか?

    でも後者だとすると、ロシュ社が天候による原料の変動のリスクを減らすために、
    合成したものを(一部?)使う可能性が高い気もしますね。

    やはり、シキミ酸の合成が難しく、シキミ酸を経由せずにタミフルを合成できる製法が発明されたという、
    かなりインパクトのあるニュースなんでしょうか?

    #889855 [srad.jp]の2のシナリオはありえなくはないと思いますが
    タミフル耐性ウイルスの出現は、治りかけの患者が金銭的理由で服用を中止した場合の方が高い気もします。

    薬学や生化学、高分子化学に詳しい人の解説や突込みに期待します。
    --
    単なる臆病者の Anonymous Cat です。略してACです。
  • by SassyOS2 (8523) on 2006年02月25日 16時48分 (#889809) ホームページ 日記
    うーん

    ちなみにシキミ酸 [wikipedia.org]は植物由来だそうで。

    # インフルエンザ予防接種を受けたことすらないのでID
    • トウシキミの実 (スコア:3, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2006年02月25日 17時46分 (#889821)
      トウシキミの果実を乾燥させたものはスターアニス、八角、八角茴香(はっかくういきょう)、あるいは大茴香(だいういきょう)とも呼ばれる香辛料。参考:Wikipedia [wikipedia.org]

      生薬(漢方薬)としては、八角からとれるアネトールという精油成分は胃腸の働きをよくし、のどの炎症を和らげる。からだを温める作用もあり、冷え性の改善にも有効。参考:AllAbout [allabout.co.jp]

      今は、八角から抽出したシキミ酸から複雑な工程を経てタミフルが合成されている。
      親コメント
    • タレコミに書いてあるよ。八角由来だって。

      もしかして、植物由来だと知っていても八角だと知らないだけ?
      • Re:もしかして (スコア:2, 参考になる)

        by SassyOS2 (8523) on 2006年02月25日 18時15分 (#889828) ホームページ 日記
        別の方 [srad.jp]が八角について詳しくコメントされています(Thnx!)が、 シキミ酸 - Wikipedia [wikipedia.org]によると「その名の通りシキミから発見されたが、ほとんどの植物でみられる」そうなので、植物由来と書きました。恥ずかしながらシキミという植物の名前は知らなかったのですが、写真 [affrc.go.jp]を見てああなるほどと思いましたね(よく見かける木)

        ちなみにシキミ酸の話 [accsnet.ne.jp]によりますと、植物は色素や芳香物質、木質といった、植物の生存に欠かせない様々な化合物をシキミ酸を利用(シキミ酸経路 [wikipedia.org])して作っているとのこと。

        # 自然はうまくつくられていますね :)

        # 中華より和食が好きなのでID
        親コメント
        • Re:もしかして (スコア:2, 参考になる)

          by Anonymous Coward on 2006年02月26日 9時32分 (#890008)
          要するに、シキミ酸自体はいろんな植物に含まれているのですが、たいていはそのシキミ酸経路によって作られるさまざまな一次代謝産物の生合成中間体として使われるものなのでほとんどその用途に使われてしまい、それが蓄積されてる植物というのが少ない、という話なのです。で、それを多く蓄積してる植物として、八角が知られてるということ。

          まぁこの手のアプローチとしては、シキミ酸以降の代謝経路が判っているので、タバコ培養細胞などの植物培養細胞で大量に(バイオリアクターなどで)作らせる、という方法もあるわけです。

          ただ問題は効率の部分で、シキミ酸を蓄積させるために下流の遺伝子をつぶすと、一次代謝産物ができなくなるので、培養細胞自体の生育が妨げられるという問題がある。そこをクリアしようとすると、培養液にいろんなものを加える必要があってコストがかかりすぎるとか、別の遺伝子改変をするなどかなりの工夫が必要になりそう。
          親コメント
    • 石油だって元は生物由来でしょうが。
  • by Anonymous Coward on 2006年02月25日 22時26分 (#889881)
    ゴルゴ13へ、仕事をお願いします。
    ええ、我が社以外にタミフルを作ろうとしている連中が居るのですよ・・・
  •  薬学部(この場合は大学院薬学系研究科)が臨床応用できる薬の合成法を開発したのなんて、この半世紀の間に何回あっただろう?たぶん、数回しかなかったんじゃないか?
     大半の薬学部は、薬剤師資格をえさにして学生を集められるという状況に甘えて、薬の教育も研究もろくにやってこなかった。言わば雑学部だ。

     もっとも、東大は6年制学部への移行を拒否して(1割程度は移行するが)、4年制学部のままで、「薬剤師資格の取れない薬学部」になるんだから、この程度はできないと存在意義を疑われるよね。
    (修士を修了して1年程度の補充教育を受ければ資格取得は可能だが、薬の袋詰め作業のために余計に3年も大学に残る人はいないだろう)
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日々是ハック也 -- あるハードコアバイナリアン

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