免疫細胞をヒト化したマウス誕生 31
ストーリー by mhatta
このネズミにも花束を 部門より
このネズミにも花束を 部門より
maia曰く、"産経新聞や朝日新聞などによれば、主な免疫細胞をヒトと同じものにした「ヒト型化マウス」ないし「ヒト免疫化マウス」が、九州大学医学部第一内科再生医学研究グループで開発された。特許も内外で出願済みという。一部にマウス本来の免疫細胞も残るが、免疫の中心を担うT細胞やB細胞、NK細胞はほぼヒトの細胞だけになった。今のところ70%まではヒト化したという。抗がん剤の効き方を、患者の細胞で実験するといったことも期待されているらしい。なお研究の中心人物は今年1月理化学研究所免疫・アレルギー科学総合研究センターに移った。"
変なもの? (スコア:5, 参考になる)
免疫学の分野では、これ以上はないってくらいに真っ向勝負なアプローチで、将来的には代替不能なほど有力なモデル動物にすらなりうるものなんだけどなあ。 研究者以外の一般の人にとってはそんな認識になっちゃうもんなんだろうか。
基礎医学系の免疫学の実験分野だと、例えば実際のヒトの疾患のメカニズムを解析するときには、こういうマウスがないと、きちんとものが言えないことが多いです。臨床材料からとった(異常を起こしていると思われる)免疫担当細胞なんかが、実際の生体内でどのように他の細胞と相互作用して疾患を起こしているのか、実験的に証明しようと思っても、通常のマウスでは種差によってヒトの免疫担当細胞が正しく反応しないので。
これまでも、例えばマウスMHCをヒトMHC(=HLA)に置き換えたモデルマウスなんかが作成されて、実際に実験に用いられてましたが、今回のマウスはそれがもっと汎用できることになるわけです。また、これだけヒトとの同一性が向上されていると、創薬分野での利用価値も高いと思います。
つい先日の英国の話ですが (スコア:4, 参考になる)
白血病をターゲットにした新しいタイプの「monoclonal antibodies(モノクローナル抗体)」の臨床試験で、薬を投与された被験者6人全員が重体に陥る、というとても酷い副作用が発生した事が報道されていました。
なぜそれが起きたのかという事はまだ判っていないそうですが、BBCの記事では、今回の新薬が免疫細胞をターゲットにした(人間しか持っていない免疫系に働きかける)薬なのに、他の動物で得られた結果を「誤って信頼し」、人間にも当てはめた事が危険をもたらしたのかもしれない、と指摘されていました。「実験動物は、結局の所人間ではない」という事だそうです。
記事中では、人間しか持たない条件に作用する薬の臨床試験では、「micro-testing」によって危険性を減少させる事を考慮すべきだという指摘と共に、「マウスの免疫システムを操作して、それらが人間の免疫細胞を持つようにする」事によって、動物実験の段階で新薬が実際に人間にどのような作用を及ぼすのかがより良く見通せるようになる、と指摘されています。
新しい技術がどんな意味を持つのかは、その分野の人達でないとわかりにくいものだと思いますが、「価値が素人にも見えるように説明する」、というのは多分とても大事な事なのだと思います。英国のメディアが流していた「集中治療室の前で祈る家族達」の写真と日本での発表記事を並べてみて、この話の凄さを感じました。
# 「解説コメント込み」で読んでこそ スラッシュドット だと思います
Re:変なもの? (スコア:3, 参考になる)
それはともかく「T細胞とかNK細胞って何ぞや」という人のためにこちら [lymphocyte-bank.co.jp]
「マウス本来の免疫細胞」って人間には少ないNKT細胞のことなのでしょうか。
# 変な者だけど自称ふつうの人なのでID
Re:変なもの? (スコア:1)
で、ヒト化ネズミがあなたの子供の脳を汚染する!
とかいう過剰反応が始まる見込み。
Re:変なもの? (スコア:0)
Re:変なもの? (スコア:3, 参考になる)
免疫系は、骨髄で作られたばかりの段階では機能しません。人間でいうところの『学校』にあたる『胸腺』(心臓の上にあります)で成熟されてから、免疫系として機能するようになります。
胸腺で自己と非自己の認識について『学習』するらしいので、非自己認識に関して問題はないと思われます
で、次の段階は (スコア:2, おもしろおかしい)
Re:で、次の段階は (スコア:5, おもしろおかしい)
Re:で、次の段階は (スコア:1, すばらしい洞察)
ネズミとは思えないほど仲間が増えない
売れると仲間が増えまくる [sanrio.co.jp]日本の会社とは違うよね。
オフトビだけどこれ [sanrio.co.jp]で足らないのはなに?>テッチャン
#ファステック360が仲間入り…するか?
Re:で、次の段階は (スコア:0)
# 隠れ鉄なのでAC
Re:で、次の段階は (スコア:3, おもしろおかしい)
だってマウスの実験でなら完全治癒に成功している抗がん剤って
たくさんあるって言うし・・・。
Re:で、次の段階は (スコア:1)
Re:で、次の段階は (スコア:0)
Re:で、次の段階は (スコア:1)
Weremouseの誕生か‥って、それはマウス化したヒトだ。
#ねずみ男ですか?
さらに、その次の段階は (スコア:0)
論文発表から10ヶ月も経ってるのは特許のせいかしら (スコア:2, 興味深い)
Prepublished online on May 26, 2005 ですが、今頃になってニュースになったのは特許をとったから、ということなんでしょうか。
チューチュー (スコア:1)
部門名ですが (スコア:1, おもしろおかしい)
どちらかというと、「花束を」より「杉花粉を」だと思う...。
#杉の花の花束?(やな奴だな)
Re:部門名ですが (スコア:3, おもしろおかしい)
あの...これ...受け取ってください(手が震えている)...
...やな花束だ。
Re:部門名ですが (スコア:1, おもしろおかしい)
#人口の30%程度に有効な強力アレルゲンは生体兵器になるかな?
Re:部門名ですが (スコア:1, 参考になる)
Re:部門名ですが (スコア:0)
無粋モデ本当にまだー?
象を人化すると (スコア:0)
実用性から見て豚かな?
Re:象を人化すると (スコア:4, 参考になる)
ただ、輸血目的はコスト的に言って、実用的じゃないでしょう。開発および安全性の確認にかけるコストを献血推進に回す方がよほど効果が高いでしょうから。
ブタについては血液ではなく、臓器移植(異種移植)の研究が進んでます。臓器の大きさがヒトに近いことと、家畜化されている動物の中で、感染症などの潜在的なリスクについて、もっとも研究が進んでいる動物だというのがその理由だそうです。
Re:象を人化すると (スコア:0)
Re:象を人化すると (スコア:3, おもしろおかしい)
その場合は飛べない場合はただの豚として扱われるわけですね。
Re:象を人化すると (スコア:2, 参考になる)
実際に豚 [tokushima-u.ac.jp]については皮膚や心臓弁のドナーとしての研究が進められています.
Re:象を人化すると (スコア:1)
脳以外のすべてを人間の遺伝子に置き換えた鳥とか豚を
大量生産して臓器農場として利用できないでしょうか。
「こいつ人間じゃないからパーツ取り放題だもんね」って。
そもそもどこまでの遺伝子を持っていたら人間なのでしょうね。
「ヒト遺伝子含有率50%未満なのでこれは豚です」とか
「原材料にヒト遺伝子組み込みブタを使用していません」とか
表示されるようになるのでしょうか。
Re:象を人化すると (スコア:0)
Re:象を人化すると (スコア:0)