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12532 story

GPLの遵守活動の現状 96

ストーリー by kazekiri
1匹のゴキブリを発見すれば... 部門より

cnetmania曰く、"japan.linux.comに GPLの遵守の現状と問題点という記事が掲載されている。 GPLの違反行為と闘う人々の状況をまとめた記事であるが、 Busyboxのメンテナによれば、 LinuxやBusyBoxを使用しているのが明白であるにもかかわらず 「これは純然たるプロプライエタリなソフトウェアです、と謳っている」との 報告を毎週3件程度は受けているという状況もあるようだ。 gpl-violations.orgによる違反企業との闘いもまとめられていて、 かなり読み応えがある。日本では エプソンコーワの違反の件でもあるように比較的穏便に解決する ことが多いわけだが、今後ますますGPL採用ソフトウェアの利用が拡大 することでどうなることやら。"

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 進化論的な立場から、社会の中での GPL を考えてみる。

    進化生物学とかである程度明らかにされた傾向として、
    次のようなものがある。

    - 利己主義者と互恵主義者には本質的な違いはないが、互恵主義者のほうが「自己」の範囲が広く(自分だけじゃなく、自分の家族や仲間のことも考えられるということ)、未来予測の期間が長い(長期で見て便益があれば、短期のコストは我慢できる)。
    - 互恵主義者と利己主義者がひとつの環境に存在していた場合、互恵主義者は利己主義者に必ず負ける。
    - 「利己主義者の集団」と「互恵主義者の集団」であれば、後者のほうが生産性が高い。
    - よって、少しだけ賢い互恵主義者には、自分自身の生き残りのために、利己主義者を締め出して集団化する傾向が発生する。
    - 少しだけ賢い利己主義者には、互恵主義者のフリをする傾向が発生する。
    - ある程度の集団で協力の進化を可能にするのは処罰である。

    次に、ソフトウェア業界の人なら同意してくれそうな、
    次の前提条件を提示したい。

    - ソフトウェアは社会的である。(=孤立した環境では便益が小さくなる。)
    - ソフトウェアによってえられる便益はゼロサムではない。
    - 開発者は、排他的に動作するソフトウェア、相互運用可能なソフトウェア、どちらでも作ることができる。

    で、おそらく FSF や SFLC は互恵的団体で、かなり長期(十年とか三十年とか)で
    コストを回収するつもりだ。
    もちろん一般の企業はそんなことを言えるような状況になく、
    かなり短期(一年とか)で回収しないと破産しちゃう。
    とはいえ IBM のような、今後三十年この業界で飯を食っていく
    つもりがある企業は、長期で回収してもいいし、
    だから FOSS についても積極的になれる。
    で、GPL 遵守活動は「利己主義者を締め出」すことに他ならないし、
    それが裁判になれば「処罰」ということになるわけだ。
    長期的視点では必要なことなんだけど、問題点としては、
    GPL 遵守活動のコストがあまりに大きいことだ。
    「ある程度の集団で協力の進化を可能にするのは処罰である」というのは、
    処罰する側のコストが小さくなければ成り立たない。
    そして協力できないと FOSS は利己主義者を上回る便益を生み出せず、
    生き残れない。

    FSF / SFLC もそこには気づいていて、なるべく簡単に
    GPL 違反を指摘できるようにしようとしているけど、
    まだ敷居が高いように感じる。
    もっと気軽に楽しく、GPL 違反を指摘できるようにならないと
    いけないんじゃないかなぁ。

    …などということを考えてみた。
    参考文献は「自由は進化する」 [amazon.co.jp]
    「進化と人間行動」 [amazon.co.jp]あたりってことで。

    --
    # mishimaは本田透先生を熱烈に応援しています
    • - 開発者は、排他的に動作するソフトウェア、相互運用可能なソフトウェア、どちらでも作ることができる。
      この条件はどこで使っているのでしょうか? そもそも、相互運用可能性とソースの公開性は独立ですが。
      親コメント
      • 開発者は、利己的なソフトウェアでも互恵的なソフトウェアでも、どっちでも作れますよ、ってことです。
        もし原理的に、互恵的なソフトウェアを作ることが
        できないのであれば、GPL は失敗する運命にある。

        あと、枝葉の話は避けるけど、ソースが公開され続け、
        その改変が許されている(=FOSS)なら、
        相互運用可能性は非常に高いと思うよ。
        五年とか十年とかいうタイムスパンで考えればね。
        --
        # mishimaは本田透先生を熱烈に応援しています
        親コメント
    • >- 互恵主義者と利己主義者がひとつの環境に存在していた場合、互恵主義者は利己主義者に必ず負ける。

      これはどうして?裏付けが欲しい。ひとつの環境って?

      >- 「利己主義者の集団」と「互恵主義者の集団」であれば、後者のほうが生産性が高い。

      これは前者と矛盾しない?「ひとつの環境」ではないということ?それはどんな環境?

      少数の利己主義者が、互恵主義の環境を容易に壊してしまうということだろうか?

      環境の中で、大多数の人の認識の大勢が変化する時がある。
      これは大きな力の流れで(エンドユーザのLinuxへの支持が他のプロプラなUNIXを追いあげ、追い越すような)、結果として利己主義が意味をなさない状況が発生する。
      親コメント
      • > >- 互恵主義者と利己主義者がひとつの環境に存在していた場合、互恵主義者は利己主義者に必ず負ける。
        > これはどうして?裏付けが欲しい。ひとつの環境って?

        かなーり状況を限定して話をすることになるけど、
        利用者みんなに便益を生み出すような環境があったとしよう。
        この環境は誰でも使えるけど、維持にはコストがかかる。
        (単純な)利己主義者=いわゆるフリーライダー。
        この人たちはコストを支払わないので、
        必ずそのコストの分だけ得をする。

        > >- 「利己主義者の集団」と「互恵主義者の集団」であれば、後者のほうが生産性が高い。
        > これは前者と矛盾しない?「ひとつの環境」ではないということ?それはどんな環境?

        書き方がうまくなくて申し訳ない。複数の環境を想定してた。
        ある人は環境Aから便益を得ていて、別の人は環境Bから便益を得ている、
        と、そんな感じ。集団=環境、と読み替えてください。

        #「開発もバグ報告もしない OSS 利用者はみんなフリーライダーだ!」
        #みたいなことを言いたいわけじゃないのであしからず。
        --
        # mishimaは本田透先生を熱烈に応援しています
        親コメント
    • by Anonymous Coward
      読む気になる投稿を希望。
      • >読む気になる投稿を希望。

        読む気がないならスルーする精神を希望。

        # 知らない単語も多々あり、よく理解はしていないけど面白い切り口だと思いましたよ。
    • まずは「遵守」の読みを普及させねばなりませんな。
      #だれかリンクよろしく
      • >まずは「遵守」の読みを普及させねばなりませんな。

        遵守−−そんしゅ(なぜか変換できない)

        「じゅんしゅ」で変換してごらんよ!(クスッ)ってことかな?
  • 他にもあるかも (スコア:3, 参考になる)

    by nikomi (28640) on 2006年05月19日 15時43分 (#942237)
    アクアプラスのGPL違反 [srad.jp]なんてのもありましたね。

    アクアプラスに関してはその後公開ということで決着しましたが、その時指摘されていたようにGPLを理解せずにGPLなソースコードを利用した(している)ケースもあると思います。

    日本国内において海外製のソフトウェアを用いる際にはライセンス規約が英語である場合が多く、読み飛ばす人が圧倒的多数なのかもしれません。

    #まぁ、日本語だったら読むのか?という問題もありますが・・・
    • Re:他にもあるかも (スコア:3, おもしろおかしい)

      by quickcopper (17781) on 2006年05月19日 15時46分 (#942244)
      「拾ったものを使うからです」
      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2006年05月19日 20時34分 (#942433)
      買ってきて流用したコードにGPLなものが入っていたために
      まったく知らずに使っていたものも多いかもしれません。

      エレコムの件などは、海外の開発会社から買ってきたものに
      GPL違反していたものがあったわけですよね。

      GPLをウィルスに喩えるとマイナスモデレートされることが
      多いですけど、あえていうなら、GPLはウィルスと考えても
      おかしくないですよね。
      知らずにGPLなコードを使っている人はGPLに感染している
      と表現してもいいと思う。
      親コメント
      • でも、食わなきゃ感染しないょ?

        GPLが感染力を持っているのはタダ食いを締め出すためには必要だからなのであって、その必要がなければ感染力を持つ必要はないし、感染しないでタダ食いを締め出す方法があればそっちを採用しているはず。現時点ではそんな方法は発見されていないので感染力を持たせているだけであり、結局の所「感染」は「タダ食い」の鏡像でしかないんじゃなかろうか。

        ただ、GPLはグレーというか複雑に入り組んだ部分を避けて線を引いてるのは確かで、細かい部分で問題があるのも確か(でもきちんと線を引いてたらきりがない)。このあたりは他のライセンスも一緒なのだけれど。
        親コメント
        • by SteppingWind (2654) on 2006年05月19日 21時49分 (#942481)

          本来GPLはタダ食い防止ではなく, 食われた物が囲い込まれて自身を含めて他で使えなくなることを防止するのが目的だったはずなんですけど. この機能を完璧にするために, 結果として感染性を持ってしまったというのが現状だと思います.

          親コメントで指摘した件についても, 決して「タダ」とは思わず対価を払って購入したソフトにGPLソフトが混入していた例でしょう. それについても感染を避ける必要があるのなら, 車輪の再発明を規定路線とするクリーンルーム開発でしか安心して使えるソフトは生まれないことになります.

          これってOSS以外は悪であり, 滅びるべきであるとする立場の人には都合がよいでしょうけど, ソフトウェアを産業として見た場合には, GPLはちょっとアレルギ的な過剰反応性を獲得してしまったのではないかと思います.

          親コメント
          • #「タダ(食い)」は「ライセンスの定める義務を果たさない」ことで、金銭は直接には無関係。という意図で使ったのですが、わかりにくかったですか。

            >決して「タダ」とは思わず...クリーンルーム開発でしか安心して使えるソフトは生まれないことになります。

            混入させたベンダに責任があるだけの話です。プリプラなライセンスの場合と同じです。ここでは感染能力の有無は関係ありません。ただ、GPLの場合は一般的に「金で解決」がとっても難しいという点が違うだけです。権利者全員に例外を認めてもらうのにかかるコストがGPLなコードの本当の値段ですかねー。
            # 結構高そうだな。

            >これってOSS以外は悪であり, 滅びるべきであるとする立場の人には都合がよいでしょうけど, ソフトウェアを産業として見た場合には, GPLはちょっとアレルギ的な過剰反応性を獲得してしまったのではないかと思います.

            GPLなコードは単なる選択肢の一つであってFOSS以外が滅ぶとかいう話ではないのでは?もしGPLを呑まないで自分とこで開発して滅ぶのならするべきではないし、同じ事をGPLを呑んでコードを取り込んでうまく行くなら呑めばいいだけです。

            ま、でも、GPLに対してアレルギ的反応が出る程ソフトウェアのストックができたと言う意味で、GPLは成功しているとも言えます。これはGNUがあれだけガリガリと車輪の再発明をしている理由でもあるでしょう。
            親コメント
        • by Anonymous Coward on 2006年05月19日 23時57分 (#942599)
          食わなかった例としてApple Mac OS Xに搭載されているRubyなんか
          は、コンパイル時に一部オプションがオフられていて、そのために
          Ruby On Railsが正常に動かない、なんてことがありました。
          たしかGNU gettextがないとコンパイル出来ない部分をオフにして
          いたんだったとうろ覚え。

          食わなかった結果OS XはGNUライセンスの影響を受けなかったわけ
          ですが、ある意味不完全なRubyを受け取ったユーザーは、自分で
          Rubyをコンパイルしたりとかいろいろ大変だったようです。

          もちろんAppleがGNUライセンスを受け入れなかったんだから、
          それはAppleの問題だろ、と言われればまったくその通りとしかいい
          ようがないんですが、企業として、(作った人には申し訳ないが)
          たかだかgettextのためにOS XまるごとGNUにしろ、とか言われる
          と社会的に会社がなりたたないわけですよ。

          その結果GNUは目標を達成したんだろうけど、結局損してるのは
          ユーザーじゃないのかな、とこの件に限定すれば思いました。

          すみません、私はGNUよりApacheのライセンスの方が好きです...
          一方でGNUに感謝するのは、プログラマがソースを公開するのは
          あたりまえ、というところまでオープンソースの文化を広めてく
          れたところですね。
          親コメント
          • Appleにはgettext互換ライブラリを作るという選択肢もあったんじゃ?でもAppleはそうする代わりに単に使わない事にした。そういう事なんじゃないの?なーんかGNUモノの互換って聞いた事ないんだが、みんな「互換ほげふがを作る」って選択肢を忘れてるのかなぁ...
            # 小物ならなおさら自前でパチモン作っても良かろ?
            親コメント
      • by ddc (14170) on 2006年05月19日 22時35分 (#942534) 日記
        商品に欠陥があった場合、輸入販売を行っている業者に責任が及ぶのは別に珍しいことでは無いので、GPLに限った話ではないのでは。

        GPL特有なケースとしては、たとえば、プロプラなミドルウェアを購入してソフトを開発したが、実はそのミドルウェアにGPLなコードが入っていた、とかそんな場合ではないかと。
        こんなケースって、これまで発生していないんですかね。
        親コメント
    • by Anonymous Coward
      まあ、Windows2000とかOffice2000とかをインストールする場合も、ライセンス規約なんて読み飛ばしてるけどね。
  • GPLv3の60日ルール (スコア:3, 参考になる)

    by Anonymous Coward on 2006年05月19日 16時03分 (#942255)
    原文には既にツッコミが入っていますが、GPLv3の60日ルールは
    権利者側がライセンス取り消しまで60日待たなければいけないと
    いうものではありません。
    利用者側がGPL違反を(コッソリ?)直して60日何も言われなければ
    OKというものです。
    つまり時効60日。過去の違反によるライセンス取り消しに怯える
    必要はないということです。

    # http://gplv3.fsf.org/rationale [fsf.org] を読めば間違うはずないのに…
  • コスト (スコア:2, 興味深い)

    by Anonymous Coward on 2006年05月19日 15時46分 (#942243)
    ざっと読んでみましたが、やはり違反行為と闘うための最大の障壁は「カネにならない活動の為に支払う羽目になるコスト」ですね。
    GPLに、「違反行為が確認できた場合、違反者はその違反行為を証明するために要した対価を支払う」とか盛り込んじゃダメなんですか?

    # 低レベルな発想だからもうどこかで語りつくされてる気はするけど…
  • by shimotsuki (2505) on 2006年05月19日 16時06分 (#942257) ホームページ
    エレコム・・・ [srad.jp] ぼそっ
    • coregaもいまだにソース出してない製品があるはず。
      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2006年05月19日 22時52分 (#942546)
      京都マイクロコンピュータ [kmckk.co.jp]はEclipseと一緒に自社拡張したGDBを配っているのに、保守契約者にさえGDBの改変部分を公開していない。
      親コメント
    • いや、ソニーでしょ。
      http://srad.jp/articles/05/11/12/1129225.shtml
  • by Anonymous Coward on 2006年05月19日 18時55分 (#942373)
    Delphi言語で書かれた有名な某コンポーネント(GPL)があるのですが、このコンポーネントがライセンス正しく理解して使われているか、調べたことがあります。そのコンポーネント名でググって派生ソフトを探し、ドキュメントを確かめる、というだけですが。

    フリーコンポーネントのTXXXXを使っています」とかなっててソースコードやGPLについては一言も言及していなかった人が1件→×
    「ソースコード見たい人はメールください」という比較的後ろ向きな人が2件→○?
    「不本意ながらGPLです、メールくれればソース送ります、なるべく請求しないでね」という激しく後ろ向きな人が1件→△
    「GPLに基づきこのプログラムを使用・変更・再配付することができます。基本的にアーカイブ内容を改変せずそのままで配布してください、転載後には事後連絡ください、転載時にメディア料金以上の代金請求することは禁止します」という、全く理解していないのが1件(ソースについて言及なし)→×
    「GPLに基づき云々」は書いてあるけど、コンポーネント本体は別途入手してくださいとなっており、ソースコードに言及していないのが1件→×
    「GPLに基づき云々」は書いてあってソースコードへのアクセスも可能だけど、コンポーネント本体を別途入手させるのが4件→×
    開発日記に書いてあるからきっと使ってるんだけど、本体のドキュメントにはその使用について一切書いていない人が1件→×?

    というわけで、GPLをしっかり遵守しているケース、ほとんどありませんでした。

    実際このコンポーネントは商用ソフトでも使われてて一時期話題になったことも…。
    • 某ってなんだよ。隠すことじゃないだろ。
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2006年05月19日 16時37分 (#942282)
    日本国内においてGPLに違反した場合の
    法的なリスク・ペナルティってどういったものになるんでしょう?

    (OSS界隈での評判が悪くなるのはわかるんですけど)
    • by Anonymous Coward on 2006年05月19日 17時28分 (#942327)
      いまのところ「不明」ってのが正確なとこじゃないかと。

      というか、法的にシロクロがつくとろこまで徹底的に争うこと自体、日本ではデメリット(盗用をしておいて居直っているように見え、イメージダウン)が大きいので、最後まで突っ張るとろこが出てこないのでしょう。

      盗用された方もおいそれと法に訴えることは少ないでしょうし、相手が折れさえすれば穏便に済ませようという場合が多いのではないでしょうか。

      # しかしあれだ、gpl-violations.orgって、
      # GPLに違反している人たちが集ったようなドメインだな。
      # ロゴも"Kill the GPL!"って感じだし。
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2006年05月19日 15時44分 (#942240)
    >今後ますますGPL採用ソフトウェアの利用が拡大する

    この部分が仮定や予測、希望であるならそう断るべきだし、
    事実を述べたつもりならその根拠も示すべきであると思います。
    タレコミ文中の末尾のみが浮いており、そこだけ唐突に
    タレコミ人の妄想が語られているかのような違和感を感じます。
  • by Anonymous Coward on 2006年05月19日 16時40分 (#942287)
    宣伝条項つきのソフト組み込んでて知らん顔ってのは結構ありますね。
    GPLにおけるFSFみたいな大きな組織がないせいか、なかなか話題にものぼりませんが。
typodupeerror

ハッカーとクラッカーの違い。大してないと思います -- あるアレゲ

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