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13872 story

日本独自開発の新型転換炉ふげん解体へ 55

ストーリー by yosuke
時間のかかる後始末 部門より

von_yosukeyan 曰く

独立行政法人 日本原子力研究開発機構プレスリリース[PDF 777KB]によると、新型転換炉(ATR)原型炉 ふげんの廃止措置計画を通商産業省に提出した。認可されれば、平成40年までに完全に解体される。

ふげんは、日本が独自開発した炉形式である新型転換炉の原型炉で、昭和53年に初臨界に達した。カランドリアタンクと呼ばれる重水を満たした容器を減速に用い、タンクに開いたレンコン状の穴に、燃料集合体と冷却材の軽水を循環させる圧力管(チャンネル)を持つ、重水減速沸騰軽水冷却圧力管型炉。燃料に天然ウランが直接使用できることや、減速材に液体ナトリウムを使用する高速増殖炉(FBR)に比べて構造が単純で通常の原発プラントに応用が容易である点などの特徴を持つ。また、ふげんは平成2年以降、MOX燃料(プルトニウム・ウラン混合の酸化燃料)の燃焼実験にも使用され、世界最大のMOX燃料装荷炉として大量のデータ収集に貢献した。
しかし、平成7年に原型炉に次ぐ実証炉建設が中止されたことに伴い、ATRの研究プログラムそのものも中止され、研究と運転そのものも平成15年に終了していた。廃止措置が本格的に開始されれば、国内の発電可能な大型炉としては、平成13年から廃止措置が取られている日本原子力発電東海発電所(黒鉛減速ガス冷却炉)に次ぐものとなる。
世界的に見れば、重水炉はカナダが開発したCANDU炉(カナダ型加圧重水炉)が世界各国で運転されており、天然ウランが燃焼できる点以外にも、最近ではウランに比べて資源量が膨大なトリウムを重水炉で照射することで、ウラン生産が可能な点に注目が集まり、インドを中心に新規開発計画が進んでいる。一方で、重水の生産コストの高さや、稼働率の低さ、生産されるプルトニウムの扱いなどが問題になっている。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by imaic (31975) on 2006年11月09日 9時56分 (#1054413) 日記
    MSN 毎日インタラクティブの記事 [mainichi-msn.co.jp]
    平成40年と言われると遠く感じるが西暦2028年と
    いわれると近く感じるから不思議。
    • by Anonymous Coward on 2006年11月09日 11時34分 (#1054494)
      記事によると
      >5万トン以上の放射性廃棄物が出るが、具体的な廃棄場所は未定
      ..........
      どーするんでしょ?
      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2006年11月09日 13時35分 (#1054573)
        原子炉解体時に出る放射性廃棄物のうち(使用済み核燃料)、放射能の90%以上が炉内構造物に集中しているはずです。
        で、炉心周辺の放射化したコンクリートや鉄筋が帯びている放射能はきわめて弱いため、単に穴を掘って埋めたり、場合によってはスクラップとして再利用にまわすこともあります。スクラップにまわして大丈夫か、と思われるかもしれませんが、実際のところ私たちが一般的に使用する鉄も、高炉の寿命管理用の60Coがわずかに溶けているため、場合によっては「解体時に出た放射性廃棄物」より強い放射能を持ってたりしますし、何より全部混ぜて溶かしちゃえば、放射能が「薄まって」基準以下になるので大丈夫です。
        蛇足ですが、引き上げられた第二次大戦時の沈没艦のスクラップ(たとえばいわゆる「陸奥鉄」)が極めて高い値で取引されるのも、この60Coを含まないためです。さらに付け加えると、「陸奥鉄」として売られた鉄の量は、陸奥の排水量をはるかに越えてるそうですがw
        原子炉解体について知りたければ、JPDRの解体作業をまとめた「原子炉解体」 [amazon.co.jp]という本に詳しくまとまってます。
        親コメント
      • >>5万トン以上の放射性廃棄物が出るが、具体的な廃棄場所は未定
        >どーするんでしょ?

        宇宙へ(そらへ)… [srad.jp]
        #ごめんなさい、ごめんなさい、もぉゆいません。
        親コメント
      • どうせ重量的に大きな割合を占めてるのは大して汚染もされてないコンクリとか鉄筋とかだろうから、
        そこらのラドン温泉にでも放り込んでおけばいいんじゃないでしょうか。
  • おじさん、 (スコア:1, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2006年11月09日 8時51分 (#1054367)
    「いまはね、「通商産業省」じゃなくて「経済産業省」って言うんですよ」
    「おお、そうかい。。。。トシはとりたくないものだな。。。。」

  • 平成40年って何年? (スコア:1, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2006年11月09日 9時11分 (#1054379)
    元号使わなくて、西暦で表記してもいいんじゃないかと思うんですよ。
    日本独自の方法が好ましいのなら、せめて皇紀とか。
    • Re:平成40年って何年? (スコア:3, すばらしい洞察)

      by T.SKG (20663) on 2006年11月09日 13時17分 (#1054560) 日記
      国や地方自治体が元号を使いたがるのは、
      「役人の仕事は、役人が対応できなくなるぎりぎりまで、複雑化する」
      という、名前は忘れてしまったのですが、有名な法則の典型例です。

      色々な理屈を付けて余計な仕事を増やし効率を下げてくれます。
      この場合、明治、大正、昭和、平成、西暦 くらいが、対応可能な範囲で
      皇紀や、十干十二支などは、現在その範囲外ですが、彼らが暇になったら
      併用してくれるかも知れません。
      ただし、効率化の為ではありませんから、更にややこしくなるだけです。
      親コメント
      • >「役人の仕事は、役人が対応できなくなるぎりぎりまで、複雑化する」

        それもあるかもしれませんが、「2ケタの数字である」という使いやすい面があるからかもしれません。
        「2006年」だと4ケタもあるので、日常生活では今ひとつ使いにくいのです。「06年」だったらいいかもしれませんが 2010 年以降は「10年」と言ってしまうと平成10年なのか分からなくなってしまいます。

        米国でメートル法が普及せずポンド・ヤード法がはこびっているのも、SI 単位系は数値が使いにくい量になるからでしょう (メートル法だと人間の身長は3ケタですが、ポンド・ヤード法や尺貫法だと2ケタでよい)。

        # やっぱり、星新一の提唱した「弐扇」の元号を導入しておけばよかった。もしくは2001年に天皇を暗殺しておくか;-)
        親コメント
        • 今上陛下の御世が99年以上は絶対に続かぬと申すか、この不敬者が!!

          というか、"H18"とか"S~"とか"T~"とか"M~"、2桁どころか数字でも足りないです。
          もし次の元号がH/S/T/Mで始まる名前だったらどうすりゃいいんだろ。
          空気読んで避けてくれるかな?
          • #オフトピは大好きなので、あえて真正面から回答してみます;-)

            >今上陛下の御世が99年以上は絶対に続かぬと申すか、この不敬者が!!

            年齢 (今日現在で72歳) を考えたら当然無理だと思うので、不敬にはならないでしょう。
            もし、長生きして3ケタになりそうな場合は、無理矢理改元して2ケタに収めればいいのです。明治以前はころころ変更していたわけで、何かおめでたい行事をして改元すれば問題ないでしょう。

            # 大正並みに短かい元号になると予想していましたが、まだまだお元気そうなので、すごいと思っています。

            >というか、"H18"とか"S~"とか"T~"とか"M~"、2桁どころか数字でも足りないです。

            「数字部分が」2ケタであることがポイントです。3ケタ以上の数字が使いにくいという話なので。
            日本で駅ナンバリングが導入されたとき、韓国のように数字3ケタにせず、英字1文字+数字2ケタにしたのは、分かりやすさを重視したためでしょう。

            >もし次の元号がH/S/T/Mで始まる名前だったらどうすりゃいいんだろ。

            そういう名前は元号として選択されないでしょう。「平成」も、直近の元号とイニシャルが異なるという理由で選ばれましたから。その他の候補は S で始まる単語でした (というか、平成が選ばれるように、S 以外で始まる名前を先に落したという説もある)。

            そして「弐扇」にしていれば、999年もの間 N が使えて安泰だったのです;-) あ、そうすると「弐扇100年」以後は数字が3ケタになってしまいますね。ううむ。困りました。西暦2101年以後は「弐壱」とかに改元するかな?!
            親コメント
      • by tachyon (24078) on 2006年11月09日 20時05分 (#1054821)
        >「役人の仕事は、役人が対応できなくなるぎりぎりまで、複雑化する」
        >という、名前は忘れてしまったのですが、有名な法則の典型例です。

        「パーキンソンの法則」かな?
        親コメント
    • 95歳まで生きろ、と言う今上への願いがこもっているのです。
    • 私が40歳になる年なのでどしどし元号で表記してもらってかまわんです。
  • by Anonymous Coward on 2006年11月09日 14時53分 (#1054639)
    日の丸検索エンジンはいつ廃棄になりますか?
  • by Anonymous Coward on 2006年11月09日 14時59分 (#1054646)
     原子力発電、って小さい頃は夢の技術の様に思っていたけど、実際には、(実験炉とはいえ)25年程度しか稼働しなくて、大赤字で、解体に20年もかかるし、廃棄物の処理法もしっかりしていないし、、。
     今思うといったいどれだけ夢の無い技術なんだよ、と。(言い換えると夢だけ??)

     これらのこともひっくるめた「ふげん」での研究成果を踏まえ、今後の日本では「原発はやめときましょうか」ってことになるのかなー?
    • 宇宙空間なら、太陽からの放射線ですでに致命的だったりするから、原子力の欠陥なんて無いも同然。
      はやいとこ宇宙時代にして「最高のエネルギー」にしてくれ。(核融合は持ち運びが不便そう)
      (宇宙時代になって、もうない!なんて事になると困るから、今は使わんほうが良いなー)

      宇宙時代だと、地球 (あるいは太陽に近い固定基地) で使うエネルギーは太陽エネルギーだね。
      ただし、現在のような太陽エネルギーじゃなく、太陽近傍で効率的に作った電力をビーム送電するか、
      太陽近傍の粒子加速器で作った反物質を使う。(テロが心配だ)
      --
      the.ACount
      親コメント
    • いや、今は世界的に原子力発電が見直されてきているので、今後、原子炉製造は日本の基幹産業のひとつになるかもしれない。
      • >原子炉製造は日本の基幹産業のひとつになるかも

         産業としても活発になることに反対は無いけど、、。
         炉の製造が基幹産業にするには、それを使ったエネルギーの生産性や、廃棄物の処理技術や、炉の寿命やその解体技術などなど、もっと包括的に技術を上げなければダメだと思う。
         作るだけ作って、その他の問題は先送り先送りじゃーなぁ、。
         今回のニュースに関することを聞いてそう思ったよ。
        • うんうん。

          見直されてるっても、CO2排出量だけを見ての話ですからねぇ(--;
          運用コストが火力に比べて安いといっても、初期費用が大きいし、
          後始末もやっかい。

          まして、万一があってはならぬ。。に、本当に万全の体制を作ったりしたら
          運用コストすら火力を上回らないか? と、最近思います。
          (手抜きしてるから運用コストが安いんだ、とまでは言いませんが)
          親コメント
          • 仮に事故が起こったら
            「経済的には平均して約103.7 兆円、最大約457.8 兆円」(原子力発電所の事故被害額試算 [kyoto-u.ac.jp])
            だそうな。

            また、チェルノブイリの被害は
            「事故対策に必要な経費は四十億ルーブル、邦貨に直しまして約九千億円、その他の経費を合わせれば約八十億ルーブル、同じく邦貨に換算いたしますと一兆八千億円になるというふうにされてございます。」(原子力損害の賠償に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二六号)会議録 [shugiin.go.jp])
            だそうだから、旧ソ連と日本の物価等(約100倍)を考慮すると、日本ではやっぱ100兆円くらいになると思われる。

            万が一、つまり1万年なりに1度の事故を(一年あたりの)リスクとしてコスト計算したら、保険料がすごいことなって大赤字になると思う。

            実際には600億円だけ保険かけてて、残り99兆9400億円は(電力会社破綻後たぶん税金で)国にお任せよ
            親コメント
          • >見直されてるっても、CO2排出量だけを見ての話ですからねぇ(--;
            それですら廃棄物の処理を考慮しない事に依り成り立っている訳ですけどね。

            ヘタに増えて暫くすると、今度は既に使えない高レベル廃棄物を冷やすためだけにエネルギーを投入し続けないといけないって事になるのは確実なのですけど。

            #面倒だから希望家庭にはPt238でも1kg程度配れば暖房熱源としての電気が思いっきり助かるんだけどなー。
            #0.5kw程度はあるから実質無限無電源コタツが作れる。どうせ要らないんだろうし。

            • >今度は既に使えない高レベル廃棄物を冷やすためだけにエネルギーを投入し続けないといけないって事になるのは確実なのですけど。

              本当に確実なの?
              元々地下から掘り出した放射性物質を使ってるわけだから、また放射性物質を地下に埋めなおしてもそれほど問題ないように思えるんだけど、何で天然の放射性物質ならよくて、人の手の加わったものはダメなの?
              • 簡単な話で総量が増えとる。
                核物質って崩壊すると無難な物質になると思っているのだろうか?
                生成物は往々にして別種の放射性物質(でもって核燃料にはならん)のだが。

                だから保存後に放射線の強度が上がったりもする。

                ってか、その理屈だと北朝鮮が生みにタレ流すのはOKって事になるぞ。

              • > それをそのまま捨てずに発電に使っちゃおうってのがプルサーマルなのでは?

                「それ」って何でしょう? プルトニウムのことだけ?
                捨てる(というか「厳重に取っておかなければならない」)ものが無くなるわけでも。
                --
                "Patriotism is the last refuge of a scoundrel." - Samuel Johnson
                親コメント
        • 廃棄物の処理として打ち込みたい国には
          事欠かないのにな
    • 夢の技術、というのは「まだ実現していない」技術です。
      実現したら夢じゃなくて現実です。

      # 現実が幻滅そのものとしたら悲しすぎる。
  • by Anonymous Coward on 2006年11月09日 14時59分 (#1054647)
    これはもっと持つんじゃないの?
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コンピュータは旧約聖書の神に似ている、規則は多く、慈悲は無い -- Joseph Campbell

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