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13954 story

引退したYS-11が次世代機開発のために輪切りに 69

ストーリー by yosuke
おが 部門より

AcDcPwr 曰く、

国内では2006年9月30日に引退した、第二次世界大戦後生産された唯一の国産旅客機YS-11が、宇宙航空研究開発機構(JAXA)にて輪切りに解剖されて、次世代国産旅客機開発のために解析されているそうです(JAXA APGニュースJAXAプレスリリースJALプレスリリース)。
引退後も、解剖されて次世代機の開発に生かされるとは飛行機冥利(?)に尽きるというものではないでしょうか。解析データが次世代機に生かされる事を願いつつ、33年間日本の空をとんだYS-11の冥福を祈りましょう。
それにしても航空機の耐久年数は20年程度と言われるのに、飛行時間33年間で57,000時間とはYS-11は丈夫な飛行機だったという事が良くわかりますね。

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  • 飛行機の輪切りは (スコア:3, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2006年11月17日 4時42分 (#1059727)
    いかめしに似ている。
  • by calc (16044) on 2006年11月17日 0時51分 (#1059677) ホームページ 日記
    丈夫すぎる飛行機というのは言い換えるとぎりぎりまで無駄を削ぎ落とすだけのノウハウや技術力を持ちあわせてなかったということなので、実はあんまり自慢できる話じゃなかったりして……

    耐用年数までは決して壊れないけど耐用年数を過ぎたらすぐガタがくる、それが理想的な設計
    • Re:安全係数 (スコア:5, 興味深い)

      by NOBAX (21937) on 2006年11月17日 8時33分 (#1059752)
      原子力発電所並の安全係数を取ると
      飛行機は自重で飛べなくなるというのは
      業界の酒席でネタになる話題です。
      親コメント
    • Re:丈夫すぎる飛行機 (スコア:3, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2006年11月17日 2時34分 (#1059707)
      過分な剛健化ではなく、利益優先のコストダウンということでしょうか。
      YS-11は赤字がひどくなって製産終了に追い込まれましたが、
      その原因を《丈夫に作りすぎた》せいだけに押しつけるのは酷というものです。
      事故履歴 [wikipedia.org]をみると胴体着陸も何度か起きてますから、
      消費者からすれば丈夫すぎて無駄ということはありません。
      経営的に安全性と採算性の落とし所をどうするかと言う話でしょう。

      # まあ、YS-11はそれができないから製産終了したんだし、
      # そのツケを血税で賄ったのも事実ですけどね。
      親コメント
    • Re:丈夫すぎる飛行機 (スコア:2, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2006年11月17日 1時00分 (#1059681)
      >耐用年数までは決して壊れないけど耐用年数を過ぎたらすぐガタがくる、それが理想的な設計

      故障すれば人命にかかわるような乗り物で、そんな危なっかしい耐用年数の設定の仕方
      するわけ無いでしょう。
      家電やパソコンなんかと一緒にしないように。
      親コメント
      • by hgsdrk (13085) on 2006年11月17日 8時27分 (#1059750)
        必要な強度には幅があるものなので、耐用年数を過ぎる頃にその下限に達する、
        という意味なら、私は元レスの言うとおりだと思いますが。

        それに、経年疲労するところは、定期交換することを前提にして
        軽く(時間寿命を短く)作ってしまう、という手もあります。
        (もちろん、事故時のとかの強度は基準を満たして、ということですよ。念のため。)

        そういうところも一種の「ノウハウ」な訳で。
        親コメント
    • by Anonymous Coward on 2006年11月17日 1時02分 (#1059682)
      それをいうなら、当時の飛行機は皆多かれ少なかれ(今の基準では)無駄に丈夫だったのでは?
      ボーイング 707 のバレルロールなんてその最たるものだろうし。
      もちろんその後の検査技術、整備修復技術の進歩にともない、
      無駄なマージンを活用する寿命延長プログラムも積極的に組まれてますよ。
      親コメント
    • Re:丈夫すぎる飛行機 (スコア:1, おもしろおかしい)

      by Anonymous Coward on 2006年11月17日 2時58分 (#1059714)
      そんなことゆーたらB-52 [wikipedia.org]の立つ瀬がないですな。
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      • by Dobon (7495) on 2006年11月17日 8時56分 (#1059757) 日記
        「壊される」事が前提の爆撃機と、
        大事に使う事が前提の商用機を並べられても...

        --
        notice : I ignore an anonymous contribution.
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        • by Anonymous Coward on 2006年11月17日 19時30分 (#1060097)


          ふつう、航空機って軍用のもののほうが高寿命ですが、民間機もそれに劣るものではありません。ただ、競争の激しい表に出てくるような国際航空会社の花形路線などでは常に新型に置き換わっているだけです。
          もっというと、輸送機や爆撃機、哨戒機のたぐいと同じ規模の民間機とはそれほど構造的に差はありません。

          #航空機で使われる規格でMS規格(米国軍事規格)とNAS(国際航空宇宙規格)の両方があって、お互いに補完関係にあったりする。
          #そんなに違いはないよ。たとえばボーイングの購買仕様書は民間機だろうとMSは使われるし。そんなわけでそれほど違いはない。
          #軍用機にいったいどんな特別仕様を期待しているのかは知らないが……。

          今作っている飛行機も、最低40年はオーバーホールの体制を整えておくための計画をたてて設計されます。別に特異な例とは思えませんな。

          #少なくをも私は壊されることを前提に設計などしていない。
          #有事のとき、少しでも生存性を上げるための工夫はたくさんしているが。これは民間機の時でも同じ。
          #中の人なのでAC
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          • by Dobon (7495) on 2006年11月18日 2時21分 (#1060312) 日記
            高射砲や迎撃機の銃弾を浴びることを前提に、丈夫に作ってあるって事。
            飛ぶという機能を保持している期間なら、爆撃機の方が長くなるでしょう。
             非常に乱暴な言い方をすると『爆撃機は「機体のアルミが厚め」なので(材料の劣化の度合いが同程度ならば)強化された分だけ寿命に余裕がある』です。
            (ましてB52は核爆弾投下用。それなりの機体強度をもっている筈)

            ・輸送機・哨戒機は民間用の機体をそのまま使っているので寿命も同じ。
            --
            notice : I ignore an anonymous contribution.
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      • 軍用機は別に設計上の工夫をしなくても最初から長寿命だから。
        • by hgsdrk (13085) on 2006年11月17日 12時37分 (#1059871)
          軍用機は飛ぶ回数が少ないから長寿命なんです。
          民間機は1日に5回も6回も離着陸を繰り返しますが、
          軍用機は非常時以外は数日に1回くらいしか飛ばないんで。(特にアメリカ軍の機体。)
          ということで、並みの民間の767とかよりも圧倒的に「新しい」707(正確にはKC135)
          とかが大量にあるので、エンジン換えたり2マン化したり、といった話になります。

          民間だと、最近はさすがにアフリカの航空会社とかですら、707は賞味期間切れ気味です。
          親コメント
        • Re:丈夫すぎる飛行機 (スコア:1, おもしろおかしい)

          by Anonymous Coward on 2006年11月17日 8時48分 (#1059754)
          よーし、我が社の製品も信頼性向上のために「軍用」と名前を付けて売り出すぞ!

          #「NASA開発の新素材」みたいな感じだな…
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        • 軍用機の寿命というと、「撃墜されるまで飛べればいい」という意味だったりして。
          初陣で撃墜される率を考えると平均寿命は案外短いかも。
    • > 耐用年数までは決して壊れないけど耐用年数を過ぎたらすぐガタがくる、それが理想的な設計

      所謂"ソニータイマー"というやつは理想的な設計なんすかね…?
      # 噂だと思ってますけど

      まぁ、確かにレースカーとかではそういう話はよく聞きますね。
      でもあくまでそれは
      「無駄を削って、その分性能を上げる」というのが前提にあると思います。

      #だから何、ってことはないんですけど一応…
      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2006年11月17日 12時04分 (#1059852)
        > 所謂"ソニータイマー"というやつは理想的な設計なんすかね…?

        飛行機の場合、重量を削ればその分だけ客や貨物を載せられるようになるので、
        重量の軽減はそのままエアラインにとっての収益増になります。
        一方で重量を削ると構造の寿命が短くなり、耐用年数が減ってしまいます。

        もちろん削りすぎて耐用年数が極端に短くなっては元も子もありませんが、
        丈夫で長持ちだけど経済性の悪い飛行機というのも、
        エアラインにとって望ましい機体ではありません。

        エアラインにとっての収益が最大となる耐用年数をきっちり見積り、
        ギリギリのところまで重量を削った飛行機が一番という意味では、
        ソニータイマー (的な思想) は理想的です。

        # あらゆる工業製品について同じことが言えますが、飛行機の場合は特に
        # 重量と運用コストの相関が大きく、重量軽減への要求がシビアになります。

        YS-11の場合は、胴体着陸しても修理して使えるなんて頑丈さは
        エアラインから見れば過剰だったと思いますが、どこをどこまで
        削っていいかというのもノウハウですから、初めて作るときには
        設計を安全側に振ってしまうのも仕方のないことでしょう。
        親コメント
    • >耐用年数までは決して壊れないけど耐用年数を過ぎたらすぐガタがくる、それが理想的な設計
      ソニータイマーですか・・・
      ちょっと違う・・・
      --
      Minder
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    • ソニータイマーは理想的なのか?
  • F-22も買ってきて涙をのんで輪切りにすれば国産出来るかな?かな?
  • by Anonymous Coward on 2006年11月17日 1時14分 (#1059687)
    9月30日にラストフライトして退役したのは別の機体で、今回輪切りにされた8788は5月に既に退役していた機体でしょ。
  • by marineblue (32426) on 2006年11月17日 1時50分 (#1059697)
    > 第二次世界大戦後生産された唯一の国産旅客機YS-11
    ちょっと前に話題になった HondaJet って国産旅客機だよね?
    • by ko-ji.t (21285) on 2006年11月17日 4時33分 (#1059725)
      > 第二次世界大戦後生産された唯一の国産旅客機YS-11
      >ちょっと前に話題になった HondaJet って国産旅客機だよね?
      まだ開発中なので生産されていませんね。
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    • Re:HondaJet は? (スコア:2, 参考になる)

      by soltiox (25610) on 2006年11月17日 6時44分 (#1059733) 日記
      旅客機ではありませんが、三菱のMU-2 [wikipedia.org]/MU-300 [wikipedia.org]
      のことも、たまには思い出してあげてください。
      親コメント
      • by Canadian (31348) on 2006年11月17日 8時42分 (#1059753)
        固定翼ですらありませんがMH2000 [wikipedia.org]も思い出してあげてください。
        MH2000も 輪切りYS-11落下衝撃試験 [apg.jaxa.jp] と同様に MH2000全機落下衝撃試験 [apg.jaxa.jp] を行っていますが,MH2000の生産数は大変少ないので(10機は作っていないはず)1機まるまるつぶすというのは大変なことです。
        生産数が少ないためJAXA所有機以外で飛行中のMH2000を見ることは難しいという意味で「忘れられた航空機」なのかもしれませんが…。
        親コメント
      • by Anonymous Coward
        MU-2は旅客機として使われている処もあるよ。

        まあ、例えば日本でも調布大島にはアイランダーなんかが飛んでいるんで、ローカルなコミューターラインなんかは、思っても無いものが「旅客機」として飛んでたりするんだけど。

    • by Anonymous Coward
      ビジネス機って旅客機に分類されるの?
      確かにあれで旅客運送営むことも不可能ではないだろうけど。
  • by maia (16220) on 2006年11月17日 4時49分 (#1059729) 日記
    JAXAプレスリリース [www.jaxa.jp]
    入手したYS-11退役機体の運航履歴や整備・修理記録を整理するとともに、実機の経年劣化、損傷の実態を調査して開発時の想定との比較研究が可能になり、日本で初めての航空機のライフサイクルに関するデータベースを作ることが可能となります。

    また、JAXAとしては、搬入されるYS-11型機の機体を構造的に調べ、構造を複合材化した場合の重量軽減の効果を確認するなど、次期国産旅客機開発に向けて、特に胴体及び客室構造、あるいは主翼構造の安全設計に役立てることを検討しています。
    YS-11は、長い実証試験だったのか(違
    #早くMJが飛ぶといいなあ。
  • 丁度こんなニュースやってますね
    http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061117-00000013-fsi-bus_all [yahoo.co.jp]
    • その全翼機、前世紀の末あたりからNASAやボーイングが研究してるんですが、あと20年とか30年とか経たないとモノにならないのでは。
      そんな形の与圧区画をどうやって作るのかがまず難題だし、翼の上の、しかもあんな後方にエンジン置いたんじゃ効率悪いし、
      それよりなにより窓のない客室に半日以上閉じ込められる旅客機ってどうよ。
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2006年11月17日 10時57分 (#1059823)
    これだけ読んで国際宇宙ステーションのモジュールに転用するのかと思った
typodupeerror

あつくて寝られない時はhackしろ! 386BSD(98)はそうやってつくられましたよ? -- あるハッカー

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