パスワードを忘れた? アカウント作成
13999 story

ヒトの遺伝子の約3,000個にコピー数の個人差 49

ストーリー by yosuke
オーダメイド医療の実現に近づいたんだか遠のいたんだか 部門より

Anonymous Coward 曰く、

毎日新聞の記事によれば、東京大学 先端科学技術研究センター(RCAST)の 油谷浩幸教授らを含む国際チームが、HapMapプロジェクトにある日本人を含む270人分の検体について調べたところ、ヒトゲノム全体の約12%にあたる領域でそのコピー数に個人差があることが判明した(東大 RCAST システム生物医学ラボラトリーのプレス・リリース, Nature Newsの記事)。この領域には、2,909個の遺伝子が含まれているとのこと。
通常ヒトの細胞には同じ遺伝子が二つあり、父親と母親から1コピーずつ受け継いでいる。しかし個人によっては、本来二つある遺伝子が一つしかなかったり、三つ以上ある場合もあることが近年わかっていた。これはコピー数多型(Copy Number Variation: CNV)と呼ばれており、数が多いとHIVに感染しにくい遺伝子やアルツハイマー病を発症しやすい遺伝子なども報告されている。
今回の研究により、これまでに考えられていたよりもはるかに広い領域でCNVが見られることが明らかになった。多型としてよく知られている一塩基多型(Single Nucleotide Polymorphism: SNP)と同様に、CNVも個人間のゲノムの多様性に大きく寄与している可能性がある。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2006年11月23日 18時55分 (#1063436)
    > [ コピー数多型(CNV)とは? (ウィキペディア) ]

    東大のプレスリリースにこういう形で Wikipedia へのリンクがあるというのが、なんというか、すごいなあ。隔世の感というか、無用心だなあというか。
  • by Dobon (7495) on 2006年11月23日 19時02分 (#1063439) 日記
    このようなバリエーションを多く生成する仕組みが、あちこちにあるんでしょうね。

    # たくさんの「個性を作り出す仕組み」があるのに、めったに交配可能な範囲を超えないのは、進化の妙、でしょうか。
    --
    notice : I ignore an anonymous contribution.
  • by NOBAX (21937) on 2006年11月23日 19時21分 (#1063447)
    に出来上がってるんだと思ったよ。
    このいい加減さが進化の源なんだろうね。
    いつか超人間が生まれて来るんだろうな。
  • by nitonito (2431) on 2006年11月23日 18時29分 (#1063429)
    いわゆるコピーミスだろうから、遺伝子のどの箇所でも起こりえるのでは、、、。
    もっとサンプル数を多くすると、どんどん割合が増えるんじゃないの?
    • by Anonymous Coward
      真面目に「コピーミス」っていってます?(・_・)
      • by nitonito (2431) on 2006年11月23日 20時32分 (#1063471)
        その言い方からすると、コピーミスではなく、「仕様」だということか。どうしてコピー数多型が起こるのかという理由と仕組みは明らかになっているのなら、せひ教えてほしいな。「多様性を生み出す』という結果になっているのはわかるけど、それはシステマチックになされていることなのかな。
        親コメント
  • とある遺伝子のコピーが
    ・無い(大本のみ)
    ・一つ(正常?)
    ・二つ
    ・三つ
    ……
    が、そのままアルツハイマー症への耐性を表してる、というなら、正にコピーの数が耐性を決めている、ということになるような気が。

    その「コピーの数」という情報がちゃんと遺伝されるのか、ランダムなのかも見極めないとね。
  • ようするに遺伝子操作で病気に強い人種を作るための準備ってことになるんじゃないかと思うのですが。。。

    遺伝子操作じゃないけど、
    ある国とある国のハーフの人は、ある病気に強いとかいう話があったような気がします。
  • by Anonymous Coward on 2006年11月23日 17時47分 (#1063410)
    一瞬クローンの話かと思ったよ。

    --
    ある意味クローンなんだけども。
  • by Anonymous Coward on 2006年11月23日 18時51分 (#1063434)
    人体には誤り訂正の仕組みは存在しないのかね
    • Re:ぜひCRCを… (スコア:5, 参考になる)

      by mik_naruto (26947) on 2006年11月23日 21時44分 (#1063508)
      おお、素敵な質問ですね。
      遺伝子をコピーする際には何重もの誤り訂正メカニズムがありますし、そもそもDNAが分子である以上、熱運動やら何やらで経時的に崩壊するもんですから、それを修復するための何重ものメカニズムが存在します。

      Wikipedia - DNA修復
      http://ja.wikipedia.org/wiki/DNA%E4%BF%AE%E5%BE%A9 [wikipedia.org]

      修復が完璧すぎると進化はあり得ませんし、修復が雑過ぎるとそもそも個体として生きていけません。その辺の見事なバランスを想像しながら生化学の講義なんかを聴いていると、生命の神秘に感動すると同時に、とてつもない眠気に襲われます。

      # 遺伝子工学難しいから嫌い
      親コメント
      • Re:ぜひCRCを… (スコア:3, 参考になる)

        by Meth610 (31617) on 2006年11月23日 22時18分 (#1063537)
        ヒトの場合はそう多くはないらしいですが、これがHIVの逆転写酵素なんかだと、
        一回の複製につき30%くらいの割合でゲノムに変異が出るのだそうです。
        (ワクチンを打ってもほとんど効果が無いし、逆転写酵素阻害剤もすぐに効かなくなる)

        遺伝子変異を積極的に起こしているものとしては、ヒトの細胞ではBリンパ球でしょうか。
        抗体遺伝子群にどんどん変異を起こして、様々な抗原に対処しているらしいです。
        親コメント
        • by El-ahrairah (21981) on 2006年11月24日 10時03分 (#1063759) 日記
          必ずしも 遺伝子変異 == 避けられるべきもの じゃないのですね。
          どうやって積極的に遺伝子変異を起こしているのでしょうか?
          修復機構の働きを抑制するという方法でしょうか?

          --
          Be generous with your life.
          親コメント
          • 最初からパーツ毎に何種類か用意してあって、残す種類以外を除去してるんじゃなかったっけ。
            親コメント
            • by Meth610 (31617) on 2006年11月24日 16時42分 (#1063973)
              > 最初からパーツ毎に何種類か
              VDJ組み替えとか呼ばれるらしいですね。
              http://blogs.dion.ne.jp/new_world/archives/1461692.html [dion.ne.jp]

              染色体上にV遺伝子群、D遺伝子群、J遺伝子群が順にあって、
                ...--V1--V2--...--Vn--D1--D2--...--Dn--J1--J2--...--Jn--C--...

              V, D, Jからそれぞれ一つが選ばれて、残りが切り取られます。
                ...--Vn--Dn--Jn--C--...

              似たようなことが別のもう一カ所でも起きていて、全体の組み合わせは数百万だとか数千万だとか。

              更にこれのほかに、体内での細胞分裂の際に意図的にコピーミスを起こして
              VDJの指示をまるごと書き換えるようなこと(フレームシフト変異)もしているようです。

              ホ乳類の場合、生まれたとき既に一億種類くらいの抗体を持っているらしいので、
              まともに一つひとつコードしていては、遺伝子「全体」の数に比べても
              抗体を作る分「だけ」で何桁分も不足してしまう計算になるということです。
              親コメント
    • by Anonymous Coward
      ソレを言うならECC
  • by Anonymous Coward on 2006年11月23日 20時48分 (#1063476)
    そんなにわかってんなら健康診断みたいに遺伝子診断やって欲しいな。 どんな病気になりやすいかわかってたら日常生活でいろいろ注意できるからね。
    • by Anonymous Coward on 2006年11月23日 21時35分 (#1063497)
      医師ですが、やめといた方がいいですよ。
      「糖尿病のリスク」程度ならともかく、世の中には平均寿命20歳で発症率100%とかいう病気もゴロゴロしてるんです。
      60歳まででアルツハイマーとなるリスク40%、とか、子供が結節性硬化症を発症するリスク25%とかが本当に全部分かっちゃったら、のちのち凄いトラブルになりますから…。
      自分自身だけのことならともかく、家族や子孫にも全部影響しますんで。
      親コメント
      • ちょっとその言い方はどうでしょう.
        遺伝的なリスクが分かればそれに対処した生活習慣の改善で発症リスクを減らすことができるのに
        「知らないほうがいい」というのは「そりゃ医者は治療じゃないと点数つかないからね」と言われ
        ても仕方がないですよ.
        面白い話としては,ショットガン法でゲノム解読を行ったCraig Venterは自分のゲノムをサンプル
        に使ったのですが,ゲノムを解読したおかげで心臓病のリスクが高いことが分かって食習慣を改善した [geneticsandhealth.com]
        という話があるそうです.(噂としてはアルツハイマーも,と聞いたことがあったのですが,ちょっ
        と真偽は分かりませんでした)

        もちろん保険会社が遺伝子診断を加入者に義務づけたり結婚時に提出させるといったことになれば
        社会問題化するでしょうが,本人が自分の健康のために行うことは公衆衛生上も望ましい部分があ
        ると思います.
        --
        kaho
        親コメント
        • Re:遺伝子診断 (スコア:3, すばらしい洞察)

          by Anonymous Coward on 2006年11月23日 23時58分 (#1063597)
          ヒトはそんなに強くないのですよ
          親コメント
          • by Anonymous Coward
            お見合いの時には、血統書の提出が求められるようになったりして。

            私の場合は、肥満と禿と糖尿病に関係する遺伝子が見つかりそうだけど、
            もしそんなことになればますます結婚が遠のくな。
            • by Anonymous Coward
              > 私の場合は、肥満と禿と糖尿病に関係する遺伝子が見つかりそうだけど、
              > もしそんなことになればますます結婚が遠のくな。

              まだ発症(?)してないなら今のうちに。
              食生活を見直して、適度な運動をすれば、何とかなりそうな気がしますけどね。
              禿は、、、禿の内容によるかな。

              # ジョースター家並に代々短命ッ!! なので AC
              • by Anonymous Coward
                ># ジョースター家並に代々短命ッ!! なので AC
                ひょっとして、孫よりも年下の隠し子がいるんじゃないでしょうね?
                #承太郎が仗助の甥だというのが未だに納得できないAC。
        • by Anonymous Coward on 2006年11月24日 5時58分 (#1063703)
          遺伝子診断をしたところで、「リスク」を正しく扱えないと思います。
          頭では理解していても、『リスク有り=将来なる』と考える人はかなり多いです。

          また、生活習慣の改善でリスクが減る病気なら、そもそも遺伝子診断の必要が有りません。
          最初から生活習慣を改善すれば、同じ結果が得られるのですから。
          自分の健康にちょっと興味がある人を引き込む効果がどれくらいあるかは不明ですが、
          「リスクあるから改善しよう!」と思う人は、遺伝子診断なんかしなくても初めから対処しているものです。
          公衆衛生学的には、同じコストをかけるなら、別の方法をとるでしょう。
          親コメント
          • by Anonymous Coward
            敵を知り己を知らば百戦危うからずと言いますよね。
            より正確な情報を根拠により適切な対処をすれば、もっと確実に病気を避けることができますよ。
        • by Anonymous Coward on 2006年11月25日 8時57分 (#1064254)
          ですから"「糖尿病のリスク」程度ならともかく"と書いてあります。
          確かにそれは「生活習慣のくふう」といった程度で発症リスクを減らせるんだから、メリットがなくはないと思います(経済性とか延長寿命とかとのバランスも考慮しないといけませんが)。

          …ただ、発症率90%以上で有効な治療法なし、といった、殆ど末期癌の余命宣告にも等しいような診断が、子供の時期、いや胎児の時期、いや結婚以前の段階から可能だったりするわけです。
          うちの病院でも、本当に遺伝性の重病の家系が疑われた場合、遺伝子解析を患者や家族や親戚にお願いすることがなくはないですが、「解析結果が親類縁者子孫一同にどのような影響を及ぼすか」を考え、倫理委員会通して、凄く慎重になってやっています。
          個人的にはそれと表裏一体の「糖尿病リスク」とかも、あんま普及するのは怖いという危惧はあるので、無邪気な「検診受けたいなー」という意見を見て反応してしまいました。説明不足ですみません。

          既に現実にある問題としては「ダウン症の出生前診断」という問題があります。興味がある人はこのキーワードでググってみてください。
          親コメント
        • by Anonymous Coward
          病は気から、って諺もありますよ。
        • by Anonymous Coward
          その人が生活を改善する可能性のほかにその人が自ら命を絶ってしまう可能性を検討するべきでは?
    • by Anonymous Coward on 2006年11月24日 1時43分 (#1063658)
      それをやると保険契約時に健康体であっても遺伝子的なリスクの高い人は
      生命保険料が超高額になったり契約を断られたりしそうですな。

      未来になりそうな病気などが分かってくると、人生設計でも遺伝子は
      重要なファクターになるので、どんなに優秀な人でも遺伝子がダメというだけで
      病気になる前から結婚就職その他で差別されてしまう遺伝子差別とか起きそう。
      親コメント
    • by foobar2006 (30156) on 2006年11月24日 23時50分 (#1064165) 日記
      そして、妊娠中の遺伝子診断とかが発達すれば、遺伝子の幅を「現環境での健康体」に狭められ、
      現環境に最適化した自らの子孫が、将来なんらかの伝染病や環境変化で全滅するリスクを
      高めることになるー。

      # 前にテレビかなにかで見た話で、村の全員が若死する遺伝子を持ってるが、
      # ここの人達は中世のペストでは死亡率低かった。。とかあるので。
      親コメント
typodupeerror

ソースを見ろ -- ある4桁UID

読み込み中...