青空文庫、著作権保護期間延長に反対の署名呼び掛け 112
ストーリー by yoosee
皆で幸せになろうよ 部門より
皆で幸せになろうよ 部門より
ITmediaの記事によると、 主に著作権切れの文学作品を電子化して公開している 青空文庫は、 著作権保護期間の延長に反対する署名を集めているようだ。集められた署名は国会に提出される予定としている。青空文庫のにある署名集めを呼びかけるページにあるPDFを印刷して記名したのち郵送すればいいとのこと。教えて!gooによると署名は手書きするか記名押印でないとダメらしい。ネットでの呼びかけがどれだけ有効かは微妙かもしれないが、趣旨に賛同される方は是非協力を。
この件に関してはスラドでも何度か記事になってますが、青空文庫も反対じゃなくて、もう一歩進めて、死後30年にするとか、発表後50年にするとかにしたほうが「間をとって結論を出す」ことがわりと多い世の中では有効かもしれません。
タレコミ文への補足 (スコア:5, 参考になる)
『著作物を利用する権利についても考えよう』というのが、今回の署名活動の動機だと察せられるのですが如何でしょう?
// 情報源に直接当たらずに評言を挟むとマスゴミと同じになるのでご用心。
著作権vs特許 (スコア:5, 興味深い)
同じ知財でも、特許と著作権で権利期間にえらい差があるのはなぜなのだ?
特許;有効期限は15年、しかも自分の発明物であっても、出願よりちょっとでも先に発表していると無効、さらに審査を受けて認定されなければ、有効にならない。(例外規定があるのは知っているが、大した期間ではない)
これに対して
著作物;作成した時点で権利発生、以降作者の死後50年?まで有効(理解不足と勘違いがあったら申し訳ない)
両者とも、技術の発展・文化の発展を理念に制定されているのにこの差はなんだよ
やたらに特許の有効期限を延ばすと、技術の遅延をまねき、ひいては社会的な損失になるから、15年ってことか?
ならば、著作物は社会的影響が少ないから、延長OKってことか?
影響力の少ない人間の方が、声がでかく、いつまでも過去の遺産で食って行けるってシステムなのでしょうか?
著作権のむやみな延長は、どんなに綺麗ごとをいっても、ゼニゲバ発言にしか聞こえない、、、
著作物に対して、本を書いても大して売れない専門書だから、一人でも多くの人に読んで貰えばOKって立場の、負け犬技術者のコメントでした。
負け犬だがIDで、
わんわん
Re:著作権vs特許 (スコア:3, おもしろおかしい)
ディズニーは発明家ではなかったから。
著作権の保護期間も最初は14年だった [wikipedia.org]のですよ。
Re:著作権vs特許 (スコア:2, 参考になる)
それぞれが保護しようとしているものの特性や使われ方による違いだと思います。
特許で保護される「アイデア」は、それを利用した製品によって初めて価値が生まれますし、
それを下敷きにした別のアイデアを更に積み上げることで別の価値が生まれ、
技術の発展に繋がるわけですよね。
一方で著作権で保護される「表現」や「著作物」は、
それ自体が読まれる/見られることに価値があり、
それにより文化の発展を志向しているものだと思います。
# 批評やパロディなどはあくまで副次的なものと考えられているかと。
また、別の観点では著作物が著作者自身を体現する側面があるため、
属人的な側面を強く持つことがあげられるでしょう。
# 「著作人格権」「死後XX年」などはここに起因するのでは。
という理念的な話はともかく(ぉぃ)、
特許……出願者自身が別の特許の利用者であることが多く、
影響力の大きい大企業自身が出願・利用のバランスを取る必要がある
著作権…著作者と利用者はおおむね乖離しており、
前者が団体などで影響力を行使するのに対して、
後者については直接的な発言権が無いことが多い
というあたりが実際のところかと思います。
Re:著作権vs特許 (スコア:2, 参考になる)
「技術を公開すれば、○年間は独占的にその権利を認めますよ。ただし、権利を認める代わりにその方法は全部公開してね」というのが趣旨です。
技術を秘密にしたければ、独占権を得ない代わりに秘密にする、という選択ももちろん可です。(しかし技術は秘密にしてもそのうち誰かに発明されてしまうものです)
対して著作権は、作品のデッドコピーによってオリジナルの権利が失われるのを防ぐものです。芸術作品は公開しなきゃ意味がないわけで、技術のように秘密にして守るという選択肢はありません。
Rいくつの円で角度いくつの位置に耳を書いて…という「某ネズミの描き方」という技術はあるかもしれませんが(それで特許をとっていれば面白いかったかもしれない)、その技術を秘密にしたところで完成した「某ネズミ映画」のコピーは防げません。
しかし、「某ネズミの描き方」を使って違う映画を作ったとしても、完成した映画が「某ネズミ映画」と似ても似つかなければそれは別の芸術作品です。
権利範囲も目的も違うから同じ期間でなくても不思議はありません。(特許と同じ期間でも問題はない気はしますが)
Re:著作権vs特許 (スコア:2, 参考になる)
特許は所有権ですが、著作権はそうではありません。
この辺の違いも大きいと思いますよ。
特許は、土地とかと同じで排他的な権利です。複数の人が同じ内容の出願をした場合、早い方にしか権利が与えられません。
しかし、非常に強力な独占権にもなりますので、特許法の本来の趣旨を逸脱して技術の発展を阻害しないよう(著作権に対し)権利期間は短いです。
著作権は、複数の人が同じ内容の著作物を著した場合、それぞれ独創したものであれば、それぞれに権利が与えられます。
誰かが唯一所有するという性格のものではありません。
このように著作者の表現を保護する目的に対し、排他性による問題は生じないので、(特許に比較し)権利期間は長いです。
余談ですが、知的財産という言葉が一般化する前、知的所有権という表現もされていた時代、知的所有権には著作権は含まれていませんでした。
日本だけで勝手に決められないのよ。 (スコア:4, 参考になる)
そして、ベルヌ条約の七条には以下のように定められています。
てなことで、50年は必須なんですよね。(これ以上保護するのは勝手にできると思うけど、縮めるのは無理と言うこと)
個人的には著作者が死んだ後は、民法の時効程度保護期間が延長すればいいと思いますが、国際協定があるので勝手に縮められないんですよね。 だから、必要最低限度にしておけばいいと思います。
-- 哀れな日本人専用(sorry Japanese only) --
Re:日本だけで勝手に決められないのよ。 (スコア:1)
ないように思われるんですが、どうなんでしょう?
著作者の権利保護と文化の発展を両立できる絶妙な期間として「死後五十年」と
いう線引きをしたのであればなおさら。
Re:日本だけで勝手に決められないのよ。 (スコア:4, 参考になる)
-- 哀れな日本人専用(sorry Japanese only) --
インターネット世論への踏み絵 (スコア:3, 興味深い)
既存のマス・コミュニケーション団体のスタンスが著作権利者側だからでしょう。
もし、この問題があまり盛り上がりを見せないとしたら、
インターネット世論などというものは、結局既存のマスコミの世論誘導・フィルタリングに
乗せられている従属物に過ぎないことを確認させられることになります。
そのような残念な結果にならないように願っています。
# いくら叩かれていてもマスコミの力は偉大なのかもしれないと、寂しく思いつつ過ごす年初
Re:インターネット世論への踏み絵 (スコア:2, 参考になる)
親とかと会話してわかったんだけど
ネットに接しない生活スタイルの人は
社会の情報を得る手段がTVの報道や新聞からが主なので
マスコミが取り上げないと、そもそもそういう議論・問題が起きていることも気づいてないし、
報道について疑問は持たないし、ミスリーディングされているかもしれないという疑問もまったく持ってないんだよね。
NECの100%子会社のNECエンジニアリングで巨額の架空取引あったのにお咎めなしな不可解な件は事件そのものを知らないし。
ライブドアの家宅捜索は耐震偽装の小嶋の国会証人喚問日の前日にぶつけられてるのも疑問にも思ってないどころか知らなかったし。
堀江被告のスイスの口座が凍結されたのは産経やFNNで報道されたけど、結局何も出てこなくて解除されていることは報道はほとんどされてなくやっぱり知らないし。
興味がないんじゃなくて、報道する側の利益にそぐわないので「きちんと報道されていない」「ミスリーディングな情報を流す」という状況で、そういう媒体に依存している人達にはこの問題を認識されてないだけでしょ。
Re:インターネット世論への踏み絵 (スコア:1, 興味深い)
○多様な意見を見聞きしきちんとした事実をつかむ
○自分の気に入る意見を見つけ(に出会い)マスコミが流す以上のデマを信じる
のどっちになるかなんて一概に決められない。
正直、NEC子会社の架空取引事件を知ってようがどうであろうが、どっちでもいいと思いますしね。
Re:インターネット世論への踏み絵 (スコア:1)
マスコミが取り上げないのはみんなが興味がないから、かもしれません。
もしかするとマスコミが取り上げないからみんなが興味を示さないのかもしれません。
実はマスコミは(世論をあおるべく)十分にこの問題を取り上げているのかもしれません。
あるいはやっぱりマスコミはこの問題をあえて無視しているのかもしれません。
ニュースの取り上げ方について、本来どうあるべきかは誰にも決められないかもしれませんが
ただこと著作権関連に関して、マスコミにあまり期待できそうには思えないのですが
そういった前提の下で、どれだけインターネット世論が形成されるのか興味深く見守ってます。
手書きの署名 (スコア:2, 興味深い)
OKなら作ってみたいな。
Re:手書きの署名 (スコア:1)
気がします。
映画と同じく保護期間は70年でもいいじゃん (スコア:1, 興味深い)
きっと老年のアーチストの制作意欲も湧くことでしょう。
著作権一定期間後は有料ってのは? (スコア:2, 参考になる)
毎年2%ずつ税率が上がって青天井というのはやり過ぎのような気がしますが、
この問題、一定期間以降は著作権を有料というのが現実的な解ではないかと思います。
権利者団体が著作権の延長を求めるのは、一言で言うと将来の利益確保のため以外の
何者でもないと考えます。しかし、死後50年後も十分な利益が得られる著作物は極一部
の著作物に限られるのではないでしょうか。
であれば、その利益が得られる一部の著作物のみ有料で著作権の延長を認め、それ以外
の著作物はパブリックドメイン化するのがいいのではと個人的には思っています。
例えば、死後50年以降は年間100万円で定期的(毎年とか5年おきとか)な更新手続きが必要
という感じなど。
ただ有料化するとなると、著作権を一元管理し料金を回収する組織を新に作らなければならないとか
実現させるためには色々問題があるとは思いますが。。。
対案吉日は大安 (スコア:1)
よって年数はそのままでいい、ただし要件をつける。
著作者の意志(遺志)とポリシーを継承出来る人がその権利を継承出来る。
主たる相続者が年少で法的な判断が出来無い場合は、
選任し選出された後見人に、預ける。
選任者は、先の相続人の事務手続き上の代表でしか無く、著作権の全体を有しない
選任者は、著作権者の意志(遺志)とポリシーをもって、主たる相続者を補佐する。
主たる相続者が成人したら、著作権のすべては、その主たる相続者の管轄にはいる。
とかね。
#一子相伝とかだったら面白くなるな。
#宇宙の海は俺の海の人、もう止めてください
#ハーロックが一番嫌う人種になってますよ?
遺族が意志を継承するとは限らない (スコア:2, 興味深い)
著作者自身が再版を拒否していたにもかかわらず、本人の死後遺族が承諾したので再版が決定した例 [book-ing.co.jp]なんてのもあります。
ま、この件に関してはいろいろ事情があった [book-ing.co.jp]様ですが。
Re:対案吉日は大安 (スコア:1)
登録しない場合は死後15年ぐらいにして、本人なり相続人なりが登録すれば延ばせるようにしておく。
登録は多少の事務手数料を取って、保護期間が長いほど高額にすればいい。
そうすれば無駄に死蔵される著作物も減るだろうし、ずっと儲かる著作物なら払えるだろう。
○年延長するごとに×円、としておけば儲からなくなった著作物は解放される。
集めた手数料で(足りなければ税金か…?)著作権の保護期間を調べられるデータベースを運営すればいい。
登録の金額は高額すぎてはいけないなど、配慮は必要だろうけどね。
個人なら多少安く、企業なら高めに価格設定するのもいいかもしれない。
----- 傷の治療は傷より痛い -----
Re:対案は大事だよね (スコア:4, 興味深い)
Re:対案は大事だよね (スコア:3, すばらしい洞察)
せめて「著作者から直接著作権を相続した人」とかにしないと。
Re:対案は大事だよね (スコア:3, 興味深い)
「今のままでいいじゃん、現制度のメリットを超えて余りある問題点でもあるの?」というのも立派なスタンスですよ。
あるいは「今の死後50年は長すぎる。死後xx年にしろ (xx < 50)」とか「今の死後50年はおかしい。公開後yy年にしろ」というのもありかも知れません。
権利者の所在がわからなくなる/Re:対案は大事だよね (スコア:3, すばらしい洞察)
現状でも、著作権継承者の所在がわからず掲載許可を得るための連絡が取れず、
思ったようにアンソロジーが編めない、といった問題が起きています。
著作権継承者の所在確認のコストを増大させるような案は全然よくありません。
あるいは連絡がとれても、生前の著者とほとんど交流のなかった遺族が反対して
著作物の再利用が阻まれる、といったこともありえます。
保護期間を延長すればするほど、著作者の意図を離れた取扱いが生じる可能性が
高くなります。
著作権の保護と称した措置が著作物の流通を妨げる方向に機能するのは本末転倒です。
Re:権利者の所在がわからなくなる/Re:対案は大事だよね (スコア:2, 興味深い)
> 思ったようにアンソロジーが編めない、といった問題が起きています。
のような許諾を得るための手続きに関する問題と、
今回のような著作物利用で発生する利益とその期間の問題は
切り離して考えたほうがいい落としどころが見つかるのではないでしょうか。
許諾問題に関しては、67条の裁定手続きをもっと現実的な運用が可能なように、
例えば「相当な努力を払ってもその著作権者と連絡できないとき」の条件を外し、
裁定手続きを簡素化するなどの方策を検討すべきでは。
Re:権利者の所在がわからなくなる/Re:対案は大事だよね (スコア:1)
いっそ、
1)一律の保護期間は死後25年とかにしておいて、
2)それが切れるまでに著作権継承者が“日本文藝家遺族会”かなんかに一定の登録料を支払って登録した場合のみ50年とかに延長できる、
という仕組みはどうかしら、とも考えるのですが。
Re:権利者の所在がわからなくなる/Re:対案は大事だよね (スコア:1)
あれ?聞いたことある話 [srad.jp]だな。
Re:対案は大事だよね (スコア:3, すばらしい洞察)
この場合は「延長に反対」なのですから、自動的に、「対案」は「現行のまま」ということになるでしょう。別に「著作権保護期間を変更しなければならない」と決まっているわけではないのですから、「延長反対」だけを述べたからといって非難される謂われはないでしょう。
それに、対案は大事かもしれませんが必須というわけでもないでしょう。反対の理由が明確になっていればそれでよいと考えます。その理由が妥当であると判断されれば原案は修正されるか撤回されるでしょうし、そう判断されなければ原案通りになるというだけの話です。
Re:対案は大事だよね (スコア:2, すばらしい洞察)
#個人的には死後云々ではなく記録媒体に固定されてから50年とかが良いと思うのだが…。
◆IZUMI162i6 [mailto]
Re:対案は大事だよね (スコア:1, 興味深い)
おまいは吉野家のカウンターに飛び乗った男が「これからウンコします」と言ってズボンを脱ぎ始めても
「反対するだけじゃなく対案を出さなきゃ駄目だ」
とか言って制止しようとする店員を止めるのか
Re:対案は大事だよね (スコア:1)
そもそもうんこに代替手段なんて無いでしょう。例えが悪すぎますよ。
Re:対案は大事だよね (スコア:2, おもしろおかしい)
青空文庫は対案を出して、それでも現行案で成立したら国会を爆破すればよい
と?
Re:対案は大事だよね (スコア:1, 興味深い)
#バレバレかもしれないけど一応AC
Re:対案は大事だよね (スコア:1)
延長して保護してもらおうというのなら、それなりの対価を支払うべきところまで来ているとは思う。
保護システムを構築と維持にも、それなりのコストがかかるしね。
例外は裁判で処理すればいいんだし。
Re:対案は大事だよね (スコア:1, 興味深い)
私は、「今より短くするべき」なんて一言も言ってないんだがな。「長くするべき」とも思ってないが。
著作権も財産権のひとつとして、普通の資産となるべく同じような扱いにするべきだと思うんだが、君たちは、著作権者には財産を認めたくないのかい?
Re:対案は大事だよね (スコア:1)
著作権法における「遺族」は
「死亡した著作者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹」
だったと思いますが、どうやって「適当に作る」のでしょうか?
利権のためには養子縁組も辞さないってこと?
…ってのを懸念するのであれば、「生計を一にする」などの規定を盛り込めばOK?
Re:対案は大事だよね (スコア:1, すばらしい洞察)
形式的に書類上の法人を作って,ずっと同族経営していけば,子々孫々まで永遠に著作権が残ることになっちゃいますけど.
かなり偏見に満ちた感想というのは自覚していますが,世間の著作権の議論を見ていると,基本的に著作権の延長を求めてる人々ってのは(ディズニーの例を出すまでもなく)実は大半が法人の意見のように思えます.個人として延長を主張してる人だって,それなりの大きさの自分の会社を持ってるor持とうと思えばいつでも持てるレベルの人ばかりに見えます.要は,オレから見ると,現時点で会社としてやっていけるくらいに儲かってる人々が「子孫までこの儲けを維持させたい」って意図を持ってるように思えるのです.ですので,どんな形であれ「永遠に権利を残す」っていう道を作ってしまったら思う壺だと思うのですが.
Re:対案は大事だよね (スコア:2, 興味深い)
書き忘れたが、権利を得る以上は義務も負ってもらうようにするべき。
著作権税みたいなもので、それ持ってるだけでなんらかの支出の義務は負ってもらう。
最初から義務があると著作業として苦しくなるだろうから最初の数年のみは免除。そして義務が発生する時点で、著作者はその権利を維持するか放棄するかを自分で決める。放棄したら二度と誰かの権利になることはないが、たとえ無収入でも義務は消えないので、維持するかどうか慎重に決めさせる。
人によっては、収支が赤字でも放棄しないかもしれないし、あるいは十分稼いだ時点でまだ価値があったとしても放棄するかもしれない。それは権利者が判断すればいい。
ミッキーマウス騒動のときに思ったのは、ミッキーマウス自体は今でも十分価値があり今後も失われるものではないだろうから権利を認めるのは当然だが、それに引きずられて他のものまで権利が延長される不条理さ。
一律で五十年とか七十年とか決めるべきではなく、あくまで権利者が相応の義務を負いながら自分でコントロールするべきだと思うぞ。
相続税をもっと! (スコア:5, 参考になる)
どこにぶら下げようか迷ったんだけど、ここに。
あまり知られていないようなのですが、著作権は無体財産権として相続税がかかります [nta.go.jp]。著作権に対する相続税は、その存続期間(独占期間)とは無関係であり、「印税収入期間」だけが問われます。
著作権継承者に科せられる義務としては現在唯一のものが相続税と言って良いのですが、通常のケースでは、相続を躊躇わせるようなものにはなっていません。
Nullius addictus iurare in verba magistri
Re:相続税をもっと! (スコア:2, 興味深い)
よく考えるとこの式不公平だな。
印税てのは売れた時でなくて刷った時に入る。
ハヤカワ文庫なんかだと10年分くらい刷る(で時々表紙だけ変える)。
定義通り評価するなら、
たまたま過去3年が「刷らなかった年」だと、3年平均収入が0になって相続税なしで6年以内に増刷かかって遺族大ラッキー(もちろん絶版の可能性もあるが)、
たまたま「刷った年」だと、本来年平均は1/10であるのに1/3であるとして税がかかる(実際は0.5かかるので1/6)ので遺族大不孝
多作だと平均化されるだろうが、寡作とか余技(翻訳に多い)だと問題になることもあるんじゃなかろうか。
> 文芸作品の場合、日本文藝家協会 [bungeika.or.jp]が「推定印税収入期間」だけではなく、「年平均印税収入の額」の算出まで全部請け負っています。
「年平均印税収入」なんて外注するまでもなく税務当局が一番良く知ってるハズなので怠慢だと思ったが、このへんを考慮してるんだろうか。
Re:一体どれほどの作品があるのか (スコア:4, すばらしい洞察)
Re:一体どれほどの作品があるのか (スコア:3, 興味深い)
国語テスト、消える長文 著作権理由で訴訟も [peopledaily.com.cn]
放っておくとこういう問題が深刻化し、国語教育が衰退しそうな気がします。
ネットにおける著作権問題は音楽がよく槍玉にあげられますが、実は文学の方が
障壁が低そうに見えて厚いのではないでしょうか。
私が学生だった90年代は音楽の教科書にビートルズや70年代のフォークソング等が
あって結構楽しめたのですが、現国は近代文豪の定番作品ばかりで辟易しました。
そのせいでラノベに走って道を踏み外した仲間は数知れない・・・(オイッ#)
匠気だけでは商機なく、正気なだけでは勝機なし。
Re:一体どれほどの作品があるのか (スコア:1)
> 障壁が低そうに見えて厚いのではないでしょうか。
あげられているリンクの前者は著作権の話じゃないやん。
後者は「業者テスト」等の話であって「教科書」などには関係ないし。
# 教科書含めてJVCA会員作家の作品使うな、って意見の人もいますが。
> 私が学生だった90年代は音楽の教科書にビートルズや70年代のフォークソング等が
> あって結構楽しめたのですが、現国は近代文豪の定番作品ばかりで辟易しました。
「教科書」の方を補償金ケチって教材選んでるって話は聞いたこと無いですから、
これは著作(隣接)権の問題ではないと思われますが。
・2006年中学・国語の教科書に出てくる本[中学生用] [tezukayama.ac.jp]
・教科書に掲載されている現代作家 [sing.co.jp]
・小学校国語教科書掲載 文学作品リスト [iiclo.or.jp]
などを眺める限り、現代作家に関連する教材もそれなりに含まれているようですが、
占める割合が少ないということでしょうか?
また、教材としてふさわしい作家や作品をあげるとしたら?
Re:一体どれほどの作品があるのか (スコア:3, 参考になる)
死せる作家の会 [apc.org]によると、1956年に亡くなった作家には高村光太郎がおりまして、1957年には徳富蘇峰、1959年には高浜虚子、永井荷風、北大路魯山人という方々が控えております。
# 青空文庫では、はやくも高村光太郎の作品 [aozora.gr.jp]が公開されております。
# 個人的には1957年に亡くなった牧野富太郎 [makino.or.jp]に関心がありますが。
Re:一体どれほどの作品があるのか (スコア:2, 興味深い)
ただ、過剰に保護すると、祖先が書いたこの本と内容が似ているから利益をよこせ!とか著作権侵害だ!とかそういうことが起きる可能性はある
まぁ、こうやって文章を書くのがだんだん不便になっていくと思えばいいのかな?
こんな駄文でも、一応著作権ってやつが発生しちゃうんだしさ
Re:一体どれほどの作品があるのか (スコア:1, 興味深い)
今のアメリカでは、映画の制作において、
壁に貼られているポスターひとつにおいても権利関係をクリアしなければならず、
そのような雑務に無視できないコストが発生しているという話を読んだ記憶があります。
もちろん、そのポスターが物語になんの関係もなく (資意的な選択の結果でなく)、
また興行収益になんらの影響を与えないだろうものであっても、です。
# 記憶が曖昧なのでまちがっていたらゴメンナサイ。
「特に読みたいものはあるのでしょうか」というような観点からだけでなく、
むしろ、のちの創造行為の障害を増やさないようにするという観点から考えるというのは
いかがでしょうか。
これは青空文庫が対象とするテクスト作品においては
いまひとつピンと来ない感じもありますが、
著作権が有効なのはテクスト作品にかぎらないわけで、
オーディオ、ヴィジュアル、その他、すべて考えて、
取るべき態度を決定していいと思います。
著作権がなにを守るためのものかということも考えていいかと思われます。
たんに著作者の利益を守ればそれでいいものなのか、
それとも、将来の著作者に対し一定の利益を保証することでインセンティヴとする、
つまり、第一義的には現在と未来におけるさらなる創造行為を導くためのものなのか。
著作権保護期間の延長が
これから行われようとしている創造行為に対する障害となるという主張は、
後者の観点から行われているのでしょう。
# 記憶力に自信がないので AC。
Re:一体どれほどの作品があるのか (スコア:1, おもしろおかしい)
#見てないけど、SAWって、そういう映画?
著作権延長を求める悪魔 (スコア:1)
Re:著作権延長を求める悪魔 (スコア:1)
特に音楽業界においては、ね
Re:著作権延長を求める悪魔 (スコア:1)
ええと、じゃあ文学業界(で合ってる?)では
概ね著作権者≒著作者って事でよろしいでしょうか?
とするとやっぱり、物書いた人は死にたくなければ
権利を放棄しなさいと言うことでしょうか
#オフトピにしつこいよ、俺。