中国が弾道ミサイルによる人工衛星の破壊実験に成功 161
ストーリー by kazekiri
当てられるもんなのだな 部門より
当てられるもんなのだな 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、
日経新聞、読売新聞、CNNあたりをはじめ各所に出ているが、 中国が人工衛星の撃墜実験に成功したことが明らかになったらしい。中国は今月11日に、高度約860kmにあった老朽化した気象衛星を、 四川省西昌の衛星発射センター付近から弾道ミサイルを発射して破壊したとのこと。3回失敗後の成功とCNNには書かれているので精度は低いのかもしれないが、高度860kmの低軌道衛星の軌道には、偵察衛星、早期警戒衛星などミサイル防衛には欠かせない衛星が存在する。北朝鮮のミサイル発射実験の偵察を行ったとされる日本の情報収集衛星も高度約500kmの円軌道上にある。既に米国には衛星撃墜技術はあると思われるが、中国がこんなに早く技術を手にするとは。
kabutch 曰く、
米軍の偵察衛星や「Google Earth」などの衛星写真によって安全保障上の懸念が生じているとはいえ、人工衛星を破壊すること自体も問題があるし、もし実際に行なわれてしまえば破壊によって生じるスペースデブリが他の衛星に与える影響も考えられるだろう。
軍事的なインパクトは? (スコア:3, 興味深い)
先進国の最新装備はかなり衛星インフラに依存しているような気がします。
中国が(...に限らないかもしれませんが)これらのインフラに対してダメージを与える手段を
確保したってことは、軍事バランス的にもかなりな影響が出るんじゃないかな、という気が
していますが、どうなんでしょうね。
SDI構想再び... なんてことになりそうな予感。
Re:軍事的なインパクトは? (スコア:2, すばらしい洞察)
MD計画とは言っても、DSP衛星や偵察衛星などによるICBM/IRBMなどの長距離弾道弾の発射の監視や、軌道上からの迎撃(公式にはキラー衛星は開発中止になっていますが、実際はどうなのやら…)など、衛星を用いた「ミサイル防衛」にかんして、自国は対抗手段を技術的に確保した。MDは無力化されつつある。と言う中国の政治的なプロパガンダの一貫で出された話でしょうね。
まぁ、ロシアも既に新型IRBM(SS-21 トポルMでよかったかな?NATOコードネームは自信なし(^^;)に、MDシステムの弾道予測や迎撃軌道から弾体が外れて機動するようなシステムを採り入れ始めていると言いますし、それと同等の目的でやってることでしょう。
とはいえ、大国間での全面戦争が始まれば、通信衛星やらナビゲーション衛星やらと言った、民生利用の部分が大きい衛星も巻き添えを食らって、相互の軍事インフラに関係する衛星の潰しあいになるのは必須でしょうから…┐(´ー`)┌
# まー、この手の(MDの、宇宙空間上でミサイルを破壊する部分も含めて)
# 軍事利用ってのは、どこの国が云々以前に本当にはた迷惑なような(;´Д`)
破壊した残骸は (スコア:2, すばらしい洞察)
デブリが飛んでると危ないらしいし。
Re:破壊した残骸は (スコア:5, 参考になる)
F-15から、ASM-135という対衛星ミサイルを発射。
高度555kmの軌道上にあった太陽観測衛星P78-1を見事撃破。
そして、少なくとも250のデブリが発生しました。(レーダー観測された数と思われます。)
全てのデブリが大気圏に突入し消滅したのは1997年とされていますが、観測にかからない小型のデブリは空気抵抗が少ないため、20年ぐらいは残ると思われます。
アメリカでは、デブリの問題及び予算その他の問題により、衛星攻撃実験はこの1回で終了しています。
今回中国が撃破した標的衛星は、高度860kmです。
アメリカの時より、遙かに長い間デブリとして軌道を占有するはずです。
これは宇宙開発国として、非常に無責任な姿勢と言えます。
ちなみに、国際宇宙ステーションは高度400kmの軌道にあります。
今現在、直接的な危険は無いわけですが…
Re:破壊した残骸は (スコア:2, 参考になる)
組織図を見ると分かるが、宇宙開発関係も国防科学技術工業委員会とかいう
軍関連組織の傘下にあって、特に軍事関連は共産党人民解放軍の下にある。
http://www.nistep.go.jp/achiev/ftx/jpn/stfc/stt040j/0407_03_feature_ar... [nistep.go.jp]
Re:破壊した残骸は (スコア:2, 興味深い)
http://weapons-free.masdf.com/air/usa/asm135asat.html [masdf.com]
・アメリカが開発した、ソビエト連邦の人工衛星を破壊するための空対衛星ミサイル。
二段式固形ロケット+自律誘導です。
ただ今回の中国の味方をする気は毛頭ないですが、アメリカも非公開で色々やってそうです。。。
「ミッション内容非公開で打ち上げられるサターンロケット」
「(機能が発表された)衛星質量に対して不釣合いに打ち上げ能力の大きいロケット」
「スケジュール非公開で突然打ちあがるシャトル」
などを笹本祐一氏他の著作で読んだことがありますので
まだ露見していないだけで色々やってる気がします。
#当時のロケット打ち上げ回数は冗談みたいな数ですし。
アメリカ/ソ連がやっていた当時は技術的に検知できないだけだった可能性もあります。
また、既にノウハウを取得している(からやらない)という見方もできるわけで、
今回の行為は以前フランスが強行して非難を浴びた核実験とある意味似ている気がします。
(フランス製品の不買運動とかはどうなったんでしょうかねぇ…)
#まぁ検知されることを知ってだろうに今やる神経は…orzですが
プラネテス+エリアルファンのAC
Re:破壊した残骸は (スコア:3, すばらしい洞察)
中国当局は関係無いと言い張るでしょうが
Re:破壊した残骸は (スコア:1)
そういったことを考えられるくらいなら、発射ボタンは押さないと思われ
# 弾道ミサイルを破壊する人工衛星を撃墜する弾道ミサイル(以下延々と続く)
Re:破壊した残骸は (スコア:1, おもしろおかしい)
一体どれぐらいの密度で衛星を敷き詰めれば良いのかしら。
Re:破壊した残骸は (スコア:5, 興味深い)
それで,この論文 [charter.net]によれば,800 kmから900 kmの軌道ではすでに無限連鎖が始まっています.
1連鎖するのに10年オーダーの時間がかかるので気づきにくいだけです.
所謂 (スコア:2, 興味深い)
Re:破壊した残骸は (スコア:1)
# 「スーパーノヴァ」とか思い浮かんだら多分アウト。
Re:破壊した残骸は (スコア:2, すばらしい洞察)
Re:破壊した残骸は (スコア:2, 参考になる)
幸い貫通はしなかったようです。
#小学校のころに読んだ本がソースなので、信憑性が薄いかも。
ところで、宇宙ゴミだが。 (スコア:2, おもしろおかしい)
秒速何キロで動いてるやつを網で捕らえるとか
ペシンと大気圏にたたき落とすとか。
==========================================
投稿処理前プレビュー確認後書込処理検証処理前反映可否確認処理後……
テザー衛星を使った方法が研究中 (スコア:4, 興味深い)
ローレンツ力を用いて減速させ、大気圏に落とすんだそうで。
Re:ところで、宇宙ゴミだが。 (スコア:2)
KaI
Re:ところで、宇宙ゴミだが。 (スコア:1)
#ここまで人類が馬鹿馬鹿しい事を続けるさまを目の当たりにすると
#我々は2000年以上前から一歩も前進しとらん気がするよ
____
#風邪をひきました、脳が故障しています
#残念ながら仕様です。
俺に任せろ (スコア:4, おもしろおかしい)
Re:俺に任せろ (スコア:3, おもしろおかしい)
それって、単なるデb……
ん? 誰だ。
おい!私をどこにつれていくつもりだ!
うわ、やめ……
ぐふ。
共有スペース利用に対する価値観の違い (スコア:2, すばらしい洞察)
中国人にとったら、(現時点で)自分達に技術的な主導権のない空の上がどれだけ混雑しようが知ったことではなく、
有事の際に、宇宙空間に回復不可能なデプリを撒き散らして、軍事衛星の利用を停止させるのに何の躊躇いもないのでしょう。
数十年後困るとか、そういうのは彼らにとって別次元の話で、そうなったらそうなったとき、という発想なのでしょう。
彼らは現時点での目に見える利益を獲得することに、徹底して合理的な気がします。
対抗策 (スコア:2)
衛星が撃ち落とされることを前提とした策
・衛星の数を増やして冗長化
・高軌道の衛星で補完
・航空機等で補完
衛星が撃ち落とされることを防ぐ策
・ミサイルを迎撃
・衛星を動かしてミサイルを避ける
・衛星のステルス化
・衛星の装甲化
・民間用の衛星に偽装
・囮衛星を大量に打ち上げる
発生したデブリの数 (スコア:2, 参考になる)
観測できたデブリの数のみです。
原型をとどめない程、粉々になったと思われます。
爆発して破片を当てる(何回も失敗して迷惑な)のかと思ったら (スコア:1, 参考になる)
これは結構な技術が必要に思えます。
#どっちにせよ迷惑なんだけど
Re:爆発して破片を当てる(何回も失敗して迷惑な)のかと思ったら (スコア:2, 興味深い)
ただ、成功しても、デブリを大量に撒き散らしてしまい、
その空域が危険地帯になるのを防ぐために、どこの国も
そんなことはしなかった。
アメリカでさえ、レーザーで衛星を機能的に破壊するだけ。
中国は宇宙開発に大きな支障になっても構わないという
思想なんでしょうね。
プラネテスだったか、テロリストが軌道上の衛星か何かを
破壊してデブリをばら撒き、宇宙開発を妨害しようとする
というエピソードがありました。
中国はそれを実際にやっちゃった。
Re:爆発して破片を当てる(何回も失敗して迷惑な)のかと思ったら (スコア:3, おもしろおかしい)
ただし、今回はテロリストじゃなく中国だからねぇ。
将来自国の有人宇宙船が、今回発生したデブリの直撃を受けて帰還不能になるくらいの離れ業は
やらかしてくれるのではないかと密かに<建前>不安で</建前><本音>期待してま</本音>すが。
# でも秘密裏に放置されて「無かった事」にされるんだろーなー。きっと。
Re:これって (スコア:1)
いえいえ。テロリストでももう少し考えてるでしょ。
自分の進行方向に地雷を埋めるようなもんでしょ?
Re:爆発して破片を当てる(何回も失敗して迷惑な)のかと思ったら (スコア:3, すばらしい洞察)
> 思想なんでしょうね。
いや、まだ公害とか環境破壊に疎いだけかと思う。
Re:爆発して破片を当てる(何回も失敗して迷惑な)のかと思ったら (スコア:1)
>アメリカでさえ、レーザーで衛星を機能的に破壊するだけ。
いや,#1094528 [srad.jp]の人も書いてますが,アメリカはやってます.
Re:爆発して破片を当てる(何回も失敗して迷惑な)のかと思ったら (スコア:3, 興味深い)
http://www.jda-trdi.go.jp/topics.html [jda-trdi.go.jp]
動画はこちら
http://www.jda-trdi.go.jp/img/dacs_movie.wmv [jda-trdi.go.jp]
#いつのまにか、防衛省に
Re:爆発して破片を当てる(何回も失敗して迷惑な)のかと思ったら (スコア:2, おもしろおかしい)
Re:爆発して破片を当てる(何回も失敗して迷惑な)のかと思ったら (スコア:1, 参考になる)
アメリカは、対衛星ミサイルに当初近接信管をつけようとしていました。
破片で破壊するつもりだったんですね。
ところが、技術的な困難があったので、直撃弾頭を採用したという経緯があります。
標的衛星は明確な軌道を周回しており、自律的に回避機動をとりません。(少なくともそう想定されています。)
よって、直撃コースに乗せることができれば、終末誘導(コースの微調整)はほとんど不要です。
なお、ミサイル迎撃では近接信管→直撃弾に代わりましたが、これはミサイル弾頭を確実に破壊するためです。回避機動を能動的に行うミサイル弾頭では、直撃弾の方が高度となります。
一部の中国の方は、羨望と憧れで空を見上げているのかな…? (スコア:1)
/* Kachou Utumi
I'm Not Rich... */
Re:一部の中国の方は、羨望と憧れで空を見上げているのかな…? (スコア:1)
屑鉄にしても微々たるものなのでは?
屑鉄欲しけりゃそんな無駄な手間をかけるより、その辺に止まってる自動車パチくってきて、潰したほうが早い、とか思ってるんじゃないかと
大きな衛星は (スコア:1)
さらに標的になりやすいし、破壊されたら粗大ゴミどころかゴミを撒き散らす。
衛星のサイズを規制するようになるのかなあ。
#既になってる?
Re:大きな衛星は (スコア:2, 参考になる)
撃ってみたかっただけかもしれない (スコア:1)
なぜそんな簡単なことをいまさら、、 (スコア:1)
Re:反中コメントなしね。 (スコア:1)
妖精哲学の三信
「だらしねぇ」という戒めの心、「歪みねぇ」という賛美の心、「仕方ない」という許容の心
Re:反中コメントなしね。 (スコア:1)
# 最も、軍事に関しては「相手がやったら自分も」じゃないと軍備を持つ意味がなくなりますが…。
それに、「人口衛星に平気(兵器?)を搭載しておく事」と「デブリを撒き散らして環境を汚染する事」
は議論の次元が違うと思うのですが…。
さすがは七色の川を持つ国の発想だ……。
---- ばくさん!@一応IT土方
Re:さすがはスラドクオリティ(スコア:-100, 荒し) (スコア:2, すばらしい洞察)
では「見ない・書き込まない」でお願いします。
あなた一人がいなくなればクオリティはいくらか上がります(^o^)ノ
Re:さすがはスラドクオリティ(スコア:-100, 荒し) (スコア:1)
「撒き散らした」
「撒き散らす可能性がある」
は同義ではありませんし、ここしばらく何らかの外的要因で
人工衛星がボコボコぶっ壊れた国のアレゲ人としては、
こういった要因を出した国を非難するのは普通かと。
#2chっぽいコメントが増えつつあるのは同意ですが。
#なんでもレイシズムと繋げるのはいかがかと?
____
#風邪をひきました、脳が故障しています
#残念ながら仕様です。
欧州独自のGPS「Galileo」だったら (スコア:1)
ちなみにこのプロジェクトに中国も参加 [srad.jp]しているとのこと。
準天頂衛星はどうなっちゃったんだろう (スコア:1)
屍体メモ [windy.cx]
オフトピですが (スコア:2, 参考になる)
今後については、安全保障等の観点から、行政、JAXA主体で仕切りなおしになっているようです。
#審議会情報(宇宙開発委員会) [mext.go.jp]の推進部会の内容が参考になるかと。
Re:デブリ以前に (スコア:1, すばらしい洞察)
でもばらばらになった小さな破片は、捕捉できないけれど危険性は残る。
よって、デブリになる方が厄介。
Re:デブリ以前に(オフトピ) (スコア:1)
脊髄反射してしまいますが。
Re:どっちがいいのか? (スコア:1)
> 小さいのは気にしないで?、危なそうなのを避けるのと
> どっちがいいのかなぁ?
一方、中国は当たっても痛くない丈夫な体を選んだ
どこからつっこんだらいいのかな… (スコア:3, 参考になる)
砲身内で発車薬の燃焼によって飛翔体を加速し、かつ砲身によって方向を決定して
打ち出すのがいわゆる火砲。そして、その飛翔体は砲身をでたあとは重力、空気抵抗
(その他の力)の影響下で飛翔する。その飛翔体の軌跡を弾道という。そこまではいいでしょう。
弾道弾、弾頭ミサイルというのはその火砲の砲身内での飛翔体の加速を、ロケットに
よって代替するというもの。ロケットの加速を砲身内での加速に見立てるんですよ。
なぜロケットを使うか。その大きな理由として挙げられるのは射程数百キロの火砲は
実用化が困難(もちろん他の理由も)。それだけの加速を行うためには発射薬を多量に使う、
また、長大な砲身を用いる必要がある。しかし、数百キロあるいはそれ以上のの射程を
を実現するだけの発射薬の増量に耐えられるような、あるいは長大な砲身は物理的に
かなり無理。たとえば戦艦大和の 20 m の砲身でも射程はたかだか40km程度(だったのではないかな)。
その点、ロケットなら飛翔体のサイズの増大、射程の増大が比較的容易に実現できる
わけです。第二次大戦当時でもペイロード1t,射程200kmのロケットは技術的に可能でした。
で、弾道というのは適切に計算すればかなり正確に着弾地点を定めることができる。
射程数百キロとなると着弾は地平線の彼方で、その着弾点付近で弾頭を誘導するの
は困難だ(大抵、敵地だし、あと昔は誘導技術もなかったし)。そこでなるべく正確
に飛行する(ように制御/誘導された)ロケットを加速に使用することで長射程で命中精度の
高い火砲を実現することができる。
そのようなロケット/ミサイルを弾道弾と呼ぶ。と、そんなかんじ。長文失礼。
Re:弾道飛行するミサイルが弾道ミサイル (スコア:2, 参考になる)
賛同いただきありがとうございます
ドニエプルロケット [kosmotras.ru]は弾道ミサイルをベースとしていますが、だからといってきらり [satnavi.jaxa.jp]を「弾道ミサイルで打ち上げた」とは表現しません。結局のところ、弾道ミサイルと打ち上げロケットを区別するのは「ペイロードの飛行経路が弾道であるか」「地上に目標物が存在するか」くらいしかないんで、「弾道」という部分にこだわりたい、という話もあります。
今回の衛星攻撃兵器も、コンセプト的にはドニエプルロケットと同じではないかと思います。