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白薔薇の香りにメラニン抑制効果 29

ストーリー by yourCat
美白する薔薇 部門より

ショルの兄妹 曰く、

カネボウ化粧品が、フェア・ビアンカという白薔薇の香りにメラニンの生成を妨げる成分を発見したことを朝日新聞の記事が伝えている。ヘッドスペースガス法という咲いた花の香りを直接採取する方法で集めた香り成分を分析し、4-methoxystyreneという新規の香気成分を同定。これをメラニン色素をもつ皮膚の培養細胞をさらすとメラニン色素の生成が抑えられたという。この結果については、24日から東京・国立科学博物館で開催される「花 FLOWER ~太古の花から青いバラまで~」で香り成分を展示(?)、28日から富山で開催される日本薬学会年会で発表されるそうだ(該当の講演要旨 [PDF])。
香りにこのような効果があるというのは驚きだ。カネボウではこの他にも「桂花の香りに穏やかなダイエット効果 [PDF]」など、花の香りのもつさまざまな効果を研究しているようだ。

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  • by paledream (31672) on 2007年03月14日 18時54分 (#1126070) 日記

    What's newが「香りにメラニン生成を抑える効果」になってるようですが、
    要旨 [pharm.or.jp]を読む限り、ポイントは
    「従来と異なる作用機序に因ってメラニンの生成を抑える効果の発見」です。

    メラニン生成過程では、チロシンの酸化酵素が働くのですが、
    従来は、この酸化酵素をターゲットに、1.不活性化する 2.発現を阻害する 作用を持つ物質の探索が行われていた様です。
    今回カネボウ化粧品が抽出した物質はそれらとは異なり、3.発現した酵素を分解する 作用を持つところが新しい様です。

    というわけで朝日の記事にある
    >色素の生成過程にかかわるチロシナーゼという酵素の働きを妨げているらしい。
    これは嘘です。

    #だけど、この要旨も酷い。もう滅茶苦茶。私が上司ならこれは書き直しさせます。
    #なんか色々誤魔化している部分が見られるので、わざとかも…

    # (気持ちは分かる)

    • Re:記事間違ってます (スコア:2, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2007年03月14日 21時39分 (#1126138)
      >#だけど、この要旨も酷い。もう滅茶苦茶。私が上司ならこれは書き直しさせます。
      >#なんか色々誤魔化している部分が見られるので、わざとかも…

      ># (気持ちは分かる)

      コメントアウトに反応しますが、桂花の香りに… [kanebo-cosmetics.co.jp]が涙を誘うような内面を想像させられて痛いorz

      1ページ目の研究成果と協力研究機関の名前を見ると、どう見ても
      「中国の桂花と日本のキンモクセイ」の違いを生物学的に調べようとしたという本来の研究目的が見透かされる。

      そして2ページ目になるとなぜか、アプローチが変でやっつけな感じの「実用的応用例」になる。

      >、ボランティア女性10名を「桂花の香りのある群」と「香りの無い群」の2群に分け、
      >12日間かけて「桂花」の香りを含むガーゼを胸元に入れ、香りが常に鼻に届く状態にして
      >食欲変動等の実験を行いました。

      何このあるある(根拠のない推測なのでry
      盲検しているのはいいけど、サンプル数少なすぎとか、もう、なんていっていいのか。
      どこかの批評で「で、これ何の役に立つの?」とか言われて、あわてて実用例を出した感じが推定されて(根拠のない推測なのでry
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    • by Anonymous Coward on 2007年03月14日 20時34分 (#1126117)
      講演要旨にはそんなこと書いてないですよ。
      「異なるメカニズム」ってのは、カネボウのサイトにある「ホオノキ」についてのニュースではないですか? 今回のとは別物ですが。

      ちなみに要旨に書いてあるのは、マッシュルームチロシナーゼに対する阻害作用で、これは要するに酵素反応阻害作用を見たというだけの、in vitroでの単純なスクリーニング系です。元記事にある「皮膚細胞〜」というのも要旨には書いてませんが、これはまぁ講演要旨出した後に追加実験やって出したんでしょうね ^^; (僕もよくやるから人のことは言えないが)
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    • by Anonymous Coward on 2007年03月14日 20時36分 (#1126118)
      たぶん1月のプレスリリース [kanebo-cosmetics.co.jp]のことをおっしゃっているのだと思いますが,これは「ホオノキ」の話で,今回の「フェア・ビアンカ」の話とは関係ないと思います. 要旨を見る限り,結果について記述している部分は以下の部分だけです.
      この香気成分は、メラニン生成抑制効果およびチロシナーゼ活性阻害効果において、高い抑制率と阻害活性を示した。さらに、その類縁体の試験等より官能基特性に基づく構造活性相関の結果を得た。
      この文章を読む限り,「チロシナーゼ活性阻害効果において」「阻害活性を示した」のですから,
      チロシナーゼという酵素の働きを妨げているらしい
      という朝日の記事は嘘とは言い切れないと思います.
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    • Re:記事間違ってます (スコア:1, おもしろおかしい)

      by Anonymous Coward on 2007年03月15日 1時50分 (#1126213)
      >#だけど、この要旨も酷い。もう滅茶苦茶。私が上司ならこれは書き直しさせます。

      最近だと「あるある!あるある!!」と言えば上司が真っ青になって再検証させます。
      タイトルは「白薔薇で美白効果?!」

      #半ばあるある記事を作る羽目になりそうなAC
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  • by prankster (12979) on 2007年03月14日 15時20分 (#1125992)
    >ヘッドスペースガス法
    朝日の記事には載っていませんね。予稿(PDF)の方にはありました。

    これ、多分ヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法だと思います。要するに加熱できる釜の中にブツを入れて封印し、過熱とともに生成するガスをガスクロで分離して質量分析計(MS:マス)で分析するという方法。

    こういう約し方は分析屋の世界ではあまり聞かないんですが、薬屋さんではそういうのでしょうか? ちょっと妙な感じがしました。
    • by flutist (16098) on 2007年03月14日 15時28分 (#1125995)
      いや、新聞屋が適当に省略しただけじゃないですか?
      普通「ガスクロマトグラフ質量分析法」はGC-MS(ジーシーマス)でしょう。これに修飾語が付くんだから、ヘッドスペースGCMSか、それじゃ一般に対する説明にならんというなら普通にガスクロマトグラフ質量分析法とするのが一番誤解がないと思うんですけどね。

      朝日はエンケラドスって書いてたから、少しだけ読売 [srad.jp]よりマシかと思ったけど、まぁ大差ないのかな。
      親コメント
      • 新聞屋の勝手な省略に一票。

        まず、試料の気化法にヘッドスペース法を使ってるガスクロマトグラフィーがある、と。そこから先に質量分析計をつなぐか、出てきたガスのサンプリングしてオルファクトメトリー(臭気分析)やるか、その両方やるか、ってのが、最近の香気成分では大体のパターンかと。食品なんかの分析だと、このヘッドスペース法が香気成分の分析によく使われてて、小チェンバー内に入れた食品から実際に立ちのぼる香りをガスクロに流す、というケースが最近は多いですね。
        • …元コメント(#1125992)をちゃんと読もうよ。

          「ヘッドスペースガス法」という言葉は、タレこみの元になった朝日新聞の記事にはないって、元コメントにあるのに。
          で、研究者本人が書いたであろう講演要旨 [pharm.or.jp]にはあるから、
          「薬屋さんではそういうのでしょうか?」ってのが元コメントの意図でしょ。

          学会講演要旨中の言葉なのに、「新聞屋が略した」わけないじゃん。
          • by Anonymous Coward on 2007年03月14日 17時48分 (#1126059)
            あ、失礼しました。
            えーと、この場合、分析法としては、どっちかというと「ヘッドスペース法」「ヘッドスペースGC」というのが、より一般的な略称だと思います(もちろんMSは除外するとして、ですが)。ただし「ヘッドスペースガスを採取」という表現は使わないことはないし、「ヘッドスペースガス」というのをひとくくりにしないか、と言われるとそうとも言えない。講演要旨レベルなら、まぁそれで通ると思いますが(薬学会は一応採否があるとはいえ、年会でもそんなに厳しくないはず※だし、しかも当該発表は番号から言ってポスターだし)、きちんとした文書に書く分には、一応修正対象の表記じゃないかな、と思います。それにまぁ、個人的印象ですが、企業系のポスター発表だとそこらへんの用語の使用が甘い傾向があるというか、マスコミ関係参加者の食いつきはいいんだけど、あんまり専門の研究者は集まらなかったりするし、「まぁそんな感じ」の発表が多い印象ですね。

            ここらへんの香気成分の分析というのは、薬学というよりは食品化学系(香料とか)に近い部分がありまして、まぁその分野では1997年頃 [acs.org]くらいから実用化が盛んになってきてます。

            ※もう10年くらい前に止めちゃったんだけど、「波動を与えたヒマワリは、与えないものに比べて、2倍くらい大きく成長した」なんてのがポスター発表に出ててぶっとんだことがある……最近、どれくらい厳しいのかは知りませんけど。
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            • by Anonymous Coward on 2007年03月14日 19時32分 (#1126087)
              あああ、ごめん。さらに読み違えてた。これ、ヘッドスペースGCじゃないです。もうちょい古典的な方法。なので「ヘッドスペースガス法」でも、まぁおかしくはない(ヘッドスペースガスの採取そのものなんで)

              ヘッドスペースGCは、GCにかける気体の気化の部分をヘッドスペースにしてる、いわば一体型なものですが、これは溶液からガスとして発生させた揮発性成分を、一旦吸着分離した後で、それを溶媒抽出して集めてます。それを次に常法に従ってGC-MSで同定してます。
              親コメント
      • ヘッドスペースガス法と言っているのは予稿の方です.
        【方法】香り採取とその成分分析は、ヘッドスペースガス法によった。
        新聞を擁護するつもりはありませんが,読みもしないで批判するのはあまり褒められた行為じゃないと思います.
    • 誤解申し訳ないです...。
      親コメント
  • あるあるの香り (スコア:2, おもしろおかしい)

    by Sinraptor (22797) on 2007年03月14日 23時18分 (#1126167)
    「桂花の香りに穏やかなダイエット効果」

    なんか限りなく「あるある」実験の「香り」がしますが、大丈夫なんでしょうか。
    --
    //Sinraptor
    • by Anonymous Coward
      桂花(またはキンモクセイ)の香り→トイレの芳香剤→トイレを連想→食欲減退
      というものかと思った

      # 最近はキンモクセイ以外の香り [excite.co.jp]でトイレを連想される人もいるかもしれませんが
      • by Anonymous Coward
        DVD売りたかっただけとしか思えない某深夜アニメで、時かけのパロディシーンがあり

        ×「あー、トイレの芳香剤の匂い~」
        ○ ラベンダー

        と字幕に突っ込まれていたのを思い出した。

        私にはトイレの芳香剤=レモンの香りです。
        今では自宅には「消臭」しか置きません。

        --
        DVD全巻持っているのでAC…orz
        • by Anonymous Coward
          水戸は大徳印の納豆の匂いじゃなかったっけ?(違

          #最初なんでボクシングにラベンダー?と思ったのは内緒
  • 白薔薇+メラニン抑制成分っていうことを考えると、匂いというよりメラニン抑制成分が単純に僅かに揮発するタイプの物質だったと考えたほうが分りやすいような...

    もしかしたら、他の白い花でその種別で他の色は強めの色の花なら、同じ成分を持っているかもしれませんね。

    でも香水で日焼け止めになるっていうのが実現したら、なんかスタイリッシュではあります。
    # 日に焼ける暇もないのでID
    --
    M-FalconSky (暑いか寒い)
    • Re:どういう香り? (スコア:5, 参考になる)

      by prankster (12979) on 2007年03月14日 17時35分 (#1126052)
      4-methoxystyreneというとCH2=CH-C6H4-OCH3ですね。-C6H4はベンゼン環、いわゆる亀の甲でその向かい合った2箇所の角にビニル基CH2=CH-とメトキシ基CH3O-がくっついた形。ポリスチレンの原料スチレン [wikipedia.org]CH2=CH-C6H5のビニル基と反対の角にメトキシ基がついたもの、ともいえます。そんなに複雑な構造ではないですね。CAS番号 [wikipedia.org]も平成15年に振られています。

      香料でもある [wikipedia.org]スチレンの仲間だから芳香があると思いますが香の世界ではちょっとした構造の違いが大きな違いになって感じられるので、どんな匂いだか想像がつきません。構造からするとわりとありふれた化学物質ですので、一部の化学屋さんにはよく知られたものかもしれません。ただ、濃度が高いととてつもない悪臭になるのかもしれません。香水には原液ではすごい悪臭なのにアクセントにちょっと入れると素晴らしい芳香になる成分がよくありますから。インドール [wdic.org]とかスカトール [wdic.org]がその例です。

      というわけで、確証はありませんが、割と簡単な化合物でありながら芳香成分としては初の認定を受けたことからして、ごく少量では芳香(バラ香料の一部)だが濃いと悪臭ということではないかと推測します。実際に持っている人(多分、有機化学系かな)の報告求む。
      # 匂いを嗅ぐときは直接瓶に鼻を持ってゆかないで手で扇ぐ事。
      # これ化学系の鉄則なんだけど時々忘れるやついるんだよね。
      親コメント
      • Re:どういう香り? (スコア:2, おもしろおかしい)

        by Anonymous Coward on 2007年03月14日 17時46分 (#1126058)
        > 匂いを嗅ぐときは直接瓶に鼻を持ってゆかないで手で扇ぐ事。

        酒の匂いをこれで嗅ぐとすごい嫌な顔されます。
        ビール注ぐのにわざわざラベル面上にするな、とも。
        #試薬でも盛られてる気分になるらしい
        親コメント
      • Re:どういう香り? (スコア:1, おもしろおかしい)

        by Anonymous Coward on 2007年03月14日 20時46分 (#1126122)
        >実際に持っている人(多分、有機化学系かな)の報告求む。

        タレコミの「花」展覧会の「香り成分の展示」って、嗅がせてくれないんですかね?
        そも、「香りの展示」って何だろう。
        #膨らんだビニール袋が転がっていたらいやだ。
        親コメント
      • ># 匂いを嗅ぐときは直接瓶に鼻を持ってゆかないで手で扇ぐ事。

        1:小学生の時、化学の本を読んだら「アンモニア等の匂いを嗅ぐときは……」を見て、
         家にある、(希)アンモニアの瓶の上に手をヒラヒラさせて……匂わない。
         揮発したかな?と思って直接(!!)

        2:高校生の時、化学教室に青い綺麗な物が入ったデシケーターがあったので、開けて
         覗き込んだら(!!!!!!!)
         後ろに教師がいて「あ、キレート作ったから乾燥剤に濃アンモニア水入ってたんだよ」

        #後者は「勝手に開けて見るな」というのが教訓か?
    • by st202 (12699) on 2007年03月14日 17時14分 (#1126040)
      >もしかしたら、他の白い花でその種別で他の色は強めの色の花なら、同じ成分を持っているかもしれませんね

      マイケルジャクソ・・・・


      いえ、なんでもありません。。。
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    • ロサ・ギガンティアがかいた汗のにほひ。
  • 予想 (スコア:1, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2007年03月14日 20時20分 (#1126106)
    薬理学的には効くわけが無いような低濃度を化粧品に配合して
    「白薔薇の白さ」を連想させる宣伝をうつのだろうね。
    他の色のバラに同じ物質が含まれているかどうか、調べてもいないと思う。
  • by Anonymous Coward on 2007年03月14日 16時55分 (#1126033)
    これで「まらさきむんこ」も元通りになる、と。
typodupeerror

皆さんもソースを読むときに、行と行の間を読むような気持ちで見てほしい -- あるハッカー

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