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「マンガノーベル賞」とうとう創設 78

ストーリー by mhatta
イグノーベル賞呼ばわりされないとよいが 部門より

WoWS 曰く、

NIKKEI NETの記事によると、麻生太郎外相は5月22日の記者会見で、優れた外国人漫画家を表彰する「国際漫画賞」を創設すると発表した。外務省が国際交流基金や日本漫画家協会などと協力して運営するもので、日本が誇るポップカルチャーの発信力を高めるのが狙い。「マンガのノーベル賞のようなものにしたい」という意気込みのようだ。選考には里中満智子さんややなせたかしさん、ちばてつやさんといった漫画家があたり、6月末までに最優秀作品などを選出。7月には受賞者を日本に招いて東京で授賞式を開くとのこと。

マンガ好きで知られる麻生外相らしい外交戦略の一環と思われますが、ノミネートというかこの国際漫画賞に選ばれる作品がどんなものなのか、非常に興味深いです。

構想そのものが打ち出されたのは1年ほど前(当時/.Jでも取り上げた)ということで、それなりに手間暇はかかっているようだ。
この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • イグノーベル (スコア:3, おもしろおかしい)

    by patagon (1453) on 2007年05月22日 17時39分 (#1160833) 日記
    マンガイグノーベル賞 [wikipedia.org]なんか出来ないよね?
  • 国策としての顕彰 (スコア:2, すばらしい洞察)

    by hogerigo_nogueira (33065) on 2007年05月22日 16時52分 (#1160791)
    ぶっちゃけ、ナンセンスもいいとこだと思います。
    マンガのノーベル賞ってきくと聞こえがいいですが、どんなに優れた作品であっても、たとえばイラク戦争を
    批判したり、戦前の日本の軍国主義がテーマだったり、はたまた反原発がテーマだったりしたら選考から
    漏れるんじゃないでしょうか。

    こういった顕彰を、国が事業としてやるべきものなのかというと、甚だしく疑問です。

    • by astro (17245) on 2007年05月22日 16時58分 (#1160793) 日記
      激しく同意です。

      映画の賞も、国家的な権威とはあまり関係がないですよね。
      おそらく、ナショナリズムを鼓舞したい勢力が、
      日本が世界的に見て進んでいると思われるものを引っ張ってきて
      国策で世界に鼓舞しようとしているのでしょう。

      こういう動きが民間から出てこないのは、あまりに産業として
      脆弱だからなのですが、国はこんなくだらないことに労力を割く前に
      文化・産業としての育成を進めるほうが先決だと思いますがね。
      親コメント
      • Re:例えばフランスでは (スコア:4, すばらしい洞察)

        by fuckyou (30938) on 2007年05月22日 21時49分 (#1161002)
        海外において、自国以外の漫画家をどのように評価しているのか。つまりマンガもしくはそれに相当する物が文化として根付いている、他の国ではどうなのかと考えると、例えばフランスでは日本人の漫画家に「芸術文化勲章シュバリエ」を授与したりしています。「 フランス政府が大友克洋氏に芸術勲章を授与」 [srad.jp]

        これはフランスにおいては文学や美術と同様にマンガが正当な芸術として認められていることを意味している訳です。マンガという文化はあくまで日本が中心となって、世界に対して大きな影響力を持つ文化であるという認識を持っていると感じられる書き込みが、このスレッドにも見られます。しかし、本当にマンガというものに文化として正当な地位を認めるならば「国際漫画賞」なる物を新たに創るのではなく、メビウスのような日本人の漫画家に対して多分の影響を与えた海外の漫画家に対して、文化勲章を与えるべきだと思います。(前例がどうのと、それはそれで問題があるかもしれませんが・・・)

        逆に言えば、日本においてマンガという物が正当な芸術として未だに認められていない(実際、漫画家が文化勲章を受章した例はない)。文化勲章のような、既存の他の芸術家に対して与えられる賞を与えるだけの価値を認めていないという意味において、相対的に価値をおとしめていることを、この国際漫画賞の設立は意味しているわけです。つまり、「日本が世界に誇る漫画という文化」と言いつつも文字通りの価値を認めてこなかった、日本人の漫画の価値評価に対する二重性という物を感じずにはいられません。日本人自身にこのような深層心理があり、この国際漫画賞という賞がその心理を是正する方向ではなく、あくまでなぞっている以上「マンガの『ノーベル賞』みたい」奈物にはなり得ないと思います。
        親コメント
      • 国が主催すると言うことで、やっぱり「くだらないこと」と
        批判されるべきものなのかもしれませんが、
        国内での文化・産業としての育成の面では、どちらかというと
        文化庁が主体となってやっているのではないかと思います。
        # 文化庁メディア芸術祭 [bunka.go.jp]なんかが代表例かと。

        今回の話は、(外務省が主体ということもあり)単純に
        「外向きへのアピール」の意味合いが強いのだと思います。
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    • by Anonymous Coward on 2007年05月22日 16時58分 (#1160792)
      > たとえばイラク戦争を批判したり、戦前の日本の軍国主義がテーマだったり、
      > はたまた反原発がテーマだったりしたら選考から漏れるんじゃないでしょうか。
      そう考える根拠は国がやるからだと思うけど、ちょっと飛躍しすぎじゃないか?
      んな偏向受賞やらかしたら賞の権威が確立できないことくらいは理解してるだろう。
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    • by CowardDuck (25674) on 2007年05月22日 23時25分 (#1161073)
      > こういった顕彰を、国が事業としてやるべきものなのかというと、甚だしく疑問です。

      この理屈って漫画以外の全ての創作活動にたいして適用可能だよね。
      国は文化活動にたいして顕彰すべきではないってこと?

      # まぁ、徹底的にそうするんなら一理ないこともないな。
      親コメント
    • 別にそれが日本の国としての傾向ってのであれば、それはそれで良いとおもいますよ。

      例えば、各種文学賞とかでも、皆、傾向は存在しますよね?

      レギュレーションの中でせめぎ会うってのは、競争としては別に変でもなんでも有りません。

      F-1がロータリーエンジンがダメだし12気筒もダメだから無意味で権威が無いって事も無いのと一緒、かな?

  • 外国人? (スコア:2, 興味深い)

    by Dumarest (25156) on 2007年05月22日 16時59分 (#1160795) 日記

    優れた外国人漫画家を表彰する「国際漫画賞」

    …う、、、直ぐに漫画家さんとか浮かばないんですが。
    BLACKSADの作者とかは凄い画力だと思うんですが、日本ではいまいちマイナーみたいですね。
    http://members.jcom.home.ne.jp/jun1f2/archive_books/blacksad1.html [home.ne.jp]
    (日本での紹介サイト、)
    ただ、最近日本語版出たので敷居は低いかも(特に2巻はお勧め)
    ※思わず現地で1-2巻冊買ってしまいましたw …重いのにorz

    日本風の絵という点ではフランス人のオニギリさんとかですかね?
    漫画実績は知りませんが、日本でイラストの仕事はしているみたいですね。
    画は日本風のイラストなのに筋肉の付き方がリアルなのが新鮮でした。
    http://www.o-nigiri.com/ [o-nigiri.com]
    (本人サイト)
    • by Alef_F (27309) on 2007年05月22日 20時30分 (#1160931)
      週刊モーニングで東周英雄伝を連載していた鄭問は台湾人。
      サンデーGXで連載されている新暗行御使は、原作、作画ともに韓国人ですね。
      「国際」漫画賞だから日本で連載を持ってるとちょっと趣旨から外れるかもしれませんけど。
      親コメント
    • by Namany (19002) on 2007年05月23日 11時35分 (#1161362) 日記
      >日本風の絵という点ではフランス人のオニギリさんとかですかね?

      多分それはサークル名。主な執筆陣はdara、Galou二名っぽい。
      親コメント
    • by Anonymous Coward
      なんで対象から日本人を除外するんだろ?
      • by asanagi (22217) on 2007年05月22日 17時31分 (#1160819) 日記
        賞はあげる側のためにある
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      • Re:外国人? (スコア:2, 興味深い)

        by Dumarest (25156) on 2007年05月22日 18時02分 (#1160849) 日記
        まぁ既に日本漫画家協会賞とか手塚治虫文化賞とかありますし、
        出版社も色々やっているのですが、実質日本国内向けで海外での知名度はいまひとつ。
        そこであえて外国人向けカテゴリを作ったのかな…と思うんですが。

        映画だとアカデミー外国語映画賞みたいな感じですかね?
        ただ、この場合は「アカデミー賞」というアメリカ映画を対象にした賞が別にあるので
        今回みたいに国内向けの賞がないとバランスが悪い気もします。

        #例えばフランス作家が受賞してフランス国内でこの賞の知名度が上がったとしても、
        #国内部門がない今の状況だと日本マンガを輸出するときにこの賞の知名度を活用できないと思うのですが…。
        親コメント
  • by akiraani (24305) on 2007年05月22日 17時39分 (#1160834) 日記
     と言いたいところだけど、それをやっちゃうと国内賞に海外部門があるのと変わんなくなっちゃうんだろうなぁ。
     ITmediaの記事 [itmedia.co.jp]によれば
    日本貿易振興機構などの資料を総合すると、北米、欧州ともコミック単行本の市場は数百億円規模。このうち日本作品は3分の1超を占めているとみられ、すでに海外市場に深く浸透していることがうかがえる。
    とかあって、日本市場規模自体もかなり突出してることを考えると、世界中で発行されているコミックスのうち日本市場の国産コミックス及びMANGAを合わせると半分くらい占めてるんじゃないだろうか。
     そんな状況で日本主催で国際賞名乗ったところで受賞作は軒並み日本作品なんて状況になっちゃうんで、ちっとも国際的じゃないねってことになりそうだし。

     ほんとに国際賞をやりたいなら、選考委員は海外から集めて、特定の1国に帰属しない組織を立ち上げてやらないと……。
    --
    しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
    • 前回ストーリー [srad.jp]の大臣発言を受けたものと見られる
      “「ポップカルチャーの文化外交における活用」に関する報告” [mofa.go.jp]に
      今回の発表された賞が「日本マンガ大賞(仮称)」として
      4(1)(ハ)に挙げられて論じられています。以下、引用
      (ハ)海外における日本文化の質の維持

       一部途上国で日本食ブームに乗じて、見よう見まねで日本食が供され、衛生問題を引き起こし、その評判を落としてしまったことに代表されるように、必ずしも海外に日本文化が広まっても、その質が確保されていない状況が散見されるため、政府として世界に広がりつつある日本文化の質を維持するための取組が必要である。例えば、日本の「ポップカルチャー」の普及啓蒙活動に貢献する外国人作家・実演家を顕彰し、また、海外の作家や実演家を日本に招聘し、日本文化をよく理解してもらった上で、自国の活動に活かすことも、海外における日本文化の質を維持するとともに、支援者のネットワークを形成することに繋がると考えられる。前述の大臣スピーチで言及された「日本マンガ大賞(仮称)」は、まさにこの一環となるものであり、実施が期待される。

      つまり、「日本文化としての『漫画・Manga』」を日本のものとして世界に広めようという賞なので、
      日本の漫画家には与えられないのは当然かと。
      #(海外の漫画家に「日本で認められた」という箔をつけて
      #「Manga=日本」というイメージを定着させたい、というのは穿ちすぎ?)

      なお、前回ストーリーのときの大臣発言にも、今回リンクしたレポートにもありますが、日本人に与える賞(というか役割?)として
      「アニメ文化大使(仮称)」が提唱されてます(今回の発表には入ってなかったカナ?)
      #何で 海外⇒日本が漫画で、日本⇒海外がアニメ で非対称なんだろ?

      >日本貿易振興機構などの資料を総合すると
      JETROでアニメ(アメリカ) [jetro.go.jp]とかアニメ(フランス) [jetro.go.jp]とかマンガ(ドイツ) [jetro.go.jp]とか
      検索すると結構面白い資料が山のように(ここでリンクしたもの以外も)出てきます。
      ##ずっと以前、「フランスでアニメの視聴率が100%」って話を聞いたときに検索してたどりついたことが。

      海外における日本マンガの受容をザッと知りたいとしたら便利かも。
      #2005年、ドイツでNARUTO(19)が11万部売れたとか。
      親コメント
  • by 127.0.0.1 (33105) on 2007年05月22日 17時32分 (#1160822) 日記
    >日本が誇るポップカルチャーの発信力を高めるのが狙い

    で、

    >優れた外国人漫画家を表彰する

    という流れにどうやったらなるのか。
    麻生大臣をはじめとして関係者は漫画の読みすぎで
    頭がおかしくなったんじゃないか。

    優れた外国人漫画家を表彰すること自体はいいことだとは思う。
    • Re:矛盾しまくり (スコア:2, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2007年05月22日 17時46分 (#1160836)
      あげる側が権威を持てるから。
      真の国際化を遂げ、日本作品がその他大勢になってから
      そんな賞を作っても誰も注目しないし。
      今のうちでしょ。
      親コメント
    • Re:矛盾しまくり (スコア:2, すばらしい洞察)

      by marinkarin (10618) on 2007年05月22日 18時41分 (#1160878)
      授賞するってことは「あげる側の権威に従いなさい」ということだから,合目的ではあるのかもしれませんね。
      親コメント
    • Re:矛盾しまくり (スコア:1, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2007年05月29日 1時55分 (#1164556)
      ちょっとムカッときたから書くけど一応外国人として書きます。 外国でまんがと呼ぶものは間違いなく日本の文化の物とされています。 だから、そもそもメビウスみたいなものは最初から「漫画」のコンセプトに入ってません。別にそれはそれでband designe やコミックとか呼べば良いので。そして今最も若い人の間ではやって日本のポップカルチャーを代表しているのも漫画です。そこからJポップなども売れてるくらいです。あと、今の日本人の生き様とか。私もかなり参考にしています、そして漫画を日本へのつながりとしています。 外国人から見てこれほどうれしい交流の機会は今までなかったに等しいくらい! だからはっきり言って矛盾しまくりなのはそう言う環境を知らずにそんな事書いてる人達だと思います。 下手な日本語ですみません。
      親コメント
  • マンガ×××って (スコア:1, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2007年05月22日 21時42分 (#1160994)
    マンガでよくわかる×××ってことだろ?
    ノーベル賞の生い立ちから歴代の受賞者の業績をマンガで説明すると全何巻になるんだろうなぁ……
  • アニメやゲームにも力を入れてほしいですね。

    特にネットゲームは、日本は弱すぎる。
    勢いではお隣の韓国にも負けてますね。面白いかは別として。
    --
    天琉陳(Teruching)
  • by parsley (5772) on 2007年05月23日 4時25分 (#1161232) 日記
    これで、「国民栄誉賞」の格付けが変わる。
    --
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  • リンク先の記事を見ても判然としないんですが、これは「外国のメディアに発表された漫画」という括りなんでしょうかね?
    単に「外国人」とすると日本のメディアに連載している在日作家はけっこういるわけですし、逆に「日本メディアに掲載されているものを除く」とすると死霊狩り [amazon.co.jp]とか新暗行御使 [amazon.co.jp]の梁慶一氏なんかは対象外になっちゃうわけで。
    どういう基準なのかハッキリさせて欲しいです。
  • by Anonymous Coward on 2007年05月22日 16時43分 (#1160786)
    たいした奴だ
  • by Anonymous Coward on 2007年05月22日 16時48分 (#1160789)
    “現役の漫画家”はマズいよなぁ。
    今回名を連ねてるのが現役かどうかはあえて触れないが。
    • Re:選考者 (スコア:1, 興味深い)

      by Anonymous Coward on 2007年05月22日 19時22分 (#1160907)
      現役であろうとなかろうと、漫画家が選考するのは良くないと思う。
      クリエイターにありがちな態度として、使われている技術がどれほど手間がかかるか、独創的かだけに目を奪われてしまい、その技術によって「何をどれだけ効果的に伝えているか」を判断し誤ってしまうことが珍しくないと感じる。
      著作物の創作において、「目的」はあくまでも思想や感情の表現であって、それを十分に達成することができない「手段」は評価するに値しないと思うんだが、その辺を勘違いしちゃった人が「素人には分からない」とか言っちゃうんだよね。

      やっぱり選考委員は、描く側のプロではなく、評価する側のプロである編集者が行なうべきじゃないかな?
      親コメント
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未知のハックに一心不乱に取り組んだ結果、私は自然の法則を変えてしまった -- あるハッカー

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