MITがMulticsのソースコードを公開 55
ストーリー by yoosee
歴史書の公開 部門より
歴史書の公開 部門より
znc 曰く、
マイコミ ジャーナルの記事によると、マサチューセッツ工科大学(MIT)のInformation Services and Technologyは1960年代に開発した伝説のOS「Multics」のソースコードを公開しました。 ライセンスはBSDライセンスを採用している模様です。
Multicsは1960年代に開発され、当時の最新のOS理論がふんだんに取り入れられましたが、その規模故に余りにも重く高価なシステムとなってしまい、最終的には歴史の表舞台に立つ事は出来ませんでした。しかしMulticsに込められた多くのアイディアはこの後登場するOSに大きな影響を与え、特にUNIXへの影響は計り知れません。
さすがにMulticsの移植はかなり難しいでしょうが、OSの歴史の一つとしてソースコードを眺めてみるのはありかもしれませんね。
ソースを眺めてみた (スコア:5, 参考になる)
素人が野次馬根性で、さっそくソースを眺めてみました。感想を書いてみます。あくまで「読んだ」ではなく「眺めた」です。
ライセンスファイルは今流だとルートに独立してテキストが置かれていますが、そのようなものは見当たりませんでした。そのかわりすべてのソースに追記されています。MITだからMITライセンスだろうと思ったら違いました。
このライセンスはBSDの一種としてたまに見かけますが、Historical Permission Notice and Disclaimer [opensource.org]と呼ぶみたいですね。
ソースツリーの形式はあまり見慣れません。特に拡張子は知らないものばかりです。C言語はMulticsより後のUNIXのために作られたため、当然まったく使われていません。OSはC言語で記述するという先入観に囚われていたので、時代を感じました。
どれがソースなのかよく分かりませんが、pl1という拡張子にPASCALとC言語を混ぜたような言語で、ソースらしきものが書かれていました。PL/I [wikipedia.org]という言語のようです。そのWikipediaには以下のように書かれていました。
英語版 [wikipedia.org]によると、正確にはEarly PL/I (EPL)と呼ぶようです。
PL/Iは見たのも初めてなのですが、IBMの汎用機の仕事をしている人はいまでもPL/Iを使っているのでしょうか。
ソースツリーの構成がよく分かりませんが、どうやらldd [mit.edu]にソースがあるようです。lddと聞くとdsoを分析するツールを想像してしまうのですが、関係ないみたいです。でもここにはユーザーランドライブラリのソースしか見当たらないみたいで、カーネルがどこにあるのか分かりませんでした。
というわけでカーネルにすらたどり着けずギブアップです。「Multicsカーネル詳細」みたいな本があればいいと思いました。
Re:ソースを眺めてみた (スコア:1, おもしろおかしい)
PL/Iは遠くなりにけり (スコア:2, 興味深い)
なんか一気に老け込んだ気分になっちまったよ……('A`)
#C言語を選択したAC
Re:PL/Iは遠くなりにけり (スコア:0)
つい最近まで一種にあったと思ったけど、つい最近って感覚が老け込んじゃったのね。
Re:PL/Iは遠くなりにけり (スコア:1)
http://www.jitec.jp/1_11seido/seido_gaiyo.html [jitec.jp]
Re:PL/Iは遠くなりにけり (スコア:0)
Re:PL/Iは遠くなりにけり (スコア:0)
Re:ソースを眺めてみた (スコア:0)
Re:ソースを眺めてみた (スコア:1)
Multicsもいいが、 (スコア:2, すばらしい洞察)
出来はともかくOSとしての考え方は結構先進的で良かったです。
Re:Multicsもいいが、 (スコア:2, 興味深い)
ネットワーク機能やユーザーI/Fも含めかなり良く出来たOSだと思います。
OS自体はMulticsの流れを汲んでいるのですよね、、、?
ソースコードが公開されると嬉しいですが、あのちょっとクセのある
(PASCAL臭い)C言語ソースがどれだけ受け入れられるか心配です。
pokuri
Re:Multicsもいいが、 (スコア:0)
Pascal 臭い C 言語のソース? [pro.or.jp]
# Pascal と Delphi が大好きなので AC
Re:Multicsもいいが、 (スコア:1, おもしろおかしい)
最後のENDの後ろにピリオドがないので認めるわけにはいきません
Re:Multicsもいいが、 (スコア:1)
あのネットワーク分散OS環境での開発はやりやすかった。
あの分散環境は今のOSにもほしい!
といいつつ最近TRON系OSの開発だし、Apollo Domainはやはり凄いと痛感してます。
何十年後に登場する未来のコンピュータを触っていたのかな思うしだいです。
ソースがあれば、T-Kernel Extentionとして分散環境を移植できるかも・・・
でもx86系CPUにT-Kernelを移植しないと・・・
PL/I処理系 (スコア:1, 参考になる)
…あった。
http://pl1gcc.sourceforge.net/ [sourceforge.net]
でも、誰が使ってるだろ?
どっちが早いのかな。 (スコア:1)
移植するのと、動かすためのエミュレータを開発するのと、どちらが早いのかな。
なんて事をぼんやり考えました。
もしかして既に存在していたりするのかな・・・?
# てれっててれっててー --- macohime(#cpdz)
Re:どっちが早いのかな。 (スコア:4, 参考になる)
Re:どっちが早いのかな。 (スコア:2, 興味深い)
#10年ほども前の話だから顛末は知らん。
予言 (スコア:2, おもしろおかしい)
FreeMulticsがフォークしたり、
日本ではFreeMultics/98が流行ったり、
NetMulticsがフォークしたり、
NetMultics/x68kを動かすためにはCPU(MMU無しの68EC030(涙))を差し替えないといけなかったり、
喧嘩早いのが出て行ってOpenMulticsをフォークしたりして、
PC-Multicsブームが生まれるに違いない。
最近見かけないOliverたんは電車で拾ったLinuticsのCDに夢中なのかな?
作者であるフィンランドの学生はMiniticsで有名な教授と論争中らしいけど。
# あれ?MulticsってMMU不要?
日本人が (スコア:1)
Re:日本人が (スコア:1)
どうなんだろう生きていらっしゃるのでしょうかね。
とりあえず、「MIT 日本人 技術者 Multics」でぐぐったら、オラクル通信 [u-tokyo.ac.jp]が
トップでヒットしましたが、この人ではない?
Re:日本人が (スコア:1, 参考になる)
> トップでヒットしましたが、この人ではない?
リンク間違えていませんか?オラクル通信はこっちですよ。
http://www.oracle.co.jp/2shin/ora66/12_15.html [oracle.co.jp]
Re:日本人が (スコア:1)
オリジナルのMulticsは別として, 日本でMultics関連をやっていたとしたらACOS-6 [wikipedia.org]を扱っていたあたりですかね.
# 20年前の直属上司がACOS-6をやっていたらしいのでID
Re:日本人が (スコア:2, 参考になる)
池田克夫:コンピュータ・ユーティリティの構造 ーMULTICSの解剖ー、昭晃堂
カーネル内部データ構造とコード概要が詳細に説明されています。
知る人しか知らない書籍です。念のため。
Re:日本人が (スコア:0)
そのあとどうしたか知らない。
今なら (スコア:0)
今なら初代プレイステーションで動くかも? (スコア:2, 興味深い)
wikipedia [wikipedia.org]によると、こんな感じですからね。メインメモリが2MBある初代プレイステーションでも動いたりしてw
Re:今なら初代プレイステーションで動くかも? (スコア:0)
Re:今なら (スコア:0)
# 問題は、Multics 上で動くゲームが提供されるかどうかだ。
Re:今なら (スコア:3, すばらしい洞察)
それは当然Space Travel [client.jp]でしょう。
Re:今なら (スコア:1, おもしろおかしい)
誰か Multics 上で動く東鳩を是非・・・
Re:今なら (スコア:1, おもしろおかしい)
それはMultics 上で動くマルチが見たいてことですか?
#AAになるだろうが…
Re:今なら (スコア:1)
月面着陸ゲーム?
#やりすぎると、床の上が紙だらけになる・・・
Re:今なら (スコア:0)
Re:今なら (スコア:1)
Re:今なら (スコア:2, 参考になる)
こちらのページ [os-omicron.org]によると
だそうで. このあたりはソースを読んでみるのが確実でしょうね.
いろんなことをひとつのOSでやろうとした (スコア:0)
現在のLinux(unixではないか・・・)では、multixの思想は実現されているのですかね。
傍流 (スコア:0)
ACOS6はMulticsには入れてくれないの?
ちなみに、むかし聞いた話だが (スコア:0)
Re:ちなみに、むかし聞いた話だが (スコア:2, 参考になる)
Re:定番 (スコア:1)
「"unix history"」とダブルクオート付でググれば [google.co.jp]トップに来ますよ
Re:ちなみに、むかし聞いた話だが (スコア:0)
わざわざこんなコメントしちゃったり、それにプラモデがついたり
スラドも変わりましたなぁ(遠い目
そのうち「GNUってGNU is Not Unixの略なんだよ」でもプラモデ貰える日が来るのかしら
Mt. Xinu (スコア:2, 参考になる)
かつてMt. Xinuという会社があって、4.3BSD-tahoeベースのmore/bsd 4.3という商用UNIXを
販売してました。私のいたところでもVAX8650にmore/bsd 4.3を載せて研究開発してました。
XinuはXinu is not UNIXの略で、さらにMt. XinuはUNIXTMの逆綴りになっているという、
なかなかに気の利いたネーミングだったわけです。雪山のロゴもいかしてた。
ストールマンがGNUを提唱したとき、「GNUってXinuの真似じゃん。ストールマンも安っぽいこと
するよなあ。Xinuって名前を先に思い付かれたのがよっぽど悔しかったんだろうか」というのが
わりと一般的な見解だったように思います。
それが今ではMt. Xinuなんて誰も憶えてないわけです。GNUという名前の起源を語るなら
必ず触れられてなければおかしいはずなんだけど、なんだか「ナカッタコトニナッテル」っぽい。
ひょっとして黒歴史扱いなの?
# /.jの過去記事 [srad.jp]もスルーされてるし…。(発言したの私じゃないけど。)
Re:Mt. Xinu (スコア:1)
「is not UNIX」の部分とXやGが再帰定義になってるところでしょう。
当時、再帰定義になってる略語は他にもいろいろあったと思うのですが、
「is not UNIX」なのはXinuとGNUぐらいですね。
私の記憶ではほぼ同時期なんですが…
> Mt.Xinuが1983年あたりに立ち上がった会社
GNUも1983年 [wikipedia.org]です。どっちが早かったんだろう?
Re:Mt. Xinu (スコア:1)
Re:ちなみに、むかし聞いた話だが (スコア:1)
「層が厚くなり、多様性が増した」
と。;;
#でも厨房はお断りだけどな!
Re:ちなみに、むかし聞いた話だが (スコア:1)
とはいえ、それらが不当プラスモデで沈められるのはちょっと気の毒です。
LIVE-GON(リベゴン)
Re:ちなみに、むかし聞いた話だが (スコア:0)
Re:ちなみに、むかし聞いた話だが (スコア:1)
UNIX: 美容室 [unix.co.jp]
unix: アスベルの食品保存容器 [asvel.co.jp]
ですね。あ、Unixがないや。
日本マランツのはUNIXだったと記憶してるんだけど、Wikipediaによると unix らしい [wikipedia.org]
Re:ちなみに、むかし聞いた話だが (スコア:0)