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27708 story

虫歯菌だけを選択的に溶かす酵素 50

ストーリー by Acanthopanax
大学発ベンチャー 部門より

maia 曰く

中国新聞の記事によれば、虫歯菌だけを選択的に溶かす酵素「Aml」の商業化にベンチャー企業のツーセルが乗り出す。広島大学の菅井基行教授のグループが世界で初めて発見した酵素で、サリバリウス菌などの善玉菌を残したまま、虫歯菌(ミュータンス菌およびソブリヌス菌)だけを特異的に溶かす性質を持つ(参考:虫歯菌に対する殺菌剤)。特許は10カ国で申請中。ツーセルは酵素の使用権を販売するビジネスモデルで、2013年の商品化を目指す。

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  • aml入りガム (スコア:4, 興味深い)

    by iwakuralain (33086) on 2008年06月14日 19時29分 (#1363683)
     少し前はキシリトール入りなんて珍しかったが、そのうちaml入りガムが普通になって
    ガムを噛んでるだけで虫歯を退治!!なんてものが出てくるんでしょうか。
  • 論文? (スコア:3, 参考になる)

    by Anonymous Coward on 2008年06月14日 20時13分 (#1363694)
    タレコミにあるようなAmlの性質を報告した論文 [jst.go.jp]。(本文も読めます)
    Amlってのはミュータンス菌自身から取り出した、菌の周りの壁を壊す酵素だそうです。
    結構きれいにサリバリウス菌には効いていない様に見えるんですが、効く菌と効かない菌で何が違うんでしょうね。
    虫歯菌としての性質の差とかにリンクしてたらおもしろいなぁ。

    #歯磨きなんて長くても5分くらいでうがいしちゃうものだと思うんですが、
    #Amlは流されずに口の中に残ってくれるんですかね。

    • Re:論文? (スコア:5, 興味深い)

      by y_tambe (8218) on 2008年06月14日 21時46分 (#1363723) ホームページ 日記
      いわゆるAutolysinってやつですね。

      細菌の細胞には、植物細胞や真菌細胞と同じように細胞壁が存在してます。ただ植物の細胞壁がセルロース、真菌の細胞壁がキチンやグルカンなどであるのに対して、細菌の場合はペプチドグリカンというのが主成分になってます。ペプチドグリカンは、その名前の通り、アミノ酸(=ペプチド)と多糖類(=グリカン)から構成されている高分子です。細菌の細胞は、その基本となる単量体(ペプチドグリカンモノマー)を細胞膜の外に分泌し、それを細菌の成長(大きくなる)や分裂に応じて、既存の細胞壁に組み込みながら、細胞壁を組み立てています。
      この過程は、おおざっぱに言うと、(1)オートリシンにより、既存の細胞壁の一部を切断、(2)トランスグリカナーゼにより、ペプチドグリカンモノマーの糖鎖部分を、既存細胞壁の糖鎖に組み込み、(3)トランスペプチダーゼによりペプチド鎖同士を架橋、という手順で行います。

      細菌の細胞壁は、細菌細胞を守る働きをしています。実は、一般に、細菌細胞は細胞質の浸透圧が動物細胞と比べて高いため、細胞壁を失った細菌は、ちょうど赤血球を真水に浸けたときのように、細胞外の水が細胞内にどんどん侵入して、溶血ならぬ溶菌を起こしてしまいます。有名な抗生物質であるペニシリンは、上の(3)のステップ、すなわちトランスペプチダーゼの阻害剤ですが、この作用によって細胞壁の合成を阻害し、細菌の増殖を止めるとともに、殺菌作用を示すわけです。

      で、今回のオートリシンについても同様に、過剰に与えることによってS. mutansの細胞壁を切断しよう、ということでしょう。

      まぁぶっちゃけていいますと、耐性菌が出てくるかどうかと聞かれたら、出てくるだろうな、と思います……基本的に、抗細菌薬は耐性菌の出現との追いかけっこになりますので。特に、外から与えられるオートリシンもS. mutans由来なので、オートリシンの産生を控えるような菌株が出現したり、あるいは細胞壁の構造そのものが変化したような菌株が出現したり……。細胞壁の合成は、S. mutansの持つ齲蝕作用(酸の産生と、PAcなどの細胞表面タンパク質による付着)とは別の機構ですので、耐性を獲得した菌もまた虫歯の原因になりうるだろうな、と。
      ただまぁ、S. salivariusのような非病原性口腔レンサ球菌もいることだし、そちらに対する抗菌作用がないのならば、いわゆる菌交代現象を起こしてくれることに期待はできるかな…と。それでも一旦除菌が済んで、細菌叢が置き換わったら、使うのは止めた方がいいんじゃないかなとか、あと、口腔レンサ球菌には、心内膜炎の原因になるS. mitis菌群などもいるんで、そっちを増やすことにならなきゃいいなとか、その辺りは気になるところですね。
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    • Re:論文? (スコア:2, すばらしい洞察)

      by WindVoice (14680) on 2008年06月14日 21時03分 (#1363712) 日記
      抗生物質の例にあるように、すぐにAml酵素が効かないような虫歯菌が登場する、ということにはならないんでしょうかね。
      --
      人生は七転び八起き、一日は早寝早起き
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  • バイオフィルム (スコア:3, 参考になる)

    by Anonymous Coward on 2008年06月14日 21時45分 (#1363722)
    虫歯菌の細胞壁を分解する前に、まずバイオフィルムを分解しないと。
    歯茎の奥に入り込んでいるバイオフィルムの分解は単純には行かないと思われ。

    あるいは
    虫歯菌は3歳になる前に親から感染する感染症らしいので、乳幼児につかうのがいいかもね。
    aml酵素入りおしゃぶりとか、aml酵素いり粉ミルクとか。
    • by y_tambe (8218) on 2008年06月14日 22時07分 (#1363732) ホームページ 日記
      使い方次第では、大人でもいけるかも?
      1. 歯石を除去
      2. バイオフィルムを分解
      3. Aml酵素とS. salivarius生菌の同時投与(細菌叢の置き換え)
      問題は、やはり(2)の、バイオフィルムの分解をどうするかというところですね。(1)(3)だけでもそれなりの効果があるかもしれないけど…まぁ歯石みたいに強固にこびりついているものを取り除いた後なら、バイオフィルムを構成する多糖類をターゲットにした分解酵素か何かを使えば、効果が得られるかもしれません。
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  • by Anonymous Coward on 2008年06月14日 18時23分 (#1363660)
    こんなすばらしいものは、おれたちの商売の邪魔だ……あれ、ねぇさんがよんでいる…
    • by Anonymous Coward on 2008年06月14日 18時44分 (#1363667)
      >あれ、ねぇさんがよんでいる…

      歯科医や歯科助手はグラマラスな美女が、(色んな意味で)親密な「診療」をするのが主流となり…

      歯ブラシは、吉原や、雄琴、中洲で極端に消費されるように…

      #あれ?
      親コメント
    • by cogito (25709) on 2008年06月14日 22時14分 (#1363737)
      そして歯医者と歯ブラシ歯磨き粉業界は結託し、
      酵素「Aml」への耐性を持った虫歯菌の開発を急ぎ始める...

      親コメント
    • これは虫歯菌を除去するだけじゃだめでしょうねぇ。

      一時期、歯茎からの出血が止まらなくなったので
      昼食後の歯磨きを心がけたら治まりました。
      それがこの一ヶ月ほど昼に歯磨きできてなかったら、
      再発しました。

      ブラッシングは大切。
      --
      〜後悔先に立たず・後悔役に立たず・後悔後を絶たず〜
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    • by Anonymous Coward
      今まで数々の虫歯対策が出てきていたはずなのに、結局削って埋めるしかしてねぇもんな
      • ってのが一時期流行りましたよね。 [dr-clinic.jp]
        (歯を削るんじゃなくて、抗菌剤で治療する方法)

        これは神経を抜かなくてすむのと、削らなくてすむので
        本来の歯を保存できるという画期的な方法です。

        今でも、一部では受けられるところがありますが、実は保険対象外です。
        (それでもたいして値段が変わらないらしいですが)

        んで、認められにくい背景は
        「歯科医学会とかが今までの「削る」治療を否定するものだから」とか
        「値段の安い治療法(つまり儲からない)だから」のせいだとも言われています。

        ソースなどが無いので、正確性に欠けるかもしれませんが
        3Mix MP法は「治療」なのでなかなか広がらなかったのに対して
        今回のものが市販できるものなら、学会が止められる流れではないかもしれません。

        そうなると良いなぁ。

        # 一般人だって歯は命
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        • オゾンによる無痛治療 [ha-channel-88.com]てのも出てきてますね。
          どちらも歯科医のテリトリーであるのに対して今回のはどうなんでしょ。
          やっぱり歯科医の縄張りなのかなぁ。

          #ガムに入れて欲しいなぁ
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        • by Anonymous Coward
          現在3mix-mpで治療してもらっています。
          3mix-mpだけを過信するのではなく既存の治療法と組み合わせればとても有効だと思います。

          保険対象外だから歯医者さんが儲からないというのはあるでしょうね。
          • by Anonymous Coward
            そういえば歯科診療だけは昔からなぜか混合診療が認められていますがどうしてなんでしょうね。医者があれこれひねり出してる言い訳は歯医者にだけ当てはまらないものばかりなのでしょうか。そんなわけないと思うのですが。
    • by Anonymous Coward
      歯医者「これは抗生物質と同じですから、すっかり虫歯菌を退治するまで必ず続けてください」
      患者「わかりました。がんばります」
      歯医者「それから再感染を防止するため、治療終了後も永久にキスは禁止です」
      患者「え……」


      大丈夫でしょう。商売の邪魔になるほどうまく行かないだろうなぁと。
    • by Anonymous Coward
      ただでさえ歯科医師過剰だから、ねえ・・・
      どっかの誰かが妄想 [nikkeibp.co.jp]してるみたいに医師に転用できればいいんだけどね。
      • フッ素入り水道を採用しなかった日本だけど(但し、「私はフッ素化に関して、なぜ立場を変えたか [slashdot.jp]」を読むと、採用しなくて良かったようだ)、Amlが普及すれば、虫歯が今度こそ無くなっていくかもしれない。

        日本の歯科医は、国内に見切りをつけて、中国や東南アジアで開業(在住日本人向けと、現地の歯科医療指導)という話もあるけど、それも需要としてはぼちぼちかな。
  • 混入 (スコア:1, 興味深い)

    by Anonymous Coward on 2008年06月15日 20時16分 (#1364053)
    リンク先にあるツーセルの発表、「歯磨き粉やガムに混入」って
    何かまたぞろ食の安全を脅かす事件かと思ってしまったが、
    何か他に言い回しはなかったのか。

    …冷静に考えてみれば本来悪い意味のある言葉では無いんだよな
  • by Anonymous Coward on 2008年06月14日 19時37分 (#1363685)
    強酸が原因なのだからずっと口に水をためておけば酸が薄まり虫歯が防げるんじゃね?
  • by Anonymous Coward on 2008年06月15日 19時52分 (#1364038)
    最近さっぱり聞かなくなったな、「カリソルブ」…
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日々是ハック也 -- あるハードコアバイナリアン

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