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医療

ビタミンD欠乏と死亡リスクの高さに関連性あり 29

ストーリー by mhatta
もやしっこは注意 部門より

capra 曰く、

オーストリア・グラーツ医科大の研究チームから、ビタミンDが欠乏すると死亡リスクが高まるという研究結果が発表されました(AFPBB Newscanada.com本家/.記事より)。この研究(論文概要)では、1997年から2000年の間に血管造影検査を受けた3258人に対して体内ビタミンDレベルの指標である血中25ヒドロキシビタミンDの値を調べ、7.7年間に渡って追跡調査が行われました。調査期間中、23%にあたる737人が死亡しましたが、死亡者のうち307人がビタミンD値が最低のグループに属し、値が最も高かったグループの死亡者数103人と比べ3倍近い死亡率となりました。また、死亡者の62.8%にあたる463人の死亡原因が心臓血管系疾患でしたが、ビタミンDの欠乏は他にも癌や脳卒中、心不全などとも関連性がみられるとのことです。また、他にもビタミンD欠乏が糖尿病、肥満、高血圧のリスクを高めるという研究もあります。

ビタミンDは紫外線B波(UV-B)を浴びて体内で生成されますが、高緯度地域の秋冬季には大気を通過するUV-B量も少なく、長時間外にいたとしてもビタミンDを十分作れないとのこと。また、他にも高齢者や夜勤シフトの人、また長時間室内で過ごす人はビタミンD欠乏になりやすい為、積極的な摂取を心がけたほうが良いそうです。ただしビタミンDは脂溶性ビタミンであり、過剰摂取した場合水溶性ビタミンのように尿で排出されず、人体に害を及ぼす危険性があるので摂りすぎにはくれぐれもご注意を。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • こういう話のときいつも問題になる、因果関係と相関関係の関わりについてコメントします。

    まず、ほとんどの場合にきちんとした因果関係の証明は不可能か、事実上不可能です。
    ですから強い相関関係が認められた場合に、それを軽視したり無視することはまともな
    態度ではありません。

    そして、この研究結果が示す相関関係は非常にクリアなものです。万が一、因果関係が
    ないとしても、体内ビタミンD レベルを適正値に保つ努力をしない理由はありません。

    それを踏まえた上で、そもそも体調の悪い人は外出を避けがちになるから、ビタミンD も
    同時に不足する傾向があるだろう、ということは言えます。足腰が衰えれば運動不足になり、
    心肺機能も弱るしコレステロールも増えるかも知れません。ビタミンD とは関係のない機構で
    死亡率を押し上げる可能性があります。
    • 的確なコメントだと思います。
      付け加えるならば
      > 高緯度地域の秋冬季には大気を通過するUV-B量も少なく、
      > 長時間外にいたとしてもビタミンDを十分作れないとのこと。

      とありますので、「体調が良いけれどビタミンDが摂取できない」人の
      調査も済ませた上での結論であると思います。

      #結局オーストリーじゃなくオーストリアで定着したのか
      親コメント
    • 全文が読めないところにいるのでabstractだけからですが、

      > These effects were independent of coronary artery disease, physical activity level, Charlson Comorbidity Index, variables of mineral metabolism, and New York Heart Association functional class.

      一応その辺は除外してあるようですね。で、CRP/IL-6とか、血清リン脂質レベル・グルタチオン・VCAM-1,ICAM-1あたりと相関している、と。
      で、血清カルシウム濃度測りながらならアルファロールもロカルトロールも大した副作用がない薬なので、

      > A causal relationship has yet to be proved by intervention trials using vitamin D.

      治験やったって構わないだろう、という結論ですね。いかにもどっちに転ぶか分からなさそうな治験ですけど。
      親コメント
  • どうなんですかね? (スコア:3, おもしろおかしい)

    by Lurch (10536) on 2008年06月27日 8時56分 (#1371670)
    >ビタミンDは紫外線B波(UV-B)を浴びて体内で生成されます
    欠乏気味の人は元気が無くて屋外にあまり出ない人だったりして
    --

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    惑星ケイロンまであと何マイル?
    • 日焼けサロンが流行る…のかな?

      //やばい。外出るのも日焼けも嫌いだ、私。
      親コメント
      • by Anonymous Coward
        欧米人に「かつお」フレークが売れるようになるかな?

        他の方も指摘しているとおり、血中ビタミンD量を調べて、健康に注意を促すことは「真」ですが、
        血中ビタミンD量を増やせば健康になることは「真」とは限らない、逆も真であるとは限りません。

        カルシウムは、神経や筋肉で大切な働きをしていますので、ビタミンDとの関わりも疑われます。
        「偽」と言い切れませんが、「真」と断言できるだけの研究内容ではないです。
        今後の研究で、メカニズムが解明されることを期待します。
    • by P-chan (36498) on 2008年06月27日 9時31分 (#1371698)
      脂溶性ビタミンは過剰摂取は厳禁ですが、 不足すると重大な問題を引き起こす大切なアミノ酸ですね。 室内でも蛍光灯などの照明器具、モニタなどから紫外線が出ていますし、 窓からの日光もあるので光量的には問題ないと思いますが、 ビタミンそのものや、前駆物質といわれる、ビタミンの元になる材料が不足すると 生成自体行えないので偏食や睡眠不足・ストレス・薬品の長期摂取による影響には注意が必要です。 もっとも、外に出る事…ある程度の運動も重要です。からだ中の浄化機能であるリンパは筋肉の収縮 によってしかその流れを作れませんし、心肺機能や代謝機能等もある程度の負荷を与えないと機能の 維持・強化が行われないばかりか低下していきます。 視力低下の場合有名なのはニンジンに含まれるβカロテン(ビタミンAの前駆物質)、 ビタミンDは椎茸や魚介類など、比較的摂取しやすいものに含まれているのですが、 不足する理由についても色々細かく調査と対策を進める必要がありそうですね。 現代社会は生活習慣病や突然死等、昔からあるけれどお医者さんでも原因が分からない 不可解な病や死亡原因が増えているのも事実です。 年々薬等は新化・開発されていますが、それに頼る必要性とそのリスクについても もっと認知されるべきです。ステロイド等を服用されている場合、皮膚病や腎臓病など多岐に渡る 効能がありますが、内臓や精神にかかる負担が大きく、更に他の薬を服用する場合が多いです。 この場合等は骨粗しょう症や副腎の機能低下等、連動する機能を大幅に低下させる危険を伴います。
      親コメント
      • by Anonymous Coward
        脂溶性ビタミンはアミノ酸ではありません。

        また、後半の薬やステロイド云々は完全に蛇足ですね。

        せっかくコメントするのですから、ある程度の熟考はされたほうが
        良いと思います。

        それだけなのでAC
    • by Anonymous Coward
      >欠乏気味の人は元気が無くて屋外にあまり出ない人だったりして

      チミねぇ、それは違うよ?ビタミンDのDはDeath MarchのDなんだよ?
      つまり、常にビタミンDが供給されるソフトウェア業界は最も死亡リスクが低いんだよ?
      たまに…そう、ごくたまにね、過剰摂取したジャンキーが別の病気をこじらせ死んでしまうようだがね!
      本当にビタミンDは地獄だぜハッハー!
  • 日光浴 (スコア:2, 興味深い)

    by harutin_99 (34900) on 2008年06月27日 9時29分 (#1371696) 日記
    日本では、せいぜい5~10分程度日光浴びればよいみたいなことをよく耳にします。
    でも日に焼けて黒くなればなるほど、VDが生成されづらいらしくて、黒人だと1/10~1/5程度だとか。
    色の黒い人が北欧とかに行くと、一日中浴びてても足りないなんてことにもなりそうです。
    • by Anonymous Coward
      白人という人種が生まれたのはそれが原因
      (高緯度地方でもくる病にならない、メラニンの少ないmutantがヨーロッパで選択された)
      とされていますね。
      #だけなのでAC
  • by pongchang (31613) on 2008年06月27日 9時39分 (#1371703) 日記
    活性型である1,25(OH)2D3への変換が効かない [iyaku-j.com]慢性腎不全患者(CKD)では低いのが道理である。CKDでは補充するのが良いという論文 [ama-assn.org]もあるが、CKDの患者は脳梗塞や心筋梗塞も起こしやすく、そもそもリスクが集積した状態ととらえる[pdf [med.or.jp]]と、元気な人にサプリが有意差をもって効果を現すかは判りかねる。
    ビタミンD欠乏症になるような腎機能低下を起こさないように、糖尿病や高血圧の予防に気を配るのが、サプリに手を伸ばすより先の事ではなかろうか?そして、生活習慣病の一次予防で海産物やキノコの摂取が増えて、運動で日光にあたれば済む。
    宗教上 [nikkeibp.co.jp]の理由で、ベールをかぶっているなら、サンルームの男性を排除する必要があるが。
    今回の論文の日本語の解説blog [exblog.jp]もご参照ください。
  • 日光浴は赤ちゃんの健康に良いということで勧められてきたようですが、
    子どもの栄養状態がよくなったので1日に数分間太陽の光にあたるだけで、
    必要なビタミンDも十分に得られるとのことです。そのため、1998年から
    母子手帳に日光浴を勧める記述ががなくなったのですがそんなことつゆ知らず、
    よく日光浴させていました。

    もちろん、ほったらかしにすると体温調節がうまくいかないため脱水症状となるので、
    どきどきしながら、そばにいて念を送りながら眺めていましたね・・・

    で、大人はと言うと、日にまったく当たらないときって、なんだかイキモノとして
    不活性だなと感じることはありませんか?。それがたぶんビタミンD欠乏症の症状だと思います。

    #ちがうよなぁ(w
  • by Anonymous Coward on 2008年06月27日 8時42分 (#1371665)
    と、数年前なら、健康番組が取り上げまくるわけですね。

    まあ、納豆をいつも食ってる人にとって、
    納豆でダイエット、に必死になってる連中には笑ったと同時に困りましたけど。
    全然同情する気は起きなかった
  • by Anonymous Coward on 2008年06月27日 10時56分 (#1371756)
    欠乏症とか過剰摂取とか、適量を逸脱した症状が発生したからだ。発生しない範囲が適量だぞ。
    欠乏すると死亡リスクが高まるというのはそういう事態のあらわれの一つでしかない。
  • by Anonymous Coward on 2008年06月27日 11時41分 (#1371793)
    欠乏しても死亡リスクと関連しないビタミンってあるのか?
    • by the.ACount (31144) on 2008年06月27日 12時41分 (#1371867)
      そもそも人間の欠乏症が見つかってないビタミンもあったはずだが。
      人間以外の動物に必要な物質もビタミンとしてたからね。(ネズミの妊娠に必要なビタミンとか)
      --
      the.ACount
      親コメント
      • by Anonymous Coward
        筒井康隆のビタミンとかホルモンとか読み直したくなってきた。
    • by Anonymous Coward
      だよな
      もしそんなのあったら名前変えなきゃならんだろうに

      影響するポイントが明確か否かは議論の余地があるだろうけどさ
    • by Anonymous Coward
      ヴァイタミンという発音で語られると、尾崎亜美を思い出してしまうわたし……
typodupeerror

UNIXはシンプルである。必要なのはそのシンプルさを理解する素質だけである -- Dennis Ritchie

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