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医療

ES細胞を使って赤血球を生成することに成功、人工血液の実現に一歩前進 21

ストーリー by hylom
コストはいかほどなんだろうか 部門より

insiderman 曰く、

AFP BBNewsによると、米国のAdvanced Cell Technology社の研究員らが、ES細胞から大量の赤血球を生成することに成功したと発表したそうだ(Blood誌電子版に掲載された論文の要旨)。

論文要旨によると、「このようにして生成した赤血球を通常の血液と比較した結果、酸素を運ぶ機能を有する赤血球をES細胞から大量に作る、ということが実現可能であることを示せた」そうだ。この技術を使ってO型の血液を生成することでどの血液型の人にも輸血できる「万能人工血液」も実現できるとのことだ。

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  • by help (36022) on 2008年08月22日 16時28分 (#1407914) 日記
    血液型関連で輸血が重要なテーマのお話が成り立たなくなるわけですね。
    たとえば不惑を超えたあたりの人なら赤いペガサス [wikipedia.org]をご存知かと。

    あるいは占いでも血液型 [wikipedia.org]が非常に大きな地位を占めていますが、 wikipedia によると赤血球の型を問題にしているわけで、白血球の型 [wikipedia.org]での占いは見たことがありません。
    まぁ、とりあえず大量生産するなら赤血球の型は抗体ナシの O 型にするってことなのでしょうかねぇ。
    • by ayasama (17717) on 2008年08月22日 18時10分 (#1407967) 日記
      「赤いペガサス」といえば、アニメ版シティー・ハンターしか思い浮かばない・・・

      #なんで「ユニオン・テオーペ」じゃダメなんだろう?
      親コメント
    • ボンベイブラッドですな。 > 赤いペガサス

      ところでATOK2008を使うとムンバイブラッドに変換しようとしやがるんですが(まあ、よくできてるっちゃ、よくできてる)、今でもボンベイブラッドでかまわないんでしょうかね。

      # ちなみに「びるま」という単語で変換すると「ミャンマー」が候補に出るけど、
      # 「びるまのたてごと」で変換すると「ミャンマー」は現れない。
      親コメント
      • by Anonymous Coward
        そのうち「たけしま」と打ち込むと「ドクト」とか変換されちゃうようになるんですかね。

        言葉の世界には政治を持ち込まないでほしいもんだ。
  • by Anonymous Coward on 2008年08月22日 15時33分 (#1407885)
    我々はすでに先の大戦の時分より、海水を血液として利用することについて研究を行ってきた。すでに宗主国の兵士様にもお試しいただいておる。なぜか意識はお戻りにならなかったが。
  • by Anonymous Coward on 2008年08月22日 16時12分 (#1407905)
    拒否反応は起こらんの?
    そもそも今は血液型の合わない輸血はほとんどしないでしょ?

    ES細胞にせよiPS細胞にせよ、患者本人に由来するものから作るので他人の臓器を移植するより拒否反応を押さえられるって話じゃなかったっけ?

    緊急輸血なら作ってる暇なんてないし、予定された手術のために事前に用意するってのは、今でも本人から少しずつ抜いて冷凍保存してやってるよね。
    イマイチ使いどころがわからん…

    • ES細胞由来の組織は(何故か)あまり拒絶反応は起きないことが知られています。
      これは人工的な環境で発生したために抗原を呈示しないためだと思われますが、本当のところはよく分かりません。
      今回の実験で用いられた細胞はA/RhD(+), B/RhD(-), O/RhD(+)の細胞だったようですが、A/B型でも得られた赤血球
      は5%ほどがA/B型の抗原を呈示していただけだったようです。
      今回の論文の手法は他のES細胞にも適用可能なはずなので、血液型を会わせるためにはそれに適したES細胞を用い
      ればよいです。(ヒトのES細胞はこれまで十数種類つくられており、RhD(-)のES細胞ももう一種類存在しています)

      赤血球というのは再生医療のターゲットとしては有利な細胞です。
      何故かと言えば脱核しており、新しくタンパク質を合成することがないので、輸血時に拒絶反応が起きなければ
      その後細胞が外部からの刺激への応答として抗原となるタンパク質を合成してしまい、レシピエントに有害になる
      という可能性が低いからです。

      一方でこの脱核という細胞的には大きなイベントの制御が赤血球に分化させる際には問題となり、これまでの
      方法ではせいぜい10%程度が脱核する位だったと思います(最後に私が聞いた時点ですが)。
      今回はかなり成功率が上がっているとはいえ、細胞ごとに大きな差があり、この部分の安定化が課題になりそうです。

      >緊急輸血なら作ってる暇なんてないし、予定された手術のために事前に用意するってのは、今でも本人から少しずつ抜いて冷凍保存してやってるよね。

      血液は臓器などよりましとはいえ、それほど保存ができません。
      献血 [nicovideo.jp]も21日間しか保存してはいけない [yahoo.co.jp]ことになっています。
      今回の方法でもまだ大量生産には難しい(多分ストローマ細胞が必要ない培養系の確立が必要)のですが、軌道にのれば
      常に予想消費量の100%を少し超える程度を全ての血液型について生産し、必要時には常に使えるような体制の構築が進めら
      れるかと思います。
      --
      kaho
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    • by Y.. (7829) on 2008年08月22日 16時56分 (#1407925) 日記
      >そもそも今は血液型の合わない輸血はほとんどしないでしょ?
      それってO型以外の人にO型の血液使いまくるとO型の人に輸血するときに不足しちゃうからじゃない?
      親コメント
      • by pmjames (29210) on 2008年08月23日 18時52分 (#1408579) 日記
        O型の血液(赤血球製剤)には少量の血漿成分が含まれており、
        これは抗A/抗B抗体を含んでいます。
        通常A/B/AB型の人にO型赤血球を輸血しても輸血した赤血球が破壊されることによる溶血性副作用は起こりませんし、
        輸注された少量の血漿成分による患者本人の赤血球の溶血は通常軽微なので問題にはなりませんが、
        大量に血漿成分が輸注される際には溶血性副作用が問題になります。
        血液型の判定に間に合わない緊急時の輸血はO(-)で行うことがありますが、
        大量に血漿成分が入る形での輸血は避けた方が良いので、
        原則として赤血球の輸血は血液型を適合させて行います。

        ES/iPS細胞から作成した赤血球は血漿成分を含まないので、何種類も作る必要はなく、
        O型RhD(-)の一種類(不規則抗体の件はこの際おいておいて)でかまいません。
        親コメント
    • Re:万能人工血液って… (スコア:1, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2008年08月22日 17時21分 (#1407934)
      人工というよりも養殖と呼んだ方がしっくりくるのは私だけでしょうか・・・

      使いどころというか意義は、大勢や自分自身から大量に抜いて集める必要が無いってことじゃありませんか?
      親コメント
    • 記憶があやふやなんだけど、どこかの医療系のマンガで「血液が足りません!」「だったら生理食塩水でもなんでもぶち込め!」とかいうシーンがあった記憶があります。素人目にも乱暴だなと思ったんですし(笑、しょせんフィクションですが、循環器系は循環しているからこそ機能している訳で、多少CO2の排出速度が遅くなっても、循環液がなくなって、系全体が止まってしまうよリマシかと納得してました。

      予定していた出血量より多いとか、そもそも事故とかで大量出血しているんだけど、自己輸血が出来ない、おまけに日本では慢性的に血液の供給量が足りないとなれば、時にはそういった万能血液が有効なこともあると思います。少なくとも生理食塩水ぶち込んで、無理やり循環系を維持するよりは効果がありそうです。(笑)

      # あくまで素人考えです。

      --
      vyama 「バグ取れワンワン」
      親コメント
    • by Anonymous Coward
      >イマイチ使いどころがわからん…

      突発的に大量に血液が必要になったときのために、プラントつくってコンスタントに供給できる
      かも知れないね。いざというときのために廃棄覚悟で余計に作っておくとか。

      感染症予防がやりやすいという利点もあるかもしれない。

      拒否反応に関しては、この培養人工血液が余計な抗原性をもたなければ、これまでの輸血用血液と
      まったく同じ扱いでいいはずです。本人由来のiPS(ESは胚由来なので、本人はいない)であれば、
      もちろん拒否反応は抑えられるわけですが、本人由来のiPSを作ってる間に患者が死んでしまっては
      意味がないので、あらかじめ組織適合性のバリエーションの分だけiPSなりESを作っておいて、
      必要になった時点でストックの中から一番近いものを選んで使う、というアプローチでやってると
      理解してます。そのてんでは血液だろうが臓器だろうが一緒で、本人由来かどうかはそれほど問題に
      なってないんじゃないかな。
    • by Anonymous Coward
      >拒否反応は起こらんの?
      >患者本人に由来するものから作るので他人の臓器を移植するより拒否反応を押さえられるって話じゃなかったっけ?
      赤血球には細胞核がありませんので、DNA配列を元に自他を識別して白血球に攻撃される事はないんでないかと。
      単に異物として排除される事はあるかも知れんが。
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「科学者は100%安全だと保証できないものは動かしてはならない」、科学者「えっ」、プログラマ「えっ」

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