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テクノロジー

コンクリートを完全再利用する新技術 38

ストーリー by hylom
現在使われているコンクリートの再利用は? 部門より

あるAnonymous Coward 曰く、

東京大工学系研究科の野口貴文准教授らが、コンクリートを完全再利用するという新技術を発表したらしい。

コンクリートはセメントと、砂利などの「骨材」、水を混ぜあわせて固めるが、古くなった塊から骨材をきれいに取り出すことが難しいため、再利用はおもに道路の路盤材に限られているそうだ。そこで、野口教授らは骨材に酸化鉄を吹き付けることで「再利用可能コンクリート」を作成した。この再利用可能コンクリートは、マイクロ波で加熱した後に砕くことで、セメントがきれいにはがれ、骨材を容易に回収できるとのこと。さらにシリコンやコンクリートの微粉末を吹き付けることで、強度も高まるそうだ。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 疑問 (スコア:1, 興味深い)

    by Anonymous Coward on 2008年09月25日 15時38分 (#1425829)
    >さらにシリコンやコンクリートの微粉末を吹き付ける

    シリコン/シリコーン どっち?
    金属シリコンを吹き付ける意味があるのかな。

    コンクリート/セメント どっち?
    リンク先にも<コンクリートはセメントと、砂利などの「骨材」、水を混ぜあわせて固める>とある。
    骨材ごと粉砕した粉末を吹き付けるとは考えにくい。

    #単なるツッコミなのでAC
    • Re:疑問 (スコア:2, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2008年09月25日 16時54分 (#1425887)
      気になったので広辞苑で調べてみました:

      シリコン【silicon】
      〔化〕珪素。

      シリコーン【silicone】
      有機珪素化合物の重合体の総称。シロサキン結合(-Si-O-Si-O-)を骨格とし、珪素原子にアルキル基などが結合している。液状のもの(シリコーン油)、ゴム状弾性を示すもの(シリコーン-ゴム)、樹脂状のもの(珪素樹脂)などがある。耐熱性・耐薬品性・撥水性・電気絶縁性などにすぐれている。

      コンクリート【concrete】
      セメント・砂・砂利・水を調合し、こねまぜて固まらせた一種の人造石。製法が簡単で、圧縮に対して抵抗力が強く、耐火・耐水性が大きいので鋼材と併用し、土木建築用構造材料として使用。混凝土。コンクリ。

      セメント【cement】
      石灰石・粘土・酸化鉄を焼成・粉砕した灰白色の粉末。コンクリートやモルタルを作る際の主原料で、水で練ると速やかに凝結・固化する。また広くは硬化性を示す無機材料のことで、歯科用充填材、接着剤などをいう。セメン。
      シリコンとシリコーンってもともと綴りが違う語なんですね。
      てっきりユーザとユーザーの違いと同じレベルかと思っていました。

      # 調べただけなのでAC
      親コメント
      • by Anonymous Coward
        大学入試模擬試験で「concrete の対義語を書け」という設問に対して「cement」と書いた学生がいたらしい。

        # 正しくは「abstract(抽象的な)」です。concrete は「具体的な」の意。
      • by Anonymous Coward
        >シリコンとシリコーンってもともと綴りが違う語なんですね。

        最初は単なるスペルミスだったりして。
        • by Anonymous Coward
          createとcreatみたいだ
          #concreatだけに、なんちて
    • by hylom (27448) on 2008年09月25日 16時00分 (#1425853) ホームページ 日記
      うーん、この技術を開発した東大の野口研のWebサイト [u-tokyo.ac.jp]では「シリカフューム [tomo-e.co.jp]」と「副産微粉」となっていますね。

      日刊工業新聞 [u-tokyo.ac.jp]によると、副産微粉はセメントの粉末だそうです。

      あれ? 酸化鉄は……?。
      親コメント
      • Re:疑問 (スコア:3, 参考になる)

        by Anonymous Coward on 2008年09月25日 17時16分 (#1425904)
        東大のWebサイト [u-tokyo.ac.jp]より。

        ┌────────────────────────┐
        │モルタルマトリクス(セメントペースト)            │
        ├────────────────────────┤
        │シリカフュームおよび副産微粉                    │付着力向上材料
        ├────────────────────────┤
        │低粘度エポキシ樹脂+酸化鉄(II)                  │バインダー
        ├────────────────────────┤
        │骨材                                            │
        └────────────────────────┘
        1.いままでは骨材の表面に撥水剤などの表面改質剤でリサイクルしようとしてました。
            でも、強度低下が問題だったんだよね。

        2.これが新技術の概要です。強度向上とリサイクル両立しました!

        3.まずは、強度向上です。
            エポキシ樹脂を塗って、その上にシリカフューム(SiO2主成分)と
            砕石を作る際に飛び散る石の粉(副産微粉)を1対9の割合で混ぜて塗ると
            普通のコンクリート並の強度が出たのよ。
            (フライアッシュコンクリートを想定しているからポゾラン効果かな?)

        4.でこれがまた、低品質な骨材(安山岩系とか)にも適用できるのさ。

        5.リサイクルだけど、マイクロ波加熱を使っていろんな廃棄物使って、やったら
            酸化鉄(II)が優秀だったの。

        6.酸化鉄(II)/低粘度エポキシとの混ぜ込み割合は2.86重量比が良いみたい。

        7.最後に、酸化鉄(II)混ぜた後の強度確認。影響は小さいと。

        8.骨材の回収率は90%くらいかな。

        9.CO2排出量はまだ概算段階で、実機検証必要だけれども良い感じ。

        こんな風に読めました。研究者の方見てたらごめんなさい。
        親コメント
  • by backyarD (36899) on 2008年09月25日 15時45分 (#1425838) 日記
    再利用するのは「骨材」なんですよね?
    いや、コンクリート詳しくないので、セメントと呼ばれるものと
    骨材と呼ばれるもの、どっちが貴重なのかとかよくわかんないのですが。

    で、その辺を軽く調べるうちに、自宅マンションの外壁ひび割れが気になってきました。
    業者は「そういうものです」とか言ってましたが...ほんまかいな...。
    • by SteppingWind (2654) on 2008年09月25日 16時52分 (#1425886)

      骨材というのは平たく言えば「石」なんですが, 一口で石と言っても成分はいろいろです. そのため物によってはアルカリ骨材反応 [homeunix.net]を起こすことがあり, 意外に骨材に適した石ってのは限られます. さらに骨材でコンクリートに強度に関連する因子としてサイズと形状(いわゆる砂利ぐらいのサイズで角が取れた丸いものが望ましい)があり, 昔は川の中流域で砂利採りをしていたのですが, 最近は資源量が減ってきたため砕石をさらに研いで角を取ったものを使っていたりもします.

      実はコンクリートにはもう一つ「砂」という材料が必要で, この品質も重要になります. 特に西日本では瀬戸内海で浚渫された海砂を使うことが多く, この塩分除去が不十分のため鉄筋の腐食をまねき, ひび割れを引き起こす原因の一つになっています. 山陽新幹線が東海道新幹線に比べてトンネルや橋脚が脆いと言われるのも, 建設時期が川砂・山砂が減ってきた1970年代だったからと言われてますが, 今回の技術では砂の回収はどうするんでしょうね?

      親コメント
      • by Anonymous Coward
        およそ配合率で4から6割の粗骨材を回収できれば、砕砂作れますよね。
        あとのコンクリート微細粉塵は、コンクリート再利用で2/3の強度。
        砂とコンクリート混じったものは縁石などに利用であれば、そこそこいいところ。
        完全ではないでしょうが、占める割合の多いところを狙う。
        これは評価して良いと思います。
    • by Anonymous Coward on 2008年09月25日 20時15分 (#1426017)
      コンクリートは圧縮応力→←に強く、鉄筋は引張応力←→に強いです。
      併せ持つので鉄筋コンクリートは強いのです。そんなことを頭に入れ。

      外壁に"|"のひび割れがあるとき、それが鉄筋の入っている真上なら、鉄筋錆びてやばいです。
      錆びて膨張してコンクリ割れてる可能性あります。

      外壁に"―"のひび割れがあるとき、打ち継ぎひび割れ(コールドジョイント)、
      コンクリート1回打って、2回目のコンクリートミキサーが到着するまでの間に時間があった、
      骨材の混ぜが十分でなかったなどの理由で煉瓦状態になっている可能性があります。
      下から伸びている場合は、コンクリート養生不十分の温度ひび割れ。
      これは、いずれも施工業者が悪い。

      外壁に"/\"ひび割れがあったら、山のてっぺんから真下の基礎が沈んでいる可能性があります。

      外壁に"#"ひび割れがあったら、鉄筋のかぶり(鉄筋にかぶせるコンクリートの厚さ)不足か鉄筋の錆び
      が考えられれます。

      外壁に亀甲上のひびがあった場合は凍害。

      ひび割れから白い液体や錆びが流れていたらコンクリートと鉄筋の劣化。

      モルタルやタイルでで化粧した物件を見かけますが、大体同じ。
      家を買うときは、設計図面と実際の施工確認を忘れずに。
      鉄筋て見えなくなるもんね。2年ぐらいたった、たまたま売れない物件がお奨め。

      # ACで。
      親コメント
      • by backyarD (36899) on 2008年09月26日 11時10分 (#1426357) 日記
        なるほどー。鉄筋の位置とかも含めて見ないと、ひび割れだけ見てもその犯人は
        特定できないってことですね。参考にさせて頂きます。

        マンション買って思ったことは、建築会社の言い分ってのが、まるで、IT業界の
        システム開発の不具合に対し「悪い開発側」が言う台詞と同じだったということ。

        「そういうものです」「それは仕様なんですよ」「しばらく様子をみたら安定します」

        別のコメントにありましたが、そういう人達が、果たして資源の再利用とかを、
        コスト高を乗り越えて気に掛けるだろうか、と言う点が大いに疑問。
        親コメント
      • by Anonymous Coward

        2年ぐらいたった、たまたま売れない物件がお奨め。

        その”たまたま売れない物件”には人形のシミがあったりして

        # 気にしなければどうということはないかもしれない

    • by TarZ (28055) on 2008年09月25日 16時10分 (#1425864) 日記
      骨材に(洗浄されていない)海砂が使われ、塩分のせいでコンクリートの強度がぁー [wikipedia.org]」事件があったくらいですから、いくら骨材が砂利とはいえ、安くいくらでも手に入るようなものではないのでしょう。
      親コメント
    • by unchikun (14429) on 2008年09月25日 22時35分 (#1426103)
      その昔、骨材には川砂と川の石が使われてました。いわゆる採石業ね。
      それが高度成長期時代を経て枯渇、河川整備も進み採れなくなりました。
      そこで砂山を削ったり(関東だと千葉辺りが産地),海砂が使われるように
      なった訳です。
      なぜ天然砂に拘るかといえば、角が取れていて、適度に丸いから。

      ただ天然物はいつかは枯渇するため、そのうち岩石を粉砕して砂利や
      砂を作るようになりました。これがいわゆる砕石とか砕砂(細砂)。
      人工的に割っているため角が残っており、特に砂に関しては針状になって
      しまいがちなので,角をとるような工程を入れてる砕石プラントもあります。
      バブルの時期には本来セメント原料である石灰石からも砕石、砕砂が作ら
      れていました。(関東だと秩父とか栃木県佐野市葛生あたり)
      もったいない。

      が,そもそも岩石自体が岩山から削りだした天然物なため、近年枯渇しつつあり
      環境破壊と相まってそう遠くない将来枯渇することが予想されています。
      一応国内需給率約100%だったんですけどね。
      バブル時代は韓国などから輸入もされてましたが、最近はどうなんでしょうか?

      セメント原料のうち,カルシウム分は,現在も石灰岩が使われていますが、
      廃棄物処理費用をもらって入手した石膏ボードや脱硫過程で発生する石膏などから
      も作れますし、ゴミ削減、リサイクルなど「エコ」を合い言葉になんとかやってい
      けてます。(最近は廃石膏も有価物になったかも)

      親コメント
    • 元記事では「新たに使える骨材の原料には限りがある。リサイクル技術が確立すれば、環境対策につながる」とあるので、骨材である砂利の回収が主目的のようですね。

      分離したセメントのほうは再利用できないのかなあ。セメントの主な原料は石灰石と粘土です。
      親コメント
      • by unchikun (14429) on 2008年09月25日 22時44分 (#1426109)
        昔セメント屋さんに聞いたときは「セメントは化学反応してるから再利用は無理」と
        いわれました。

        酸で溶かしてカルシウム分を抽出再生することは技術的に可能と思いますが、セメント
        価格の現状を考えると、コスト的に無理な気がします。

        親コメント
  • 関連リンク (スコア:1, 参考になる)

    by Anonymous Coward on 2008年09月25日 16時03分 (#1425859)

    AC さんのコンクリート陰陽暦は 普通・砕石 です。

    総合評価

    あなたの今日の運勢は、まぁこんなもんか、といったところです。ちょっと納得したいような数字ですが、 そもそも人生にはそんなにすばらしいことは起こりません。蕎麦職人は、毎日、蕎麦粉をこね続けてはじめておいしいそばが コンスタントに打てるようになるように、幸せをつかみたいと思ったなら、日々の精進が肝心です。こんな占いに頼ってないでさっさと今から仕事をしましょう。

    プロフェッサーの有難い御言葉

      AC君,飲みすぎじゃないかい?
  • コンクリートが常用されているのは「安価で壊れにくいから」ですが
    コストをかけて壊れやすくするのはどうかと思います

    ペットボトルのリサイクルですら軌道に乗らないような現状で
    このようなリサイクル方法が受け入れられるとは思えません

    そもそも、この「壊れやすいコンクリート」を何に使うのでしょうか
    とりあえず建築物や道路には使えませんよね
    • by eukare (2230) on 2008年09月26日 22時13分 (#1426937) 日記
      一定の条件(マイクロ波で加熱する事)によって骨材とセメントを分離しやすくするんであって、
      コンクリートの強度が下がるわけではない(むしろ高められる)んですよ?
      親コメント
      • だから、その一定の条件とやらで「分解するようになってしまう」んですよね
        さらにコンクリートの強度というのも「実質的に」高められるんでしょうか?
        ただ硬質化するだけだとすると、むしろ建材としては使えなくなるのでは?と危惧してしまいます
        親コメント
  • by Anonymous Coward on 2008年09月24日 19時50分 (#1425371)
    この技術を用いて建てられたビルなどに、
    悪意を持ってマイクロ波を照射するとどうなるのでしょう。

    照射後に地震が発生すると崩れ落ちる、
    なんて完全犯罪みたいなことになったりしませんかね。
    • by horseradish (36716) on 2008年09月25日 16時03分 (#1425858)
      そんな強力なマイクロ波をビルに照射したら、
      ビルの強度が落ちる前に
      中の人が電子レンジ状態で焼け死ぬテロになるかと・・・。
      親コメント
      • Re:悪意 (スコア:1, 興味深い)

        by Anonymous Coward on 2008年09月25日 17時25分 (#1425908)
        資源の再利用はいいけど、エネルギーは使い過ぎな気がするんだ。
        親コメント
    • by Anonymous Coward
      マイクロなビルに脆弱性があるんですね。わかります。
  • by Anonymous Coward on 2008年09月25日 15時35分 (#1425826)
    >酸化鉄を吹き付ける

    鉄筋は錆びないのか?
    • by prankster (12979) on 2008年09月25日 15時43分 (#1425834)
      酸化鉄が鉄材を錆びさせることはないでしょう。でないとベンガラには防錆効果がないことになります。

      …とか書いているうちに思い当たりました。高度に酸化した鉄が還元して材料の鉄を酸化する可能性について言及しておられるのでしょうか?
      親コメント
      • by Anonymous Coward
        高度に酸化した鉄は酸化剤と区別がつかない。……の?
      • by Anonymous Coward
        それじゃあさ。酸化した物をコンクリートの中に入れて大丈夫なの?アルカリを中和しないの?
        教えてエロイ人プリーズ。
        • by hashitom (34540) on 2008年09月25日 17時46分 (#1425920)
          って、原子が酸素と結合することだから、pHと直接の関係はないかと。

          とオフトピっぽいけど、話に『さんか』してみました。
          親コメント
          • by Anonymous Coward
            じゃあなんで酸素と酸性は関係ないのに、同じ酸の字を使うんだろう。
            まぎらわしい。どもならんのかね?
            • by the.ACount (31144) on 2008年09月26日 15時15分 (#1426619)
              硼素や炭素や珪素や窒素や硫黄や燐や砒素に酸素がついて硼酸や炭酸や珪酸や硝酸や硫酸や燐酸や亜砒酸ができる。
              酢酸やクエン酸などの有機酸は炭酸の仲間。
              クロムやマンガンやチタンやジルコニウムに酸素がついて重クロム酸や過マンガン酸やチタン酸やジルコン酸とかもあったな。
              --
              the.ACount
              親コメント
  • by Anonymous Coward on 2008年09月25日 16時02分 (#1425857)
    コンクリ塊に酸化鉄を吹き付けて、電子レンジでチン?
  • by Anonymous Coward on 2008年09月25日 18時14分 (#1425943)
    既存分のリサイクルになんの関係もない以上、初期建造コストの増大を飲んでくれる客以外に売れないよね。
    その建造物が寿命を迎えるまで回収できないコストだよね。
    今後の研究で既存分のリサイクルが可能になったりしたら無意味なコストだよね。

    だれが買うのこれ。
    • by Anonymous Coward
      「エコロジーな施設です」「家です」なんて主張できる権利が……発生しないか
    • by Anonymous Coward
      捨てられた稀少金属含む携帯には関係も無い以上、
      回収容易な回路設計、部品配置とかの開発コスト増大を飲んでくれる客以外に
      売れないよね。
      その携帯が寿命を迎えるまで回収できないコストだよね。
      今後の探査で稀少金属が莫大に発見されたら無意味なコストだよね。

      処分場問題でもあるように、コンクリート殻のコストはそこだけではない。
      将来どうなるかはわからない。地球にある限りある資源なのだから。
      大事に使いましょ。
      • by Anonymous Coward

        その携帯が寿命を迎えるまで回収できないコストだよね。
        二年で処分しなきゃいけないような手抜き物件を売るな!
        鉄筋コンクリート造りなら100年は持たせてくれ。頼むから。

        # 前提がぜんぜん違うものを例にするような下手な例え話はフレームの元です。気をつけましょう。
typodupeerror

吾輩はリファレンスである。名前はまだ無い -- perlの中の人

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