分子を組み立てて集積回路を構築する新技術 3
ストーリー by soara
まだまだ微細化を続ける 部門より
まだまだ微細化を続ける 部門より
insiderman 曰く、
ヨーロッパの研究者らが、分子を組み立てることで電極間をつなぎ合わせ、集積回路を構成するという新技術を開発した(Nature News、Natureに掲載された論文)。
現在のICは光学的に回路パターンをシリコンウエハに転写し、化学的なエッチング処理を行うことで回路を作成している。しかし、この方法では最小でも数十ナノメートルレベルのサイズの回路しか作成できないため、集積回路を作るためのさまざまな新技術が研究されている。
今回開発されたのは、キンキチオフェンquinquethiopheneと呼ばれる可動電子をもつ有機分子を使って、電極間を接続し回路を作成する手法。キンキチオフェンは半導体のように振る舞う分子で、あらかじめ電極が印刷された基盤をこれらの分子に晒すことで、電極間の絶縁層部分にキンキチオフェン分子を集め、電極間をつなぐ橋のような構造を構築したそうだ。この「橋」は電極間で電流を流すのに十分なものだったとのこと。
この技術を応用すれば、微細な電極や半導体をこの分子で接続して半導体を構成する、そしてより集積度の高い回路を実現できる可能性がある。
誤解を招く (スコア:4, 参考になる)
素子を作るという手法そのものは以前からあり,別に今回のグループが新たに開発したわけでは
ありません.
今回のグループが工夫したのは分子の設計部分で,ここにちょっと工夫をすることで(といっても
方針自体は前から知られていて,それを電子デバイス用に適用しただけと言えばだけなんですが)
導電性のπ系ユニットを結晶的にパッキングするというものです.きれいに結晶性のパッキングが
できるので,モビリティが上がったり素子の再現性が高かったり,というのが利点です.
#とは言えそれほど目新しい何かがあるわけでもないので,載るほど凄い仕事かなあ?という
#気はしなくもないのですが……
また,
>この技術を応用すれば、微細な電極や半導体をこの分子で接続して半導体を構成する、そしてより
>集積度の高い回路を実現できる可能性がある。
ともありますが,今回の手法は別に小さく作るための手法ではないので,こちらも何とも……
あらかじめ作っておいた電極間に載せてるだけですので,そもそもそんな電極を小さく作れる技術が
あるなら同じ手法で無機系の素子も作れてしまうわけで.
#ボトムアップ系の大きな課題である「どうやって望みの形を作るか」は未だ未解決です.
確かに,ソースを読むと (スコア:4, 参考になる)
ある日の (スコア:1, おもしろおかしい)