自分で度数を調節できるメガネ 53
ストーリー by otk
液体レンズは円形に限られるのかな 部門より
液体レンズは円形に限られるのかな 部門より
yuri 曰く、
WIRED VISIONの記事より。 英国の原子物理学者であるJoshua Silver氏は、利用者が自分で度数を調節できるメガネを考案した。これは、レンズ部分がシリコンオイルを満たした柔軟性のあるプラスティック膜でできており、オイルの量を調節することで屈折率=度数を調節できるというもの。
Silver氏は視力矯正手段を必要としている開発途上国の人々のためにこのメガネを開発し、すでに3万個を生産したという。そのうちの2万個は米国防総省が購入し、アフリカや東欧の国々に寄付されている。
度数を調節できるメガネといえば、2004年にフィリップスが焦点距離可変のレンズを開発したというニュースがありましたが、ついに実用段階に来たようですね。 視力矯正装置が必要なタレコミ子としては、今後の普及に期待したいです。
現在の価格は1個あたり19ドルで、量産が進めばさらにその数分の1まで安価になりそうとのこと。また、Washington Post紙の記事では、開発途上国でメガネが普及していない理由として、眼科医などの目の専門家が身近にいないことも挙げられており、自分で度数を調整できることのメリットは大きいようだ。
危険性は? (スコア:5, すばらしい洞察)
これってメガネの所有者が勝手に度数を調整できちゃうんですよね?
専門家に度数調整されていないメガネは、
近視の悪化や乱視を誘発する可能性があるとおもうのですが、
その辺りの考慮はされているのでしょうか?
Re:危険性は? (スコア:4, 興味深い)
いや、これ途上国用なんですよ。
「専門家に度数調整されてない」もなにも、そもそも専門家に調整してもらえる状況にない人達のために開発されたんです。
ちなみに、例によって業界は…
Re:危険性は? (スコア:3, すばらしい洞察)
度数ごとに個別に製造しなくても、同じ物を大量生産出来るってのが狙いなんじゃないでしょうか。そうすれば発展途上国での供給問題にも対処しやすいでしょうから。
Re:危険性は? (スコア:1, すばらしい洞察)
日本でやるなら自動調整用の機械が眼鏡屋さんとかコンビニに設置されそうですね。
というかそうならないと同様の理由で怖くて使えないです。
Re:危険性は? (スコア:4, すばらしい洞察)
日本でやるなら眼鏡に自動調整機をつけて「近眼用・老眼用をボタンひとつで切替え」くらいのことをして欲しい.
Re:危険性は? (スコア:1)
どうせなら、下を向いたら近眼用、上を向いたら老眼用に自動切り替えくらいのことをしてほしい。
#傾きで圧力変えるだけだから、意外と簡単に出来そうなものだが
Re:危険性は? (スコア:1, すばらしい洞察)
>下を向いたら近眼用、上を向いたら老眼用
逆じゃないっすか?(笑)
Re:危険性は? (スコア:1, 興味深い)
一般のレンズに眼科医の診察が要るのは「高くて替えられない」という条件が前提にある。
つまり、合ってなくてもそのレンズを使い続けるリスクが高く、
最初に一発で合うものを提供しなければならないという、高精度が要求される品物だから。
逆にいえば、調整が簡単なら眼科医の診断の必要性は少ないともいえる。
どのみち、買った時点の視力と使い続ける期間内の視力が同じな訳では無いので、
眼科医の診断を受けて買った眼鏡ですら、視力に合った眼鏡を使っている訳ではない。
#視力低下の要因は様々だから、そのチェックの為にも診断は必要だとは思うけどね。
Re:危険性は? (スコア:3, すばらしい洞察)
どちらかというと、目にあっていないめがねを使い続けることによる副作用の
ほうが大きいと思います。
よく見える=目にあってる、ではないですから。
安く気軽に度数調整できるからこそ、それで浮いた分のお金でこまめに眼科に
チェックしてもらったほうが目にいいと思います。
私としては、眼科医に何パターンかの処方箋を書いてもらって、その範囲で
自分で切り替えられるくらいがうれしいです。
運転用とかパソコン用とか普段用。
Re: (スコア:0)
>運転用とかパソコン用とか普段用。
というか現行の眼鏡でそれをやればいいのです。
実際私は眼科で「パソコン仕事用眼鏡を作るのが一番いいよ」と言われて、その通りにしました。
今まで使ってたドンピシャ眼鏡はそれこそ自動車や掃除のとき使う。
そしてパソコン用の「50cmあたりにピントの合う眼鏡」を今回作って使ってます。
そんなに高価じゃない眼鏡を2つ用意すればいいんじゃないかと思います。
>よく見える=目にあってる、ではないですから。
眼鏡屋で感じたことなのですが、
眼鏡を決めるために色々なサンプル眼鏡をかけたりサンプル画像を見たりしましたが、
「これがいい」ってのが自分の目なのになかなか判らないんですよね…
可変できるレンズについては
「まずくても後から変えれば済むよね」という肯定的な面と
「でも自分じゃ幾らいじっても的外れにしかならないのでは」という否定的な面の
両方の可能性がありそうで、木になっています。
Re:危険性は? (スコア:1)
私も普段用と運転用のメガネを使い分けています。
加えて、仕事中は使い捨てコンタクト使ってます。
可変メガネは複数のメガネを持ち歩かなくてもすむ、とか2種類と
いわず読書用だのハンダ付け用だのこまめに使い分けられそう、あたりに
期待しています。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
ところで (スコア:0)
その辺て本当に誘発するのだろうか?
かつては暗がりで本を読むと近視が悪化するとか、本に近すぎると近視が悪化するとか言われてたけど最近では根拠はないことになってるんでしょ。
はたまたグリーンディスプレーやアンバーディスプレーは目に優しいとか言われてた時代もあったことだし。
Re:ところで (スコア:2)
>その辺て本当に誘発するのだろうか?
近視は生体の環境適応現象なので、メガネがいい加減だと
近視になる→可能性がある
乱視になる→わからない
暗いところで本を読むと近視になる→わからない(瞳孔が開くので自覚しやすくはなるかも)
本に近すぎると近視→可能性がある
ではないですか?
基本的にいい話だと思いますが、せめてPD(瞳間間隔)ぐらい合わせないとかえって目によくないような気がします。
そして、DoDが絡んでいるのが、胡散臭いですね。徴兵制がある、お隣の国で LASIKが普及していることを考えても。
Re: (スコア:0)
かみ砕いて詳しく!
2006年にも類似ネタありました (スコア:3, 参考になる)
液体による屈折率変更方式ではなく、液晶を使った焦点調節方式のストーリー [srad.jp]を見つけました。
こちらの方式は、電場を印加するタイプなのですが、オートフォーカスが可能であるらしいとのことで、いろんな方式が出てきてこういう分野が発展していって欲しいものです。
眼鏡による矯正って (スコア:2, すばらしい洞察)
そういう微妙な調性ができないのであれば緊急用の簡易眼鏡として使うのならともかく、先進国で常用する眼鏡として売るには性能やカスタマイズの面で不十分ではないかしら。
それに、途上国だから安全性や有効性が不十分なものでよい、というわけではないよな。例えば三十年くらい前、日本で市販されていたガラス製レンズと比べて性能や安全性はどうなんでしょうね。こういう簡易的な製品でまず今ある需要を満たして時間を稼ぎつつ、必要な物資を作れる職人、医療技術者の育成を援助する必要があるなぁ。
Re:眼鏡による矯正って (スコア:2, 興味深い)
>途上国だから安全性や有効性が不十分なものでよい、というわけではないよな(略)
経済発展の希望がなく,援助のマクロな効果も期待されなくなって久しい地域に取り残された,
「視覚障害者」たちの,各々のミクロな問題について,
一人ずつでもいいから救済していなかければ,と人道的見地で取り組んでいる一部の人たちが,
その救済手段をより効率的で効果的なものに工夫しよう,と知恵を絞っている,
という話でしょう。
今問題になっている「発展途上国」(という古い用語で表されることも減ってきた地域)を,
30年前の日本(ちなみにGNP二位となったのが40年前ですね)やそれ以前の日本と比べようとしても,
そもそも経済発展の重要な条件の部分が本質的に違いすぎて,比べようがなかったりするんで,
南北問題を経済発展段階説で議論しようという試みは,もうずいぶん前に終わっちゃってます。
Re: (スコア:0)
液晶の効果(おふとぴ) (スコア:2, 興味深い)
自分的には昔のCRTから液晶になってチラツキで眼が疲れると言うことが減った気がするのですが、実際のところ統計的に変わったことは有るんでしょうか?
結局凝視して瞬き回数が減りドライアイとか、解像度の向上で文字が小さくなるとか色々目が悪くなる要因は多数有ると思うんですが・・・医学的な資料無いですかね?
Re: (スコア:0)
液晶自体が残像が残りやすいのと、走査線での書き換えがないからではないですかね。
ちらつきはバックライトの蛍光管のもののみになるのでは。
それも最近は白色LEDが増えているようですし。
私もCRTの時は黒い線が流れていくのが見えて結構疲れました。
Re: (スコア:0)
自分は逆に、CRTから液晶になって一層目が疲れるようになりましたね。
動きのある画面では残像が残るのでぶれるし、白が白に見えるようにするとまぶしすぎて目にいたい。
しかし色調整などするにはその状態で凝視しなきゃならないし……。
新しい話ではなくて地道な活動 (スコア:2, 参考になる)
> 2004年にフィリップスが焦点距離可変のレンズを開発したというニュースがありましたが、ついに実用段階に来たようですね。
技術自体はもうずいぶん前からあって、Silver氏は長年この活動を続けているようですよ。
2002年10月のNYTの記事 [nytimes.com]に登場しています。
この記事ではfundingを探しているところとあるので、今回の記事はようやく大量生産にこぎつけて途上国に届けられたってニュースなんですかね。
Re:新しい話ではなくて地道な活動 (スコア:2)
数年前にTVで紹介されてました。実用試験中だったのかな。
そのときはアフリカで遠視気味の人に処方してました。
遠くは見えるけど手に持った新聞が読めないとかそういう人たちで、
「これで新聞が読める」と喜んでたのが印象的でしたね。
5円(オフトピ) (スコア:2)
そいや5円玉の穴に水を張って虫眼鏡にしたりとかして遊んでたなーとふと思い出しました。
屈折率?曲率? (スコア:2)
この原理で簡単に変えられるのってレンズの曲率であって屈折率じゃない気がするんだが・・・
確かに屈折率も濃度や圧力で変えられるけど。
誤訳かと思ったら英語版の記事 [wired.com]でもrefractive indexとなってるな。
Re:屈折率?曲率? (スコア:1)
私も詳しいことはわかりませんが、注入したオイルの量で屈折率を変えるとはっきり書いてありますし、膜内にオイルを注入して形状(曲率)を変えるのではなく、オイルがプラスチック膜に浸透するような感じで膜の屈折率を変化させるのではないでしょうか。
Re: (スコア:0)
曲率とか変形という言葉もありませんが,屈折率変えるのは簡単じゃないので内圧による変形でしょう。
Wiredが屈折力とすべきところを間違えたんでしょ。屈折率と曲率で屈折力が計算できます。
上か下にあった,液晶方式は屈折率が変わります。でもわずかすぎて,...
Re:屈折率?曲率? (スコア:1)
現物はメガネフレームに円形の水風船をつけたような構造です。
これに注射器のような物で中の液体を出し入れして、その量で度を調整する仕組みのようです。
安いな・・・ (スコア:1, 興味深い)
量産が進んでいない現時点で1個19ドルって、思ってたよりも安いな。
通常のメガネ代に+4000円程度で度数が自由に変えられるならほしいかも。
それともオイルが高かったりするのかな?
Re:安いな・・・ (スコア:1)
ど近眼に老眼が入ってきているので、外出中とか運転などではしっかり見えたほうがうれしい一方、
屋内や手元のケータイなんかを弄るには度の低いものの方がうれしいです。
多焦点レンズの代わりに使えるぐらい随時調整できるのかなぁ?(無理?)
Re:安いな・・・ (スコア:4, おもしろおかしい)
この値段なら、随時調節がダメでも、何本かを使い分けてもOKでしょう。
Re: (スコア:0)
100円ショップの老眼鏡や度入り水中めがねの価格と比べたら高いと思いますけど。
乱視にも目の位置調整にも対応できなさそうなので比べるのはそのあたりの
非研磨プラスッチック成形レンズが妥当でしょう。
眼鏡を購入するときに眼鏡屋にだまされやすい色収差がどの程度か気になる。
寄付だって? (スコア:0)
Re: (スコア:0)
そもそも、アメリカ政府はOLPCに関わってなかったんじゃ?
っつーか、アメリカ政府じゃなくて、米国防総省って所が不思議。
Re: (スコア:0)
っつーか、アメリカ政府じゃなくて、米国防総省って所が不思議。
そのレンズを通してみた情報は漏れなく国防総省へ通信されます。
Ω ΩΩナ、ナンダッテー
Re: (スコア:0)
エロい用途しか思い浮かばない…
Re: (スコア:0)
現地民との摩擦を避けるために医師を派遣する代わりに使うんじゃないの?
一方ソ連は・・・ (スコア:0)
教科書の字を大きくした。
Re: (スコア:0)
一時期メガネを前に傾けて使ってました
Re: (スコア:0)
「一方、新聞は文字を大きくした」
Re: (スコア:0)
それは小話が作れるなw
「ゴルバチョフ大統領、ソ連崩壊の原因は何でしょう?」
「新聞の字を大きくしたことだ」
遠視専用? (スコア:0)
Re: (スコア:0)
何で? 膜をもともとすこし隔てておいて、間に満たした液体を抜いてけば凹レンズになるような気がするけど。
引き続き開発希望 (スコア:0)
・オートフォーカス眼鏡
自分で調整しなくても見つめたものに焦点をあわせてほしい
いずれは連続追尾とかも。
・バリフォーカル眼鏡(ズームならなおよし)
注目しているところを拡大...
Re:引き続き開発希望 (スコア:2)
リピートに繋がりにくい (スコア:4, 興味深い)
近視なら、いきなり眼鏡屋さんでメガネを作る人も多いだろうし、たとえ眼科を受診しても、一度視度を計って、「近視です」と告げて終わりじゃないかな。視度が進んでも、もう一度眼科を受診することなしにメガネを作ってしまったりして、リピートに繋がらない。コンタクト屋さんの隣で営業している眼科を別にすると、近視の患者はそれほど美味しくない気がする。
(もちろん、近視の人でも、近視以外の疾患で視力が落ちることがあるので、メガネがよく見えないと思ったら、一応は眼科を受診すると吉ですよ)
普通の眼科でリピートが見込める疾患は、緑内障、白内障、糖尿病(糖尿病性網膜症、糖尿病性白内障)などじゃないだろうか。大抵は進行して治らないので。(進行を止めたり、遅らせることはできる)
そう考えると、営業的な理由で反対するのは眼鏡屋で、眼科医ではないかもしれない。
Re:日本では (スコア:2, 参考になる)
多分大丈夫ですよ。
ずいぶん前に現物をCNNで見たことがあるけど、構造上昔のマンガみたいなでかい円形にならざるを得ず。
日本であれつけていたら、相当に目立つ代物でした。
それに、これまた構造上乱視には対応できませんし。
Re:日本では (スコア:1)
乱視にも対応、超薄型プラスチックレンズ並に薄くて軽いのだったら欲しいなぁ
多分どこかが抜け駆けするはずです。