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「水商売ウォッチング」裁判の一審判決が出る 51

ストーリー by otk
激アツイ判決文で面白かったです 部門より

130R の日記 曰く

以前、お茶の水大、「ニセ科学批判」がらみで提訴されるでも話題になった名誉毀損裁判ですが、2月26日に一審判決が出ています。全面的に被告(お茶の水女子大)、参加人側(天羽氏、冨永氏)の主張が認められて、原告(磁気活水器を販売する吉岡氏)敗訴となっています。判決では争点の名誉毀損に絡めて、磁気活水器の“効能”や、マルチ商法に対する厳しい言葉が並んでおり、とても興味深い判決だと思われます。

今回は、インターネット上での表現の自由と、ニセ科学批判にとって心強い判決となりましたが、原告からの控訴はあるのでしょうか。

事のいきさつは前回ストーリーを参照していただきたい。

今回神戸地裁は、争点となった書き込みの内容は「原告の名誉を毀損する」ものだが、「原告が自らマルチ商法を主宰して磁気活水器(略)の販売を開始する」「(特定商取引法や不当表示防止法の)法律に抵触する販売活動を行う傾向が強い人物である」という事実の摘示は、いずれも公益を図る目的があり、また真実性もあると判断。「違法性があるとはいえない」として、参加人および、当該書き込みを削除しなかった被告の不法行為責任を否定している。さらに、当該書き込みの真実性を検証する文脈において、原告の“水商売”やマルチ商法に対する厳しい批判を述べている。

なお、そのほかの訴訟資料についても天羽氏のサイトで公開されている。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • いやー (スコア:5, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2009年03月04日 8時26分 (#1524761)

    水掛け論にならなくて良かったですね。

  • by donadona (37711) on 2009年03月04日 9時38分 (#1524782)

    関連ストーリー内リンク先 [i-foe.org]にも書かれているけど、この裁判では原告でも被告でもなかった人が、
    「じゃあ自分の責任はどうなっちゃうんだ?これも裁判で争ってくれ」
    と裁判に追加で参加しようとしたところが新しいらしいです。
    原告は嫌がった(判決文3-(4)が、

    ・訴訟の結果によって参加人の権利が害される

    として参加が認められました(判決文5-(4))。

    #法律関係者じゃないけどID

    • by leftwing (37789) on 2009年03月04日 12時15分 (#1524927) 日記

      確かに独立当事者参加は珍しいですけど、戦前からある裁判形式なので、新しいわけではないです。

      あと、独立当事者参加に異議申立て手続きはなく、要件不備の場合に裁判所が職権で却下するだけなので、裁判所には原告に対する言い分に対して、判断を示す義務はありません。あくまで裁判所が勝手に判断し、勝手に参加を認めているわけです。

      ところで、参加人の天羽さんが書き込んだ内容は以下の通りです。

      >マルチ方式で、4 年後に上場を目指し >いまは会員と出資者を募集してるそう。 あつら〜〜 いよいよここじゃなくて,悪マニさんトコのネタになるのか……(遠い目)。 京都大の学歴を自慢したってやることがマルチじゃなあ……。まあ,あの 自費出版批判本をみた限り,ダウンの人々が法律を遵守したまともな宣伝を することなんざ期待できないわけだが。

      これに対して、この判決で認定された結論に関係する事実は次のようになっています。

      • 他人をマルチ認定することは名誉毀損に当たる
      • ニセ科学糾弾は公益目的に当たる
      • 原告がやっていることはマルチ商法である、というのは真実である
      • 原告は違法販売であることを気にしない人間である、というのは真実である

      以上により、参加人及び被告の全面勝訴となるみたいで、結局のところ、磁気活水器がニセ科学なのかどうかはあまり関係ないようです。

      親コメント
      • by apj (8158) on 2009年03月04日 12時36分 (#1524949) 日記

        >確かに独立当事者参加は珍しいですけど、戦前からある裁判形式なので、新しいわけではないです。

         その通りなんですけど、珍しいために、下級審の裁判例も十分ではないので、新たな裁判例を追加することには意味があると考えています。

        >あと、独立当事者参加に異議申立て手続きはなく、要件不備の場合に裁判所が職権で却下するだけなので、裁判所には原告に対する言い分に対して、判断を示す義務はありません。あくまで裁判所が勝手に判断し、勝手に参加を認めているわけです。

         独立当事者参加が認められなかった場合でも「参加人が原告となり、元の訴訟の原告を被告とする別訴の提起として扱い、元の訴訟と併合審理する」ということはあり得るという話でした。審理の分離や併合も裁判所の職権で決めることですけど。

         私が最初に思いついたアイデアは、私が原告となって新たな別訴の提起(債務不存在確認の訴え)&審理を併合してもらえないか裁判所にお伺いを立てる、というものでした。この案を持って、弁護士の所に行ったら、民訴47条の当事者参加でいったらどうか、ということになりました。

         同じ請求内容の訴状を私が出して審理が併合された場合と、独立当事者参加が認められた場合の違いがまだはっきりしません。もういちど手元の参考書を読み返してみます。裁判所に対する一般的な要請である「矛盾しない判決を出す」という点からは、結果はほとんど同じになりそうにも思えますが、あくまでも別訴のままだと、元の訴訟で行われている大学に対する責任の有無の判断に十分食い込めないといったことがあるのかもしれません。

        親コメント
        • by leftwing (37789) on 2009年03月04日 23時18分 (#1525247) 日記

          誤解されていると悲しいので書いておきますが、独立当事者参加を無意義であると考えているわけではありません。
          ただ、新しくことではないと書いたまでです。

          また、複数の判決が矛盾しないことは裁判所に対する一般的な要請ではなく、例外的な場合にのみ要請されている事項です。

          今回の独立当事者参加の場合は、全員が当事者なので判決がそもそも複数ではなく一つなので、全く問題ありませんが、
          訴えの併合の場合には、それぞれの判決が矛盾する可能性は(一応)あります。

          とはいえ、今回の場合には仰る通りの方法でも実際には矛盾しない判決が出ると思います。当事者全員に訴訟代理人が付いている訴訟ですから。

          原告が控訴した場合の手続も少し違っていて、独立当事者参加の場合は上の通り判決は一つしかありませんから、
          被告も参加人も一緒に被控訴人になります。

          しかし、訴えの併合の場合には、それぞれの訴訟ごとに控訴することになります。そして、控訴審も同時に審理するためには
          また併合の手続を経なければなりません。

          多分、弁護士の先生は勝つ自信があって、一度にケリをつけるつもりで独立当事者参加をすすめたのではないでしょうか。

          親コメント
  • 訂正依頼 (スコア:3, 参考になる)

    by apj (8158) on 2009年03月04日 10時07分 (#1524805) 日記

    タレ込み文の訂正依頼。

    ×磁気活水器を販売する中西氏
    ○磁気活水器を販売する吉岡氏

    • by Anonymous Coward

      大変失礼いたしました。修正いたしました。

  • ニセかどうかが議論の対象なのであって、
    ニセであることが前提なら、議論にはならないと思います。
    人間が科学で説明できることは、ごく限られているという謙虚な姿勢が大切でしょう。
    • by apj (8158) on 2009年03月04日 17時59分 (#1525131) 日記

       何回か既に書き込んでいますが、当事者でございます。控訴審の可能性もあるので、タレ込むなら確定してから、と思っていたのですが、別の人にタレこまれちゃったので、コメントしておきます。

       今回の裁判では、「ニセ科学批判にとって心強い判決」という切り口ではなくて、大学から情報発信の内容が別の誰かの利益に反する場合に、どうやって情報発信の自由を確保するか、ということの1つのやりかたを示すことができた、と位置付けています。大学と言いましたが、研究所とか、他の組織でも同じだとお考え下さい。

       都合の悪い情報について口封じをしたい人にとっては、所属組織にクレームを付ける、というのは常套手段なんです。今回は、クレームに止まらず提訴までいきました。大学に弁論を任せておいたのでは、おそらく、多くの場合、十分な攻撃防御ができないでしょう。また、教員の情報発信についての法的紛争を大学が一手に引き受けるということになったら、大学としては、そんなことにリソースを投入できないでしょうから、結果として、大学からの教員による情報発信を制限する方向に向かわざるを得ないかも知れません。が、これは、あまりいい方向とは思えません。

       今回、情報発信者(学外)も、サーバの管理者(学内)も、共に当事者であると認められました。「本件論評が原告に対する名誉段損行為であるとすれば,不法行為責任(損害賠償義務及び本件文書削除義務の双方が含まれる。)を負うのは原則的に情報発信者側の参加人らであり」とされたわけです。以前、このことについて議論したときの私の主張は、情報発信の内容についての法的責任は大学ではなく教員個人が負うべき、と主張しましたが、裁判所の判断も、それに近いものになっています。
       もっとも、大学を常に免責できるというわけではありません。でも、大学の責任は原則的なものではなく、限定されているということがはっきりしました。これは、プロバイダ責任制限法の趣旨からいってもバランスがとれています。大学は「他人の権利が侵害されていることを知ることができたと認めるに足りる相当の理由」というハードルを越さない限り、責任を問われないのです。つまり、発信者本人が負う不法行為責任と、大学にまで責任を負わせるかどうかは、別の基準になるということです。
       ここから先は私の予想です。大学を免責するとした場合、「認めるに足りる相当の理由」をどう判断するかが問題となります。元の表現が、誰が見ても直ちに名誉毀損だろうという内容ならば、「認めるに足りる相当の理由」ありと判断されるでしょう。しかし、当事者がせっせと弁論して証拠を積み重ねた結果やっと裁判所でいろいろ前提条件を振り分けつつ結論、という場合なら、裁判所でもない大学に対して、裁判所の長時間にわたる審理との結果と同じ結論を出すことを求めるというのは無理でしょう。すると、「結論を出すまでにこんなにいろいろ審理してしかも判断も微妙な状況なら、大学がちょこっと書類を見たくらいでは「認めるに足りる相当の理由がある」とはいえないよね」という結論になりそうにも思います。

       所属組織を勝訴させるための参加の方法としては、補助参加というものもあります。が、これは、元の原告や被告の訴訟の遂行に影響を受けます。たとえば、被参加人の訴訟行為と抵触する行為は効力を有しないことになっています(民訴45条)。補助参加の場合は、当事者が異議を申し立てることができます(民訴44条)。つまり、補助参加の場合は、名前のごとく、当事者としての立場が弱いのです。
       また、所属組織と発信者の利害が常に一致するわけでもありません。たとえば、訴訟費用の節約目的で、所属組織が早期の和解を望み、発信者は判決をもらいたいと考えた場合、利害が異なってきます。独立当事者参加であれば、被参加人の行為とは無関係に攻撃防御ができます。

       元の表現にグレーな部分があるにしてもそこそこ白に近い状態で(←ここ重要、明らかな名誉毀損表現なら争っても多分無駄なので)、所属組織が提訴されても発信者本人が独立当事者参加という手法で攻撃防御に参加すれば、そもそもの不法行為責任を問われずに済むかも知れないし、所属組織の責任が認められることもない形に持って行ける、ということです。情報発信する側も、それなりに腹をくくって準備しないと対応できませんから、発信者にとっても過酷ですが、表現の自由の確保がタダでできるわけではないので、まあそういうバランスだということでしょう。組織に寄りかかった「ええ加減」な情報発信は許されないかわりに、本気で攻撃防御をするつもりなら道が拓ける、といったところでしょうか。

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2009年03月04日 10時01分 (#1524800)
      > ニセかどうかが議論の対象なのであって、
      > ニセであることが前提なら、議論にはならないと思います。

      それは現実に即してない私見ではないかな?

      入り口で「科学的な裏付けがある」と喧伝しておいて、
      それをチェックしようと言うメンドーなヒトが現れたら、
      途端に「科学が全てではない」「科学で分らない事もある」と、
      最初に嘘吐いた事を誤魔化し、まるで思想信条の問題であるかの様に
      話を摩り替えるのが、ニセ科学商売の典型パターンです。

      彼らは「ニセかどうかは問題じゃない」と開き直るのだから、
      そのままでは「ニセかどうか」の議論にはならないんです。
      名誉毀損訴訟だって「ニセかどうか」の議論を避けるための手。

      単に「嘘をついてはいけない」と言うシンプルなルールは無いので、
      単に「ニセかどうか」を争点にするのは、それなりに難しいと思います。
      親コメント
      • by Anonymous Coward
        >単に「嘘をついてはいけない」と言うシンプルなルールは無いので、

        詐欺や優良誤認などで取り締まれるはずなんですが、難しい側面も多々あるようです。嘘を吐いたことの証明や、それが非科学的であるということの証明などなど。
    • by Anonymous Coward on 2009年03月04日 9時12分 (#1524776)
      「起こりうることかどうかを議論した末に否定される事象」は科学ですが、
      「人間が科学で説明できることは、ごく限られている」的なことを言って、真面目に科学することをハナっから放棄した上で、
      科学をダシにした商売しているから「ニセ科学」なんでしょう(ニセ科学商法と言った方が正確か)。

      やっている人たちがニセかどうかを議論の対象にしてくれるのでしたら、そもそも問題になりませんて。
      親コメント
    • by donadona (37711) on 2009年03月04日 11時29分 (#1524871)

      ニセであっても議論にはなるかと。
      今回の判決では、「本当に違法なマルチ商法をするかどうか」ではなく、「マルチ商法をするという説を書かれた」が
      争点の一つになっておりました。同様に、
      「本当にニセ科学か」ではなく、「ニセ科学であるという説を書かれた」が争点になる裁判もあるかもしれません。

      おふとぴ:
      科学で説明できることは、確かにごく限られています。でも、それってニセ科学とは関係ないような。
      ニセ科学って、結論を検証できないor確認できないものの事を言うんじゃ?
      検証できないものの例:
      ・仏は存在する
      確認できないものの例:
      ・磁気活水器通すと、「1)風呂場のカビの発生を抑える,2)パスタブ内の湯アカの発生を抑える,の効能がある

      説明可能かどうか、だけを判断基準にすると例えば実験から導かれた数式とかは全部ニセ科学になっちゃいますよ。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      根本的に勘違いしていますよ。

      それがニセ科学かどうかと、

      > 人間が科学で説明できることは、ごく限られているという
      > 謙虚な姿勢が大切でしょう。

      コレは無関係。

      明らかに間違った科学的論証を、正しいと主張することがニセ科学。
      現時点でのニセ科学の結論が、将来科学的に正しい方法で証明されることはあり得ますよ。

      • >現時点でのニセ科学の結論が、将来科学的に正しい方法で証明されることはあり得ますよ。
        単なる言葉の定義問題ではあるんですが、普通「ニセ科学」という呼び名はそういうものには使われないと思います。

        「今はまだ証明されていない」のは未科学、「過去に正しいとされていたが今では誤りだったことが解っている」のは「棄却された仮説」、などと呼ばれています。
        でニセ科学というのは普通、「理論的に有り得ないことを主張している」ものを指しています。その多くは詐欺、あるいはそれに類するもので、将来に亘ってもそれが正しい科学となる可能性はありません。永久機関然り、水発電然り、ホメオパシー然り。

        まあ今回のマグローブ社による磁気活水器に未科学の可能性が皆無かというのは一考の余地があるかも知れませんが、少なくとも同社が説明するような理屈によるものではないだろうことは(水の物性研究の専門家である天羽氏の解説などにより)明らかですので、その点では確かに「ニセ科学」ですね。

        親コメント
        • 磁気活水器とか磁化水あたりは、まだ結構ややこしいですね……コーヒー屋さんとかお菓子屋さんの中でも、実際に美味しいものを作っていて「味にこだわりがある」はずの店でも、磁化水で「味が変わる」とか「おいしくなる」と言っている人に、何人かは会ったこともありまして…。私自身も、コーヒーが好きでいろいろと飲んだりしてますけど、だからと言って自分の舌が絶対だ、などと考えてるわけでもなく、それに対して、かたや仮にもプロフェッショナルであるはずの彼らがそう言うのであれば、味の面で何らかの違いがあるという可能性までは、現時点では棄却できないなぁ、という感じ。

          たまに「味に違いがあると周りに触れ回る前に、最低限、二重盲検定くらいで確認しといた方がいいよ」くらいに、やんわりと指摘することはあります……相手と、時と場合によるけれども。後で「実は、味に違いがありませんでした」なんてことが分かった時には、その人が恥をかくことになりかねませんから。将来恥をかかせたくない相手には、気が進まなくても、あとでこっそり指摘したり…まぁその後どうするかは、本人に委ねるということで。

          個人的には、仮に味に差が出るとしても、まぁ業者が言っているような、アヤシげなメカニズムによるものではないだろう、と。

          #ちょうどアルカリイオン水絡みで、酸性水の殺菌力が、水道水のカルキに由来して生じる次亜塩素酸イオンによるものだった(しかも酸性下なので殺菌力が強い…平たく言うと「混ぜるな危険」状態の薄ーいヤツ)のと同じように。

          ぱっと思いつくあたり、かなり強力な磁石を、蛇口の出口付近(きちんとした浄水器の下流)にくっつけてるだけなんで、うーん、鉄コロイドの含量にでも影響してるのだろうか、とか思わないでもないんだけど……まぁそれよりは上述の彼らには申し訳ないけど、実は「二重盲検定したら差が出ませんでした」となる方が、説明としては納得できるかなぁ、とか。
          親コメント
          • by Anonymous Coward

            人の無意識が、何かを行った後結果を求めてるんじゃないかと思っている。報酬系の誤作動。
            某所の某著名コピペ、発電所で音が変わるリストと同じ現象でしょう。

            • そうですね。その可能性もあると思ってますが、現時点ではまだ「そうだ」とは言いきっちゃうことも出来ない。その辺りが「ややこしい」部分が残っている、という感じで。

              単純な味覚そのものでなく、「味」や「おいしさ」というレベルになると、味わう人や環境の要因 [google.com]が必ず入ってきます。「味が同じ/異なる」とか、「苦味が強い/弱い」くらいの部分だと、比較的末梢レベルでの感じ方に帰結できるので、まだ科学的に議論しやすいのですが、「おいしい/まずい」となると、より中枢レベルでの知覚になるので、踏み込むことができない領域になってしまいます。

              というわけで、結局のところは「味が同じ/異なる」という部分が実証できるかどうかが大きく、そのためには最低限のこととして、二重盲検定くらいはしないといけない、ということです。そこから先の「おいしい」「まずい」は、究極的には個人の価値感につながってしまい、科学の踏み込む領域ではない……とか言いつつ、心理学の分野あたりはそこに踏み込んでるかもしれませんが……という風に考えてます。
              親コメント
        • >>現時点でのニセ科学の結論が、将来科学的に正しい方法で証明されることはあり得ますよ。
          という#1524769のACの発言は、まさに貴方と同じことを主張しているように見えます。

          ・「磁気活水器に未科学の可能性が皆無かというのは一考の余地がある」
          ・「同社が説明するような理屈によるものではない」
          ・よって「ニセ科学である」

          磁気活水器と同等の効果をもたらす機器が作られる可能性を自身で認めているわけだから、
          それが作られればはまさに「現時点でのニセ科学の結論が、将来科学的に正しい方法で
          証明され」た状態でしょう。

          ----
          以下オマケ。

          > 将来に亘ってもそれが正しい科学となる可能性はありません。永久機関然り、水発電然り、ホメオパシー然り。

          永久機関は、どこまでいっても未科学です。
          たとえば、今現在我々が存在を認識していない「何か」のみを消費して動くものが発明された場合、
          「何か」を消費しているので永久機関ではありませんが、「何か」を科学が証明できなければ、
          科学的には永久機関です。
          また、エネルギー保存則が将来にわたって否定されることがないという証拠もなく、永久機関の
          正しいメカニズムが見つかる可能性は完全には否定できません。

          水発電とホメオパシーは「メカニズムそのもの」が明らかにおかしいため正しい科学になる可能性は
          ありませんが、「水から電気を取り出す」「類似したものは類似したものを治す」こと自体が
          否定されたわけではありません。

          ニセ科学かどうかは、主張の根拠でもって判断すべきと思います。

          親コメント
          • by Anonymous Coward

            んーダメな相対主義 [hatena.ne.jp]の典型という感じですね。やっぱり反証実験をしないくせに [gakushuin.ac.jp]水伝を嘘だと言い切ってる菊池や田崎はけしからんですか?

            • 結論が正しくても過程が間違っていればニセ科学として批判されるべき。
              結論が間違っていても過程が正しいのであれば、単なる誤りか、棄却された仮説にすぎない。
              科学とは過程です。

              水発電とホメオパシーは、明確に理論がおかしい。
              「永久機関」は、「永久に動作する(エネルギーを生み出す)」ものの呼称なので、個別の
              「永久機関を生み出す理論」に対して科学的に検証し否定できても、科学的に不在の証明を
              することはできない。

              マグローブ社の磁気活水理論はニセ科学です。
              それと、磁気を与えられた水が変質するだとか、その結果人体や環境によい効果をもたらす
              だとかいう効果とは、また別の話です。

              #1524811は、その発言内で、「理論が間違っており将来的にも証明されることのないもの」を
              ニセ科学であると定義しているにもかかわらず、
              > 今回のマグローブ社による磁気活水器に未科学の可能性が皆無かというのは一考の余地がある
              などと書いている時点で主張がぶれていて矛盾しています。
              永久機関とホメオパシーを並列に書くあたりでも、「理論の不整備」と「間違った結論」の
              切り分けができておらず、混同している。
              それが科学的ではないと私は指摘しているわけで。

              リンク先の悪しき相対主義として批判されているのとは逆のスタンスです。
              ベタのないメタを批判し、肯定は「確からしい」ことしか言えないが否定は絶対的に可能だと
              主張しているわけですから。

              最後に、指摘の水伝のことですが。
              水伝が「特定の周波数パターンをもった音波を当てれば結晶の規則性・対称性が高くなる」
              という主張であるならば、反証実験をしないのはけしからんですな。
              実際は前提である「美しい言葉」の定義がグダグダであり、手法も論拠も無茶苦茶なため、
              反証実験するまでもなく科学モドキであることは明確ですが。

              親コメント
      • つか、根拠が不明の主張を根拠にならない根拠で断言し、あるいは誘導するのがマズイんじゃないのかな?

        親コメント
  • 全面勝訴だけど (スコア:1, 参考になる)

    by Anonymous Coward on 2009年03月04日 9時40分 (#1524784)

    被告と参加人の主張が全面的に認められたわけではありません。「名誉毀損に当たらない」という主張は通りませんでした。「名誉毀損に当たるが、違法ではない」というのが裁判所の判断です。
    詳しくはせっかく判決文が公開されてタレコミからリンクまで張られているのですからそちらをご覧になってください。とくに編集者。

    • by apj (8158) on 2009年03月04日 10時13分 (#1524810) 日記

      >「名誉毀損に当たらない」という主張は通りませんでした。

       これについてですが、面白いのが前半部分で、原告が名誉毀損でないと言ってるのに裁判所が名誉毀損だとしちゃったところだったり。

      原告の主張:マルチ商法であるという事実摘示があったが、実際にウチはマルチ商法をしているので、マルチであると言ったこと自体は名誉毀損ではない。
      裁判所の判断:マルチ商法というのは世間ではいかがわしい商法だとされているから、マルチ商法であるという事実摘示をすることは名誉を毀損するが、原告は実際にマルチ商法をしているから真実であるし、会社の商売の方法は公共の利害に係る事実であるので、違法性はない。

       つまり、マルチ商法をしていない人に対してマルチ商法をしている、と言ったら名誉毀損と判定されるかもしれないという話なので、まあ、世間でマルチ商法がいかに忌み嫌われているかを改めて確認したという趣があります。

      親コメント
      • >マルチ商法をしていない人に対してマルチ商法をしている、
        >と言ったら名誉毀損と判定されるかもしれない

        上記に付、当該判決文の【争点1一名誉殻損行為の存否ーについて】から、
        「3 本件文書前半部分について」の(4)項を御確認ください。
        原告が「自らマルチ商法を主宰して」いることを認めた上で、
        サイトの記述が「名誉を毀損」する、と指摘しているのです。

        つまり、
        『マルチ業者を名指しで、マルチ業者呼ばわりしたら、
        それだけで名誉毀損だよ(違法性は無いけどね:)』
        と言い切っているワケでして。

        本件の名誉毀損の事実認定は、まさに、
        >世間でマルチ商法がいかに忌み嫌われているか
        という点からの、嫌味ではないでしょうか。
        (無論、ウソや間違いのマルチ業者呼ばわりは、違法な名誉毀損となり得ます)

        ところで、これからの原告のアクションは、
        薮蛇になりかねない控訴よりは、
        名誉毀損が成立した事だけを取り上げて、
        「学者と裁判所がグルになって、ボクタチをいじめるんだぁ」
        とアピールする方向に向かうのではないでしょうかね。

        //「半月ほどしたらFC2に当該判決の無効を訴えるサイトが建つ」に1ジンバブエドル

        親コメント
        • by Anonymous Coward

          >『マルチ業者を名指しで、マルチ業者呼ばわりしたら、
          >それだけで名誉毀損だよ(違法性は無いけどね:)』

          そりゃ、相手が真実、マルチ業者であるにもかかわらず、
          「マルチ業者ではないがまるでマルチ業者であるかのよう」に呼べば名誉毀損になるでしょう。
           #事実の指摘は「呼ばわり」ではありません:-)

        • 下手にジンバブエドルを賭に使うと、いきなり20桁切り落としとかされてまずいことにならないかなあ。
          rem 昔ひやっとしたことがあったりなかったり

        • by Anonymous Coward

          素人目には厳しい判決に見えるんですが、原告(原告側弁護士?)は今後どんな
          戦略をとるのでしょうね。原告本人が続けたいというなら続けるんでしょうけど…

          選択肢は
           1. 判決は装置の存在に危機感を抱く大企業を主体とした組織が不当に圧力
             をかけた国家的陰謀論であることを主張する。
           2. 名誉毀損認定のみを手土産にして引き下がる。
           3. 突如、近代科学100年の歴史を覆す決定的新証拠が出てくる。
           4. 素直に負けを認める。現実は非情である。
          ぐらい?

      • by Anonymous Coward on 2009年03月04日 23時59分 (#1525266)
         この判決では、マルチ商法を実際にしているという事実指摘をしているので、この判決を出すことも名誉毀損行為にあたるわけですね。もちろん違法性はないわけですが。
        親コメント
    • by hirose.its (36646) on 2009年03月04日 11時54分 (#1524895)

      「名誉毀損に当たるが、違法ではない」とはどういうことか、わかりにくいと思うので、簡単に記します。

      まず、名誉毀損かどうかは、それが事実であるかどうかといったことに関らず、社会的地位を低下させるかどうかで決まります。例えば、会社で上司について「あいつは不倫している」と叫んだら、その上司が実際に不倫をしていたとしても、名誉棄損になります。
      これに従って、本判決は次のように判示しています。
      ・マルチはいかがわしい商法だし、実際にみんなそう思ってるから、マルチ商法だと指摘して論評することは名誉棄損。
      ・違法な販売活動を行う傾向のある人物だと指摘して論評することもやっぱり名誉棄損。

      しかし、この基準で名誉棄損だからといって、損害賠償を制限無く認めるととんでもないことになります。ですから、判例上、次の4つの条件を満たす場合には違法ではないとされます。
      1.公共の利益に係わることであること。
      2.執筆者の目的がもっぱら公益を図ることにあること。
      3.論評の基礎となっている事実の重要な部分が真実であること(あるいは、真実であると信じたことについて"相当の理由"があること)。
      4.ちゃんと論評の範囲に留まっていること。
      本件では、この4点が全て認められ、損害賠償責任が無いと判断されたわけです。

      この判決の中でも素晴らしいのは、3.の部分でしょう。少し判決文より引用してみます。

      〔宣伝にうたわれている効能には〕何らかの実験的な裏付けがあるわけでもなければ,科学的知見に基づく合理的な推論によって説明可能なものでもない。すなわち,現代社会の経験則(ここには科学的に認められた自然法則が含まれる。)に基づく裁判所の判断としては,そのような事象は起こらないと認めるのが相当である。

      要するに、「磁気活水器の効能についていろいろ言ってるけど、常識的に考えてありえないよね。」ってなわけです。

      親コメント
    • by albireo (7374) on 2009年03月04日 11時30分 (#1524873) 日記

      まあ、被告側としては

      名誉を毀損すると認められる場合には,参加人らの原告に対する不法行為責任が生じるのが原則である。(判決文 第2-6-(2))

      という前提で主張を展開していたのを、裁判所は「名誉毀損かどうかと、それが不法行為なのかというのは分けて考えなきゃ」としたわけなので、主張を認めなかったというよりは主張の前提部分が間違ってるということみたいですね。

      --
      うじゃうじゃ
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2009年03月04日 8時45分 (#1524765)

    > マルチ商法は法律で全面的に禁止されているわけではない
    まじっすか?エロい人の解説希望っす。
    # オフトピでごめん

    • マルチ商法そのものは違法じゃありません。
      ただし、その仕組み上、「誤解を招きやすい」のです。
      誤解無いようにマルチ商法のシステムをよく理解した上で、それでも参加したいという人がいれば、それはそれで良いのです。

      誤解を招かないように、マルチ商法には厳しい規制がかけられています。
      宣伝の仕方、勧誘時の状況や、説明内容、とても厳しいです。
      法律守ってたら、誰も契約してくれないと思います。

      なので、法律上はOKだが、その法律まもってたらやっていけないので、普通は違法な事してるのがマルチ商法。

      まぁ、暴力団なんかと同じです。
      法律上は暴力団は違法じゃありません。
      でも、厳しい法規制がされてますし、その法律まもってたら暴力団はつぶれます。

      親コメント
    • by tetsusan (17639) on 2009年03月04日 9時02分 (#1524771)

      エロいからレス。
      この辺がわかりやすいかな?
      http://www.meti.go.jp/policy/consumer/tokushoho/gaiyou/rensa.htm [meti.go.jp]

      友人がMLM(マルチレベルマーケティング)にハマって、健康食品だの浄水器だの買ってた。
      後学のために入ってみたけど、洗脳に近い講習(しかも一回2500円)とかいろいろあっておもしろかった。
      クーリングオフして逃げてきたから被害額は5000円くらい?

      親コメント
    • by soltiox (25610) on 2009年03月04日 9時09分 (#1524773) 日記

      当該判決文の「第2 事案の概要等」「1 用語の説明」からの引用です。
      改行と強調は引用者。

      (6) マルチ商法
       商品の販売において,販売に関与する者が階層を構成しており,
      かつ,商品を販売したことに対する報酬が二つ以上の階層
      (マルチレベルの階層)の販売関与者に支払われる仕組みの販売方法であり,
      特定商取引法33条以下において「連鎖販売取引」として
      規制の対象となっている販売方法をいう。

      規制はされているけれども、禁止はされていません。
      例えば「一般に流通しないような物品を、会員制度のような形態で販売する」
      といったビジネスを想像すると、それはマルチ商法に近い(又は、そのものの)
      形態を取るのではないでしょうか。
      そして、その事自体には、法による禁止は為されていない、という事です。

      ただし、日常生活の中で、マルチ商法に関わってしまった場合、
      その事が違法行為である可能性は高いです。
      (恐ろしいことに、それは一見、マルチ商法には見えないかもしれません)

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        よくここの広告に出てくるハーバライフの糞広告は問題ないのですかね?
        表示ではマルチだと明記しないで品物の販売を装ってますが。

        googleの方は一掃されたみたいですが、MicroAdは野放しですね。

      • 「マルチレベルな階層」って、
        「ハッピーイヤーな年」とか「頭痛が痛い」とかと同じにおいがしますね。

    • by Anonymous Coward on 2009年03月04日 8時57分 (#1524767)
      つうか
      マルチ(まがい)商法の明確な定義がない。
      アムウェイは不良在庫買い取り制度などがあるため摘発されない、のかなあ?
      親コメント
    • これではなくて?

      http://www.meti.go.jp/policy/consumer/tokushoho/gaiyou/rensa.htm [meti.go.jp]

      連鎖販売取引って、マルチ商法のことでしょう。

      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2009年03月04日 16時27分 (#1525087)
    「マグローブ」社の社名が「マグロ一ブ」になってるトコがあって笑った。
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私はプログラマです。1040 formに私の職業としてそう書いています -- Ken Thompson

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