液体中で横波音波を観測することに成功 40
独法全廃されるとこういう研究はどうなるの ? 部門より
SPring-8 のプレスリリースによると、広島工業大学の細川伸也准教授らのグループの共同研究により単純な単原子液体に横波音波が存在することが実験的に世界で初めて観測された。
高校物理の教科書には、「液体中では横波音波は伝わらない。なぜなら、復元力が無いからである。」と明確に記述されています。一方、理論計算では、単純な液体であってもナノメートルの空間スケールでは、ピコ秒程度の寿命で横波音波が存在できることが予言されています。しかし、残念ながらこれまでにその存在は実証されていませんでした。
この研究では、単原子液体金属である液体ガリウムを対象として、X 線非弾性散乱測定を行い、その散乱スペクトル中に明確な横波音波シグナルを検出することに成功しました。また、横波音波が速さ 1050 メートル毎秒で 0.5 ナノメートル伝わり、その寿命が 0.5 ピコ秒程度であることを明らかにしました。
プレスリリースによると、これにより液体中の固体的原子集団の弾性的性質が得られるため、液体から固体への結晶成長についての基礎的な理解や応用発展にも大きく寄与する、のだという。