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医療

新型インフルエンザワクチン開発は終盤戦に 14

ストーリー by hylom
早い者勝ち? 部門より

capra 曰く、

スイスの製薬会社ノバルティスAGが新型インフルエンザワクチンの製造に成功したと発表した(swissinfo.ch本家/.より)。

同社のワクチンは細胞ベースの製造技術で開発され、従来の卵を使った手法よりも大量のワクチンを早く生産することが可能という。ワクチンの人体への試験はまだ行われておらず、これから前臨床試験や臨床試験を行う段階とのことだが、遅くとも10月初めには製品化される予定とのこと。既に30カ国以上の国から注文がきており、米国からは総額280億円の注文が入っているという。

また、米製薬会社のバクスター・インターナショナルも新型インフルエンザワクチンの開発に成功したと発表しており、こちらは早ければ7月にも出荷を開始する予定だという。他にも英グラクソ・スミスクラインや仏サノフィ・アベンティスもワクチン製造を加速中とのことで、ワクチン開発ラッシュは終盤戦に入っている模様だ。

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  • by pongchang (31613) on 2009年06月17日 10時13分 (#1587929) 日記
    H5N1のシナリオでは、国会議員とか公安関係が高かったけれども[pdf [mhlw.go.jp]]、2009H1N1の国内での経験 [mhlw.go.jp]からすると、まず中学高校生が先だとおもう。
    流行の規模を抑制すれば、ハイリスク者へ感染する機会が抑制される、という考え方で、2001年の菅谷先生などの論文 [nejm.org]では420名の学童への接種で1名の超過死亡が防がれるという推計をまとめている。中高生は合わせて700万人程度なので年末までに約二千五百万万人分(1人分は2回接種)が予想される生産の一部を振り向けるのは合理的であろう。
    あとは年間百数十万人の妊婦は、二重の意味で優先されると思われる。妊婦本人だけでなく、産院への持ち込みを防止し、移行免疫である程度新生児を守る可能性もある[pdf [kankyokansen.org]]。ただし、日本では副作用への違和感から受容され難いかもしれない。
    そのよう [yomiuri.co.jp]に検討されているらしいが。
    老人は抗体保有率の高いという検討結果もある。この際、優先順位を下げるのも検討課題だろう。
    • by y_tambe (8218) on 2009年06月17日 11時01分 (#1587954) ホームページ 日記
      優先順位もさることながら、実際問題としては、新型以外に、どのワクチンを作製するのかという振り分けも重要だったり。

      おそらくこれから、日本でも秋口まで(調査が追いかけ続けられるでしょうから)新型の感染者が散発的に(おそらくは海外で感染した人を中心に)発生し、それ以降に、いわゆる「第二波」で患者数が一気に増加するだろうと予測されます。ただ、このときに流行するのは新型 A/2009 (H1N1)だけとは限らず、従来のA/ソ連 (H1N1), A/香港 (H3N2), Bも同時に流行する可能性が高いだろう、と。ひょっとしたらA/ソ連あたり、新型に置き換わっていくかもしれないけど、まぁ現時点では楽観視もできないわけで。

      昨年作られてたような、従来のインフルエンザのワクチンは、A/H1N1、A/H3N2、B、それぞれ一株ずつに対するものを混合したものを用いていたわけですが、これと新型ワクチンをどう組み合わせるのか…あんまり種類を混ぜ過ぎると効かないことは、過去の事例から明らかだし。

      接種対象のリスクを考えると、現状ではむしろ従来のものは高齢者中心に、新型は若年者中心にした方がよさそうですが、果たしてそれでいいのか。また高リスク群に対してはどういう組み合わせを用いるのがいいのか。そして、そもそもワクチン生産の能力自体が追いついてない状況の中で、そういう理想的な供給が可能なのか…などなど、課題は山積みになってます。「新型」だけに目をうばわれず、総合的な判断が必要ですね。

      現在注目すべきは、オーストラリアでの流行型の推移ですが、新型が蔓延してるビクトリアなどでは既に、患者数が多いため、重症者以外の型特定は行われていないそうです。まぁ受診時の型特定は無理でしょうけど、回復後採血して、どの型に感染していたかを確認(感染していた型に対する抗体が血清中に出てくる)することが、次期の世界的流行を防ぐ上でも重要な情報になってきます。
      親コメント
      • 作ってしまった09/10シーズンは別にして、来年以降の話ならBを諦めて生産量から考えて、また新型を2回接種ということなら、{A/香港 (H3N2)と 2009H1N1(S-OIV)}を1回目 {A/ソ連 (H1N1)と 2009H1N1(S-OIV)}を2回目が広い人口をカバーできるかもしれない。
        親コメント
  • by Anonymous Coward on 2009年06月16日 15時08分 (#1587239)

    大成功です

  • by Anonymous Coward on 2009年06月16日 15時12分 (#1587243)

    他者よりも早く新薬を開発して特許取らないとないと儲からないのが製薬会社なわけで。

  • by Anonymous Coward on 2009年06月16日 15時39分 (#1587271)
    冬に入っている南半球で感染が広がっていると報道されてるが、アフリカが完全に無視されてるのが気になる。WHOも先進国が途上国へワクチンをプレゼントしろと言ってるけど、やっぱり日本のような金持ち国が外国のワクチンを買ってプレゼントすることになるのだろうか。
    アメリカでは1976年の豚インフルエンザ騒動の反省から、今回のワクチン接種は慎重にすべきとの世論があるようなので、そんなに急いでるわけでもなさそう。
    • by Anonymous Coward

      Who Whose WHO is a who of whom are who who who?

    • by Anonymous Coward

      そもそも感染者が"見つかってない"んだから、ワクチンを贈るもどうもないと思います。
      #まずは検査キットと医師の派遣から…

  • by Anonymous Coward on 2009年06月16日 16時55分 (#1587365)

    ダチョウの卵からワクチン大量生産、とかいう技術は今回は使えなかったんでしょうか

    • Re:新技術なの? (スコア:5, 参考になる)

      by y_tambe (8218) on 2009年06月16日 18時04分 (#1587445) ホームページ 日記
      あれは「抗体」を作らせる技術であって、ワクチンを作らせる技術じゃないので。

      ワクチンを作らせる技術ってのは、病原体(ウイルス)を増やす技術とほぼ同義です。ウイルスを作り、それを不活化した(壊した/殺した)ものを、ヒトに接種するのがワクチン(この場合、特に不活化ワクチンという)です。

      この場合、このワクチンに対して、接種されたヒトの体内で免疫が誘導され、これが同時にワクチンの元となった病原体に対しても作用します。つまりこのヒトは、病原体に曝露されたときと同様、接種された抗原に対して「自ら能動的に、免疫を獲得した」ことになります。こういうのを「能動免疫」と呼び、この形で獲得された免疫は記憶され、二回目の曝露に対して速やかに免疫が誘導されてきます。

      これに対して、他の動物やヒトが作った「抗体」を体内に取り入れた場合、これを「受動免疫」と呼びますが、その抗体が直接病原体や毒素を排除することは出来ても記憶はされません。なので感染防御のためにはあまり役に立たず、いわゆるワクチンとしては用いられません。
      #まぁ受動免疫でも、新生児が自前で免疫を獲得できるようになるまでの間、母親由来の抗体を使って、身を守るときなんかには感染防御の役に立ってますけどね。
      #でも医療上は通常、例えば毒ヘビに咬まれたときの毒素の中和とか、微生物が関わる疾患でも破傷風やボツリヌス中毒などのように病原体そのものよりも、それが産生する強力な毒素の方が問題になるようなケースで用いられるもの(いわゆる「抗血清」)です。

      じゃあダチョウの卵で「ワクチン」は出来ないか、というと……一応出来ないことはないでしょうが、却って効率は悪いんじゃないかと。
      • 抗体は無精卵の中でも大量に作れるが、ワクチンを作るためには有精卵が必要(=作れる数が少なくなる)
      • ワクチンを作るためには、卵に孔をあけて、ウイルスを直接接種する必要があるが、ダチョウの卵は頑丈すぎて、操作が大変そう。
      • そもそもニワトリとダチョウは同じ鳥類とは言え、種が異なるので、ダチョウで効率よく増えるかどうかがよく判らない。

      …などと考えると、素直にふ化鶏卵を使う方が、まだましじゃないかと。

      今回の発表では培養細胞を使ってますけど、ここらへん、普通に実験室でやろうとすると、動物細胞培養のための培地なんかが高いんですよね。CO2インキュベーターもいるだろうし、おまけに効率よく増やそうと思ったら、培地中にトリプシンあたりを加える必要も出てくると思うので。

      #インフルエンザウイルスは、培養細胞では、トリプシンを外から与えてHA開裂させないと増えにくいのです……ふ化鶏卵の中では特に何もしなくても鶏卵中のプロテアーゼが開裂させてくれるのだけど。

      まぁこの辺りをどうデザインして最適化してるかが、製薬会社の腕の見せ所というか、企業秘密にあたる部分だと思いますが、ふ化鶏卵の系に比べて「早く、大量に」出来たとしても、決して「安く」はないんじゃないかなぁ、と思ったりして。

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弘法筆を選ばず、アレゲはキーボードを選ぶ -- アレゲ研究家

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