Pentagon Web Radio、Armed with ScienceのEpisode #27:Using Virtual Worlds and Characters for Online Soldier Supportで紹介されている事例なのであるが、軍隊生活から日常生活へと第二の人生を踏み出す前に、Second Lifeでメンタルケアを行うという研究が行われているそうだ。研究は南カリフォルニア大学Institute for Creative TechnologiesのJacquelyn Ford Morie博士によって行われ、"Re-Entry: Online virtual worlds as a healing space for veterans"(PDF資料)という論文にまとめられている。
研究には、簡単な受け答えをする程度の仮想的な知能をもつエージェントの開発が含まれた。このエージェントは、テキストによるチャットと簡単なジェスチャーをおこなう能力をもち、テキスト解析を行ってもっとも適切な回答を返す能力を現在実装している。将来的には音声機能やさらに強力な理解力や文章力を持たせるようにするそうだ。
当初、Second Lifeの中に作られた仮想的セラピーの舞台として、砂漠の中の平和なイラクの村が選択されたそうだ。しかしテストプレイを行った志願者が、砂漠の中で戦場の記憶に襲われたために逃走したり、村の中には入れたものの真に迫りすぎた情景のためいかなるイラク帰還兵もセラピスト無しでの入村はすべきでないとの評価を受けた。そのため舞台の変更が行われ、できるだけイラクと共通点の無いように考慮された快適そうなスキーロッジ(論文p5,6のFig1〜3を参照)となった。なお、アクセスするには専用のクライアントが必要になる。
現在この研究は評価段階にあり、ユーザの使いやすさや利便性、仮想空間へどの程度アクセスがあったか、退役兵士とエージェントとの間の会話などのデータを収集している。これによりエージェントの改良などを行っていくという。