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自転車のペダルに組み込むだけで電動アシストに早変わり 93

ストーリー by soara
足首を痛めそう 部門より

TarZ 曰く

WIREDに、自転車のペダルに電動アシストを内蔵する新発明という記事が掲載されている。詳細はリンク先を参照していただきたいが、英国の発明家が通常の自転車に取り付けるだけで電動アシスト化できる器具を考案した、という内容だ。

いまどきは自動車をEVに改造する人もいるくらいだから別に珍しいことでもないが、この発明のポイントは「バッテリやモーターが 1対のペダルに組み込まれていて、取り付けに必要な作業は自転車のペダル交換だけ。追加のハードウェアは一切必要ない」というところである。

この発明について、記事を書いたCharlie Sorrel氏は疑問を感じたようで「これは実際に機能するのだろうか」と読者の見解を求めている。

これが「ペダル単体で自転車が動くか」という問題であれば、空回りするだけだろうから効果はないだろう。ただ、実際に使用される場面ではペダルの空回りを妨げる漕ぎ手の足が上に乗っており、こうなると話は少し複雑になる。氏自身もペダルを10分ほど回して考えてみたそうだが、機能しないと断言できるまで至らなかったようだ。

元の英語版WIREDの記事に対する読者コメントには、"Snake oil"(いんちき)という意見もあれば "Of course it works" という意見もある。そこで、/.J諸氏のご意見を伺いたい。この電動アシストペダルは機能するのだろうか?

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • エネルギーと出力 (スコア:3, すばらしい洞察)

    by tatsushi (87) on 2010年06月26日 12時11分 (#1785955) ホームページ 日記

    自転車の推進にはそれなりのエネルギーが必要ですが、
    ペダルの体積にそれだけ納められるか疑問です。

    だいたい200wから300wくらいの出力が必要だけど、
    ペダルの体積がすべて電池だとして、何分持続するでしょうか?
    また、必要なトルクもそれなりに大きいけど、ペダルに収まる径で
    それを発生できるか?
    と考えると、やっぱり無理があるなぁ。
    人間の入力に対して10%アシスト、とかだと出来るかもしれません。
    (ちなみに日本で発売されてるアシスト自転車は、人力に対して100%から200%くらいのモーター出力。)

    • by saitoh (10803) on 2010年06月26日 21時08分 (#1786081)
      単一タイプのリチウムイオン電池が10Wh(3000mA×3.6V)ちょいの容量なんで、ペダルの中にそれ2本分くらいは入るとして、20Wh。単純計算で 200W(左右のペダルが100W ずつ)出力で12分間稼働可能と。そんな感じですかね。

      ただし、200Wものエネルギーでペダルが回転したら体重で押さえつけ切れなくて空転するだけでしょうね。

      たとえば50kgの体重を1つのペダルにかけて、それで体重で押さえ込めるぎりぎりのペダルの回転トルクを考えると、ペダルの半径が5cmとして、2.5kg・m。クランクの回る速度を1秒間に1回転(ペダルも1秒に1回転)として、踏んでるのは1回転のうち半分だけとしてで、 2×π×トルク×回転数=仕事率(単位時間あたりのエネルギー[J/s])という公式に入れると、8J/sくらい。てことは8W? なんか計算間違ってなければいいけど。

      親コメント
  • 考えました。
    ペダルの回転のペダル自体のトルクを受け止めるのは足の裏であり、足の裏が本来あたえる力の足し算が足にかかるわけです。

    要するに、力は「増えるかも」知れないが、その分足は力を出さなければいけない。
    足の裏が、その力を受け止める能力がなければ空回りするだけでしね。

    ま、極端な話をすると、トルクを発生しすぎると、足首捻挫ですね。と考えると、それほど考える問題でもないかもしれない。

    機能しないってことで。

    ちょっと、永久機関のイラストを思い浮かべてしまいました。

  • プラセボ説 (スコア:2, おもしろおかしい)

    by soltiox (25610) on 2010年06月25日 17時12分 (#1785626) 日記

    わざわざペダル交換したので、自転車を漕いでいると、
    その苦労の分だけ、楽になってるような気がする、という説を提唱。

  • 条件次第 (スコア:2, 参考になる)

    by fiercewinds (22740) on 2010年06月26日 12時11分 (#1785953) 日記

    ペダルと人間、自転車がちゃんと連結されていれば効果はあるね。

    ただ、実用化しようと思ったら難問山積みですな。
    ペダルと靴がしっかり固定されていないとトルクが逃げるし、靴に弾力あると無駄にエネルギーを消費するし……足首に変な負担がかかるから、その対策も必要。

    もっと筋の良いやり方が他にありそうな気がするなぁ。

    • Re:条件次第 (スコア:5, 参考になる)

      by naima (6903) on 2010年06月26日 13時44分 (#1785992)

      こっちの方が筋がいいですね。
      http://www.youtube.com/watch?v=jmPUze3WBTw&feature=player_embedded# [youtube.com]!

      実際、今年のTour de Franceではスキャナが導入されるらしい。

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    • by s02222 (20350) on 2010年06月26日 21時36分 (#1786088)
      同じく条件次第に1票。次のような思考実験からの結論。「ペダルの状態が常に水平」かつ「クランクに対してペダルは自由に回る(回れる)」状況を作り考えれば良い。

      ・ペダルから棒をぶら下げ、ペダルと棒を接合する。
      ・棒の先に十分な重さの重りをぶら下げる。
      ・この状態で、ペダル内のアシスト機能をONにすると、自転車が走る。

      ペダルが回ろうとするが、重りが重力に引っ張られてペダルは水平を保とうとする。水平に保たれたペダルの付け根はクランクを回そうとする。結果としてクランクが回り、自転車が走る。

      重りじゃなくて人が乗った場合にどうなるかだけど、この思考実験で重りは仕事はしていない(してたらエネルギー保存の法則に反する)。と言うことは、この重りと同じ「ペダルを水平に保つ」という作業をエネルギー消費無しにやってのける体重の乗せ方が有るはず。よって、少なくともそれを実践できれば、アシストは得られる。
      親コメント
      • 思考実験と現実の違いとしては、

        > エネルギー消費無しにやってのける体重の乗せ方が有るはず。よって、少なくともそれを実践できれば、アシストは得られる。

        これが最大の問題じゃないですかね。

        純粋な物理学としては、力をかけても移動距離が0なら、仕事は0になります。
        でも、人体の特性としては、動きが無くても、力を出しているだけでエネルギーを消費します。

        さらに、力学的にはポテンシャルが増減しても最終的に元の高さに戻ったらエネルギーの入出力も±0になりますが、
        人体には回生機構なんてついてませんので、筋肉によるポテンシャルの増減があったら、そこで行った仕事はエネルギー消費になる一方です。

        結局の所、物理学的にみて「人間は仕事をしなくていい」(エネルギーの出入りはトータルで±0)だとしても、
        その体勢を維持するのに力を出す必要があったら、そこで人体はエネルギーを消費してしまいます。

        そういう無駄なエネルギー消費がどうなるかというのは、純粋物理学的に定量的に思考実験するのは無理だと思います。
        実際に漕いでみて計測するしかないんじゃないかな。

        親コメント
  • by motu (40385) on 2010年06月26日 12時53分 (#1785969)
    電動補助輪の方がまだよくね?
  • by SteppingWind (2654) on 2010年06月26日 12時59分 (#1785973)

    これは足と自転車を分けて考えるから分からなくなるんです.

    簡単のために片足側だけに注目してみると, 足と自転車で構成される機構は

    • サドル・股関節—膝
    • 膝—足首・ペダル
    • 足首・ペダル—クランクシャフト
    • クランクシャフト—サドル・股関節

    から構成される四節リンク機構 [tamabi.ac.jp]となっていることが分かります. リンク先のアニメ(要Java?)でクランクレバー機構として示されるものが, そのものずばりの形です.

    ここで通常の自転車の場合には, 股関節と膝の往復運動がクランクシャフトの回転に変換されるわけです. それに対して今回の電動ペダルでは, リンクを駆動させるのに2つある回転節の片側に回転するモーターを設置するという形になっているわけです.

    • by Anonymous Coward

      で、結局アシストになるの、ならないの?

      リンク構造を維持するための条件とか、作用反作用の話は、無視ですか?

      • by SteppingWind (2654) on 2010年06月26日 18時27分 (#1786051)

        もちろんなります.

        リンク構造の維持に関しては

        • サドル・股関節接合節
        • 足首・ペダル接合節

        の2箇所について考えれば十分です. この内, サドル・股関節接合節についてはペダルから受ける上向きの力が体重より小さければ接合が維持されます. 実際には体重以上になってもスタンディング体制で腕を使って引っ張ればさらに大きな力にも耐えられます. 足首・ペダル接合節については問題になるのは引っ張り状況での分離のみで, これについては足を伸ばすだけで済み, 基本的には力は不要です.

        で, アシストになるかどうかってのは力学での仕事量で示すことができます. 基本的に
        仕事量=力×移動量
        となりますが, リンクについては無変形なのでリンクに沿った力は仕事量に影響しません. ですので, リンクで考慮すべき仕事は節に注目して
        仕事量=トルク×回転角
        となります. ここでトルクが発生するのはペダル部分だけとすると, 当然有効な仕事をしているのはペダルのみで足が行う仕事はありません. よってアシストになります. リンクには圧縮/引っ張りの応力がかかりますけど, それによる変移を伴わないので仕事としては0になるというのがリンク機構のミソです.

        騙されていると思ったら, 自分で模型を作って実験してみたら良いと思います. 胴体部にどれだけの重量があれば腰が浮くことなく, また足首がペダルから浮かないようにするには膝などにどの程度のバネが必要かなど(エンジンのバルブスプリングと基本は同じで)面白いと思います. ちゃんと(リンクの質量や慣性モーメントなどを)計算したりすると機械科の学部1年ぐらいの内容ですが, 中学生ぐらいでもなんとかできるレベルかな. 本格的に勉強するなら「機構学」とかの教科書をあさってみると良いでしょう.

        ただ, 実用的にはどうなのかな? 電池も持たないだろうし, せいぜい足首にかかる負荷を減らす程度の効果しかなさそうですけど.

        親コメント
  • ペダルに足を回されるような主客転倒の状態(本文より)というのが正確そうだなあ・・・
    そんなわけないだろと言われそうだが
    能動時に動かなくて良いぶんだけ気分的にはラクできる?
  • 普通の自転車の部品交換をすると電動自転車に出来るコンポーネントSTEPS [wiredvision.jp]がシマノから発表されるそうです
    自分も最近スポーツ自転車を買いましたが、軽さがいいですよね。電動自転車にしたら重くなりそうでありがたみがなくなるかもw

  • by wd-nara (25864) on 2010年06月27日 20時00分 (#1786256) 日記
    ペダルを漕がなくても走るようだと、電動アシスト自転車ではなく原動機付自転車になって、運転には原付免許が必要になりそうですが、そのあたりはどうなんでしょう。
  • by donadona (37711) on 2010年06月26日 14時22分 (#1786001)

    作用反作用の法則考えると、これはインチキ発明でしょ。
    自転車を漕いでいるとき、ペダルは二つの物体 - クランクと足から力を受ける。
    逆に言うと、クランクに力を加えようとすると、その反作用は足に行くわけだ。
    つまり、ペダルががんばってクランクを回そうとすればするほど、足はがんばって
    ペダルの反作用に釣り合う力を出さなきゃならない。

    ・・・ぜんぜんアシストになってないじゃん・・・。

    #厳密には慣性力も考えなきゃならないけど、他の力に比べたら誤差なので無視。

    • by 306m5 (11617) on 2010年06月27日 14時39分 (#1786199)

      骨を伸縮させる方向に力を受けても筋力を使いません。

      適切な拘束を与えてやればアシストは成立します。

      親コメント
      • by ttm (8278) on 2010年06月27日 18時22分 (#1786230)

        装置への力の伝達経路が、足からクランクまでの間に完全に閉じてしまっているので、
        「適当な拘束」は足またはクランクのいずれかでしか与えられません。
        つまり、この装置が発生する力は作用/反作用ですべてクランクおよび足の双方に働くので
        アシストとしての効果はないと思われます。

        アシストとして働くためには、足やクランク以外の部分、例えば車体フレームなどへの力の伝達経路が必要でしょう。

        親コメント
        • by 306m5 (11617) on 2010年06月27日 19時41分 (#1786248)

          アシストとして働くためには、足やクランク以外の部分、例えば車体フレームなどへの力の伝達経路が必要でしょう。

          足を伝わる経路があってもアシストとして作用しますが?

          親コメント
  • T/O
  • by Anonymous Coward on 2010年06月25日 15時46分 (#1785580)

    人間の足を固定の棒と考えれば、クランク1回転でペダルは1回転するのは確か。
    なら抵抗が十分少なくそれでいて足がちゃんと固定軸として働けば動くには動くだろう。
    けど、200Wもの出力で通常動かない方向に力を掛けるってのは乗っている人間に対してどうなんだろう?
    下手するとスムーズなペダリングを妨げるだけにも成りえるよね。

  • by Anonymous Coward on 2010年06月25日 16時04分 (#1785591)
    ペダルに回転力をかけても、ペダルのロッドはギアの回転軸に
    横向きの力をかけるだけで、回転にはならないでしょう。
    しかし回転軸を前方に押し込む力にはなりうるので、その意味
    ではアシストになるかも。まあほとんどジョークグッズですが。
  • by Anonymous Coward on 2010年06月25日 16時06分 (#1785592)

    進行方向にペダリングしているとき、ペダルはクランクに対して後方に回転している。
    この回転モーターでアシストすると、ペダル前側に上昇しようとする力がかかるため、搭乗者の踏力もここに集中する。
    これにより通常はペダルの軸に位置する力点がクランクの中心から離れるため、
    踏力が同じでも梃子の原理でより大きな駆動力を得ることが、言い換えればアシストが得られるというわけだ。

    これは一見、搭乗者がペダルを踏むことに変わりはなく、何も助けになっていないようにも見える。
    しかし、ここで搭乗者が発生すべきエネルギーに注目してみよう。
    駆動力を得るために踏力を増やす必要はない。
    クランクの径も変えていないのだからストロークも一定だ。

    ペダルを踏む力点が爪先に移動することで足首に負担がかかるような気がするのはとりあえず無視して、
    純粋に物理的にどうなるかを考察してみてもらいたい。
    これは中学生でも解ける問題だ。

    • by Anonymous Coward

      >クランクの径も変えていないのだからストロークも一定だ。

      これは本当に一定なの?
      力点がクランク軸から外れているのだから、クランク軸の移動によるストロークではなく、力点部分の移動距離を考えたストロークじゃないといけないと思うんだけど、その点は?

  • by Anonymous Coward on 2010年06月25日 16時47分 (#1785610)
    元ネタのものが、どういう原理を使っているのかはわからないが

    ペダルを交換、だけでアシスト効果が出るようなものというと、ジャイロ効果を使用したものしか頭に浮かばない

    # 他に書いてる人が居ないので、実現可能か?を無視して投稿
  • by Anonymous Coward on 2010年06月25日 18時16分 (#1785664)

    自分でペダルを交換したことが有れば解るが、ペダルレンチで固定してクランクを回せば絞められるし、外すときには逆にもする。
    同様にこのペダルを付けてペダルの前後から紐を出し、それを手で引っ張ってみるのを考えると良い。
    紐を弛まない様に保持すればクランクに回転を伝える事が出来るのは解るはずだ。

    ただその理想的な足位置のコントロールを行うのとこれによるアシスト効果ってどっちが付加が有るのかはちょっと解らない上、
    構造的に体を痛めてしまう可能性も有ると思うんで、実用性は怪しいかもしれない。

  • by Anonymous Coward on 2010年06月26日 2時40分 (#1785868)
    相当昔からある方法のようですが、これじゃだめなんですか。
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物事のやり方は一つではない -- Perlな人

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