
「粘菌で交通ネットワーク計画」などにイグ・ノーベル賞 57
ストーリー by hylom
今年もネタと皮肉が混じった賞になりました 部門より
今年もネタと皮肉が混じった賞になりました 部門より
粘菌定期便 曰く、
東京新聞の記事によると、粘菌使ってネットワーク設計と今年1月にストーリーになった粘菌が鉄道網のネットワークを構成するという研究が今年のイグ・ノーベル賞「交通計画賞」を受賞した(関連ストーリーは昨年のストーリーなどから)。日本人の受賞は4年連続、またそのうちでも2008年にも粘菌ネタで日本人がイグ・ノーベル賞を取っているのですが、何か親和性があるのでしょうか。
他の部門賞はAOL Newsの記事などからどうぞ。
ということで、今年のイグノーベル賞一覧は次のとおり。
部門 | 受賞者 | 受賞内容 |
---|---|---|
工学賞 | Karina Acevedo-WhitehouseとAgnes Rocha-Gosselin(イギリス)、Diane Gendron(メキシコ) | 鯨の粘液を集める最良の方法はリモコンヘリコプターを使うことだと実証した |
薬学賞 | Simon Rietveld、Ilja van Beest(オランダ) | ぜんそくはジェットコースターに乗ることで治療できることを発見した |
生物学賞 | Libiao Zhang、Min Tan、Guangjian Zhu、Jianping Ye、Tiyu Hong、Shanyi Zhou、Shuyi Zhang(中国)、Gareth Jones(イギリス) | オオコウモリのフェラチオを科学的に文書化した |
管理賞 | Alessandro Pluchino、Andrea Rapisarda、Cesare Garofalo(イタリア) | 社員をランダムに昇進させることで組織はより効率的になることを数学的に示した |
物理学賞 | Lianne Parkin、Sheila Williams、Patricia Priest(ニュージーランド) | 靴の外側に靴下をはいて歩道を歩くと滑りにくくなることを証明した |
交通計画賞 | Toshiyuki Nakagaki、Atsushi Tero、Seiji Takagi、Tetsu Saigusa、Kentaro Ito、Kenji Yumiki、Ryo Kobayashi(日本)、Dan Bebber、Mark Fricker(イギリス) | 鉄道の路線を引く際の最適経路を粘菌を用いて決定した |
平和賞 | Richard Stephens、John Atkins、Andrew Kingston(イギリス) | 罵倒することで痛みを取り除けることを科学的に証明した |
公衆賞 | Manuel Barbeito、Charles Mathews、Larry Taylor (アメリカ) | ひげを生やした科学者はそうでない科学者と比べて微生物や細菌が付着しやすく危険であることを発見した |
経済学賞 | ゴールドマンサックス、AIG、リーマン・ブラザーズ、ベア・スターンズ、メリルリンチ、Magnetar(大手ヘッジファンド)の役員、ディレクター | 「世界経済のために利益を最大化しリスクを最小化する」という新たな投資方法を発見した |
化学賞 | Eric Adams、Scott Socolofsky、Stephen Masutani(アメリカ)、British Petroleum(BP、メキシコで原油流出事故を起こした石油会社) | 「水と油は混じらない」というのは間違っていることを証明した |
中垣先生+小林先生 (スコア:3, 参考になる)
粘菌ネタ、2008 年と同じく中垣先生 (2008年当時は北大准教授でしたが現在はこだて未来大教授) +小林先生 (2008年と変わらず広大教授) のタッグなんですが、同じ人々が似たような受賞理由で短いスパンをおいて受賞ってそうそうあることなんでしょうか。結構珍しそうな気もしますが。
中垣先生も小林先生も北大の電子科学研究所におられましたが、小林先生は生命現象を数理モデル化するのが得意なようでした。学部学生の頃、赤血球の形状シミュレーションをやっていた時にエネルギー最小化をベースで組み立てていたのですが、なかなか両凹形で安定せず、小林先生に相談しに行ったら体積項の導入を助言されて、導入してみたら見事に両凹形になったという 10 年以上前の記憶があります。
Hiroki (REO) Kashiwazaki
Re:中垣先生+小林先生 (スコア:4, 興味深い)
短いスパンかどうかは分かりませんが、
フランスのJacque Benvenisteは1991年の第一回イグノーベル化学賞と
1998年のイグノーベル化学賞をホメオパシー関係の研究で二回受賞しています。
それ以外には二度受賞した例はなかったと思ったのですが。
Re:中垣先生+小林先生 (スコア:1)
> 同じ人々が似たような受賞理由で短いスパンをおいて受賞ってそうそうあることなんでしょうか。結構珍しそうな気もしますが。
先生方(および関係者の方々)の広報能力が、他の研究グループと比較して優れている説
Re: (スコア:0, 参考になる)
> 同じ人々が似たような受賞理由で短いスパンをおいて受賞ってそうそうあることなんでしょうか。結構珍しそうな気もしますが。
本家(?)ですが、
マリー・キューリー
1903年物理学賞
1911年化学賞
オオコウモリ (スコア:2, 参考になる)
http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0007595 [plosone.org]
Abstractの最初の一文から、ガツンとかましてくれてるのに加えて、Supporting Informationのビデオがまた、すごいというか、何というか…
#しかしこれ、日本のテレビニュースとかでは、どう報じるんだろうか(笑)
内容が (スコア:1)
Re: (スコア:0)
Re:内容が (スコア:1)
Re: (スコア:0)
そんなバレバレな言い訳をw
Re:内容が (スコア:1)
Re:内容が (スコア:1)
トレビアの泉 約 310,000 件 (0.15 秒)
トリビアの泉 約 277,000 件 (0.06 秒)
これは理解できないけど。
Re:内容が (スコア:2, 参考になる)
> トレビアの泉 約 310,000 件 (0.15 秒)
> トリビアの泉 約 277,000 件 (0.06 秒)
> これは理解できないけど。
Googleは文節に分解して処理するので、「トレビアの泉」は「トレビア AND の AND 泉」になってしまいます。
さらに、単語単位では同じ意味の別の語の読み替えが行われますので、トリビアも検索対象になっちゃう。
こういう時はダブルクオートでくくらないとだめですね。
"トレビアの泉" [google.co.jp]約 4,060 件
"トリビアの泉" [google.co.jp]約 249,000 件
Re:内容が (スコア:1)
How did we even get to trivias.
Re: (スコア:0)
トレビアーン
#ダジャレが我慢できなかったのでAC
経済学賞 (スコア:1)
一見すごくまともなような気がするし,昔からあるインデックス投信に近いと思うのですが,なぜ受賞したんだろう.
Re:経済学賞 (スコア:2, 参考になる)
高額の給与やボーナスを貰うという画期的な経営手法に対する賞
ですよ。
", or for a portion thereof" がついているのがミソ。
Re:経済学賞 (スコア:1)
賞を与えた意図について (スコア:1)
毎年感じることなのですが。
イグノーベルを受賞した研究は
・ろくでもないことをやってる詐欺師かクソ野郎に贈る皮肉
・一見バカなコトを、まっとうに研究して興味深い結果を出した研究への賛辞
この2つに分かれると思うのですが。
BPが前者である以外、他の賞がどっちに該当するのかサッパリ解りません。
理解できる方は、教えていただけると助かるのですが。
Re:賞を与えた意図について (スコア:1, おもしろおかしい)
・一見バカなコトを、まっとうに研究してやっぱりバカな結果を出した研究への生温かい賛辞
も加えといてください。
Re:賞を与えた意図について (スコア:1, 参考になる)
・明らかにバカなことを,一生懸命に研究してやっぱり「おバカ」な結果を出したことへの生ぬるい賛辞
も加えておいて下さいな。
Re: (スコア:0)
>・ろくでもないことをやってる詐欺師かクソ野郎に贈る皮肉
>・一見バカなコトを、まっとうに研究して興味深い結果を出した研究への賛辞
yohataさんは2002年のバウリンガル受賞(PDFなので注意) [takaratomy.co.jp]をどちらの理由としますか?
所詮主観的な問題ですよ。
なので結論はでないかと。
Re: (スコア:0)
>2008年にも粘菌ネタで日本人がイグ・ノーベル賞を取っているのですが (スコア:0)
#……ですよね?
工学賞 (スコア:0)
Re:工学賞 (スコア:1)
気になる (スコア:0)
社員をランダムに昇進させることで組織はより効率的になることを数学的に示した
大変気になる。
Re:気になる (スコア:2, 参考になる)
ピーターの法則 [wikipedia.org]
ピーターの法則を回避する為には? って話ですね。
Re:気になる (スコア:2)
リンク先を読んでみましたけど、私の身の回りで起こっていることとは違いますね。
ある職場で無能(実際はもっと穏当は言葉ですけど)と評価されると、その人はよその部署に回されます。いつまでも、この説でいう「極限」にとどまるわけじゃないです。一般の職場では、無能なひとは同じ職場で身動きがとれなくなるものなのでしょうか。直感と合わないなぁ……
人生は七転び八起き、一日は早寝早起き
Re:気になる (スコア:1)
有能な人はどうですか? 無能レベルを満たすまで昇進していませんか?
ちなみに、論文は Wikipedia のリンク先にもありますが、ここ(arXiv [arxiv.org])から取れます。
ちょうど数日前に読んだばかりだったので驚きました。
職位が上がった時の能力が下位の能力と相関しているか、それとも無関係かによって取るべき昇進ストラテジが異なるということを示している論文です。どちらかわからない時はランダムに近い値が均衡解になっている、という話が、 「ランダムに昇進させるのがベスト」という解釈に繋っているのでしょう。
もちろん、従業員のモチベーションとか、そういう要素は入っていませんので、実際の組織がこういうふうに動く、というわけはないと思いますが。
Re:気になる (スコア:2)
「有能なんだけど、上の地位に空き席がないのでなかなか上がれない人」もいると思うんですが……
やっぱり論文を読んでみるべきですね。10ページくらいならがんばれば読めるかな?
人生は七転び八起き、一日は早寝早起き
Re:気になる (スコア:1, 参考になる)
貴方は「人」に注目してその人が昇進するか否かを考えているけれど
そうではなくて「ポスト」に対して誰を昇進させるかに注目すると良いよ
空きポストそれぞれに対して優秀な人を昇進させたはずなのに
なぜか今役職についている面々を見ると無能が揃っている不思議。
結果として
・役職に対して無能になるまで出世してしまった人物
・まだ出世の見込みがある(ポストが空いていないのでまだ昇進していない)有能な人物
になってしまうって話です。
Re: (スコア:0)
年功序列の有効性が証明された!! (Re:気になる) (スコア:2, おもしろおかしい)
年功序列による昇進ルールは、個々人の能力とは関係なくポストへの人事がきまる。 結果的に、能力的なランダム性が確保され、効率的な組織ができあがる。導入/運用コストは低く、まさに理想のシステム!
つまり、年功序列からの脱却を計り、実力主義や成果主義を取り入れた結果として、組織の効率が低下してしまったのが、今日の日本経済の衰退の原因なんだ!
さぁ、各社の人事部よ、今すぐ成果評価システムや目標管理システムを捨て、シンプルな年功序列システムにもどすんだ!!
# てか、下手な人事評価システムが無駄な仕事を増やして効率を落としていることはあると思う...
Re: (スコア:0)
Re:気になる (スコア:1)
ランダムにしては外ればかり引いている気がする。
博徒なら、次は当たるぜ!とかいう確率を無視して考えたり。
博徒の方がましなのかもしらん。
Re:気になる (スコア:1)
それは実はランダムではないからでは!?
ランダムかどうか検定しなければ!
Re:気になる (スコア:1)
>それは実はランダムではないからでは!?
つまり、それは、ある政党には外れしか入っていないということかな?...;-)
近所の駄菓子屋で全部買っても一等がでない..みたいな。
世論と選挙と政治家と「外れ」 (スコア:1)
それは標本である政治家に対して
母集団である国民がそもそも「外れ」ばかりだからかもよ?w
政治家を特別な人と思うと腹も立つかもしれないけど、一旦その色眼鏡を外して
近所のおじさん/おあばさんや上司/部下、趣味の知り合いといった
そこらの人々の言動だと思ってみると
「あー、いるいるこういう人」
って感じを受けることが多くはないか?
民主主義ってのは平均的な方向性を持った人間を
代表に選ぶことで機能してるので
うまく働いていれば国民の平均な思想が政治家に現れる。
で、まぁ自分自身の良しと思う思想的な方向性で
世間に対して自分(あるいは理想の自分)が平均以上の能力だと感じているなら
その同じ方向性で政治家(平均的)を評価すると
自分(あるいは理想の自分)以下の能力、
即ち「外れ」だと感じることになる。
Re:気になる (スコア:1)
>まともな人はウエに煙たがられたりして表に出てこない、というだけで。
つまり、居るとされている人は外からは見えないし、力を発揮できないってことだよな。
結局、居ないのと同じだろ?
>どの家で育ったか、が資質に与える影響が限定されている、という仮定に基づく
その仮定には同意するね。
資質としては、家柄というよりは、むしろ箱の縛りの強さが影響していると思うね。
世論形成の重要性 (スコア:1)
その「まともな人」はある基準で測った場合
「(全国民の平均よりは)デキル人」であるということはないだろうか?
デキル人というのはもはや平均から外れているので民主主義の仕組みの下では
広く支持を集めるのが難しい。
その一見救いのない状態を解決する方法は全体の底上げしかない。
つまり「まともな人」がそのままで「フツーの人」になるようにすることだ。
一見著しく困難なことを言っているようだが
別に全人格的に底上げする必要はなく、ある考え方、ある政策について
根拠と道理が周知されて「そりゃそうだね」と
皆が思えればそういう世論が形成され、結果としてフツーになる。
Re:気になる (スコア:1)
All or Nothing的な考えは不毛だよ。
全くいないのと少数ながらいるのはやっぱり違う。
世代交代でウエの人になるかもしれないのだし、
世論の変化で多数派になる可能性もあるのだし。
「箱の縛り」が党議拘束ということであれば伝統的には民主党に限らず自民党も相当なものだった。
(成立経緯を考えたとき、バ○ァリンの広告をもじって言えば「民主党の半分は自民党でできています」からね。)
2大政党制を本気でやるならそこは緩める必要があるとは思うが、伝統的な組織の論理からはなかなか抜け出せないのだろうね。
Re: (スコア:0)
試行回数をより多くすると解決するかも。
四半期に1回とか。1ヶ月に1回とか。
#いっそのこと日替わりでも
Re: (スコア:0)
それまで親米とは言えそこそこうまくやってきてたから、今ごろ外ればかりになるのもあり得ない話ではない。
ランダムとか確率ではそういうことも起こりうるよ。orzz
Re: (スコア:0)
Re:気になる (スコア:1)
>「外れだけで構成されている集団」からのランダムだからじゃないですか??
うん、その可能性が高いというか、信憑性が高そうだというか、所詮は低能と自民党あぶれの集団だよなぁ..とかね。
Re: (スコア:0)
思うんだ。
国会議員の半分を完全な抽選で選んでみてはどうかと。
Re: (スコア:0)
受賞した各レポートをぜひ拝読したいのだが (スコア:0)
私は典型的な日本人なので、そこいらの事情を汲んでいただくとありがたや。
Re:受賞した各レポートをぜひ拝読したいのだが (スコア:1)
報告するくらいしてほしいものですす。
<table>オフトピ (スコア:0)
スラドって記事はtableタグ使えたんだ。初めて見た気がする。