ソニーがマルチプロセッサユニットの特許を申請、PS3向け? 17
ストーリー by hylom
伝説の3段重ね、再び? 部門より
伝説の3段重ね、再び? 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、
ソニーが「Methods And Apparatus For Supporting Multiple Configurations In A Multi-Processor System」なる特許を申請しているようだ(申請された特許)。
この特許は、「共有メモリを用いて複数のプロセッサユニットを接続する」というものなのだが、これが「PS3に外部プロセッサを接続して強化するためのものではないか」と話題になっている。
継続出願 (スコア:3, 参考になる)
本文をさらさら読むような英語力はないので、明細書冒頭のみ。
> This application is a continuation of U.S. Ser. No. 11/250,246, filed Oct. 14, 2005, now allowed, and claims the benefit of U.S. Provisional Patent Application No. 60/619,069, filed Oct. 15, 2004, both applications entitled “METHODS AND APPARATUS FOR SUPPORTING MULTIPLE CONFIGURATIONS IN A MULTI-PROCESSOR SYSTEM,” the entire disclosures of which applications are hereby incorporated by reference.
2005年10月14日出願の11/250246の継続出願 [marushima.net]であり、この特許出願は2004年10月15日出願の仮出願 [wikipedia.org]60/619069に基づく。(よって出願日は2004年10月15日。)
という訳で、2004年の出願の発明である、ということに注意。
Re:継続出願 (スコア:2, 参考になる)
日本企業なんだから日本出願+PCTだろうから、日本語の明細書があるはずだろ常考
ということで、該当すると思われる日本特許を探してきた。
特開2006-120147「マルチプロセッサシステムで多重構成をサポートする方法及び装置」
中身まではちゃんと読んでないけど、発明者が山崎剛氏、出願人ソニー、IPC=G06F12/08 で検索した中で名称と図を見る限りこれがベースっぽい。
Re:継続出願 (スコア:2, 参考になる)
> 日本企業なんだから日本出願+PCTだろうから
ま、普通はそうですね。
ただ、Provisional Applicationの場合、必ずしもそうとは限らないと思ったのです。
米国で仮出願を行う理由は、いち早く出願日を確保したい、という目的があってのことですから。
で、
> 中身まではちゃんと読んでないけど、発明者が山崎剛氏、出願人ソニー、IPC=G06F12/08 で検索した中で名称と図を見る限りこれがベースっぽい。
お疲れ様です。
Patent Familyを検索するなら、esp@cenet [espacenet.com]のINPADOCを見るのが常套手段です。
Number Search [espacenet.com]の結果に現れる「INPADOC」のリンクを辿るだけで、各国のPatent Familyが一覧表示されます。こんな風に [espacenet.com]。
この一覧を見て判るように、全てのFamilyのPriority Dateが2004-10-15ってなってます。
つまり第一国出願は米国の仮出願です。
対応日本出願を見ると、米国出願からパリ優先権主張で出願していますね [espacenet.com]。
PCTは中国、EP、韓国に対してのようです。
ひょっとすると、日米二ヶ国のみの場合、PCTは使わなかったかも知れません。
一般的に二ヶ国以下ならパリ優のみの方が費用は安くなる、と言われます。
Re:継続出願 (スコア:1)
なるほど勉強になりました。
欧州特許庁のサイト、日本の明細書原文も読めるとは知りませんでした。これは便利。
それにしても、米国の特許制度はややこしいですね。
# 特許については素人ですんません。
確かに日本の公報にも 優先日 2004.10.15, 優先国 米国 と記載されていました。
コヒーレンシを保つメモリバスとしても高速 I/O にも使えるという Cellで使うインターコネクトの特許のようです。
急いだのは、PS3 発売に間に合わせるため?
とすると、少なくとも PS3 か Cell を売る予定の国では出願しなければならないことは決まってるはずで、 PCT を使うメリットはなさそうです。納得。
何がどうやったらPS3に結びつくのか・・・。 (スコア:2)
展開になる流れを教えて下さい・・・。
Re:何がどうやったらPS3に結びつくのか・・・。 (スコア:3, おもしろおかしい)
ソニーが特許を申請 → プレイステーション関連だと思われる
以上終了
Re: (スコア:0)
Re:何がどうやったらPS3に結びつくのか・・・。 (スコア:1, すばらしい洞察)
原因になりそうなのは
1. 出願から公開、登録までのタイムラグ
2. クレームや明細などの特許独特の書き方
3. ネタにされてる技術がわかる連中にとってはわざわざ解説したり騒いだりするメリットがない
の3本かと。
よくわからないけど気になるメーカが特許とったらしい
→興味はあるけど技術も知財もわからん
→それらしい図とか単語だけ拾ってきて自分なりにググってみる
(しかし専門技術の資料が読めないので素人向けのwikipediaとか勘違いblogを参考にしてしまう)
→無理やりな自分なりの理解をblogや掲示板にぶちまける
→それを読んだ別の人が勘違いを拡大再生産
→以下ループ
スラドでも「appleがこんな特許を出願」とか、このパターン見かけるよね。
先日の3D表示システムの知財の件とかな。
嘘を嘘と...なんてのはよく言われるところですが、
結局基礎的な理解がない人にとってはネットはデマの源泉ってことで。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
図に「SPU」と書いてあるからでしょうね。
「SPUってかいてある!」
「SPUと書いてあるからにはCELL,さらにはPS3の技術に違いない!」
「そうだそうに違いないそうに決まった!」
まあゲーム系blogに目くじら立ててもしょうがないのではないかと
Cellコンピューティング (スコア:1, オフトピック)
リンク先をあまり読まずに書いてしまいますが。
PS3に載っているCellは
SCEI 久夛良木社長インタビュー(5) 「PS3の次のステップは、Cellコンピューティング」 [impress.co.jp]なんかも参考になると思うのですが、 ネットワークなんかを介して、いくつものCellが連動して動くことを前提に設計されています。
久夛良木氏は最終的には世界規模でつながったCellにより作られた、 〈特別寄稿〉久夛良木 健氏からの手紙「PS3が創るリアルタイム・コンピューティングの未来」 [202.214.174.88]に書いてある、バーチャルワールドを実現しようとしていたんじゃないかと。まあ攻殻機動隊っぽいやつですかね。
久夛良木健氏はPS3の失敗で色々言われたりはするのですが、面白い人だと思いますよ。
発想が飛び過ぎて、周りがついていけなかった部分もあるんじゃないかと。
いつも主観で書き込んでいます
Re:Cellコンピューティング (スコア:2, すばらしい洞察)
企画・製品の方向性だけみれば、時代を先取りしようとして(失敗して)いるということで、
往年のSEGAを思わせる開拓者的精神も感じられないでもありません。
しかし、旧来のユーザーを切り捨て、下手すれば馬鹿にしていると取られるような、
商売的には失言といってもいい言動が多すぎたので嫌われていたように思えます。
ユーザーをうまくノせる言動をしていれば、PS3もここまでの苦戦にはならなかったのではないでしょうか?
#うまくPS3への流れを作れていればゲームソフトメーカーももっとPS3へ注力していたかな?
#でもローンチの看板タイトル予定だったソフトの発売までに何年もかかっていたし、
#人気ソフトが開発まにあわなければ本体買うのはやはりマニアだけしかないか。
#FF13みたいにマルチだったらPS3にこだわる必要もないしねぇ……
ψアレゲな事を真面目にやることこそアレゲだと思う。
Re: (スコア:0)
・・・と当時社内研究所のセンスに疲れていた私は感じたものです。
研究所の代物をいきなり大量生産するってのは、やはり基本的に何か足りないように感じました。いや、成功例もあるんだろうけどね。
研究所への「入力」 - 企業内の情報の流れの設計が必要 (スコア:1)
「技術のF」などと言われたF社の研究所にいた頃、上の人から「事業のためになる研究を」って類のお題目はよく聞いたけど、
振り返って思うに事業部から研究の方向性を決めるのに必要な情報が流れてくる仕組みが組織として設計されておらず、
たまに事業部と意見交換ができてもそれらは個人レベルのイレギュラーな人的なつながりに頼っていた。
…というか、そもそも事業部の技術・開発部門にしてからが営業部門からの情報が十分来てなかった様子だったし、
それどころかしばしば営業自身顧客の欲求に関する情報収集が組織だった形ではできてなかった疑惑がある。
#特に大衆向けの大量生産・大量消費品で。
#参考 - 営業から商品企画部門への情報の流れについて:
#「やっぱり変だよ日本の営業―競争力回復への提案」 [amazon.co.jp]
#宋 文洲 著
#日経BP企画 (2002/04) 刊
要するに顧客の欲求を知りうる最前線たる営業から、開発部門、研究者までの情報の流れが
組織として整備されておらず、寸断されている。
組織をキチんと情報システムとして設計せずに、人治主義的に情報収集を個人技に任せっきりにしたままでは
組織だった&安定した情報蓄積・交換はできない。
そういう状況で組織の情報の流れもまともに設計せずに
「事業のためになる研究を」って類のお題目だけ繰り返し聞かされだけで会社のサポートもなしに丸投げされたところで
個々の研究者レベルではどうしようもないわけで、
そうして十分な情報がなければ研究の方向性が「研究者の個人的な感性」(≒趣味)に流されることが多くなるのは当然で、
研究テーマや研究対象への制約条件が浮世離れしてくるのは当然の帰結。
Re: (スコア:0)
多少なりともコンピュータのことをわかってる人なら、CPUのアーキテクチャとグリッドコンピューティングは何の関係も無いとすぐにわかりそうなものですが、そんな無意味な宣伝文句をスラドで真に受けている人がいたことに驚きを隠せません。
Re: (スコア:0)
そうとも言い切れないでしょ。>CPUとグリッドコンピューティングが無関係
PS3が1つのネットワークで大量に繋がっている場合を考えると、コアを走らせる数まで含めて制御した方が気持ちよく使える。例えば、各ノードにおける公平な消費電力の負担とか、そういうレベルまで考慮すると、一定の規格に従うCPUの方がいろんなものをシンプルに実現させられると思う。
Re: (スコア:0)