太平洋戦争時の軍用機「月光」「銀河」の設計図、大量に発見される 64
ストーリー by soara
あるAnonymous Coward 曰く、
第2次世界大戦中、中島飛行機が製造していた戦闘機「月光」と、爆撃機「銀河」の 1万枚近い設計図が発見されたそうだ。現在、上野の国立科学博物館で展示されているという(読売新聞)。
見つかった設計図は、製作現場で使われる部品図などで、翼や胴体などをつなぐネジやパイプなど細かい部品の寸法や形が記されている。部品の数と共に、図面に記された製造上で許される寸法の誤差を同時代の海外の機体と比べることで、大量生産への対応、工作精度、設計思想を知ることが出来るという。
広げると破損する恐れがあるとのことで、現在はまだ包装され荒縄で縛られた状態だそうだ。これから図面を 1枚ずつ保存、詳細な分析にかかるとのこと。
空と宇宙展の会場レポートによると、九六式陸上攻撃機の設計図も混じっているそうだ。
じーちゃんの愛機 (スコア:4, 興味深い)
じーちゃんが銀河乗りでした。
それまで太平洋に眠るってことだったんですが、昭和56年に丹沢山中に銀河の残骸が発見されて訂正されました。
「昭和19年11月27日、厚木飛行場からB29の迎撃に向かい丹沢山に眠る。」
少し離れたところでB29の残骸も発見されて、空中戦のうえ尾根に激突したということでした。
誉のエンジンブロックがそのままの形で残っていたのが決定打で、発見当初は新聞記者やテレビカメラまできて子供ながら興奮した記憶があります。
Re:じーちゃんの愛機 (スコア:2, 参考になる)
昭和19年11月27日の迎撃について、手持ちの資料を簡単に調べてみました。
この日は曇天で、爆撃側・迎撃側双方にとって困難な状況だったようです。
「首都防衛302空. 上 / 渡辺洋二著」 [ndl.go.jp](朝日ソノラマ, 1995.8)のp370に、御祖父の愛機、第三〇二海軍航空隊の「銀河」夜間戦闘機部隊装備機のことが以下のように記されていました。
三〇二空の損失は、千葉県茂原に降りて大破した「彗星」一機と、行方不明になった「銀河」一機。「銀河」は雲に呑まれ、機位を失したものと考えられる。機長は篠崎中尉といわれるが、どんな人物か不明だ。
同書によれば、銀河部隊は9月に編成を始め、本格的に部隊の形を成し始めたのは12月以降とのことです。そのため、御祖父のことを覚えておられる方が、著者の取材時にはおられなかったのかも知れません。
また、米軍側の同日の記録としては、搭乗員の手記「B-29日本爆撃30回の実録 / チェスター・マーシャル著」 [ndl.go.jp](ネコ・パブリッシング, 2001.5)のp130に次の記述がありました。
また、第500連隊の一機が不時着水して、乗組員は消息不明である。
丹沢山系には他にも多数の機体が墜落しているようなので、「少し離れたところにあったB29の残骸」が該当機のものかどうかは、米軍側の記録を詳しく調べてみないと確定できないかと思います。
以上、御祖父のことを偲ばれる際の手がかりになればと思い、まとめてみました。
なお、朝日新聞の1981年8月20日朝刊22面に、機体が発見された際の記事が載っています。
Re:じーちゃんの愛機 (スコア:2, 興味深い)
元ACです。わざわざ調べて下さり感謝いたします。
じーちゃんは302空の篠崎中尉に間違いありません。享年31でした。
もう絶版になっていますが、昭和19年11月27日の出来事や銀河発見の経緯は
島津愛介著『爆撃機「銀河」』(河出書房新社) [amazon.co.jp]
の「厚木302空」という章にまとめられていて、父が何度か取材を受けていました。
どのような人物だったのか私も知りたいのですが、ばーちゃんも他界して資料もそれほど多くなく、伝聞のような形でしか把握していないので、とても参考になりました。
Re: (スコア:0)
戦争末期は制空権を奪われて、なすすべもなく B29 に蹂躙されまくりというイメージでした。
相打ちかもしれませんが B29 を落とすような時期もあったんですね。
Re:じーちゃんの愛機 (スコア:2, 興味深い)
おまえはもう少し勉強しなさい。
確かにB29によって日本国土が蹂躙されましたが、撃墜記録はいくらでもあるんです。
つか、撃墜しても撃墜しても雲霞の如くB29がやってくるので日本は負けたといえます。
ところで銀河って爆撃機でしょ。なんでB29の迎撃にあがるの?
って思ったら夜間戦闘機型が作られてたのね。
俺も勉強不足でしたorz
Re:じーちゃんの愛機 (スコア:3, 参考になる)
Re:じーちゃんの愛機 (スコア:1)
B29は、1出撃あたり、平均2.2%の損失率。
一見、低そうに見えるけど、10回出撃したら、損失する確率おおよそ22%。
彼らも楽な仕事じゃなかったってことです。
Re:じーちゃんの愛機 (スコア:1, 興味深い)
B17の欧州戦線における損失率に比べたらずいぶん小さな値ですね。
で、B29の2.2%には夜間の編隊飛行中の空中衝突や、エンジントラブルでの墜落による機体損失も含まれてるのですが、海上で搭乗員がパラシュート脱出出来た場合は、海没した機体に備え付けの音波発振器を頼りに待機してた潜水艦が救出に向かうということをアメリカはやってたわけです。 だから搭乗員の損耗率は2.2%よりもまだ小さい。
ところで、最近の自衛隊の救難業務をやってる部隊が急速にコンバットレスキュー対応(機体の低視認塗装、ヘリへの機銃・空中給油装置の装備etc)を進めてるのは、有事が発生して戦闘状態の時にパイロット救出に向かう可能性があると本気で考えてるわけです。
5年掛けるのが急速ですか? (スコア:1, 興味深い)
結構昔から徐々に実施していると言うべきであり、そこを曲げて緊張感を煽って、
一体何をしたいのですか。相手側でも緊張感を煽り、自国内での世論操作の
信憑性を高めようとでもしているのですか。 :-)
##大国にとって、小国が軍備拡張に走るのは自国のそれを正当化する好材料。
Re: (スコア:0)
>##大国にとって、小国が軍備拡張に走るのは自国のそれを正当化する好材料。
こういうお花畑な世界観で大国を見ていること自体に危機感を持ちますねえ。
相手は根拠があろうとなかろうと他国領土の領有を宣言して実力行使も辞さない連中だというのに。
Re:じーちゃんの愛機 (スコア:1)
100-(100-2.2)^10 =19.945%です。
Re: (スコア:0)
Re:じーちゃんの愛機 (スコア:1, 参考になる)
Re: (スコア:0)
大戦中の日本商船乗員の被撃沈経験率は100%を大きく超えてたはずです。
一回ボカ沈喰らって生き残っても、もう一回食らう可能性が高いという。徴用された漁船の損失率も相当でしょうが。
それでも軍から軍属などとしていいように扱われ、しかも靖国へも入れないとされていたという怨嗟が連ねられた文集がありました。読んでてもうなんというか・・・。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
1944年の11月は、本土空襲が始まったばかりのころで、まだ末期じゃないんだよね。
だから、日本側も多少、防空の余力があった訳だ。硫黄島が落ちた後は、なすすべも無かったが。
そのじっちゃんはちゃんと子供を残しているところを見ると、末期のような相手にぶつかる訓練だけ受けた若年パイロットではなかったんだろうね。
そうやって、またベテランパイロットを失った訳だが。
誉は原図が残ってます (スコア:4, 興味深い)
#結局見られずに辞めてしまった
一瞬… (スコア:2, おもしろおかしい)
タミヤ [tamiya.com]とハセガワ [hasegawa-model.co.jp]が大忙し、かとも思ったが、図面の内容によっては、あまり関係ないのかも…。
Re:一瞬… (スコア:3, 興味深い)
当時の生産図だとすると、紙の質は当然よくないし、多分青焼きコピーでしょうし。
開くだけで折り目が砕け、光を浴びるたびに線図が薄れていくところが目に見えるようです。
保存対策をする側にとっては、手強い相手だと思います。
記事には
デジタル処理とマイクロフィルムで図面を1枚ずつ保存後、詳細な分析に取りかかりたい
とありますが、撮影に辿り着く前の工程で、かなりの人とカネが必要になるでしょう。
研究者や模型会社が内容に接することができるようになるまでに、随分時間がかかると思います。
貴重な産業遺産であることは間違いありません。うまくことが運んでほしいものです。
Re:一瞬… (スコア:2, 参考になる)
元記事のリンク先をよく読まずに、先のコメント [srad.jp]を書いてしまいました。
「空と宇宙展の会場レポート」 [sora-uchu.jp]にある写真を見た上で、あらためて追記します。
この画像 [sora-uchu.jp]を見ていただければ、以下のことが分かります。
今回の展示物は、光・空気等による図面へのダメージが、オリジナルの表紙や梱包などにより最小限に止まるものを選んであるものと推測します。
先のコメントでも記しました通り、資料の保存には「人とカネ」が必要です。
そのためには、まず資料の存在と意義を知ってもらうことが必要です。
今回の展示は、その点で意義深いものだと考えます。
Re:一瞬… (スコア:1)
Re: (スコア:0)
つ全身スキャナー
〜未来は突然やってくる〜
Re:一瞬… (スコア:2, おもしろおかしい)
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
なんでいまごろ新聞記事に? (スコア:1, 興味深い)
発見は9月だというし、空と宇宙展にしたってだいぶ前に行ってきた。
いろんな設計図もあったし、イトカワの運用日誌(通信が途絶えた日のページが
開いた状態で展示してあった)とかイカロスとか、とても面白かった。
なんでいまごろになって新聞記事になって/.Jのストーリーにまでなるのだろうか。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
ヒマダネとして軍事ネタを持ってくるのが読売らしいということでしょうか。
Re:なんでいまごろ新聞記事に? (スコア:1, すばらしい洞察)
100個のネタがあれば1個くらい軍事ネタがあってもおかしくないのでは。
世の中でいちばん軍事が大切だなんて言うつもりはないですが
(そんなこと言ったら北朝鮮の先軍主義になっちゃう)。
Re: (スコア:0)
知っているのか!
オーバーテクノロジー (スコア:0)
一瞬二次戦前に日本軍が銀河の設計図の作成に成功していたのだと思いました。
Re:オーバーテクノロジー (スコア:2)
どの「銀河」?
この銀河 [wikipedia.org]じゃないよね。
Re:オーバーテクノロジー (スコア:1, おもしろおかしい)
Re:オーバーテクノロジー (スコア:1)
やはり、ガガガ系列みたいに、電車だろうが自動車だろうが、変身合体するのではなかろうか?
Re:オーバーテクノロジー (スコア:1)
# その技も一種のオーバーテクノロジーではないか
---- 何ぃ!ザシャー
だとしたら、異能者だ (スコア:0)
いえ、伊能忠敬ではないでしょう (スコア:1)
##詰まらな過ぎか。
おしえてえらい人 (スコア:0)
むかしは第二次世界大戦って言ってたのに、
最近は太平洋戦争って呼ぶようになったのはどうして?
Re: (スコア:0)
局地戦だから
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
#もうすこし細かく分けてた気もするけど、後は忘れた。
Re:おしえてえらい人 (スコア:1)
>なのでそのように呼称することにイデオロギーありとすることは、
大東亜共栄圏ってのがあってね。
これが大日本帝国が設定した、日本・満州国・
中華民国を一つの経済共同体とし国際秩序と
いうことを示していたわけなんですね。
そして、大東亜という用語がそういったイデオロギー
の元に語られていたという事実があるわけなんだな。
>それこそ偏見を持たせようとするイデオロギーの表れなのでは?
イデオロギーからより遠い言葉で、より的確な言葉を
使うというのが、筋だろうな。使いたいなら使っても
よいだろうが、イデオロギーを含めて使っていると
とらえられることがあるからね。
それまで大東亜という言葉はあまり使われておらず、
大日本帝国が「大東亜が日本の生存圏」といった使い方
で流通量を多くして、ほとんどの場合、大東亜という
言葉にはそのイデオロギーを含めて使われていただけ。
>でも歴史的事実として日本は当時「大東亜戦争」と呼んでいましたよね。
そうですね、大東亜戦争という位置づけを大日本帝国が
経済圏の支配というイデオロギーの元にしていたという
事実はあるね。
しかし、イデオロギーから離れて中立に近い呼び方として
太平洋戦争という呼称が定着しただけのことです。
大日本帝国がどう呼んでいたか?という場合には、
大東亜戦争という言葉は「そういうイデオロギーを含めて」
使うけど、一般にはそうではないということ。
Re:おしえてえらい人 (スコア:1)
イデオロギーから離れて中立に近い呼び方として太平洋戦争という呼称が定着しただけのことです。
GHQがそのように強制した結果、という見方 [wikipedia.org]もあるね。GHQ(あるいは連合軍)がイデオロギー的に中立だった、なんて主張なの? War Guilt Information Program [wikipedia.org]とか知ってるでしょ?
イデオロギー的にどうであるか、なんてことよりも、その当時の呼び方で呼ぶのが「中立」だと思うな。当時のイデオロギーに批判的な立場であれば、それを明示して批判する方がいいだろうに。ヘンに隠せば、その辺りが不明確になるじゃないか。
Re:おしえてえらい人 (スコア:1)
>GHQがそのように強制した結果、という見方 [wikipedia.org]もあるね
そういう側面もありますね。
>GHQ(あるいは連合軍)がイデオロギー的に中立だった、なんて主張なの?
中立という意味だとは言っていないのだけどねぇ。
大日本帝国のイデオロギーから離すという意味なんだけどね。
イデオロギーに対して、別意を言うのもイデオロギーだからね。
>当時のイデオロギーに批判的な立場であれば、それを明示して批判する方がいいだろうに。
当時のイデオロギーに批判的なイデオロギーだからね。
当たり前のことだよ。
そして、どんな呼び方をしても「ある種のイデオロギーだと言える」だけのこと。
バカが言いたければ言わせておけ。
Re:おしえてえらい人 (スコア:1)
GHQ(あるいは連合軍)がイデオロギー的に中立だった、なんて主張なの?
中立という意味だとは言っていないのだけどねぇ。
大日本帝国のイデオロギーから離すという意味なんだけどね。
何の目的で離したいと思ってるの?
離すことでその目的は達成されているの?
当時のイデオロギーに批判的な立場であれば、それを明示して批判する方がいいだろうに。
当時のイデオロギーに批判的なイデオロギーだからね。
当たり前のことだよ。
省略しすぎて文意が曖昧になってるよ。何を「当たり前のこと」と言っているの?
Re:おしえてえらい人 (スコア:1)
>その当時の呼び方で呼ぶのが「中立」だと思うな。
戦争関係だから、戦勝国の呼び方というのもありかもしれないな。
潰えた目論見に基づいた呼び方は、その目論見と運命をともにするというかね。
当時大日本帝国では、そう呼んでいたってという文脈では大東亜戦争もありだと思うが、前提たる目論見が成立しないってことを考えて、そうでない方を採用したいね。
イデオロギーという考え方に取り付かれている貴方には無理かもしれないけどね。
Re:おしえてえらい人 (スコア:1)
戦争関係だから、戦勝国の呼び方というのもありかもしれないな。
それはどういうイデオロギーですか?
他にはどんな例がありますか?
イデオロギーという考え方に取り付かれている貴方には無理かもしれないけどね。
んー、Ryo.Fは、イデオロギー・フリーなんてものは、そうそう感嘆には実現できないよね、という趣旨で発言しているわけですが、bitさんはいかがですか?
Re:おしえてえらい人 (スコア:1)
>占領者及びその協力者のイデオロギーそのものでしょう?
いえいえ、それが一般化しているということを言っているだけですよ。
>まさにあなたのような特定・特殊な人だよ。
つまり一般化したものを一般化したものとして理解できない人が特定ではないと?
まずは、使われる例の数から考えてみるとよいのではないかな?
実勢を理解できずに意固地でいたいという特定特殊なお方もいますけどね。
Re:おしえてえらい人 (スコア:1)
>ある特定の人たちが、太平洋戦争と日中戦争と呼ばせたいだけです。
どういう特定?
>あなたの書いていることは、その真意をごまかすためだけにつけた屁理屈ですよ。
歴史を学ばれるとよいでしょう。
Re:おしえてえらい人 (スコア:1)
>それが分からないのですか?
はい、特定といったら何かしらを特別に定めているわけですよね。
>もし、「歴史を学」んでいるのなら分かりますよね。
つまり、言えないわけですな。
学べていませんなぁ。