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テクノロジー

太陽光から燃料を生み出す装置 25

ストーリー by hylom
選択肢としては面白い 部門より

danceman 曰く、

カルフォルニア工科大学とチューリッヒ工科大学は共同で、太陽光を保管可能な燃料に直接変えることのできる装置の開発に成功したとのこと(gizmag)。

この装置は、水や二酸化炭素を太陽光を使って水素や一酸化炭素に変換するという。同装置はまだ試作段階にあり、装置が取り込むソーラーエネルギーの0.7〜0.8%程しか燃料に変えることができず、効率の問題が残されている。だが効率を19%までに引き上げることができれば、商業目的での使用も可能になるという。ソーラーパネルから作られるエネルギーの場合、その場で使用するか、保管や持ち運びにはバッテリーが必要であったが、燃料に変えることで夜間の使用が可能となり移動も楽になる。また同装置から製造できる燃料は、ホンダや韓国の現代といった自動車メーカーが開発する水素自動車で使用することができるそうだ。

ただ研究者らの指摘によれば、装置にはセリウムというレアアースが必要となるため、同技術を大規模に使用することは資金的に難しいだろうとのこと。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2010年12月29日 19時10分 (#1881541)

    >With cerium being the most abundant “rare-earth” metal, the developers of the device from the California Institute of Technology and the Swiss Federal Institute of Technology say it would be economically feasible to use the technology on a large scale

    上記のようにgizmagでは、
    「セリウムは最も豊富なレアアースなため、技術の大規模使用は経済的に可能となるだろう」
    って言ってんだが。

    独自の意見を付け加えたの?

    • by Anonymous Coward

      さらにいえば,

      >This inefficiency is because most of the energy is lost through heat loss through the reactor’s wall or through the re-radiation of sunlight back through the device’s aperture. However, the researchers believe that a commercially viable device with efficiency rates of up to 19 percent is possible by using better insulation and smaller apertures.

      上記のように,今後エネルギー効率を19パーセントまで上げるための方向性についても書かれていますね.それでも机上の空論といえばそれまでだけど,元記事すら読まずに「単なるタラレバじゃん」とか言う人々の想像よりはマシかと.

  • by SteppingWind (2654) on 2010年12月29日 20時55分 (#1881584)

    例えば酸化チタンで水素発生ってのは四半世紀以上前からやっていることで, それが実用化されていないってのはひとえに効率向上が達成できていないってことで.

    効率が向上すれば実用化できるってことは, 言い換えれば実用の目処が立っていないってことだと思います.

  • by masahikoi (1183) on 2010年12月29日 17時26分 (#1881505)

    反物質燃料工場までの道のりは遠いようですの。

    • by TarZ (28055) on 2010年12月29日 17時47分 (#1881512) 日記

      ダイターン3とかキャシャーンへの道のりもまだまだ遠そうですね。

      親コメント
    • あれは太陽の表面に直線加速器を籠状に配置するものでしたっけ。
      まず太陽の所有権問題 [srad.jp]から解決しないとどうにもならないですな。

      • by Anonymous Coward

        > あれは太陽の表面に直線加速器を籠状に配置するものでしたっけ。
        恒星周回軌道に無数の「反物質生成工場」が配置されているだけ。

        「反物質生成工場」では、恒星側に向けた太陽電池から得た電力で線型粒子加速器を動かして反粒子を生成しているというカラクリじゃありませんでしたっけ?

    • by Anonymous Coward
      イレーザーエンジンもまぁ無理ですな。
      っていうか、アレは無茶あり過ぎだろw
    • by Anonymous Coward
      シズマドライブ…

      # ていうか星界の続きマダー?
  • by Anonymous Coward on 2010年12月29日 20時43分 (#1881574)
    太陽光励起レーザーとマグネシウムの組み合わせどうなったんだろう?
    (こっちもレアアースを使ってるみたいだし)
  • 超えられないなら植物工場でいいじゃないか。
    薪はできるしバイオ○○の材料にもなる。

    • by Anonymous Coward
      ついでに気体の水素や一酸化炭素より固体のセルロースや糖の方が保存が楽だし、
      あんまり筋の良い技術には思えません
      良い点はパイプライン作れば輸送が楽なことくらいでしょうけど、植物燃料も木質ガスに改質しちゃえばいい話だし
      • by Anonymous Coward on 2010年12月30日 12時36分 (#1881776)
        >固体のセルロースや糖の方が保存が楽だし、
        >あんまり筋の良い技術には思えません

        このような意見も多くありますが
        全ての問題を一挙に解決できる技術なんて、そうそうありません
        なので、太陽光利用に関しては、可能性のある技術は可能な限り検討しましょうという段階
        太陽電池だって長い歴史があるのに、未だ問題は山積みですから

        バイオ燃料に関しては、以下の様な問題がある(と考えられてます)

        日本のような所でどのように耕作地を確保するか?
        食料生産とバッティングしないようにするにはどうするか
        (数年前トウモロコシの値段が急騰し、途上国の人が食えなくなったという事実があります)
        保存は楽かもしれないが、基本的に燃やす用途にしか使えないため、燃料として使用する際にロスが大きい
        燃料電池に使える様な高品質燃料にするには、それなりの技術と手間とエネルギーロスが必要
        基本的に農林業と変らないのでプラント化できるか不明

        一方、COはフィッシャー・トロプシュ法により、
        様々な有機化合物に転換する手法が既に工業化されております
        http://ja.wikipedia.org/wiki/フィッシャー・トロプシュ法

        これにより、高品質の燃料が製造できるだけでなく、化学原料としてCOを利用できます
        忘れがちですが石油はエネルギー源だけでなく、化学原料としても非常に重要な資源です
        実際に日本では石油の20 %以上を化学原料として使用しております
        光エネルギーでCO2をCOへと変換できれば、
        エネルギー・資源・環境問題の全てを一挙に解決できます

        というのがこの分野をやっている研究者の弁ですが
        本人達もそんなに上手く行くとは思っていないので
        様々な技術を組み合わせて問題解決を図るべきと考えてます
        親コメント
        • by Anonymous Coward on 2010年12月30日 14時46分 (#1881834)
          COはセルロース改質しても得られるので有難味は薄いですね、残念ながら。
          植物は燃やすしかないと言っても、
          木質ガスに改質して発電すれば原料から発電所出るまでで変換効率39%は行けそう(PDF注意) [denken.or.jp]という文章を見てから、
          そっちにもっとちゃんと金かけてもいいんじゃないの?という考えをもつようになりました。
          米国のエタノールバブルの事は存じておりますが、木質ガス化なら植物まるごと燃料に出来る為、食物とかち合わない物を燃料に出来ますので、あれの二の舞にはならないのでは? 食物生産とかち合わない物を原料に選ばないと実用化の目はないとも考えてます。

          これの可能性は当然否定しませんが、実用化にはまだまだ道は遠いなぁ、とか言ってる時間あったっけ? どっかのお坊ちゃまがCO2排出量25%削減って世界に向けて宣言してなかったっけ? だったら実用化出来そうで削減効果が大きい所にもっとお金使わないとダメなんじゃないの? という所でしょうか
          親コメント
        • by Anonymous Coward

          食料問題はブッシュ政権が支持基盤である中西部の農家が穀物価格の低下に苦しんでいたからバイオ燃料に多額の補助金をつけ、一気にフィーバーになり多くの農家が一斉に燃料用トウモロコシを作り出したのが原因。
          まともな条件ではあんなことにはならない。
          大体トウモロコシの連作は地力を低下させるのでどう考えても持続不可能。
          一方国内には緊急に消費して欲しいバイオマスが結構ある。
          特に大きいのが竹と杉の間伐材。
          どちらも林業の衰退で荒れ果てた山林で問題を引き起こしている。
          竹は急速に勢力を拡大し他の植物を駆逐しつつある。

  • by Anonymous Coward on 2010年12月29日 20時49分 (#1881579)
    セリウムを触媒として用い、太陽光エネルギー(赤外線?紫外線?)で水を電気分解しているようですが、これは今までまったく未知だった反応なのでしょうか? 素人目にはいかにもありそうな触媒反応のように思えるのですが
    (セリウム以外の触媒では同じような反応はおこらないの?)
    • この辺にこのジャンルの大要がまとまってました。

      単純な光触媒による水の完全分解は紫外線ではそれなりに成功してるんだけど可視光で効率を出すのが難しいそうですね。

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2010年12月30日 12時02分 (#1881765)
      原著を超斜め読みした限りでは
      CeO2 -> Ce + O2 (化学量論比は適当)
      Ce + CO2 -> CeO2 + CO
      という反応を利用しており
      反応には> 800 Cもの高温が必要とのこと
      恐らく触媒が光エネルギーを吸収する光触媒反応では無く
      単純な熱触媒反応みたいです
      従って集約された太陽光・エネルギーは、熱エネルギーとして用いられている
      (実際に反応系の温度を測っており>1000 Cもの高温になっている)

      太陽「光」を直接使うのでは無く太陽熱を用いているため
      光->熱変換を必要とし、反応効率はあまり上がらなそうな気がする
      てのが第一印象
      (定量的な比較を自分はしていないのであくまでも印象)

      光を直接使う反応として以下のような検討は既に行われている
      http://www.titech.ac.jp/tokyo-tech-in-the-news/j/archives/2008/07/1215648000.html
      [原著]  http://pubs.acs.org/doi/full/10.1021/ja077752e

      この反応もCO2をCOへと変換しており、その量子収率は59 %と
      この研究とは比較にならないくらい高い
      しかし、この様な反応系でも実用化は無理
      これは、研究者ご本人が認めている

      大きな問題点は
      1. CO2還元とは反対側の酸化反応で犠牲剤(アミン)を使用している
        犠牲還元剤として、水が理想的だが今のところ困難
      2. 触媒耐久性が(実用化するには)低い
      3. 貴重な金属を用いている(この場合、レニウム)
      4. あくまでも有機溶媒中(DMF)での反応である

      基礎研究段階でもこれだけクリティカルな問題を抱えている

      人の研究をあげつらって、無理だ無理だって言うのも不毛だが、
      現実はこんな感じです。
      それでも解決に向けて挑戦している方も大勢いますってことで、、、
      親コメント
      • by khwarizmi (23623) on 2010年12月31日 13時36分 (#1882102)

        個人的には一端熱にしてしまった方が(実際はともかく原理的には)効率よさそうな気がする.

        植物の光合成にも通じる問題だけど,普通の化学反応に必要なエネルギーは温度換算で数百℃行かないので,温度換算で10000Kを超える可視光のエネルギーは大抵オーバーキルになって,その分が無駄になる.植物の光合成は量子効率はかなりいいけど,可視光のエネルギーのほとんどを途中の励起移動で捨ててるから,エネルギー効率としてはそれほどでもないはず.その意味で,直接電力に変えてしまうか,熱利用の方が最終的に化学反応に使うのなら筋はいいと思う.

        親コメント
    • by Anonymous Coward

      太陽光発電で得た電力で水を電気分解するんではダメなんですかね

  • by Anonymous Coward on 2010年12月30日 4時28分 (#1881687)

    >装置が取り込むソーラーエネルギーの0.7〜0.8%程しか燃料に変えることができず、効率の問題が残されている。
    >だが効率を19%までに引き上げることができれば、商業目的での使用も可能になるという。

    勝算あるんだろうか?

  • by Anonymous Coward on 2010年12月30日 13時58分 (#1881817)

    ホンダや韓国の現代といった自動車メーカーが開発する水素自動車で使用することができるそうだ。

    何でわざわざメーカー名を挙げてるんだろう? よそのメーカーの水素自動車では使用不可なのか?

  • by Anonymous Coward on 2010年12月30日 19時26分 (#1881935)
    太陽電池で水を電気分解して、水素をエネルギーにした方が効率良いだろ。
typodupeerror

計算機科学者とは、壊れていないものを修理する人々のことである

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