米国内初のパイプライン方式「水素ステーション」がオープンする 87
ストーリー by headless
水素スタンド 部門より
水素スタンド 部門より
danceman 曰く、
パイプラインで水素を運ぶ、燃料電池自動車向けの「水素ステーション」がカリフォルニア州ロサンジェルス郡の都市トーランスにオープンした (GreenTechの記事、 本家/.)。
この水素ステーションは、カリフォルニア州南海岸地区大気質管理委員会(SCAQMD)と米国エネルギー省(DOE)の補助により、シェル、トヨタ、エアープロダクツの3社が合弁で建設したもの。従来の水素ステーションはトラックで水素を運んでおり、パイプラインを使用する水素ステーションは米国内で初となる。現在、米国でクリーンエネルギーを使用して走る自動車は電気自動車が主流であるが、トヨタ、ダイムラー、GM、ホンダ、ヒュンダイといった大手自動車メーカーは2015年を目標として燃料電池自動車の量産を計画している。今回オープンした水素ステーションをきっかけにパイプライン方式が広がっていくことを期待したい。
水素はエコだというけれど (スコア:4, すばらしい洞察)
たとえば水だったら電気分解や熱分解、アルミニウムやマグネシウムの還元反応で取り出すとか。いずれにしろ、大量のエネルギーがかかるのが難点。
石油だったら高温の水蒸気に触れさせて熱分解。…でも二酸化炭素が出るのでいまいちエコとは言いがたい。
あとはバイオマスから抽出するという手もあるが、効率がいいとは言いがたい。
どうも最近の自動車界は水素=エコという安直な図式に振り回されてるような気がするな。他にやるべき事はいくらでもあるのだが。
Re:水素はエコだというけれど (スコア:1)
化学製品生産の際に反応生成物として捨てられている水素を回収して使おう、という話もあるみたい
ですから、ひとまとめに「水素≠エコ」という図式だけでは語れないんではないかと。
そういうのも全て含めて水素で代替する可能性を探るのはアリでしょう。
はじける加齢の香り!orz
Re:水素はエコだというけれど (スコア:3, 参考になる)
実証試験開始 [scienceportal.jp]ってところみたいですね.
製鉄所ではコークス焼きの工程で水素が発生するので, それを利用するみたいです.
Re:水素はエコだというけれど (スコア:1)
Re:水素はエコだというけれど (スコア:1, 興味深い)
しょせんエネルギー保存則、って言いだすなら、太陽からのエネルギーが入ってきて、放射で宇宙空間に出てってるんで、全然閉じてないですね。
まあ、誰も踏み台にせずに繁栄の果実だけを得ることができるのか、って話は重要だと思う。
Re:水素はエコだというけれど (スコア:1)
だから,笑っちゃうくらい燃料電池自動車の話最近聞かないでしょ?最近は,ハイブリッドorプラグインハイブリッドor電気自動車の話題ばっかり
みんな,水素がただのエネルギー媒体(それも,かなり効率の悪い媒体)に過ぎないと気付いてしまったようで.
Re:水素はエコだというけれど (スコア:1)
固体高分子形燃料電池の開発に行き詰まっている事が原因じゃないかな。
固体高分子形燃料電池の研究開発をやってる機関はずいぶん減ってしまったし、
やってる所でも実用化は早くて2020年とか2030年とかかなり先を予測してますね。
Re:水素はエコだというけれど (スコア:1)
今でも,燃料メーカーは水素インフラを2015年目処に整備しようと真面目に動いてたりするので,2020年実用化とか言われるとかなり困るんですけどね.
まあ,家庭用燃料電池の値段を見るにつけ,(それとケタ違いの出力が必要な)燃料電池自動車の実用化はおっしゃるように遠いというのは納得せざるを得ないわけですけど.
Re:水素はエコだというけれど (スコア:1)
半年ほど前、公的研究所で電池の研究開発を行ってる方に自動車用燃料電池のことを伺ったら「おまえはアホか、もっと勉強しろ」って言われた。いまごろ高分子固体電解質型燃料電池の話をするなんて時期はずれにもほどがあると。
その方の見解では燃料電池の自動車への搭載はまず無理で、もし実用化されるにしても20年は先だろうとの事でした。
家庭用の固体酸化物形燃料電池はぼちぼち出回り始めてるようですが。
Re: (スコア:0)
> たとえば水だったら電気分解や熱分解、アルミニウムやマグネシウムの還元反応で取り出すとか。いずれにしろ、大量のエネルギーがかかるのが難点。
太陽電池で発電して電気分解すればおk
ぶっちゃけ、ガソリンやディーゼルに比べれは排気ガスがなくなるというメリットがあるので、電気自動車や水素自動車が普及してほしい。
水素はエネルギーの運搬性能が高そう (スコア:1)
>太陽電池で発電して電気分解すればおk
ここ数年は中東や北アフリカの酷熱の荒野が、太陽発電の一等地として検討されているみたいですが、
水素のパイプラインは電気に比べて、エネルギーのロスが少なかったり、溜めておけるという点において、
エネルギーの運搬性能が高そうですよね。
距離が遠くても、再生可能エネルギーの一次ソースと消費地を結びつけられるあたりが利点だと思います。
※もちろん水素自体は小さい分子ですので、抜けないよう何ヶ月も溜めておくのは大変だと思いますけど、
将来は、赤道直下に降り注ぐ太陽エネルギーが水素に変換されて、
それが地球を縦断する水素パイプライン網によって配送される時代が来るのでしょうか。
なんとなく昭和少年SF大図鑑展 [amazon.co.jp]にあるような都市の未来予想図(正直、ちゃんと目を通したことはありませんが)で
無造作に空間をチューブが横切ってたりするのは案外に当たっている方向性だったりして。
Re:水素はエネルギーの運搬性能が高そう (スコア:1)
>水素のパイプラインは電気に比べて、エネルギーのロスが少なかったり、溜めておける
電気を直接送る場合は1000kmあたり3~4%ぐらいのロス [abb.co.jp]らしいのですが、水素を輸送する場合のロスは、今の技術だとどれぐらいなんでしょう。
幾らかぐぐってみたけど良くわからなかったので、教えてエロいひと (^^;
# 場合によっては、さらに金属マグネシウムの形で輸送・貯蔵した方が良かったりするのかなぁ?
Re:水素はエコだというけれど (スコア:1)
C(炭素)が減った分、大気中の窒素と酸素が化合してしまったりするみたいですね。
排気ガスのCO2はかなり減るので、温暖化ペースは落ちますけど。
水素タンクのコストさえなけりゃ燃料電池も
水素内燃も一気に普及するんでしょうけれど、
なんせ水素タンクはチタンの塊ですからねぇ。
一基一億近い価格が。
Re: (スコア:0)
核融合して、HもOも全部作ればエコなんじゃね?
# 前提にムリがありすぎる
Re:水素はエコだというけれど (スコア:1)
…核融合しても H は無理っぽくね??
fjの教祖様
Re:水素はエコだというけれど (スコア:2, おもしろおかしい)
# どうせお前には無理だって?そんな…
Re: (スコア:0)
でも核融合はずっと研究は続いてる。。。
Re: (スコア:0)
実証炉稼動目標が2050年ごろだっけ。
うまく動いてほしいなあ。
Re:水素はエコだというけれど (スコア:1)
だいたいあんな重厚長大なものに大金かけるより、もっと小さくて分散型の発電システムを
開発した方がいい。
そのパイプラインの長さ50ft (スコア:3, 参考になる)
Re: (スコア:0)
>50 feet from the station
>50 kilograms of hydrogen
>50 gallons of gasoline
>50 years of hydrogen experience
>50 patents in hydrogen dispensing technology
50という数字が好きなのかな
ノルウェーの水素ステーション (スコア:3, 参考になる)
他国の水素ステーションの例として、(2009年)
ノルウェー・オスロの水素ステーション開所 [response.jp]
と、マツダ『RX-8ハイドロジェンRE』も大事だと思います。
ハイドロジェンREは燃料電池自動車ではないので、少しオフトピックですが。
マツダ、RX-8ハイドロジェンRE初の海外デモ走行... [mazda.co.jp]
も参考にどうぞ。
「水素ステーション」日本での呼称は (スコア:2)
水素スタンド?
Re:「水素ステーション」日本での呼称は (スコア:1)
Re:「水素ステーション」日本での呼称は (スコア:1, おもしろおかしい)
そのJojoみたいな発想はやめろ
Re:「水素ステーション」日本での呼称は (スコア:1)
どういう呼称にするか、今のうちに考えておくのは重要です。
来るべき電気自動車給電施設のために。
Re:「水素ステーション」日本での呼称は (スコア:1, おもしろおかしい)
じゃあ、電気スタンドに一票
逆できないかな? (スコア:2)
電気分解の逆で、O2とH20生成時に、発電。
深夜電力でH2とH2山ほど作っておいて、昼間はそれらを発電にまわす・・・こんな素人が考えつくんだから、きっと実現できない何かがあるだろうなぁ。
#各家に、H2とO2を溜め込むタンクが常備される・・・わけないか。
-- gonta --
"May Macintosh be with you"
Re:逆できないかな? (スコア:4, 参考になる)
H2を詰め込むタンクが問題だから。
水素はちょっとやそっとの圧力じゃ液化しないので、限られた場所に大量に溜め込むのが難しい。
LPガス程度のボンベが耐えられる圧力だと、ボンベ一本分で大気下で4㎡ちょいぐらいになる量の水素しか充填できない。
(LPガスは約25㎡入る)。高圧で充填するにも電力が要るしね。
ちなみに効率50%程度の燃料電池で60Wの電球を1日つけておくには、大気圧下で約1㎡の水素が必要です。
平均的な一般家庭の一日の消費電力(約10kWh)をまかなおうと思ったら、
必要な水素の量は大気圧下で約7㎡足らずということになります。
もちろん気密の部屋が必要です。
水素は可燃範囲が広いので、空気中に少しもれただけでも引火しやすい状態になります。
だからクソ重い水素吸着合金とか、わざわざ効率が落ちるアルコールの状態で保持する燃料電池と言うものがあるわけで。
水素を直接燃やす水素エンジンも、エンジンのほうはそこそこのものが出来上がってるけど
燃料タンクをどうするかと言う点が最大の問題。
Re:逆できないかな? (スコア:1)
可燃範囲だけじゃなくて爆発範囲も広い [iwatani.co.jp]ので, 気密性のちょっといい区画があると危険とか. さらに水素では常温・常圧ではジュール・トムソン効果 [nifty.com]で発熱するので, 下手にボンベの口を開けただけで, 火の気が無くても発火するなんて事故もあるらしいです.
Re:逆できないかな? (スコア:2, すばらしい洞察)
実はすでに燃料電池の効率はかなり高いところにまで行っていて、例えばLPGを使う燃料電池の最先端のところは、最新の熱をなんども使う大規模火力発電所のそれを超えているものが技術開発が終わっていて、後はつくるだけという状態になっているそうです。が、何故できないか。
は、水素は備蓄が非常に難しいということがあるからです。
ごっついタンクに入れておいても、分子レベルで水素は小さいので分子と分子の間から勝手に漏れていってしまうという問題があります。例えば液体酸素・液体水素を使うロケットなんかでも発射する直前まで水素を入れ続けているのは、ロケット用の軽いタンクでは、タンクからどんどん水素が自然に漏れていってしまうからです。
また当然、水素や酸素は非常によく燃えて爆発しやすいとか、水素は非常に軽いが体積が大きいので嵩張るという問題もあります。
今回はこの備蓄が難しいという問題をパイプラインで運ぶという事で解決した例ですね。
Re:逆できないかな? (スコア:2)
1行目でLPGの改質で水素を作って発電する燃料電池がいかに高性能か書いているのに,なんで,水素の貯蔵の困難性の話になだれ込むんだろ?LPG改質使うなら,水素貯めなくていいよねえ?
純水素のメリットが大きいのは改質機を積むと重くなるし,ハンドリングも微妙になる乗り物用途に限られる.だから,水素ステーションor水素スタンドの話になる.
Re:逆できないかな? (スコア:2)
間接的には、HONDA [honda.co.jp]の水素スタンド。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
あまり電気を使わない時間帯に電気分解して、
ピーク時に使おうということでは?
リチウムイオン電池とどっちが効率いいかしらないけど。
#酸素のタンクはいらないよね。空気中にあるから。
どれくらい漏れるのだろうか? (スコア:1)
少し漏れたところで、気体なのでわからないだろうなぁ。
Re: (スコア:0)
Re:どれくらい漏れるのだろうか? (スコア:2, 興味深い)
北九州水素タウンプロジェクト [hysut.or.jp]で着臭装置を利用して、
臭いを付けた上でパイプラインげ供給するようです。
ただ、都市ガスが漏れるような場面を想定しているようで、
密閉した容器内から漏れ出る、というような現象は想定していないように思われます。
♯密閉容器内で水素同様の振る舞いをする臭い物質が無い、って事かも知れません。
〒口りす卜A 「同志よ、次の目標が決まったぞ」 (スコア:1)
Re:〒口りす卜A 「同志よ、次の目標が決まったぞ」 (スコア:1, すばらしい洞察)
あまり被害は出ないんじゃないかと思うんですが
Re: (スコア:0)
水素パイプライン自体は第二次大戦前から普通に使われていますが、なぜ今気が付くんでしょうか…。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
今やっと気付いた、と言う訳ではなく「攻撃における実効度が増した」ということなのでしょう。
都市内に出来たことや利用者が一般層に広がること、企業にダメージが与えられること、今後施設が増えること、etc...。
一つ心配事があるとするなら… (スコア:1)
水素を使った燃料電池が普及すると、世界中が蒸し暑くなるんじゃなかろうか、という点だな。
シリコンバレーとかは、乾燥しているので快適だったのに。
水蒸気の量産による温室効果ってのはどのぐらいの影響があると見積もられているんだろう?
fjの教祖様
Re:一つ心配事があるとするなら… (スコア:1, 参考になる)
>水蒸気の量産による温室効果ってのはどのぐらいの影響があると見積もられているんだろう?
一応科学的理解が追いついている範囲では概算が行われていて、現状までの理解では、
・化石燃料由来の水蒸気放出量は無視できる程度に少量
・ただし農業由来(灌漑など)による水蒸気はいくらかの影響を与える可能性有り(化石燃料の燃焼によるものよりはるかに膨大)
・炭化水素類の成層圏などでの酸化分解による高層への水蒸気の生成はいくらかの影響があり得るが、よくわかっていない部分が多い
(低層では水蒸気による吸収がほぼ飽和しているが、高層では温度が低いため水蒸気量(=水による吸収)が非常に低く、逆にこの領域に水蒸気が生成すると赤外線の吸収効果は大きい)
というあたり。
もうちょっと一般的に、気温の上昇などによる低層での水蒸気量の大幅な増加に関しては、
1. 雲に関して
1a. 雲が増えて温室効果が増す
1b. いやいや、雲はむしろアルベドを増やすからネガティブフィードバックになる
2. 直接の温室効果に関して
2a. 低層での温室効果はほとんど飽和してるから、水蒸気が増えてもほぼ変わらない
2b. やや高い位置での水蒸気による吸収にはまだ余裕があるから、そのあたりの水蒸気量が増えてポジティブフィードバックとして働く
あたりでいろいろ議論があったけれども、最近の流れとしては1a(ただし効果はそれほど強くはない)と2bが正しそう、というあたり。ただし1a、2bともまだかなり議論があり。
Re:一つ心配事があるとするなら… (スコア:1)
別に『温室効果ガス』としては余り心配していません。
湿度上昇が気温上昇よりはるかに不快に感じる私としては、湿度がむやみに上がるのを心配しているだけで(T.T)
# "高温多湿の日本の夏" エブリウェア ってのはあまり嬉しくないのだ。
fjの教祖様
Re:一つ心配事があるとするなら… (スコア:1)
発生しなくはないけれど、「水素だけ」に比べると圧倒的に少ない。
.
たとえばガソリンは大雑把に 11,120 cal/g。例えばガソリンをC7H16と考えると 12*7+1*16=100 g/mol。
水素は12,770kJ/m3。0.08988g/m3として142 078.327kJ/g = 0.59530819 kcal/g = 595.3 cal/g。で、こいつは 2g/mol。
だから同一のエネルギー…例えば 1Mcal を生成するのには
ガソリン: 78.3g = 0.783mol
水素: 1680g = 840mol
必要になる。でガソリン1molを燃焼させると水が8molできる。水素はmol数が変わらない。なので
ガソリン: 6.264molの水/1Mcal
水素: 840molの水/1Mcal
となって、水素だけの場合のほうがざっと134倍の水が出てくる。もちろん、二酸化炭素が0になるんだから当たり前といえば当たり前だが。
こう考えると、水をばらまいて走っているようなものなので、気候への影響の仕方が変わると思うんだ。
fjの教祖様
Re:一つ心配事があるとするなら… (スコア:1)
あと、水素ガス燃焼時の発熱量が595.3cal/gという計算式がよく分からないのですが...
ぐぐったら水素ガスの燃焼熱は33900cal/gとかいう値が出てきました。
Re:一つ心配事があるとするなら… (スコア:1, 参考になる)
別コメでも突っ込まれてますが、水素の燃焼熱はおよそ34kcal/gですので、1Mcal を生成するのには
ガソリン: 78.3g = 0.783mol
水素: 29.4g = 14.7mol
が必要になり、出てくる水の量は
ガソリン: 6.264molの水/1Mcal
水素: 14.7molの水/1Mcal
で2倍程度ですね。
漏れ出したら・・・ (スコア:1)
吸い込んでも無害だけど、火花でもあったら・・・