東北大、電子の電荷とスピンを利用した待機電力ゼロのLSIを開発 44
ストーリー by hylom
待機電力ゼロのデバイス実現へ? 部門より
待機電力ゼロのデバイス実現へ? 部門より
少しずつ節電 曰く、
東北大学省エネルギー・スピントロニクス集積化システムセンターの大野英男センター長のグループはNEC等と共同で、電子の電荷とスピンを利用したスピントロニクス技術によって待機電力がゼロのシステムLSI、垂直磁化不揮発素子等の開発に成功したそうだ。成果は13日から開催の2011 Symposia on VLSI Technology and Circutsにて発表するという(プレスリリース)。
時事通信の記事によれば、同じく待機電力なしで情報が残るフラッシュメモリーでは書き込み回数に制約があるため、演算処理回数が膨大なLSIには使用できなかった。一方で、今回開発したスピントロニクス素子は、システムLSIに必要とされる基本性能(動作速度・非破壊読み出し・書き換え回数・微細化・低電圧動作)を全て満たすことができるという。実用化は2015年度を目指すそうだ。
待機電力がゼロのシステムLSIを開発? (スコア:2, 参考になる)
プレスリリースを読んでみたけど、今回は待機電力ゼロのシステムLSIを開発したのではなく、
そのために必要な記録素子の改良に成功した(不揮発性を高めた)ってことじゃないの?
Re: (スコア:0)
http://srad.jp/comments.pl?sid=535309&cid=1969762 [srad.jp] で突っ込まれてるけど、
ストーリーでリンクされてるプレスリリースが(タレコミから)改竄されてるので注意。
Re:待機電力がゼロのシステムLSIを開発? (スコア:1)
すごーく参考になりました。二つが混ざっていたんですね。
どおりでストーリーとリンク先が言ってこと違うわけだ。
DRAM代替を目指した不揮発メモリは、いつまでも実用化しない (スコア:2, すばらしい洞察)
なぜか。
○年後の実用化を目指す・・・その○年後にはDRAMの容量は増え・消費電力は低減されているから。
つまり、今のDRAMの場所を目指しても、いつまでも追い付けないんです。
Re: (スコア:0)
シリコンディスク(SSD)と HDD の関係に似てますね。
SSD は Intel という巨人、それに対抗する東芝等により
大分値段が下がってきましたが、GB単価では30~40倍程度の差があります。
今回の技術が、RAM に利用できるとして。
DRAM ですが、帯域幅が増えるにつれレイテンシも増えていますので
その辺が SRAM (常時読み出し可能)のように優越していれば、一気に普及できるかもしれません。
(無論単価が最大3倍程度に安く出来る前提で)。
今、如何にメモリアクセスを減らすかが肝な状態ですからねぇ…。
CPU の価格も、L2/L3 cache の容量で決まっているような状態ですし。
Re: (スコア:0)
別に追いつく必要はないでしょう。
SSDはHDDに追いついていませんけど実用化されましたよ。
それまでずっと「シリコンディスクが大容量化するころにはHDDはさらに大容量化しているのでニッチな分野以外では決して実用化しない(ドヤァ」とか言われていましたよね。
Re: (スコア:0)
もともと"「SRAM並の高速性」と「FlashROM並の無電源下長期保存性」と「DRAM並みの書き換え耐性」を同時に獲得しうる"
新世代メモリ、という話だったような気がしなくもないが。
バブル再燃! (スコア:1, 興味深い)
と思ったら磁気バブルメモリと違って非破壊なんですね。
「待機電力がゼロ」というと (スコア:1, フレームのもと)
不揮発性メモリじゃダメなのかな。
待機電力って、普通に言えばリモコン入力等の操作に備えて待機するときの電力で、
システムLSIの電力がゼロになったところで、どうにもならないでしょう。
赤外線を受けて光電池で受光して給電する製品もあるのですが、リモコンでは動きません。
Re:「待機電力がゼロ」というと (スコア:2, 参考になる)
”待機電力”="家電の待機電力"では無いですよ.とんでもない勘違いです.
タイトルを良く読んでください."待機電力ゼロのLSIを開発"とあります."LSI"の待機電力をゼロにする技術です.リモコンとか全然関係ない.
あと不揮発性メモリじゃダメです.LSIの中にはデータの記録領域としてはメモリとレジスタの2種類の領域があります.
前者のメモリは昔から不揮発に出来ました.
今回の技術は後者のレジスタを不揮発にするもので,それがやっと実用レベルの技術になった(なりそう?)という話です.
Re:「待機電力がゼロ」というと (スコア:2, 参考になる)
NECのやつは一歩手前の話で、MRAMとロジックを混載して動くものを作りましたという研究だと思います。
と書いてる途中で気づいたんだけど、この素子はライトとリードでビット線が共用できない構造ですね。
普通にSRAMをつくると回路規模が大きくなるけど、CAMは小さく低消費電力に作れますって事なのかな。
Re:「待機電力がゼロ」というと (スコア:1)
勘違いじゃないですよ (スコア:1)
東北大学大野英男教授「待機電力ゼロの電子機器実現に向けて・・・」
NECグリーンイノベーション研究所田原修一所長「簡単な機器であれば2015年とか16年に入れたい・・・」
ということで、巧妙に「誘導」していますよ。
WBSでは見事に騙されて、家電の待機電力がゼロになるかのごとく説明していました。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
それを「待機電力」と呼ぶかというと普通は呼ばないんじゃないか?
駆動電力とかじゃないの?
Re:「待機電力がゼロ」というと (スコア:1, 参考になる)
同期回路で言うところのクロック停止の状態では状態を保持するための電圧もいらない、ということじゃないのかな?
状態を保持するための電圧がなければ漏れ電流もないので、その状態では消費電力0、ということでしょう。
Re: (スコア:0)
まあ、不揮発プロセッサならロームが2007年に発表してますけどね。
ロームのプレスリリースを探すのがめんどうなので@itの記事で。
http://www.atmarkit.co.jp/news/200710/02/rohm.html [atmarkit.co.jp]
Re: (スコア:0)
ソース読め云々じゃなくて完全に間違えていた。
Re:「待機電力がゼロ」というと (スコア:1, 興味深い)
探してみた。これはすごい(マイナスの意味で
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110613/t10013480191000.html [nhk.or.jp]
節電対策への関心が高まるなか、大手電機メーカーの「NEC」と「東北大学」は家電製品を使っていない場合でも、消費してしまう「待機電力」をゼロにできる半導体を新たに開発し、数年後をめどに実用化を目指すことになりました。(ここまで第一段落、以下略)
Re:「待機電力がゼロ」というと (スコア:2, 参考になる)
> 不揮発性メモリじゃダメなのかな。
いいと思うよ。
つか、今回のが正に(MRAMの類の)新しい方式の「不揮発性メモリ」なわけで。
既存の不揮発性メモリは書き込み回数制限や速度、電力などの観点で、常用RAMとしては使いにくかったけど、
今回のは常用にも使えるってところがミソ。
SoC稼動状態から休止~復帰させるとき主記憶に対してのケアが不要になるんだよね。
> 誤解を生みやすいというか、わざと狙っている感じですね。
時事通信の記事はタイトルは「*LSIの*待機電力」だし、
文中のデータセンタなどでの適用例では「9割程度」などで、
そんなに誤解生むような記載には見えなかったけどな...
プレスリリースはもっときっちり書いてあるし、
タイトルだけ斜め読みでもしない限り誤解はしないんじゃないかな。
> 待機電力って、普通に言えばリモコン入力等の操作に備えて待機するときの電力で、
> システムLSIの電力がゼロになったところで、どうにもならないでしょう。
古典的な :-) Irの電源操作待ちくらいなら確かにサブマイコン+Irセンサで今回の技術の出番はあまり無いですが、
携帯の待ち受け、デジタル家電の(DLNAなんかでの)LAN待機、BlueTooth受信待ちなんかのイマドキの用途では、
今回の話はかなり大きいと思いますよ。
SoC側はdormantに落としてクロック抜けば格段に維持電力下がるし、
そこから周辺からの割り込みトリガで起こせるけど、DRAMの内容維持がかなり支配的な問題だったわけで。
# バンク単位で電源切るとか、SRAM併用するとか各社涙ぐましい努力してると思うけど。
Re:「待機電力がゼロ」というと (スコア:1, おもしろおかしい)
誤解を生みやすいというか、わざと狙っている感じですね。
時事通信の記事はタイトルは「*LSIの*待機電力」だし、
文中のデータセンタなどでの適用例では「9割程度」などで、
そんなに誤解生むような記載には見えなかったけどな...
テレビもパソコンも待機電力ゼロ、世界初LSI [yomiuri.co.jp]とか
待機電力ゼロにする技術開発、超節電に道 東北大など [asahi.com]とか
家電の待機電力ゼロに NECが東北大と半導体技術開発 [msn.com]とか言った記事が出るのはなんで?w
msn産経に至っては、
家電の待機電力は、1台1台ではごくわずかでも、合計すると家庭で消費される電力の2%にも達する。NECによると、今回の技術が実用化されれば、理論的にはそれらをゼロにできるという。
いつのまにか、家電の待機電力に摩り替えちゃってるしorz
Re: (スコア:0)
> とか言った記事が出るのはなんで?w
そりゃ読売とか産経の記者がバカなせいでしょ。
時事通信の記事や(何故かあなたが挙げている)朝日の記事なんかは特に大きな誤解をしてるようには見えないし、
プレスリリースでも必要充分な記載をしており「誤解を生むような記載」というよりは、記者の理解力の問題かと。
たぶん、読売とか産経の記者はプレスリリース(または記者発表)の中から自分のわかる言葉だけ拾ってつなぎ合わせたんでしょ。
で、本題の技術に関する情報はすっかり欠落して、(個別の発表内容ではなく)プロジェクト全体としての大きな方向性あたりの
キ
Re:「待機電力がゼロ」というと (スコア:1, 興味深い)
この「待機電力」はパソコンで言えば、suspend to ram 状態のことを指していて、power off じゃないんだな。
でも、記事を読んだ人はpower offだと思ってしまうだろう。
なお、power off時の待機電力については、すでに通常のDRAMとフラッシュメモリを積んだ液晶テレビで1W未満になっています。
その実現方法は内部的に「コンセントからプラグを抜く」という方法でして、電源ユニットの一次側の電力消費をカットしてます。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
東北大のプレスリリースでは「記録保持に電力を必要としない」という表現になっています
(製品レベルのチップ全体の消費電力の話をする時は別として)デバイス屋はこのような場合は一般的に「リーク電流」、(レジスタの)「保持電流/保持電力」という言葉を使うはずです
Re:「待機電力がゼロ」というと (スコア:1, 参考になる)
すなわち、原発振器を止めシステムクロックをはじめすべての信号を止めたときの漏れ電流です。
もっとも現実的には時計用タイマを搭載して32768Hzの時計用クロックで内部時計を動かすLSIが多々ありますので、スタンバイ電流を完全にゼロにすることは不可能だと思います。
Re: (スコア:0)
学者が一般人に向けて、いい加減な言葉を使ってはいけない。
待機電力とは俺の村ではこういう意味だ、などと注釈なしで使うのは誤解を生む。
Re: (スコア:0)
マスコミの誤解じゃないよ。
空気読まずに (スコア:1, おもしろおかしい)
ここまで「超電磁スピン」禁止。
…あれ?
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
やっぱり順序としては先に超電磁ヨーヨーを出してもらわないとねぇ
東北大学省 (スコア:1)
文科省の軛からいつの間に脱出したのかと空目。
プレスリリースでは日立との共同研究になっているが (スコア:0)
Re:プレスリリースでは日立との共同研究になっているが (スコア:4, 参考になる)
多分二つの発表が混ざってると思われ。
東北大がNECとMTJ素子使ったTCAM回路を作ったって話。
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2011/06/press20110613-02.html [tohoku.ac.jp]
東北大が日立とMTJ素子の構造改良で不揮発性を向上って話。
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2011/06/press20110613-03.html [tohoku.ac.jp]
どちらも今度の京都の学会で発表予定。
Re:プレスリリースでは日立との共同研究になっているが (スコア:2, 参考になる)
> 多分二つの発表が混ざってると思われ。
つか、hylomの編集ミスじゃん、これ。
元のタレコミでリンクされてたプレスリリースでは以下。
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=282983&lindID=1 [nikkei.co.jp]
で、こいつは今回の件の全体概要についてのリリースで、
| 1)スピントロニクス回路・開発および実証
→NECとの発表分
| 2)スピントロニクス材料・素子・製造技術の開発
→日立との発表分
の両方に言及してる。だから、文中も「NEC他」になってる。
こいつの元ネタである東北大のリリースが
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2011/06/press20110613-01.html [tohoku.ac.jp]
なんだけど、なぜかhylom編集版では前記の2)のリリースである
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2011/06/press20110613-03.html [tohoku.ac.jp]
へのリンクに変えてしまってる。
このために後半で出てくる時事通信の記事とも微妙なズレが出てきてるわけ。
要は、いつもの改竄編集だったってオチ。
Re: (スコア:0)
> | 1)スピントロニクス回路・開発および実証
> →NECとの発表分
>
> | 2)スピントロニクス材料・素子・製造技術の開発
> →日立との発表分
どっちが金がかかって、どっちが金になりそうかってのを考えると、
それぞれの会社の体力がよく見える分担だなぁと思う。
・・・・ただ、今となってはどっちも結局ルネエレか・・・。
Re: (スコア:0)
でも、2)の段階が終わっていないと、1)をやる気にはならないだろうな。
確か、NECと日立では、MRAM自体の構造が違ったはず。
日立の研究成果をNECに横流ししてたわけじゃないだろうし。
Re: (スコア:0)
先日のこのスレッドどおりの展開ですね
http://srad.jp/slash/comments.pl?sid=533569&cid=1960241 [srad.jp]
Re:プレスリリースでは日立との共同研究になっているが (スコア:3, 参考になる)
> 新聞ではNECとの共同研究になっている。新聞屋さん、どうなってるの。
東北大のプレスリリース [tohoku.ac.jp]
NECのプレスリリース [nec.co.jp]が出てます。
要するに、同じ日に4つのプレスを出したので混乱しているのでしょう。
Re:プレスリリースでは日立との共同研究になっているが (スコア:2, 参考になる)
両方あるみたい。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20110608/192427/ [nikkeibp.co.jp]
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20110608/192424/ [nikkeibp.co.jp]
MRAM (スコア:0)
とは違うんですか
Re:MRAM (スコア:1)
資料にMTJ素子とあるからMRAM(で使用している素子)のことだと思います。
今回はこのMTJ素子の記録保持時間を10年以上まで伸ばすことに成功したって
ことのようですが、これまでの値がどれくらいだったのかは分からず…