海水を真水に変えるバッテリー装置、開発中 22
ストーリー by reo
どんどん濃くなるよ! 部門より
どんどん濃くなるよ! 部門より
danceman 曰く、
ドイツにあるルール大学ボーフムの Fabio La Mantia 氏の率いる研究チームが、海水からナトリウム及び塩化物を除去して真水を取り出すバッテリー装置の研究開発を行っている。蒸発や逆浸透膜による従来の海水淡水化技術ではヒーターやポンプに消費される電気が膨大であることが知られているが、同バッテリー装置の開発が成功すれば高いエネルギー効率かつ低コストで真水を取り出すことが実現できるようになると期待される (Chemical & Engineering News の記事、本家 /. 記事、DOI: 10.1021/nl203889e より) 。
その仕組みだが、海水中に浸された銀の電極と酸化マンガンのナノロッドに電流を流すと、海水中の塩化物イオンは銀の電極へ、ナトリウムイオンは酸化マンガンへと移動する。次に脱塩化された水を除去し、まだ脱塩化されていない海水を注ぎ込み電流を逆流させて電極にトラップされていたイオンを放出し、塩分濃度の高まった水を除去する、という流れを繰り返すようだ。
現在の塩分除去率はまだ 50 % であり飲料水としてはまだ塩辛いレベルにあるようだが、同研究チームは行程の自動化と 98 % の除去率を目指しているとのこと。
詳しくは phason 氏のコメント参照。
以前のやつの逆回転 (スコア:5, 参考になる)
論文はこちら.
M. Pasta et atl., Nano Lett., 12, 839–843 (2012). [acs.org]
以前のトピック
淡水と海水の塩分濃度の差により充放電するバッテリーが開発される [srad.jp]
の逆回転ですね(著者も一緒).前回のが塩分濃度の高いところから低いところにイオンを移す過程から電気を引き出していたサイクルだったのを,電流を逆に流してサイクル全体を逆回転してやればイオンをどんどん濃い側へと汲み出してやって真水に近いものが作れる,と.
「Ag+ + Cl- ↔ AgClってのを使ってるけど,このままだと伝導性のないAgClを使わないといけなくて効率が悪い.実用化目指す際はもっと良いもの使ってね(意訳)」ってのが書いてある通り,今回のはコンセプトの提示ですね.
何回もやれば (スコア:2)
50%→25%→12.5%...と低くなってかないのかな?
Re:何回もやれば (スコア:2)
本文中に「繰り返して~50%」とあるので、何度か繰り返してもうほとんど変わらない値が50%ということ。
Re:何回もやれば (スコア:1)
何その「競技会をやるたびに高度を2倍にしていけばすぐ静止軌道に到達する」みたいな発想
Re: (スコア:0)
高いエネルギー効率かつ低コストで○メディを取り出せそうですね
Re:何回もやれば (スコア:1)
Re:何回もやれば (スコア:1)
頭ごなしにけなす意見がいくつかついてるけど、
限界があるとしたらその限界は具体的に何が原因なのか
ということが重要なんじゃないかな。
この装置で海水を真水に変える限界と、
軌道エレベーターの限界と、
データ圧縮の限界は、
それぞれ全く違う原因によるもので、
原因によっては、原理的原因で絶対に突破できないものや、
技術的原因で技術の発展により突破できる可能性のあるものや、
いろいろあるでしょう。
という私もこの場合の限界(があるとして)の具体的な原因は分からないけど。
Re: (スコア:0)
> 限界があるとしたらその限界は具体的に何が原因なのか
> ということが重要なんじゃないかな。
少なくともツリーの元コメントはそんな検討は一切しないで、ただ繰り返すだけで無限に効率を上げられるんじゃね? と言ってるようにしか見えないんだが。
だから軌道エレベータやデータ圧縮の話と同じだと馬鹿にされてるんだろ。
Re: (スコア:0)
馬鹿を見かけたとしても、自分まで同じレベルになることないじゃん?
というか、元コメントは単なる素朴な思いつきだから馬鹿というわけじゃないと思うけど。
Re: (スコア:0)
って、トラップされたイオンが少なくなってきたら、放出するための電流(電荷量?)を制御するのが難しいかもしれませんね。
電流が多すぎたら、別のほうのイオンを吸着しちゃって、次の工程で放出してしまって、一向に濃度が下がらないような気がします。
飲料水または工業農業用水ねらいでしょ? (スコア:2)
なんという丸投げ (スコア:0)
しかも採用されたストーリーにもその「phason 氏のコメント」がそのまま引き継がれてるじゃん。
Re: (スコア:0)
でもこの丸投げは良い丸投げだと思う。。。
編集者が良くわらかんのに編集して叩かれるぐらいなら、詳しい人のコメントを示した方がいいよね。
Re: (スコア:0)
phason氏のコメントがFirehoseからしか見えないならリンクを張る意味もあると思うんですが、直下に見えているので。
Re:なんという丸投げ (スコア:1)
phason氏のコメってのが今は1つでも将来何個に増えるかわからないだろう?
リンクがないと、phason氏のどのコメを参照すべきかわかりにくいだろ。
後から加えられたコメで「おまたおっぴろげーん」とかphason氏が言い出したらどうなる。
Re: (スコア:0)
「詳しくは phason 氏のコメント参照」という文言自体が不要。タレコミとしてはそこまでの文章だけで十分に成立してるだろ。
真水って言っちゃってますけど (スコア:0)
ホウ素は除去できてるのかな?
海水淡水化の一番の問題だったと記憶していますが。
Re:真水って言っちゃってますけど (スコア:1)
>ホウ素は除去できてるのかな?
いや、全然。反応的に考えても除ける理由もないしね。どれだけ除けたかを測定してもいないし。
まあ、多量にあるイオン類に比べれば優先度は低いという話はある。この論文の手法はホウ素がどうとかを問題にするよりまだまだ遙かに低いレベル(塩が除けるかどうか)で議論しているのだから。
具体的に書けば、理想的には25%除けるサイクル(効率100%)、同50%除けるサイクルを回した際の残留イオン量が書いてあるんだけど、それぞれ残量(mg/L)が
イオン種/初期値/25%サイクル後/50%サイクル後
Na+/11250/9840/7860
K+/450/430/390
Mg2+/1400/1130/860
Ca2+/450/280/180
Cl-/18500/14470/11430
硫酸イオン/初期値から変化無し
とまあ、実際には半分も除けていないし、除けるイオンも非常に偏りがある。
「こういう考え方もあるよ」って感じで新しい手法を提案してるだけであって、これが実用化できるかどうかはあまり考えてない気がする。
Re: (スコア:0)
ちょっと意地悪な書き方をしてしまいました。
ホウ素が除けるような反応でないことは一目瞭然なのに、
「真水」って言っちゃうのがあまりに安直で、
RO膜でがんばっている方々に失礼だなあ。。。と思ったもので。
反省します。
しかし、多サイクル後もg/Lオーダーのイオン残留とは。。。
こういう通電で何とかしようというやり方は、初発(伝導度の高いうち)の除去率が重要だと思うのですが。
純水に近づくほど電気抵抗あがりますしね。まあ、18.2MΩを目指しているわけではないでしょうけれど。。。
Re: (スコア:0)
ほかの方法と組み合わせるわけにはいかないので?
前段でコレ掛けておくと、効率や寿命が上がるケースもあるはずだし。
薬品と反応させて沈殿させる系なら薬品量が減らせるし、RO膜も透過効率は上がるはず。