パスワードを忘れた? アカウント作成
2635593 story
交通

日本てんかん協会、てんかん患者の運転免許取得を差別しないよう要請 214

ストーリー by reo
唯一解などあるわけもなく 部門より

ある Anonymous Coward 曰く、

てんかんに対する啓蒙活動を行っている社団法人日本てんかん協会は 9 日、昨年 4 月にてんかん患者が 6 名の犠牲者を出す交通事故を起こしたことに機に、てんかん患者のみを対象とした厳罰化要求が出されていることに対し、「病名による差別」が行われないよう求める要望書を法務大臣に提出した (プレスリリース, 医療人材ニュースの記事より) 。

てんかん」は発作により突発的に意識を失うといった症状を伴う病気であり、運転免許取得には「発作が再発するおそれがないこと」といった条件が付けられている。しかし、病気であることを隠して免許を取得した人により重大事故が発生したことから、てんかん患者の免許不正取得を厳罰とするよう署名活動が行われていた。同協会では不正取得者が重大事故を引き起こしたことは極めて遺憾であるとしつつも、こうした特定の病気だけを対象とした厳罰化は病名による差別を助長しかねないとの懸念を表明。病名による差別をしないこと、ならびに病気で免許が取得できない人の生活の不便を補填する施策の推進を求めた。

おりしも 12 日には京都でてんかん患者による死者 7 名を出す事故が発生しており (FNNニュースの記事) 、今後いっそう患者への風当たりが強まることが予想される。こうした病気に対して社会はどう接していけばよいのだろうか?

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by kcg (26566) on 2012年04月16日 11時09分 (#2136570) ホームページ 日記

    突然意識を失うこともあるし、脳梗塞などが起こる可能性だってある

    だから、意識がしっかりしているかどうかを機械判定できるような装置の開発と搭載の義務化を促進するのが良いと思う。
    ちゃんと出来れば、居眠り運転も防止できるしね。

    タクシーの社名表示灯のように、緊急事態を示すランプも搭載して、点滅させながら減速停止するような感じで。

    • by slashdot.jp.viewer (33542) on 2012年04月16日 11時13分 (#2136574) 日記

      てんかんを起こすおそれのある者が運転していると危険だから、脳波測定機で運転者の脳波を検査する。異常波を出している者は、発作を起こす前に病院へ収容されるのである。

      「無人警察」筒井康隆著。
      高校教科書に採録されたことで、てんかん協会から激しい攻撃を受け、断筆。

      親コメント
      • てんかん協会っていうのは、政治的な力が強いんですかね。
        金持ってんのかな

        親コメント
    • by Anonymous Coward on 2012年04月16日 13時40分 (#2136746)

      知人の親父さんが、胃がんで胃を切除した後に「ダンピング症候群(血糖のコントロールがうまくいかなくなる)」というものになって、運転中に朦朧として田んぼに突っ込んでしまったという話を聞いたことがあります。幸い怪我人などは無く、田んぼの補償程度で済んだようですが。
      胃の切除の後には少なからず出る症状の一つらしく、こういうのも注意が必要ですね。

      親コメント
  • 心臓発作、脳梗塞、低血糖による意識混濁、パニック障害と運転に支障が出るであろうものは上げるとキリがない。

    病名のみで判定を行うのは無理があると思うが、今の政治は八方美人で支持率が欲しいから思わぬ行動に出るんじゃないかと勘ぐってしまう。

    • by sei5 (45140) on 2012年04月16日 13時16分 (#2136723)

      (恐怖感から、感染しないのに隔離したライ病と同様に)
      昨今の「許さない風潮」の元で、
      てんかん はいろいろ怖いから、と言って、免許取り消し以上に、
      社会に出にくくなる雰囲気が喧伝されなければ良いのですが。

      親コメント
  • 申告隠しが問題 (スコア:4, 参考になる)

    by Limbodot (42869) on 2012年04月16日 11時34分 (#2136593) 日記

    医師が、運転を控えるよう指示した患者が居た場合、医師が免許関連の当局に報告する義務を付けるだけでも申告隠しは防げるのでは。
    ここで重要なのは「診断の結果、運転が危険だから控えるよう指示したこと」であって、
    その患者の病名が「てんかん」であったか、そのほかの発作や一時的な運動機能障害であったかは、むしろどうでもよい話ではないでしょうか。
    というような議論はずっと以前から既にあると思いますが、医師側が反発しているのでしょうか。当局が面倒臭がっているのでしょうか。

    • by Limbodot (42869) on 2012年04月16日 11時54分 (#2136619) 日記

      #2136579 [srad.jp]様の参考サイトでほぼ自己解決しました。すみません。発作を医師に隠す患者が増えるという点で納得しました。
      納得しましたが、うーん、です。

      厳罰化で臨む以外に、大衆の意思をもっと自然に自己申告に向けさせる方法は無いのかと考え込んでしまう。
      医師の診断と、その指示について、その重みを患者本人が理解することが最も大切なのだろうけど、
      「てんかん」というキーワードが、それを診断された患者にとって、軽視されがちな社会になっていたのではないか。

      #結局は、日本で「善人」をどう教育するかの問題に陥りそうだ

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2012年04月16日 12時27分 (#2136661)
      医師が止めた場合とか、服用を指示されている薬の服用を怠って、発作が原因で事故をした場合は、飲酒運転と同等の扱いで良いんじゃないかと。
      発作が起きるのが予見されているんだから、防ぐ努力をしない事に対する責任は問う必要があると思う。
      親コメント
  • by ikotom (20155) on 2012年04月16日 12時04分 (#2136633)

    今回の件で、てんかんがクローズアップされてるようですが、発症していたかどうかはさておき
    そもそも会社側が、社員に運転を当たり前のようにさせる考え方が、根本として
    多くの事故を生んでいるのではないでしょうか?

    道路交通法では、第66条で「過労、病気、薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない。」
    と定めています。つまり健常者でも、風邪やその他体調が悪いとき、疲れている時は運転してはいけないわけで、
    これに違反するのは酒気帯び運転と同じ罪となります。(第117条の2の2)

    この点を理解していないドライバー、および、会社が多すぎると感じるのは私だけでしょうか。
    とくに業務で運転せざるを得ない人たちは、その上司(会社側)への周知徹底は絶対に必要だと思います。
    事故は起こされる方だけでなく、起こす方にとっても悲劇なので、会社も自己防衛として
    「運転できて当たり前」という考え方を改め「体調が万全で100%問題ないときに限って運転可能」とし、
    それでも回せる業務体制を構築すべきだと思うのです。

    昔なら、それじゃあ業務なんて回せない、ということもあったでしょうが、
    今は公共交通機関も発達し、宅配、バイク便、または運転代行サービスなど
    各種サービスも広がっています。
    今すぐ業務のあり方をかえるのは難しいでしょうが、会社が意識を変えてくれれば
    そういう代行サービスも一層広がっていくことと思いますので、リスクに敏感な方から
    ぜひ取り組んでいって欲しいです。

    • 問題は金ですかね。
      万に一つの事故のリスクと、毎日かかる経費のリスクを天秤にかけちゃうわけです企業としては。
      ある病気について、事故時のリスク(世間の非難など)が増大した場合は、
      その患者を雇用しないという選択肢を取るだけで、他の問題のリスクは軽減できちゃうわけです。

      親コメント
    • 以前、運転中に癲癇の発作を起こして死亡事故を起こしてしまった人は、
      会社に持病に癲癇がある旨を伝えていなかったと報道されていましたけど、
      今回の事故の場合はどうなんでしょうね?
      今回の場合は癲癇が関係していたのかどうかまだ不明ですが。
      (血液中から癲癇の発作を抑える薬の成分は検出されたようですが)

      こういう報道で経営者が「癲癇持ちは厄介だ」と判断して、癲癇を患う人の雇用が厳しくなり、
      癲癇を患っていることを隠して就業というケースが増えないよう祈るばかりです。
      親コメント
  • by maia (16220) on 2012年04月16日 11時58分 (#2136625) 日記

    要望の概要を読んでみる:

    1. 運転に不適切なのは病気の症状(状態)であり、
      病気そのものや病気のある人ではありません。
      病名による差別はしないでください。
    2. 病気のある人に、症状(状態)によっては運転できないという
      社会的責任を適切に自覚するための方策を、
      関係機関と協力をして一層推進してください。
    3. 病気の症状(状態)のために運転免許証が取得できない場合には、
      その状態にある人の生活の不便を補填する施策を、
      関係省庁と協力をして推進してください。

    病気ではなく症状が問題なのだというのはその通りだが、免許取得が認められたのも、症状を基準にしたからであり、病気にかかっているから駄目という事はない。しかし実際に制度を運用してみると、症状が不適切な人がそれを隠して免許を取得したり、日常的に運転している事例があり、それが大問題になっている。医者が何を言っても聞かないし、家族が止めても聞かないのであれば、どうしたらいいのか。「社会的責任を適切に自覚」は、多くの患者は実行しているだろうが、自覚的できない患者が存在するのは否めない。

    #ちゃんと自己申告すれば、運転しない職務に配置転換するというのは望ましいだろうが、運転必須の職務で採用された場合は困ってしまうだろうし、小規模な会社なら尚更。

    この問題、今の日本社会が採用している倫理基準に照らすと、解決不能のように思われる。
    とりあえず、社会的キャンペーンで自覚を促すくらいしか思いつかない。

    車(運転席)に何らかの(運転者の異常を感知する)機能を持たせるとか、車自体に衝突防止装置を付けるといった手段は、ある程度期待できるかもしれないが...。(そのうち義務化されるかもしれないが、)コストを考えると、そもそも、そんなにリスクの高いやつが運転しているんじゃない、という大多数の市民の合唱が聞こえてきそうだ。

  • 差別ではなく区別 (スコア:3, すばらしい洞察)

    by paprika (5024) on 2012年04月16日 12時51分 (#2136695) 日記

    自動車運転をしても支障が無い患者か、重篤な事故を起こす危険性がある患者かを、医師が診察して診断書を発行することになっています。これは専門家が「区別」を行っていると言えます。

    OKな患者とNGな患者を一括りにして同じ病名を付けるから、差別が生じるのです。

    全盲の人は運転できません。これは差別ではなく、必然でしょう。そういう人には、免許の代わりに障害者手帳が発行され、公共交通機関の運賃が免除されます。運転に適さないてんかん患者は障害者認定すれば良いと思います。

    そこで、てんかん症(仮称)とてんかん障害(仮称)に区別するのです。

    あえて意図的に「区別」することによって、「差別」が発生する余地を無くせるのではないでしょうか。

  • ドライブレコーダの映像などから、運転者は電柱に衝突するまで意識が
    あったのではないかとの見方も浮上しています。

    最後の2行は余分、または意図的な誘導になるのではないでしょうか。
    • 最初のタクシーへの衝突の際は、衝突後にバックして右に避けて追い越していますから、
      少なくともこの時点で意識があることは間違いないでしょうね。
      交差点から柱に激突するまでの間も車の脇をすり抜けるように走っていますし、
      精神状態はわかりませんが意識喪失状態であった可能性は低そう。
      容疑者の体内から抗てんかん薬成分が検出 [mainichi.jp]されたそうですし、
      祇園の件はてんかんの発作とは直接的な関係はないように見えますね…

      親コメント
  • 今回の要望書ではてんかん協会は医者によって「再発しない」とされたてんかん患者以外へ
    免許を発効することや不正取得者に対する厳罰化の要求を飲まないことは求めていません。

    彼らが求めているのは
    1.「てんかんという名称を使って規制をかけないでくれ」
    2.「てんかん患者に症状によっては運転できないという社会的責任があることをわかるように周知してくれ」
    3.「免許を取れない場合は交通手段とか身分証明書とかの面で不便を補填してくれ」
    です。

    2あたりはそれっててんかん協会の仕事じゃないの? と思えなくもないですが、
    基本的には運転させろとか厳罰化するなとかには言及してません。
    再発の恐れのあるてんかん患者が運転することのリスクと
    それを社会が受け入れないことは理解していると思います。

    彼らが危惧しているのは「てんかん」に対する風評被害です。
    実際問題として世間の人がみんな「てんかん」に対して正しい知識を
    持っているわけではないので「てんかん」という言葉が一人歩きして
    必要以上の不利益を被りかねない、いや既に受けていると言う話は理解できます。

    その一方で代表的な名称としてある問題に対して特定名称が使われることも良くある話なので、
    名称をごまかすことでうやむやにしようとしているととられるのも理解できます。

    「高リスク群」に対する対処を行うのは理解できるけど、それを「てんかんを規制しよう」と
    表現されるとちと当事者としては黙ってられないと。

    # 基本的には表現の問題なので、筒井康隆の時と同じく本質は言葉狩りだと思うんですよねぇ。
    # てんかん協会の広報不足じゃないの? と言う気がしないでもありません。

    # ああ言葉って難しい。

    --
    スルースキル:Lv2
    Keep It Simple, Stupid!
  • by Anonymous Coward on 2012年04月16日 12時21分 (#2136657)

    病名による差別をしないことと書いてあるけど、実際に差別(?)を無くした場合に対等の罰則が与えられるってこと?
    よく事件を起こした場合、その時の心理的状況などで判決がかわるのがあたりまえだけど、それと同じことで“てんかんだから”ということで刑罰が軽くなることは考えられる。
    でも被害者にとってはてんかんなど関係なく罰してもらいたいのに、加害者側がこのときは“てんかん”を理由に罰を軽減させようとする。
    都合がよすぎるのではないだろうか?

    そもそも、「病気で免許が取得できない人の生活の不便を補填する施策の推進を求めた。」って、差別にならないの?

    #なんか日本てんかん協会がいちばん差別を助長しているきがするのでAC

typodupeerror

コンピュータは旧約聖書の神に似ている、規則は多く、慈悲は無い -- Joseph Campbell

読み込み中...