パスワードを忘れた? アカウント作成
7438910 story
テクノロジー

透明な紙に印刷されるトランジスタ 39

ストーリー by hylom
平滑かつ透明な紙の別の需要もありそう 部門より
taraiok 曰く、

再生可能な材料で軽量かつ安価な電子デバイスの開発をするため、研究者たちは発明されてからほぼ2000年の歴史がある「紙」という技術に着目した。紙はカーボンナノチューブが含まれたインクなどが浸透しやすく印刷技術などが応用できることから生産性が高い。しかし、普通紙の表面は凹凸が激しく、正確に計算されたトランジスターを印刷するには適していないという。また、ディスプレイ用の電子機器を製造するためにも、プラスチックもしくはガラスのような透明度のある素材を必要としていたそうだ。そこで、Maryland大学の材料学者であるLiangbing Hu氏は、製紙用パルプを化学薬品で処理することにより、平滑かつ透明な紙を作り出すことに成功した(C&ENACS NANO本家/.)。

この紙は平均して直径10nmというサイズのセルロース繊維でできており、プラスチックと同等の平滑性を持つという。また約84%という透明度も実現しているとしている。Purdue大学の材料エンジニアのJeffrey Youngblood氏は、次のステップとしては、ロール・ツー・ロール方式のような効率的な生産技術を開発する必要があるだろうとしている。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2013年02月08日 8時24分 (#2321391)

    約84%という透明度も実現

    自動車のウインドシールドが、可視光線透過率70%以上が要件ですから、結構透明ですね・・・
    ほかの用途に使ってみたい・・・。紙袋とかパンツとか

    • by Cygfor (45993) on 2013年02月09日 1時08分 (#2322065)
      透明なパンツを穿いて、 「パンツをはいてるから恥ずかしくないもん」と やるんでしょうか
      親コメント
    • by Anonymous Coward
      トイレットペーパーとかどうでしょう。
    • by Anonymous Coward

      アミッドスクリーン、ポリッドスクリーンに続く、新たな透過スクリーン

      パルップスクリーン

    • by Anonymous Coward

      紙の柔軟さや伸縮性とプラスチックの透明度、光沢をもった素材とくればパイスーしかありえない
      ビニールのコスプレはシワができて密着してないし映り込みが歪んでるから萎えるしサテン地みたいなのはまともな映り込みが無い
      そもそもどっちも分厚いし密着度がそんなに無い

      直径3mmくらいの体の凹凸まで完全に吸い付く極薄テッカテカぱつんぱつんのパイスーはよ! 透明半透明不透明どれでもおいしいのれす

      # AC

  • by Anonymous Coward on 2013年02月08日 8時24分 (#2321390)

    表から見たらどう見ても普通の紙なのに、裏から見たらあら不思議!ってのが欲しいなぁぁぁぁ

    • by Anonymous Coward

      一方向だけから光を通すとか無茶言うな。
      #非線形使えば不可能では無いけどさ。

    • by Anonymous Coward

      マジックミラーのかわりにマジック障子?

    • by Anonymous Coward
      透明な神や髪なら.....
    • by Anonymous Coward

      20年ぐらい前のあぶなーずって漫画に紙製の雑誌の付録を組み立てるとパソコンになる
      ってのがあったけど、現実になっちゃうのかもなあ。

    • by Anonymous Coward

      マゾーンの様に燃える素子。
      段ボール紙や厚紙のケースとフレームと併せて、庭先の一斗缶で焼却処理が出来るPC。
      夢の様だ。

  • by Anonymous Coward on 2013年02月08日 8時25分 (#2321392)

    カニ殻から透明材料を作るという話を思い出した http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2011/111129_1.htm [kyoto-u.ac.jp]

  • by Anonymous Coward on 2013年02月08日 8時34分 (#2321394)

    DNPが日本最大の半導体メーカーになったりして

    • by Anonymous Coward
      DNSはもともと印刷屋さんだったのが、今や半導体・液晶製造装置が主力事業になってますね。
      • by Anonymous Coward on 2013年02月08日 10時30分 (#2321439)
        名前解決で不具合が起きているようですよ。
        親コメント
      • by Anonymous Coward on 2013年02月08日 10時37分 (#2321446)

        一応つっこんでおくと、
        「DNP」とは: 大日本印刷株式会社(DAI NIPPON PRINTING CO., LTD.)。
        「DNS」とは:【Domain Name Server】(ネームサーバ) - IT用語
        参考に大日本印刷株式会社 [dnp.co.jp]を見るとELディスプレイとか太陽電池とか作ってます。

        親コメント
        • by Anonymous Coward

          ここでのDNSは大日本スクリーン製造を指してるんだろうけどね

          • by Anonymous Coward
            大日本スクリーン製造は創業当時から機器メーカーです。

            >DNSはもともと印刷屋さんだった

            完全にゼロだったかどうかは知りませんが、「もともと印刷屋さんだった」はずいぶん事実と異なるような気がしますが。
            • by Anonymous Coward

              大日本スクリーン製造社史より

              > 1868 京都で石田旭山印刷所(大日本スクリーンの前身)創業

              19世紀は印刷屋さんだったそうですよ、社名は違うようですが
              あと、DNPとは何ら関係のない会社ですが

        • by Anonymous Coward

          そっちのDNSはDomain Name Systemです。

  • by Anonymous Coward on 2013年02月08日 8時49分 (#2321400)

    セロファン?

    • by phason (22006) <mail@molecularscience.jp> on 2013年02月08日 9時50分 (#2321423) 日記

      セロファンは一度完全に溶かしてそれをフィルム状にそのまま固めていますので,ほぼプラスチックのようなものです.今回の実験で使っているのはナノペーパーと呼ばれ,繊維状構造が存在します.
      例えばポリエチレンにも,包装材などに使われるフィルム(繊維状構造は無く,均一な固体)と,衣類などに使われる繊維があるのと同じようなものですね.

      今回の実験で使われているのはナノペーパーと呼ばれるもので,基本的には既知の材料となります.日本でも阪大だかどこだったかのグループが研究していた覚えが.
      どんなものかというと,繊維が非常に細い紙のようなものです.まず,セルロース(要するにポリマー)を化学的に処理してちょっとだけ親水化します.ここで思いっきり溶けやすくして完全に溶解&固体化させるとセロファンになっちゃうのですが,そこまではしません.で,この微妙に親水化した繊維をホモジナイザーにかけてバラすと,元の繊維よりかなり細くなった繊維が得られます.これを濾過して細い繊維だけを取りだし紙にするとナノペーパーのできあがり.

      繊維の直径が10 nm程度と波長より十分細いので光の散乱が少なく,そのため透明になりますし,繊維が細かいので非常に平滑な紙が得られます.
      一方,セロファン(完全な固体)と比べると繊維状構造が残っているので,穴だらけで溶液が染みこみやすかったり(今回のような印刷に向く),引っ張っても繊維状構造がうまい事伸び縮みして過重を分散する事で丈夫だったり(セロハンだと,1箇所が裂けるとそこから一気に断裂する),という感じで,セロハンと紙の特徴を併せ持ったようなものが得られます.

      前述の通りこの手のナノペーパー自体は既知なのですが,意外な事にそこにFET作った報告例が無かった,と.で,今回ナノペーパー上にFET作って,その特性を報告したよ,というもののようです.

      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2013年02月08日 16時21分 (#2321744)

        日本では、京大の矢野先生、東大の磯貝先生の手法が有名ですね。
        他にも高温高圧でセルロースを可溶化する手法もあったと思う。
        京大のは徹底的にリグニンやヘミセルロースを除いて、機械的にセルロースナノファイバーを取り出す手法。
        東大のはセルロースをTEMPOを触媒にして塩素系の酸化剤でセルロースナノファイバー(ミクロフィブリル)の表面にCOOH基を導入し、その静電作用で水に分散しやすくする手法です。

        ご指摘のように、セロファンのように分子鎖レベルで溶かしてから再生したものよりも、
        これらのセルロースナノファイバーは結晶性が高く、強度や熱膨張率など様々な特性が優れています。

        セルロースは天然の結晶系(セルロースI)でケブラー繊維なみの強度があります。
        現在は製造コストの高さからIT基板のような高付加価値品に目が向いていますが、
        製造法もかなり確立されて大量生産の目処が立ってきたらしいです。
        安くなって一般の工業品に使われるようになれば、環境面でも期待が持てる素材ですね。

        親コメント
      • by Anonymous Coward

        やっぱり、基本的にセロファンじゃないか。
        そもそも、セロファンは、材料こそ再生可能のセルロースだけれども、
        製造過程で多くの有害な化学物質を使うことで公害問題が深刻になり、現在あまり使われなくなったのだ!

        • by Anonymous Coward on 2013年02月08日 11時46分 (#2321486)

          いや、セロハンとナノペーパーを同じと言っちゃうと、普通の紙とセロファンも同じになっちゃうだろ……
          ナノペーパーは、構造的にはセロハンよりもかなり紙に近いんだぞ。
          (紙とナノペーパーの差は繊維の細さという量的な違いだけど、セロハンとナノペーパーはそもそも繊維構造が有るか無いかなので質的な違い)

          透明になってる理由もセロハンとナノペーパーだとだいぶ違うしなあ。
          セロハン:繊維構造なんて無く、均一な固体だから透明
          ナノペーパー:繊維構造はあるけど、波長より細いんで散乱と言うより回折による回り込みが効いてきてほぼ透明
          紙:繊維構造が太いので、回り込みより散乱が効いて白色。

          親コメント
          • トレーシングペーパーなどに使う硫酸紙の延長上にあるんですかね。"treating paper pulp with oxidizing chemicals"とあるし。
            トレーシングペーパーの規格 [wikipedia.org]上は、透過度79(±5)%というものもあるようです。

            そういえば昔、半透明紙にプリント基板用マスクを印刷して綴じこんでいたラジオ製作誌がありました。将来は、回路そのものが印刷された雑誌も出せますかね。:)

            親コメント
            • by Anonymous Coward on 2013年02月08日 13時22分 (#2321565)

              >トレーシングペーパーなどに使う硫酸紙の延長上にあるんですかね。

              トレーシングペーパーは、繊維を太らせて繊維と繊維の隙間を無くす事で散乱を減らし、透明度を上げています。繊維と繊維がくっついて固体に近くなるイメージ。

              一方今回の奴は、繊維と繊維の間の隙間は沢山あるんだけれども、繊維そのものが細くなりすぎて光が迂回できる状態なんで、ちょっと違うかも。

              親コメント
    • by Anonymous Coward

      そういえばそうだな・・・。

typodupeerror

開いた括弧は必ず閉じる -- あるプログラマー

読み込み中...