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法廷

民事訴訟法改正で実現可能になった「日本に支店を有していない海外企業」に対する訴訟、日本初の事案は対FC2 42

ストーリー by hylom
無法地帯はどうなるか 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

日本のネットユーザーに広く使われながら、日本支店を有していないFC2。そのため、同社のサービスを利用した著作権侵害やプライバシ侵害、名誉毀損と行った事案が発生しても、従来は国内で裁判を起こせなかった。しかし2012年に「日本で事業を展開しながら支店を有していない場合、国際管轄を認める」という規定が追加された改正民事訴訟法が施行され、このような企業に対し訴訟を起こしたり、裁判所が仮処分命令を出すことが可能になったそうだ。

このような事案の初めての例として、「ブログ投稿者の情報開示を求める仮処分命令」が下ったという(ITmedia)。今後、こういった海外企業に対する訴訟は増えていくかもしれない。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • えっと、マスコミを安易に信じてはいけません。

    日本に支店を有しない海外企業であっても、日本で訴えることはずっと前から可能でした。ただし、法令上明文の規定がなく、判例の積み重ねによって徐々にルールが形成されてきた、という状態だったのを、平成23年の民事訴訟法改正(施行は平成24年)で明文の規定を置くことにした、というものです。

    例えば、著作権侵害やプライバシ侵害、名誉毀損といった不法行為を理由として日本で損害賠償を請求する訴訟を提起する場合には、民事訴訟法3条の3第8号(「不法行為があった地が日本国内にあるとき(外国で行われた加害行為の結果が日本国内で発生した場合において、日本国内におけるその結果の発生が通常予見することのできないものであったときを除く。)。 」)を根拠として訴えることが考えられます。これは平成23年改正より前から判例上似たようなルールがありました。

    また、それ以外の場合でも、本件で根拠とされているように、日本において事業を行う者に対しては、民事訴訟法3条の3第5号「当該訴えがその者の日本における業務に関するものであるとき。」を根拠として訴えることが考えられます。この点は平成23年改正で導入された新しいルールですが、それまではできなかったかというと、ケースバイケースですが、十分認められ得るものだったと思います。

    なお、ITProの記事にあるのは、民事訴訟ではなく、その前段階の民事保全の例です。この場合も、上記のようなルールに基づいて日本で民事訴訟の提起が同じ件について可能な場合などには、日本で保全命令の申立てをすることが可能とされています(民事保全法11条)。これも、平成23年改正で明文化されたものです。

    ただし、日本で民事訴訟を提起し、あるいは保全命令を申し立てることが適切かどうかは、事例ごとに考える必要はあります。被告が日本に支店を持っていないと、送達にひどく時間がかかりますし(下手すると何ヶ月もとか)、また、たとえ勝訴判決を得たり、あるいは保全命令を得られたとしても、相手が日本の裁判所の判断に従ってくれるかどうかは、ケースバイケースだからです。特に、日本の判決や保全命令を外国で執行できるかどうかは、その国のルール次第なので、よく確認しておく必要があります。

  • by imunolion (39292) on 2013年02月21日 18時01分 (#2330045) 日記

    日本の法律で裁判管轄を日本に設定したとして,
    相手側が出廷や証拠提出を拒否した場合,
    それに対して捜査することがそもそも可能なんだろうか?
    相手側の国レベルで協力してもらわないと,
    あんまり意味がない気がするんだけど.

    • by monyonyo (43060) on 2013年02月21日 20時20分 (#2330139)

      えっと、大きな勘違いがあるようですが、別に被告が日本にいたとしても、出廷は強制できませんし、捜査をすることもできません。

      そもそも被告が出廷を拒否しても原告は何も困りません。被告が何も主張しなければ、証拠調べをしないまま欠席判決で原告が勝ちます(原告の言ってる内容が法的に間違ってなければですが。)。

      裁判所による証拠提出の命令を拒否した場合には、金銭的制裁が課されたり、裁判所に勝手に事実認定されるといった制裁は用意されており(実際にどれだけ機能しているかという問題はありますが)、これらの点は被告が日本にいようないまいが関係ありません。

      というわけで、判決を得るまでの道のりについていえば、①送達に時間がかかる点と②国際裁判管轄が論点になる、という点を除けば、被告が日本にいようが外国にいようがあまり関係ありません。

      なお、本件は判決ではなく保全命令なので、訴訟の場合とちょっといろいろと違うところはありますが、保全命令を得るまでの道のりについては①②を除けば相手が日本にいようが外国にいようがあまり関係ない点は同じです。

      むしろ、問題は、勝訴判決や保全命令を得たとしてもそれが実効性があるか、という点でして、これはケースバイケースです。本件では無事功を奏したようですね。

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      • by SAN0 (45971) on 2013年02月21日 21時37分 (#2330204)

        裁判所の管轄の話なので、法改正で変わったのは、門前払いされない範囲が明確になったってところなんですね。
        判決とか保全命令の有効性とは、直接関係ないと。

        管轄外だと訴えても裁判が始まらないとか、裁判所の管轄って結構重要なんですが、意識するのは契約書作成の時くらいですねえ。(決まり文句のように、東京地裁の管轄とするって書くだけですが)

        親コメント
        • by Anonymous Coward

          (決まり文句のように、東京地裁の管轄とするって書くだけですが)

          札幌地方裁判所って書く会社もありますね

          • by monyonyo (43060) on 2013年02月21日 22時48分 (#2330256)

            そりゃ、通常は自分の本社所在地にしようとします。その場合も、専属的にする場合(その裁判所しかダメ)と付加的にする場合(少なくともその裁判所はOK)の両方がありますけど。

            東京に本社がある会社同士だと東京地裁の専属管轄で通常は何の問題もないのですが、例えば国境を越える取引なんかだと、管轄をどうするのかってのは結構シビアな問題になります(準拠法はそっちにやるから管轄はこっちによこせ、なんて話もちらほら…)。

            親コメント
      • 裁判に出廷しなかったり、判決をシカトしても特に法的な問題にならないのはひろゆきが実証 [wikipedia.org]してますね。
        #差し押さえられたこともあったのか

        --
        ぽぇんぷしゅう。
        親コメント
    • by Anonymous Coward

      いまいち、従うべき根拠が分からない。
      非ネットの所在地に思考が引っ張られてるせいかもしれんが。

      • by Anonymous Coward

        同意。
        アメリカにある会社がなんで日本の裁判所なんかの判決を気にしなきゃいけないのか。

        • by SanPierre (37035) on 2013年02月21日 19時09分 (#2330097) 日記
          「日本をマトに商売してるなら日本の裁判所の判決を気にしろ」ってことだと思います。
          日本語での案内も無ければ日本向けの広告を出すことも受け付けることも無い、日本人が多数利用している実態も無い、完全に不特定の地域向けのサービスなら 民事訴訟法 [e-gov.go.jp]の

          (契約上の債務に関する訴え等の管轄権)
          第三条の三  次の各号に掲げる訴えは、それぞれ当該各号に定めるときは、日本の裁判所に提起することができる。
          五  日本において事業を行う者(日本において取引を継続してする外国会社(会社法 (平成十七年法律第八十六号)第二条第二号 に規定する外国会社をいう。)を含む。)に対する訴え
           当該訴えがその者の日本における業務に関するものであるとき。

          「日本における業務」にあたらないから管轄外になるんじゃないですかね。

          親コメント
          • by Anonymous Coward

            気にしろって言ったって、強制力がなきゃ意味がないでしょ
            って話をしてるんだと思うけど?

            • by SanPierre (37035) on 2013年02月21日 19時46分 (#2330117) 日記

              ああ、タレコミに書かれてないけど

              FC2側はすでに当該ブログの情報開示に応じている。

              強制力ないけどFC2が応じたので意味はありました。
              おわり。

              # いや、常にこうなる保障は全然無さそうですけどね

              親コメント
            • by Anonymous Coward on 2013年02月21日 21時15分 (#2330190)

              日本の場合、民事執行法24条,民事訴訟法118条により、
              海外の判決内容について、(一定の条件下で)日本の裁判所で執行判決を貰うことが可能です。

              FC2はアメリカの企業で、アメリカにも同様の規定がありますので、
              日本の判決を持って、アメリカの裁判所で執行判決を貰えば、強制執行等が可能です。

              相手が中国の場合、一定の条件を満たしてないので執行不可。
              韓国執行可能らしい。。

              親コメント
              • by monyonyo (43060) on 2013年02月21日 23時07分 (#2330265)

                米国の場合、州ごとにきちんと条文や裁判例を確認する必要があります。コロラド州については条文上明らかに日本の判決が承認されるのは無理だろうと言われていますが、条文を見ただけでは判断がつかない場合も多々あります。

                なお、日本の場合、外国の保全命令は承認しておらず(民訴法118条柱書の「確定判決」に該当しないので)、したがって日本で外国の保全命令を執行することはできない、と一般に考えられています。米国各州を含め他の国・地域でも同様の可能性は十分にあります。

                とはいえ、そもそも米国の会社だからといって必ずしも米国で執行できなければならないわけではありません。例えば日本に財産がある場合には日本で間接強制(従わないなら金払えというやり方)をするという選択肢もあります。

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              • by Anonymous Coward

                保全命令が確定判決でないというのは理解できるのですが、
                判決確定後の強制執行であれば、話は別ですよね。

                そっか、アメリカは州ごとの扱いが違うのですか。
                FC2があるのはネバダ州ですが、向井夫妻の判例を見るに、
                相互保証は認められていると考えても良さそうです。

              • by monyonyo (43060) on 2013年02月22日 19時47分 (#2330902)

                保全命令に言及したのは、本件が保全命令だったためです。説明が不足しており、失礼しました。

                日本の保全命令については、(日本と同様に)確定判決でないことを理由に承認されないことも想定されますし、仮にその点をクリアできたとしても、(日本では外国の保全命令を承認しないことから)相互の保証がないことを理由に承認してもらえないことも考えられます(ただし、米国では相互の保証を要件としていない州もわりとあるようです。)。

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        • by Anonymous Coward on 2013年02月21日 18時46分 (#2330083)

          裁判に欠席すると訴えた側の100%勝ちになるんじゃなかったっけ?
          その判決に基づいて国内の金融機関にある口座なんかは差し押さえ出来るんじゃない?

          親コメント
          • by Anonymous Coward

            あ、なに、日本の銀行に口座持ってるんだ。
            ダメじゃん。

      • by Anonymous Coward

        グーグルスレみたいにクレカ決済が停止するかも
        カリビアンとかはほら、刑事なんで

      • by Anonymous Coward

        >日本で事業を展開

        日本語でサービス展開=
        日本人を対象としたサービス=日本で事業を展開

        ってロジックなのかな?

        • by Anonymous Coward

          日本語で展開しているから「日本国」の日本人であるとは限らんと思うけど。

          #規約にそう書いとけばいいのか?

    • by Anonymous Coward

      拒否したらISPレベルで遮断の流れでもあるんですかね
      アクセスそのものか資金源を断てない限り、効果無さそうですよね

      • by Anonymous Coward

        >拒否したらISPレベルで遮断の流れでもあるんですかね

        日本のISPに対して遮断するよう裁判所が命令するの?日本のISPはとばっちりだね。

        • by Anonymous Coward

          命令はできないと思うけど、違法サイトだと裁判所が認定すれば、
          ISPはそれを根拠として、児ポサイトを遮断しているのと同じように
          自発的にサイトを遮断するんじゃないかな。

          あれはDNSを使った手法だから、IPアドレス直打には効果ないけど。

      • by Anonymous Coward
        利用者の同意無しの遮断は出来ない。通信の秘密の侵害になるから。DNSのブラックリストは手段の一つかも知れないけど、ISPローカル内からしか接続できないDNS鯖用意しないといけない。やっぱり利用者の同意が前提でDNS鯖指定変えられたら効果無い。あくまで自発的なISPの協力で、DNS鯖が重くなるのでISPはやりたがらないだろうな。
    • by Anonymous Coward

      > FC2に発信者情報開示を行わせることができました。

      今回の改正は日本で裁判ができるというだけで、日本支店のない米国企業をなんでも法定に引き出せるってことじゃない。

      でもFC2が開示に応じたってことは、こじらせたら困ると思った事情があるわけでしょ。

  • 僕の (スコア:2, 興味深い)

    by Anonymous Coward on 2013年02月21日 18時34分 (#2330072)
    一本道やTokyo Hotはどうなるの?
  • 参照リンク (スコア:2, 参考になる)

    by Anonymous Coward on 2013年02月21日 19時16分 (#2330105)
    仮処分を申請した弁護士事務所のHP:http://minatokokusai.jp/
    そこのスタッフによるブログでの解説:http://minatokokusai.jp/blog/3566/
  • 改正民事訴訟法とは違う話になってしまうんだけど、FC2のサービスって明らかに株式会社ホームページシステム( http://homepagesystem.jp/ [homepagesystem.jp] )が運営してるんだから、情報開示なんてここに求めればいいと思うんだけど、訴える側はなぜそうしないんだろ?

    FC2がアメリカの会社だとかいうのは、確かに利用規約( http://help.fc2.com/common/tos/ja [fc2.com] )には
    > 仲裁を経て解決されない紛争やクレームは裁判にて解決されるものとし、その場合、米国ネバダ州地方裁判所を第一審の専属管轄裁判所とします。
    なんて書いているけど、この利用規約って登録ユーザーとFC2との間の規約であって、情報開示を求めるような事案の第三者は別に同意してるわけでもなんでもないはず

  • by Anonymous Coward on 2013年02月21日 18時33分 (#2330071)

    映画関係?アニメ関係?

  • by Anonymous Coward on 2013年02月22日 5時42分 (#2330377)

    関連ストーリーにちゃんとあった

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