ロシアの科学衛星BLITS、中国の衛星破壊実験によるデブリと衝突 41
ストーリー by hylom
デブリがデブリを生む 部門より
デブリがデブリを生む 部門より
KAMEDA,Tsukasa 曰く、
アナリティクカル・グラフィックス社(AGI)の研究部門CSSIのblogによれば、2009年に打ち上げられたロシアの小型衛星BLITS(Ball Lens In The Space)が中国の風雲1号C(FY-1C)由来のデブリと衝突したようだ(CNNの記事)。
ご存じの通り、1999年に打ち上がられたFY-1Cは2007年1月に行われた衛星破壊実験により破壊され、約3000個のデブリを発生させている。今年1月22日7時57分(UTC)頃にBLITSの軌道と姿勢に変化が生じ、試算の結果FY-1Cによるデブリの一つが同日3時8分に接近してたことが判明し、またこの時期に接近した物体はこれだけであることから、BLITSの軌道と姿勢の変化はこのデブリによるものと結論づけている。
BLITSはGLONASSやGallileo衛星に搭載されているリフレクタなどを製造する公開株式会社「科学生産企業・精密機器システム」(ОАО НПК СПП)により製造された7.5kg、直系170mmの小型科学衛星で、地球科学等の研究のためのSLRデータの修得や、ルネベルグレンズの原理による逆反射体を搭載した衛星コンセプトの実証のための衛星であり、測定エラーは0.1mm以下らしい。また、衝突により新たなデブリが生じた模様。
関連ストーリー (スコア:4, 参考になる)
中国が弾道ミサイルによる人工衛星の破壊実験に成功 [srad.jp]
この実験で発生したデブリと衝突したものと推測されています。
実際問題として (スコア:2)
ロシア「おめーんとこのゴミでぶっ壊れたんだから弁償しろ」
中国「そんなとこにいた衛星が悪い」
みたいなことが繰り広げられるんだろうか。
# 宇宙空間ってこういう事故に関する取り決めってあるんですかね。
Re:実際問題として (スコア:5, 参考になる)
宇宙物体により引き起こされる損害についての国際責任に関する条約 [www.jaxa.jp]があり、
人工衛星などの物体によって何らかの損害を引き起こした場合、打ち上げ国は無限の無過失責任を負うことになっています。
I'm out of my mind, but feel free to leave a comment.
Re:実際問題として (スコア:1)
何条ですかね?
それっぽいところだけ読んでみましたが、
「地表において引き起こした損害、又は飛行中の航空機に与えた損害」
に対してのみ無過失責任を負うように読めました。
第2条です。
「飛行中の航空機」に衛星も含まれる?
Re: (スコア:0)
人工衛星は弾道飛行中でしょう。
速度が十分だから落ちてこないだけで。
Re: (スコア:0)
なので第2条の対象外っぽいですよね。
となると考えられるのは第3条ですが、
>第3条
>損害が、一の打上げ国の宇宙物体又はその宇宙物体内の
>人若しくは財産に対して他の打上げ国の宇宙物体により地
>表以外の場所において引き起こされた場合には、当該他の
>打上げ国は、その損害が自国の過失又は自国が責任を負う
>べき者の過失によるものであるときに限り責任を負う。
今回のって過失なんですかね。
Re: (スコア:0)
飛行中と書いたつもりなんですが、どこから「なので」と繋がるんでしょう?
Re: (スコア:0)
あ、失礼。
航空機と弾道飛行が結びつかなくて早とちりしました。
ということは人工衛星も航空機扱いなのか。不思議。
Re:実際問題として (スコア:5, 参考になる)
>ということは人工衛星も航空機扱いなのか
違います.
この条約,打ち上げたものが落ちてきて地上だの航空機に損害を与えた際は無過失責任を問うんですが(第2条),宇宙で他の衛星などに損害を与えた場合に関しては過失責任を負うにとどまります(第3条).
http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/refer/200803_686/068604.pdf [ndl.go.jp]
http://www.nedo.go.jp/content/100106587.pdf [nedo.go.jp]
http://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumbe... [sangiin.go.jp]
最初のリンク先にありますが,このようになっている背景としては、
・宇宙開発は元々非常に危険なものであり,危険なものにわざわざ手を出して他人に損害を与えるという行為を重く見ていること(ゆえに無過失責任を問う).
・その一方で,宇宙開発を行うもの同士の関係は対等なので,そこまで被害者を優遇する必要は無いと考えられた事(ゆえに,無過失での責任までは問わない).
というものだそうで.まあ一理あるっちゃあありますね.
その一方で,無限責任にしておきながら強制的な裁定の手段が無い(無限責任ではあっても,損害額の算出で合意が出来なければ支払額が決まらないし,さらに強制的に取り立てる手立ても無い)とかいろいろ運用上は問題点もあって面倒なんですよね.
Re: (スコア:0)
ただ、今回のFY-1Cのように、意図的に破壊して生じたデブリとなると、過失があるのではないでしょうか?
これが事故を防止するため、やむを得ず指令破壊したとかなら無過失としても良いですが。
もちろん、国際的なコンセンサスを得た上で。
Re: (スコア:0)
まあ原則的な判断としてはそうなる(ある程度の過失があるという事になる)と思うよ。
その一方で、このデブリで今後でかい被害が生じて損害賠償がどうとかいう話になると、「過失だろ」「いやそこまでは予期できないからそうじゃ無い」とか七面倒くさい議論を繰り返す事になるんだろうけど。
Re: (スコア:0)
被害国は加害国に対し、加重的損害賠償金額を算定した上で、加害国からの輸入品他に際して関税的な加重的損害賠償金額を被せていく、産業保護政策が使えますね。
無論本件は、弁償であって関税ではないので、関税を扱う各種国際法及び国際法廷(WTO他)の判決を無視する名目になります。
Re: (スコア:0)
そうすると、今後、当たり屋ならぬ、当たられ屋が増えたりするのかな
Re: (スコア:0)
87か国が批准していて、その中には中露はもちろんイランも入っている。でも、当然というかなんというか、北朝鮮は加盟していないんだよね。
Re: (スコア:0)
北朝鮮が加盟したら、軟着陸の店じまいモードでしょう。
国際ルールからはぐれて「なんでもやっちゃうかもよ?」ポジションで生き延びてるんだから
加盟するわけが無いw
Re: (スコア:0)
今回のは衛星破壊実験をした中国に非があると言いたいけども、
しかしそれでもこの条約では、他国の宇宙物体を故意に破壊した場合の賠償規定はないように思うんだけど。
つまりやったもん勝ち。
まあそもそも米ソ(懐かしい表現だ)が先にやらかそうとしてたんだから、禁止規定があろうはずもない。
Re: (スコア:0)
中国「そっちの衛星が当たってきて我々の衛星(の破片)を破壊したから弁償しろ」
実際、衛星同士の軌道が交差してぶつかった場合の過失割合はどうなるんだろう。
Re:実際問題として (スコア:1)
自動車事故みたいに保険会社の人が現地に行って確認して決めるんじゃないかな
Re: (スコア:0)
中国「俺のとこのゴミじゃねえよ、証拠は?」
(ロシアを中国、中国を日本と置き換えて考えてみたら、こんな感じでない?)
Re:実際問題として (スコア:1)
>中国「俺のとこのゴミじゃねえよ、証拠は?」
似たようなことを言ってますね。
http://news.xinhuanet.com/2013-03/11/c_124442557.htm [xinhuanet.com]
アメリカがそう言ってるだけアル!
ロシアもアメリカの報道を使ってるけど、隕石かもしんないし、アメリカが一番、
宇宙のゴミを出してる中国は少ないアルヨ!!
過去にはアメリカとロシアの軍事衛星がぶつかっていっぱいデブリ出してるアルヨ!1万年残るのコトヨ!ぷんぷんアル!
的な話が延々と書かれてます。
Re: (スコア:0)
こちらはデブリを監視し続けてきたデータがある。
お前たちの出したゴミじゃないと言うデータはあるのか?
自分の出したゴミなんだからちゃんと監視してただろ?
それともそんな技術もないくせにゴミをばらまいたのか?
と言うような返事がくるんじゃないでしょうか?
Re: (スコア:0)
できたら、
中国→中国
ロシア→日本
にしてほしいな。
その置き換えだと、日本が中国に向かってゴミ撒いてることになる。
Re: (スコア:0)
国のキャスティングによってはそういう水掛け論にもなりえるよ、という置き換えじゃないの?
Re: (スコア:0)
> 中国「俺のとこのゴミじゃねえよ、証拠は?」
ネタとかでなくこの対応なのでは?
中国は確実な証拠が無い場合、自分から認めたりは絶対しない。
そして、確実な証拠があった場合でも、やっぱり認めない。
相対性理論 (スコア:0)
どっちがぶつかったかじゃないだろ?相対的に衝突したんだから、喧嘩両成敗だ。
# それ日本の諺じゃね?
よし (スコア:0)
デブリ科を作ろう
#最近プラネテスを見たので
Re: (スコア:0)
これがケスラーシンドロームの始まりになろうとは知る由も無かった・・
Re: (スコア:0)
いまだに分からん
めっちゃ微細なデブリだらけになって、結果的にガス状になって無害化したりしないのかね?
Re: (スコア:0)
数十年かけてゆっくりと進行する現象なので、これでもかなり速く進んでる予想ですよ。
で、数百年単位で続きます。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
> ケスラーシンドロームが指数関数的に進んでしまわないのはなんでなの?
絶対的な密度が足りないから、かな。デブリは緩やかに拡散しながら全軌道に散らばるわけだけど、全軌道ったって、たとえば月までいくようなエネルギーを得るにはそれこそ天文学的な回数の(幸運な)衝突を繰り返さないといけない。つまり、ほどんどのデブリはボルツマン的な意味では一定の軌道におさまっていて、だけども、それは元の衛星のサイズに比べるとはるかに大きな「体積」であるわけだ。この体積はまともな衛星の軌道にとっては大きすぎるけれど、ほかのデブリの軌道にとっては小さすぎる。だって、デブリ自体の衝突断面は小さいから。
デブリが一つも存在せずに、数多の衛星がギュンギュン周っている状態をエントロピーゼロだとすると、(新たに衛星を増やさなければ)、最初のデブリが出た時点で、全空間のエントロピーが上がり切ってしまう熱的な死がいつかは訪れることが約束されている。でも、指数関数的には進まないだろうね。
Re: (スコア:0)
>指数関数的に進んでしまわないのはなんでなの?
時定数が非常に大きいので人間からすると進みがゆっくりに見えるだけで、今まさに指数関数的に進んでいる最中です。
>めっちゃ微細なデブリだらけになって
まあ最終的にはそうなるんですが、とんでもない時間がかかります。
#10年100年とかでは無く、もっと桁違いに長い。
Re: (スコア:0)
惑星誕生の歴史のようにデブリが成長する可能性は無いのだろうか。エネルギーが足りなくて融けないのかな?
Re: (スコア:0)
むしろ衛星軌道掃射砲で一掃しちまおうよ
#エネルギー源の為に全世界でヤシマ作戦
文体の統一を (スコア:0)
>ご存じの通り、1999年に打ち上がられたFY-1Cは2007年1月に行われた衛星破壊実験により破壊され、約3000個のデブリを発生させている。
↓
ご存じの通り、1999年に打ち上がられたFY-1Cは(中略)約3000個のデブリを発生させておられる。
何がやりたいのかわからんw (スコア:0)
1999年に打ち上げられたFY-1Cは2007年1月に行われた衛星破壊実験により破壊され、約3000個のデブリとなった。
Re: (スコア:0)
元コメは、そんな直球じゃつまらないからちょっと変化球で指摘してみただけだろ。
#面白いと感じるかは人それぞれだけど、俺はちょっと面白いと思った。
Typo (スコア:0)
直系170mmって…
ご先祖様でも居たのかしら?
成層圏に浮かぶ気球などが復活するようになるのだろうか? (スコア:0)
手軽に人工衛星を打ち上げられるようになって、
成層圏の利用の話をあまり聞かなくなっていたけど、
デブリが原因で、復活するのだろうか?
デブリデブリと (スコア:0)
肥満体に対する差別がこれほどまでとは大変残念だ
Re:デブリデブリと (スコア:1)
それ(『動物のお医者さん』にゲスト登場した海獣)はデブリン。一文字違いです。