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「取材」なら不正アクセスも許される? PC遠隔操作事件絡みで不正アクセスした複数の記者、書類送検へ 166

ストーリー by hylom
皆で朝日新聞と共同通信に「取材」でもしましょうか 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

先日、「共同通信記者が「真犯人に近づくため」不正アクセスを行っていた」という話題があったが、共同通信だけでなく朝日新聞の記者も同様にメールサーバーに侵入していたという。これを受けて警視庁は複数記者を不正アクセス禁止法違反容疑で書類送検する方針を固めたそうだ(毎日新聞時事通信)。

いっぽう、朝日新聞側は「不正アクセス禁止違反の犯罪は成立しないことが明らか」と主張。その根拠として、「犯行声明メール内にパスワードが記載されていた」としたほか、「取材は正当な業務行為」「正当な取材として行った行為は犯罪の構成要件に該当しても処罰されない」と述べている。また、共同通信側も「事件の真相に迫るための取材行為だった」として許されるべきと考えているようだ。

どちらも端的に言えば「取材ならば何をやってもOK」と言っているようなものだが、さて警察側や世の中の判断は如何に。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2013年06月25日 18時33分 (#2408203)

    どうやってloginできたか、の経緯。
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%82%BD%E3%82%B3%E3%83%B3%E9%8... [wikipedia.org]

    私は朝日新聞主幹のアカウントのパスワードと同じっぽいから
    試してみた。
    私は個人ニュースサイトをやっており、これは正当な取材である!
    って言ってるのと同じかな。
    #やってませんよ、念のため。

  • by FTNS (17738) on 2013年06月25日 19時52分 (#2408274)

    不正アクセス行為の禁止等に関する法律 [e-gov.go.jp]
    第二条 より引用
    ---
    4  この法律において「不正アクセス行為」とは、次の各号のいずれかに該当する行為をいう。
    一  アクセス制御機能を有する特定電子計算機に電気通信回線を通じて当該アクセス制御機能に係る他人の識別符号を入力して当該特定電子計算機を作動させ、当該アクセス制御機能により制限されている特定利用をし得る状態にさせる行為(当該アクセス制御機能を付加したアクセス管理者がするもの及び当該アクセス管理者又は当該識別符号に係る利用権者の承諾を得てするものを除く。)
    ---

    朝日の言い分
    【1】「不正アクセス禁止法」違反罪の構成要件に該当しない は成立しない。

    当該メールアカウントを使用した犯行声明メールからパスワードを入手したから、「当該識別符号に係る利用権者の承諾を得た」と言いたいようですが、そのメールを送ってきた本人が正当なメールアカウントの利用者である保証がない上に、この事件の性質上乗っ取ったアカウントである可能性が十分予想される以上、「利用賢者の承諾を得た」と推定するのは根拠薄弱。よって第2条4の不正アクセスを行ったと認められる。

    【2】報道機関として必要な取材であり、正当な業務行為

    第三者が犯人になりすまして送った形跡はないかなどを確認するために行った、正当な取材行為だと主張しているが、他人のメールボックスを覗くことでどうやってなりすまし行為などを見ぬくのか?本件の真犯人は非常に巧妙であり、素人がメールボックスを見た程度でわかるはずもなく、かえって犯人に誘導される恐れがある。よって必要な取材とは到底みなせず、単にスクープを狙った商業行為に過ぎない可能性が高い。

    ....と考えますが、諸兄のご意見を頂きたく。

    --
    --- de FTNS.
    • by ma_kon2 (9679) on 2013年06月25日 20時33分 (#2408317) 日記
      1は無理ですよね。
      だいたい,IDとPASSがセットで送られてきたわけでもなく,
      ブルートフォースというか同じPASS使い回してるかも?
      といういわゆるソーシャルハッキング的な類推によって
      アクセスを可能にしてるんだから,
      不正アクセス行為をしたとしかいいようがない。
      コレには善悪関係ないですし。

      だから2に頼らざるを得なくなる。
      2は主観の問題だから,最悪,判決出るまで主張できるからね。
      親コメント
    • by FTNS (17738) on 2013年06月25日 19時58分 (#2408280)

      朝日の言い分
      【1】「不正アクセス禁止法....該当しない は成立しない

      「利用賢者の承諾を得た」→「利用権者の承諾を得た」

      --
      --- de FTNS.
      親コメント
  • 「毎日の報道の第一印象だけで」日記を書き,そのあと2chを見,朝日の見解を一通り見た感じ,

    「取材なら不正は許される」

    というのが朝日の見解のようですな。

    刑法 第35条
    法令又は正当な業務による行為は、罰しない。

    まあ不正アクセスの件ではなく,すべてこれで逃げてしまおうとの魂胆のようです。
    ボクシングで人を殴っても罪にならないように,マスコミが不正アクセスをしても罪ならないと。

    これを持ち出すこと自体,不正アクセスを認めているようなもんですが。

    あと,この35条を持ち出す際に「西山記者事件」を持ち出しているのですがね,
    これは何ですかね,ギャグなんですかね。

    いろいろ,公平に見た上で判断したいな,と日記をしたためていましたが,これで全て台無しです。
    やっぱり朝日はテロリストなんだと思います。
    • 「確信犯」という言葉をどういう意味で使っているのかよくわかりませんが、そこは放っておきます。

      朝日新聞記者の行ったアクセスが (1) 不正アクセスであるかどうかと (2) 正当な取材であるかどうか、についてはいろいろな意見があると思うので、そこを批判するならともかく、そこについては何も批判しないで正当行為 (刑法第 35 条) を持ち出すことを批判するのは、的外れです。取材活動のつもりの行為が事件として捜査されている状況で正当行為を持ち出すのは当たり前でしょう。

      朝日新聞見解のうち、

      刑法第35条は「法令または正当な業務による行為は、罰しない」と定めています。

      報道機関の記者が正当な取材として行った行為は、仮に犯罪の構成要件に該当するとしても、正当な業務行為として違法性を欠き、処罰されないことは判例でも明確に示されています(いわゆる『西山記者事件』での最高裁1978年5月31日決定をご参照下さい)。

      という部分は事実です。これが事実でないと思うなら、単に知識不足というか、事実を調べる能力が不足しています。

      西山事件の最高裁判決では、正当な取材活動は犯罪の構成要件に該当しても正当行為に該当し違法性を欠くと判じた上で、西山事件の被告人である新聞記者が行った行為は正当な取材活動の範囲を逸脱しているとして有罪としています。これで「西山事件を持ち出すのはギャグか」などと言ってしまうのは、「西山事件では記者が有罪になった」としか理解していないからでしょうか。

      親コメント
      • http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E5%B1%B1%E4%BA%8B%E4%BB%B6 [wikipedia.org]

        「第3次佐藤内閣当時、米リチャード・ニクソン政権との沖縄返還協定に際し、
        公式発表では米国が支払うことになっていた地権者に対する土地原状回復費400万ドルを、
        実際には日本政府が肩代わりして米国に支払うという密約をしているとの情報をつかみ、
        毎日新聞社政治部の西山が日本社会党議員に漏洩した。

        「今回の事件と全然違うじゃん」ってことじゃね?

        どちらかというと「尖閣ビデオ流出事件」に近いと思うなー

        親コメント
        • レベル的には,
          「他人の家に不法侵入したけど取材で正当な業務行為なので罪にならなないだろう」
          「ポストに入っている手紙を勝手に開けてみたけど取材で正当な業務行為なので罪にならなないだろう」
          「信号無視したけど取材で正当な業務行為なので罪にならなないだろう」
          「殺人現場で現場荒らしちゃったけど取材で正当な業務行為なので罪にならなないだろう」
          という話なので,
          けちな不正アクセスの論拠として西山事件持ち出すことに,
          マスコミ人として恥ずかしく思わないんでしょうかね。
          当時のマスコミを体現したような西山氏にも失礼でしょう,ということです。

          西山事件は多層に積み重ねられたスキャンダルです。
          確かに西山氏は罪になりましたが,
          国家機密の漏洩,という重いテーマが根底にあります。
          あと,得た情報をまっさきに報道に使うのではなく,
          国会で使わせたり,情報提供者の匿名をしきれなかったりと
          刑法35条やら報道の自由やら,裁判の中でもいろんなものが多層に渡って展開されています。

          ですから,そもそも西山事件を持って
          「仮に犯罪の構成要件に該当するとしても、正当な業務行為として違法性を欠き、処罰されない」
          と論を貼るのは,ナンセンスです。だって「正当な業務行為」の基準が定まってないもの。
          西山事件はのコレは刑法35条の条件にマスコミも含まれますね,と追認した判決に過ぎません。

          まあ,西山事件を持ち出したのはその後「毎日新聞社は倒産」する羽目になったので,そこらが頭をよぎったのかな。
          いや,他にもやりたい放題やってるからさ,この程度屁でもないだろうに。
          適当に謝罪して,適当に書類送検してもらって,適当に不起訴になるだけの話なのに。
          昔からマスコミってそんなもんでしょうに。
          親コメント
        • 朝日新聞記者のアクセス行為が正当な取材であるかどうかについては、西山事件とは行為の内容が違うので新たに考える必要があり、その点については僕は議論の余地があると明記しています。でも、 ma_kon2 さんの #2408259 での論点は、「朝日新聞記者のアクセス行為が正当な取材であるかどうか」ではありません。

          それと、当然ながら朝日新聞は「今回のアクセス行為は西山事件の被告人である記者の行為と似ている」などとは主張していません。西山事件では被告人は有罪になったのですからね。

          親コメント
  • 朝日の人も容疑者リストに入っちゃうことになるんじゃないの?

  • 「行った」時点で、それが証拠であり犯罪(現行犯)なんだということが分かってないんでしょうね。
    週刊誌のノリでサーバーに侵入(エンマ)されてたまるかってんだ。

    #というか、この理屈を利用すればひどいアドウェアやスパイウェアでも正当化できるって理解しているんだろうか?

  • このアカウントが「当該識別符号の利用権者」だったという保証が無いのに,このいい訳は成り立たない。

    #それに,真犯人ですと言って,漏洩している適当なアカウントとパスワードを伝えられたらどうなるか想像してみればいい。

  • 「当該メールサーバにアクセスしたのは容疑者だけです。あとは一部報道機関がアクセスしましたが、取材行為だという裏はとってあります。不正アクセスにあたるので、適切に処置済みです。それ以外、アクセスした人はいません」

    • by Anonymous Coward on 2013年06月25日 20時53分 (#2408327)

      つい最近知りましたが、
      「送検」には、「警察が捜査したものが(ある程度)終わった」、ということ以上の意味はありません。
      捜査したら、必ず送致しなければいけないのです。

      http://bylines.news.yahoo.co.jp/yanaihitofumi/20130623-00025898/ [yahoo.co.jp]
      >(引用中、「佐藤」は佐藤博史弁護士、「木谷」は木谷明弁護士。敬称略)。

      佐藤「捜査を遂げた場合は、警察はかならず検察官に送致しなければならないんですよ」
      記者「あ…」
      佐藤「それで検察官が起訴・不起訴を決めるので。一般的には書類送検っていうのは逮捕・勾留ができない事件ですよ。だからメッセージとしては、その事件については検察官が不起訴処分で終わってもらっても構いませんっていうメッセージだと、我々理解しているわけです。…(略)…」

      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2013年06月25日 20時29分 (#2408311)

    ここでも「じゃあ自分も新聞社を立ち上げたら~」みたいな内容を書かれてる方もいますが。
    どうもネット上の「マスコミ」論を見ると、マスコミという物を特別視し過ぎて、マスコミを攻撃する事が
    自分たちの首を絞めてる事にすら気付いてない論調が多すぎるように感じます。
    何か特別な「マスコミ」と言う物があって、それが特権とやらを持っているのではありません。
    表現の自由として、特別な権利が保障されてるのです。
    そこをはき違えて、マスコミを攻撃してるつもりで自らの口を削ぎ落とす様な事にならないか、
    この一連の話題を読んでいると感じてしまいます。

    • > 表現の自由として、特別な権利が保障されてるのです。

      ココ、ちょっと違和感を感じますね。

      自然人であろうと、法人であろうと、憲法21条1項に定める「表現の自由」は等しく保障されます。報道機関であることを根拠に、自然人や報道機関以外の法人に優越することはありません。

      報道機関の場合「知る権利」や「アクセス権」の実現に資する公益性はありますが、それを理由として不正アクセス行為の禁止等に関する法律3条が適用されないという判例・学説は寡聞にして知りません。

      ましてや、高度な公益性を求められるからこそ外務省機密漏洩事件(最決昭和63年5月31日)において「報道機関といえども、取材に関し他人の権利・自由を不当に侵害することのできる特権を有するものではないことはいうまでもなく」と判示されているわけです。

      # この事件は他人の権利を侵害したことを争点としていますが、
      # 報道機関に何らかの優越的地位が認められるものではないことを明らかにしています。

      また、教科書的な記述になりますが、犯罪の定義とは
      1 構成要件に該当する
      2 違法かつ
      3 有責な行為
      です。

      職務上、記者が知り得たID/PWを用いて他者のメールサーバにログインしてメールを読み出す行為は、そもそもPWが不正アクセス禁止法2条2項1号にいう「当該アクセス管理者によってその内容をみだりに第三者に知らせてはならないものとされている符号」であり、記者がPWの意義を知っていたならば、その機密性及びそこから派生する重要性は当然に推知できるものです。

      従って、職務上他人のID/PWを知ったとしても、当該サーバへのアクセスは特段の慎重さをもってあたらねばならないのは論を俟たないところと考えます。

      本件記者が単にID/PWを記載したメールを受信したことにより「当該アクセス管理者又は当該識別符号に係る利用権者の承諾を得てするものを除く」とした同法2条4項1号の「承諾」と解するのは、到底考えられません。

      従って、構成要件該当性がないと断ずることは難しいと考えます。

      # 田中一郎という名札がついた家の鍵を拾い、
      # 目の前にある「田中一郎」という表札が掲出された
      # 家の鍵を開けるのが正当かどうか。

      また、違法性阻却事由についても正当行為であると主張していますが、そもそも構成要件該当性がないのであれば、正当行為を主張する理由がなくなり、自ら前段階の構成要件該当性を充足することを認めているのと同義になります。

      報道機関の故をもって特別の地位を有するものでないことは前述の最高裁決定の通りであり、何らの注意を払うことなく漫然と記載のID/PWでログインを試みる行為を正当行為と評価できるか、疑問が残るところです。

      # 三行でまとめられない…。
      # しかもオフトピ気味だし。
      # よく考えて、ブログネタにでもしよう。
      --
      死して屍、拾う者なし。
      親コメント
  • 法律なんてのは解釈しだいであって、究極的には道徳的判断が重要。
    法文を持ち出すのは良いけど、そこんとこ忘れるのが一番不味いよ。
    知る権利なんて特にデリケートな領域だしね。

    • デリケートな領域だからこそある程度、法律の判断を機械的に適用しないと不味い気がしますが。
      「何をするのは問題ない行動で、何をするのが違法なのか」が不明確になったら法治国家なんて名乗れません。

      道徳的判断と言ってしまうと、たとえば「自動車が道路の右側を走った」とか、道徳では全く問題ないことになってしまいます。
      何しろ、左側通行が正しい、というのは日本の道路交通法ありきの概念ですから。
      だから「法律より道徳」なんて言っちゃうと、では右側通行をして事故を起こしても道徳的に問題ないのか?って話になっちゃうんです。

      もっと極論すれば、道徳なんて人によって解釈や理解にブレがありますから、「なんで人を殺しちゃいけないの?」も道徳だけで答えるのは非常に困難です。

      #法律が世間一般の道徳とかけ離れている、というのであれば、法律を改正するよう運動するのが筋であって、法律をないがしろにして道徳を優先する、というのは法治国家の理念に反するんです。

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私は悩みをリストアップし始めたが、そのあまりの長さにいやけがさし、何も考えないことにした。-- Robert C. Pike

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