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テクノロジー

東芝が水晶並みの精度を持つシリコン半導体発振器を開発 37

ストーリー by hylom
小型化へ 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

東芝が水晶発振器並の精度を持つというシリコン半導体発振器を開発した(プレスリリース日刊工業新聞)。

「CMOS発振器の発振周波数の温度特性を高精度に校正する技術」を開発し、これによって校正を行うことで、±100ppm(0.01%)以下という水晶発振器に迫る精度のCMOS発振器を実現できたという。具体的には、チップ内にヒータと温度計が搭載されており、チップ温度を変更しながら発信周波数を計測して校正を行うという。

さらに、水晶発振器の出力周波数は固定だったが、このCMOS発振器は2MHz~40MHzの間で40Hz刻みで出力周波数を設定できるという。製品化は2~3年後を目指しており、従来の水晶発振器の3分の1サイズを目指すほか、システムLSIへの内蔵も進めるという。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2014年06月13日 13時16分 (#2620494)

    水晶発振器で同じようにヒータと温度計使って校正しながら使うようにすればもっと精度が上がるんじゃないかなあ?
    まあ、水晶発振器よりも低コストになるとかのメリットがあるんでしょうけど。

    • Re:それなら (スコア:3, 参考になる)

      by nekopon (1483) on 2014年06月13日 13時40分 (#2620513) 日記
      半導体基板の中に収まるというメリットがあるのですよ(外付けしなくてよい)。これがけっこう大きくて、最近はクロック内蔵のMPUが増えてます。
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      • by Anonymous Coward
        昔某マイコンチップ内蔵OSCを設計していたんですが、
        精度は要らないからとりあえずクロックがあれば良いって要望は多かったですね。
        水晶付けると2pin分使われちゃうし、水晶レベルの周波数精度は不要ってアプリケーションはかなり多いです。

        しかしどうやって温度補償しているのかな。
        製造バラツキと電源電圧の変動による周波数誤差は比較的簡単に抑え込めるけど、温度は奇麗に補償する方法は結局作れなかったなあ。
        • by Anonymous Coward

          クリスタルが抜けたら動かないからなんとかしろ
          というのもマイコンだとありますからね。

          • by Anonymous Coward

            PLLが自走して、なんだかよく分からん速度で動いてる。という事故が発生することも。

    • 恒温槽付水晶発振器ってのがあってだな

      --
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      t-nissie
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    • 一番の問題は、校正には高精度の標準器が必要って点。

      水晶発信器の精度は、水晶の形状と剛性とで獲得している。
      それ以上の精度が欲しいから、より高精度が保証される原子の電磁波吸収帯を使って間欠的に校正してるのが、原子時計。

      恒温槽付き水晶発信器も、結局、何らかの標準器で校正しないと、周波数安定性はともかく、確度は得られない。

      で、今回のは、作り方と使い方を工夫して、シリコン結晶に水晶と同程度の形状安定性を持たせる事が出来ましたって事じゃ無いかな?

      --
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      • > どうやって温度補償しているのかな。

        タレコミには書かれていませんが、プレスリリースより

        温度特性の校正は初期テストを行い、内蔵したヒータと温度計を用いてチップ内で自律的に行われます。チップ温度を変更しながら発振周波数を自動計測し、各温度において必要な校正量をデジタル演算処理により求めます。熱設計技術を駆使し、校正時における発振器周辺の温度の均一化を図ることで、高精度化を実現しました。一方、実使用時にはチップ温度に応じた校正量がCMOS発振器に適用され、高い周波数精度を維持します。

        というわけで

        ・出荷前の初期校正時: 内蔵ヒーターで温度を変えながら、(おそらく外部から与える正確な基準信号を元に)内蔵発振器の発振周波数を計測し記録

        ・実使用時: 内蔵温度計の温度と記録された補正情報を元にして内蔵発振器の実発振周波数を算出、そこから(おそらくPLLで)正確な周波数の信号に変換出力

        ということで、実使用時は恒温処理なんかはしてないのでしょう。

        「形状安定性を持たせる」とか「製品ごとのバラツキを抑える」とか、さらに「温度を一定に保つ」といった昔ながらの方法ではなく、「バラツキを許したまま、後処理で補正する」というのが今時なやり方なのと、
        さらに、最初の校正についても外部で処理するのではなく校正機能そのものを内蔵することで、簡便で正確な校正ができるようになっているのもキモですかね。

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        • これは中々面白いですね。
          通常の方法で温度補正テーブルを持たせようとすると、出荷前のテストがものすごく時間(=コスト)がかかりますが、
          この方法なら短時間でできそうです。
          まだ本文は読めないのですが、ProgramにはRC発信器+ADPLLとなっていて、内蔵ヒータにより高次の温度補正係数を出すとあります。

          出荷前に、チップ外部から温度をかけて温度補正係数を求める方法は従来から行われていますが、
          外から温度を変えるのはそれなりに時間がかかるので、時間(=コスト)がかかります。
          それに対して、チップ内のヒータで温めれば、温度特性のあるRC発信器のみ温度を変えればいいので、相当に早いはずです。
          もしかしたら、ミリ秒のオーダーでできるかもしれません。
          温度の均一性というのは、ヒータで温めたときにRC発信器と、その近くに配置する温度計の温度が一致するようにってことですね。

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        • by Anonymous Coward on 2014年06月13日 16時17分 (#2620626)

          個人的にあまり興味のない話題だったのでさらっと読んでたら、温度の均一化を恒温処理と勘違いしそうだった。
          「発振器周辺の温度の均一化」だったのね

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        • by Anonymous Coward

          なるほどそういうことか。
          >ヒータと温度計
          って書いてあるのを見て、「冷却系はイランのか?」と思ったんだが。実使用時にはヒータも使わないのね。

          • by Anonymous Coward

            この発信器の想定される用途を考えると恒温にするためのヒーターの消費電力も許容できないレベルになるんじゃないかと。
            あと精度100ppmってことはジッタとかC/Nを気にする用途は対象外でしょうから、PLLベースでしょうな。

            • by Anonymous Coward

              > 水晶発振器の出力周波数は固定だったが、このCMOS発振器は2MHz~40MHzの間で40Hz刻みで出力周波数を設定できるという。

              とあるからPLLシンセサイザ込みでしょう

          • by Anonymous Coward

            ん? ヒーターを使って所望の周波数を発振する温度になるように調整するんでしょう?
            でも、これ、発振素子の経年変化に対して対応できないけどどうするんだろ?

            • by Anonymous Coward

              出荷前にヒーターを使って変換用の係数を求めておき、実装してからはヒーターは使わずにPLLシンセサイザと温度計で係数表を見ながら合わせる
              経年劣化は問題にならない用途なんじゃないの

        • by Anonymous Coward

          商品化時の問題はテスト時間が長くなる→コストがかかること
          マイクロプロセッサに内蔵した場合は直接検査コストに響くし、発振器単体で販売するなら既存発振器メーカーを潰してやるぐらいの本気で大量生産しないと
          果たして東芝は独自に商品化するのか、他社にもライセンスするのか?

    • by goji (949) on 2014年06月13日 15時19分 (#2620581) ホームページ 日記

      この手の発信機の精度を良い順に並べるとこんな感じだと思います。

      恒温槽入り水晶発信器          温めて発振回路を一定の温度に 測定器クラス
      温度補償型水晶発振器(TCXO)     温度センサからのフィードバックで周波数を補正する 通信用とか
      ただの水晶発信器             マインコンで普通の時計の精度が必要なら        

      ~超えられない壁~

      セラミック発振子              普通のマイコンでシリアル等のクロックを生成してもまずまず良い

      ~超えられない壁~

      半導体発信機(リングオシレータ等) 時間・周波数的な精度を必要としない廉価なアプリケーション用

      今回の発信機はセラミックの置き換えを狙ってると思う。

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2014年06月13日 13時23分 (#2620502)

      私がアマ無線の免許を取った随分昔の知識ですが、水晶発振器を恒温槽に入れる [tamadevice.co.jp]って古くからある技術のような気が。

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      • by Anonymous Coward

        戦前から在るって聞いた気がするが。

  • by Anonymous Coward on 2014年06月13日 13時44分 (#2620515)

    なんで1万円近くした時計が一週間で5分進んで
    100均で買った時計が一年経ってもまったく狂わないんだろう。

    • by Anonymous Coward on 2014年06月13日 13時58分 (#2620529)

      必ず一日に2回正確な時刻を示すようになったよ

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    • by Anonymous Coward
      私の60万円した時計は1日で5分進みます。値段と性能は必ずしも比例しないってことですかね。
      #機械式だから当然っちゃ当然。ネタでスマソ。
    • by Anonymous Coward

      俺の買った100均時計は1日で-2時間~8時間の範囲内でランダムにずれてたわけだが・・・

      # しばらく飾ってました。

      • by Anonymous Coward

        100均でもし機械式なら、ランダムにズレるのは逆にすごいと思う。

    • by Anonymous Coward

      1万円の方は機械時計で、
      100均の方は電波時計だったり

      最近の時計(携帯含む)って、校正無しの状態だとすぐ狂うよね

  • by Anonymous Coward on 2014年06月13日 16時18分 (#2620627)

    技術者求人の電車内広告も良く見かけるし

    業界の人じゃないから実態はわからないけど

    • by kentok (41940) on 2014年06月14日 11時49分 (#2621042)

      部分的に調子はいいですよ。
      ・東芝は原子力とNANDフラッシュメモリに掛けていましたが
          NANDがここ数年値段が下がらなくてウハウハ。
          日本の半導体製造メーカーでは唯一の勝ち組。
      ・でも、NAND以外の半導体は瀕死
      ・半導体シェアが低いので将来は微妙

      この業界は投資額が命です。
      銀行からお金を借りる日本企業ではリスクを取れないので
      長期的には半導体を止めざるを得ないのではないでしょうか。

      --
      -- 風は東京に吹いているか
      親コメント
    • by Anonymous Coward

      電車通勤ですが、ここしばらく(年単位で?)半導体技術者募集の広告を見ない月がないぐらいの印象ですね。

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クラックを法規制強化で止められると思ってる奴は頭がおかしい -- あるアレゲ人

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