日本出版者協議会、電子出版に対しても再販制適用を要求 90
ストーリー by hylom
再販制の保護対象は出版社ではありませんよ 部門より
再販制の保護対象は出版社ではありませんよ 部門より
insiderman 曰く、
Amazonに対し「書籍のポイント還元」中止を訴えていたことでも話題になった日本出版者協議会が、電子出版物に対しても再販制度を適用するよう公正取引委員会に要望したと報じられている(時事通信)。
日本出版者協議会側は、パッケージ販売/オンライン販売を問わず、電子出版物を再販制度の対象とするべきと主張している。とはいえ、現在の電子書籍サービスは大半が「閲覧する権利」を購入するもので、契約上はデータの所有権を販売するものではなく、このようなサービスが再販制の対象にできるのか非常に興味深い。
また、もしこれが通用するのであれば、ソフトウェアや動画などデジタルデータの形で提供されるものについてはすべて「電子出版物だ」と言い張れば再版の対象になってしまう可能性があると思うのだが、どうなのだろうか?
>値引き圧力にさらされ、出版経営が成り立たなくなる可能性があると懸念を表明 (スコア:2)
>10%のポイントサービスが再販契約に違反していることは自明でしょう。
いまは10%だけど、そのうちもっと値引きされて益が出なくなることを怖れてるんだろうけど、
10%の段階で戦々恐々って、そんなに粗利が低いんかな。しかも電子出版物ならもっとコストを抑えられんの?
「電子化だって金かかるんだ!」っていうなら、各社で共同のシステムを構築して、コスト減とかすればいいと思うんだけど。
ついで一般的な小説だと作家の取り分は10%くらいだけど、こういう中小の出版物の場合は、作者にどれくらい行ってるんだろう。
Re:>値引き圧力にさらされ、出版経営が成り立たなくなる可能性があると懸念を表明 (スコア:2, 興味深い)
カネがかかるというより、
かけた金が戻ってこないということ。
電子化してもちょっとしか売れないのです。
紙なら売れる本でも。
で、売れないからといって、電子の市場を広げようとしないから、いつまでも普及しない。
デフレスパイラルですね。
Re:>値引き圧力にさらされ、出版経営が成り立たなくなる可能性があると懸念を表明 (スコア:1)
出版社と印刷所が別になってるのに、自分でもこの点に気づかなかった。そういやそうだな。
LIVE-GON(リベゴン)
複雑化することなく改正できないものか (スコア:2)
再販制度にこだわってても先細りになりそうな気がしないでもない
Re:複雑化することなく改正できないものか (スコア:1)
直近ではAmazonしか見えていないのだと思いますが、
もう少し話が進んでくると、音楽のようにごちゃごちゃになりそうですよね。
電子データを売るのに、書店はいらないわけで、Steam のような売り方もできることになります。
印刷コストの都合だと思いますが、改版されるごとに価格が上がっているものは多いので、
・データとしての販売では、最初の価格を維持する
・たくさん売れたものは、ベストセラーかで価格を下げる
などしてくれるとうれしいなぁと。
Re:複雑化することなく改正できないものか (スコア:1)
無理です。
再販制度を廃止すると出版社が殆ど全部倒産します。
本を刷って取次に渡すとその時点で入金があります。
で、返本されるとその分返金します。
実際は返金する金はないので、新しく本を刷ってそれで帳尻を合わせます。
実質的に殆どの出版社は債務超過状態なのです。
そして倒産すると、事業規模よりはるかに大きい負債が残されてしまいます。
Re:複雑化することなく改正できないものか (スコア:3, 参考になる)
業界の健全化のためにも、その負のサイクルを是正すべく、制度廃止して、つぶれるところにはつぶれてもらった方がいいと思うがね。
対応が遅ければ遅いほど債務が膨らんでいくのは国の借金と同じだ。
借金は借金すれば返せる、というバカな発想で際限なく続けた結果がこれだ。
幸い、出版の場合、電子版のおかげで、個人や小さな出版社でも小資金で始められるようになったし、既存の出版界の構造を破壊するのもいいだろう。
Re:複雑化することなく改正できないものか (スコア:2)
紙と印刷と売り場は必要だった時はそういう部分があったけど
電子化するとそう言う副産物的なメリットも相対的に小さくなりますね
Re:複雑化することなく改正できないものか (スコア:2)
>再販制度を廃止すると出版社が殆ど全部倒産します。
そして、作家とAmazon(かどこかの電子書籍流通)と読者だけの世界になるのかな。
出版社の人たちはその狭間で、編集、企画、原案、リライターとしての技能を生かせるようになればよさそう。
そういう技能があればの話。
Re:複雑化することなく改正できないものか (スコア:1)
電子書籍なのに取り次ぎに返本とかそもそもおかしいだろ
Re:複雑化することなく改正できないものか (スコア:1)
事情はよく分かったけど、バブルが崩壊してしばらく我慢してたけどいずれは債務処理をしなくちゃいけなくなる、に似た状況って感じですねえ。未来永劫続けるのは無理なのは当事者たちも分かってそうな……。
LIVE-GON(リベゴン)
市場開放? (スコア:2)
もう規制無しにすれば良いのに。
ネットに公開して広告で儲けるかスポンサー見つけるくらいしか手段が無いと。
あとは先読み権利を買うとか?
マンガボックスみたいな感じで。
それでも良いんじゃないの?
ラムネやガラナと同じ扱い (スコア:1)
電子書籍に再販制度は不要だけど、価格決定権は再考の余地あり (スコア:1)
書籍の価格設定に引きずられるのはしょうがないとして、タレコミ内で指摘されているとおり、電子書籍と他のデジタルコンテンツであからさまな優遇措置を執るのはあまりよろしくない。
なので、再販制度のような「販売価格を決定する権利」はあくまでストア側にあるのが本来あるべき姿だと思う。
ただし、印税システムがそのままでそういうことをすると非常に問題が出てくる。
まずストア側は商品陳列のコスト(在庫リスクなど含む)や複製コストは限りなく零に近い。そういう状況で出版社著者への支払いが印税(売上に対するパーセンテージ)な契約で、さらに価格決定権をストア側に渡すと、ストアは間違いなく客寄せのために際限ない値引き合戦を始める。
なぜなら、ストア側はコンテンツを作るところまでの制作費は一切負担していないのでどんだけ安売りしても懐が痛まないから。
もちろん、そんなことをされたらコンテンツを作るところまでの費用を負担している出版社側は商売あがったりなので、再販制度を電子書籍にも適用すべきというような話になっているのだろうと思われます。
度が過ぎない程度の割引セール(一時的なものとか)ならできてしかるべきだと思うので、かえるのであれば印税システムをかえるべきだと思います。
売上の何%という契約をやめて、ダウンロード数一つあたりいくら、という価格を出版社側が提示出来るというルールにすれば良い。
早い話が、デジタルコンテンツのダウンロード販売にも卸値の概念を持ち込めば良いと思う。
そこからいくらマージンを取るか、さらに値引くかはショップの判断でやれば良い。
しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
Re:電子書籍に再販制度は不要だけど、価格決定権は再考の余地あり (スコア:1)
私は、再販制度と価格決定権は、不可分だと思っているので、再販をしないのであれば価格決定権を権利者に付与するのは反対です。
そもそも、商品の価値は利用者から見た効用によって定められるのが健全な社会には必要不可欠です。これは市場原理でも特に重要な部分なので、昨今の「妖怪ウォッチ」騒動を見ても分かる通り、定価を定めてしまうと社会に与える歪の影響が大きすぎます。人気があれば、小売店が自主的に価格を引き上げれば、転売騒動にはなっていません。「子供向けのおもちゃ」ということで、定価を定める暗黙の了解があって、そこに付け込まれたのです。
つまるところ、印税率を廃止して、権利者の権利として原価を定めればよろしい。その原価からどれだけ上乗せするかは小売の権利であり、熱心に売るインセンティブです。
Re:電子書籍に再販制度は不要だけど、価格決定権は再考の余地あり (スコア:1)
今の電子書籍って既にそういう仕組じゃなかったっけ。
詳しい仕組みは知らないけど、ストア側が定価で売ろうが一円で売ろうが、作者に入るお金は同じだから安売りがあったらじゃんじゃん買ってくれ!って話になってたような。
Re: (スコア:0)
でも取次に納入さえすればまだ一冊も売れていないうちから印税が入ってくる紙にはまだ負けてるんだよね。
Re: (スコア:0)
じゃあ、抱き合わせを認めればいいんだな。100部ダウンロードさせる権利を売る、とか。
Re:電子書籍に再販制度は不要だけど、価格決定権は再考の余地あり (スコア:1)
出版業界の単位は1000部なので、出版するだけで最低1000部の印税が入るのよ。
1000部未満しか刷ってないとか、端数とか、売れ残りは出版社が被ってる。
作家の収入を安定させるために多目に出版社が刷る(廃棄してでも)場合もある。
今のダウンロード販売が主流になると作家の収入はますます不安定になるだろうね。
Re:電子書籍に再販制度は不要だけど、価格決定権は再考の余地あり (スコア:1)
出版物って娯楽だけじゃないのよ?
学術本や記録モノもあるし、更にそれのニッチもある。
こいつら売価も5千円以上下手すりゃ1万円超えして何百部なんだよ。
---------------------------- うちの猫は、ながぬこ
この団体 (スコア:1)
どういう素性なんだろ。
ってググってwikipediaを見てみた。
出版業界の総意と考えてはいけないようだ。
Re:この団体 (スコア:1)
>ポイント還元(割引)に反対してAmazonに出荷しないと宣言したニュースが春頃に話題になったところです。
なるほど、それをしてもAmazonや世間的には影響が少なかったのでさらなるアクションを起こそうとしてるのかな。
#黄昏っぽい
再販制再販制というけれど (スコア:0, すばらしい洞察)
よく「再販制」って言葉を聞きますがこれが「再販売価格維持制度」の略だとみんな認識できてるんだろうか
委任販売制度とごっちゃになってたりしませんか?
Re: (スコア:0)
再販制度というのは、店側に在庫リスクを持たせないためのものでしょう? そもそも管理すべき在庫が存在しない電子出版物に、再販制度を適用する正当性はないだろう。
Re:再販制再販制というけれど (スコア:3)
○正統性
Re:再販制再販制というけれど (スコア:1)
× 正統性
○ 正当性
再販制度を適用するのが、制度趣旨からみて「正当」かどうかを議論してるんだから、「正当性」でいいのです。
Re:再販制再販制というけれど (スコア:1)
ほら、ここに勘違いしている人が一人。
在庫リスクを持たせないのは委託販売制度。再販制度は小売りに定価販売を強制するための物。
だから独占禁止法の趣旨からすれば本来再販制度は違法なんだが、例外で違法にならないものの一つが出版物ってだけ。
Re: (スコア:0)
マッチポンプ?
Re: (スコア:0)
「再販制」および「委任制」でぐぐってください
Re: (スコア:0, オフトピック)
なんで再販制度が「店側に在庫リスクを持たせないためのもの」になるの?
Re: (スコア:0, オフトピック)
だよね。
むしろ安売り処分が出来ないから、よりリスクがあるという。
なので、そのリスクを持たせないために、再販制度とセットで委託的な方法をとる。
考え方が逆だよね。
Re: (スコア:0)
たしか、ハリポタは委託販売ではなかったと思うのだが、これは出版社側の都合だったはず。
なら、書店側の都合で再販制度を維持しなくても良いよね。
Re:再販制再販制というけれど (スコア:1)
>なら、書店側の都合で再販制度を維持しなくても良いよね。
出版社側と取次と書店の力関係で押さえてそう。
どっちにせよ消費者はそこから除外、作家も。
極論では電子出版の場合、作家と消費者の間は電子出版社以外いらなくなるので従来の商売の構造が破壊されて焦ってるんすかね。
Re: (スコア:0)
在庫リスクと返本可能がごっちゃになてるな。
もともとは、小売に大部数置いてもらうのが目的で、委任制(委託販売)だから定価は出版社が決定。
買取だと確実に売れる分しか小売は仕入れないから、市場に潤沢に流通させるための策だった。
小売は書籍を買い取らない、売れ残っても返本できる、というぬるま湯が出版業界の癌でもあるわけだが。
そういう歴史の再販制度なんで、買取してくれないのに値引だけされると出版社は辛いんです、が今回の主張。
価格固定の書籍は1冊単位で注文も返本もできるけど、それは店舗に大量の本を置いてくれる前提の慣例だったわけ。
電子書籍の再販制が認められなければ、売る権利を(100冊単位とかで)買い取れって主張するんじゃないか。
Re:再販制再販制というけれど (スコア:1)
エロゲー分野だと、似たような制度で小規模メーカーが自転車操業してるんじゃないかな。
近江商人が昔からやってきたことではあるのだけど。問屋だけがもうかって、設備投資も問屋から前借り、事業たたむと借金が残るというのは昔から変わってない。
でもあくまで書店であるAmazonに求めることでは無いよね。電子出版前提の出版社が出てきて、倒産した既存出版社から版権を買収していくという流れになるだけでは。
Re:再販制再販制というけれど (スコア:1)
利益構造というか、これまで出版業界を支えてきたのが再販制度と委任制なのよ。
出版社-取次-小売で作りあげてきたこの制度が、今まさに崩れつつあってその変化に対応できてない。
電子書籍が主流になると取次と小売はお払い箱になるわけで、
出版社としては今まで本を売りまくってくれた彼らを裏切れないわけ。(これが値引き問題の根幹)
根本的な問題は、出版業界の人たちが電子書籍を信じきれてない。
国民全員が書籍リーダーを持ち、人気作品が数百万ダウンロードされる時代がくると信じてない。
(一番パイのデカいスマホで出版各社が模索してるのはその辺の思惑らしい)
最終的に電子書籍がメジャーにならない(またはメジャー化にものすごく時間がかかる)のなら、
取次と小売(と通販)にはそれまで生き残ってもらわないと困るわけよ。
電子書籍への再販制導入は、業界全体食わすだけのパイ持ってないくせに価格破壊すんなってこと。
#この流れで出版社の利益を確保できないレベルまで街の書店が消えたら値上げすると思う。
Re:再販制再販制というけれど (スコア:1)
>最終的に電子書籍がメジャーにならない(またはメジャー化にものすごく時間がかかる)のなら、
>取次と小売(と通販)にはそれまで生き残ってもらわないと困るわけよ。
そこはもうそうなると一回ほぼ死滅してもいいんじゃないすかね(他人事
特殊な技術もいらないだろうし複雑な仕組みでもなさそうだから、電子書籍が死んで神の書籍が復権すればその辺の仕組みも再生するでしょう。
もしかしたら今までよりもいいものに生まれ変わるかも。
無常なことだけど、製造業とかいろんな業界がパラダイムシフトに乗ったり乗れなかったりして栄枯盛衰してるのも世の常だし。
だからといってあがくなというのもおかしいので、どこまでやれるのか見守りつつ。
このまま電子書籍でコンテンツの価格崩壊が進めば、やがて紙の書籍の製造ベースがだだ下がり高級品になっていくんすかね。
Re:再販制再販制というけれど (スコア:1)
>業界全体を食わす利益をどっかでださないと出版業界そのものがつぶれる。
現在進行形で今そうなって行ってるんじゃないすかね。
書店がどんどん閉店して、雑誌が休刊し、出版社も規模縮小していってるように見える。
ということは旧来の業界構造がもう現実的では無いので、修正あるいは再構成しないと潰れるのは必至。
#多くの日本の製造業もそうなってるし。
>#まあ、原稿を生みだす作家は連載貧乏 [google.co.jp]当たり前という搾取構造なわけで、
佐藤秀峰さんの「漫画貧乏」読んでて、作家(漫画家)が作品制作で生活していけなくなるなら
やっぱり旧来からある「業界」は一旦潰れるのも止む無しじゃないかと思った。
Re:再販制再販制というけれど (スコア:1)
>近い業界では活版が写植に追いやられ、写植がデジタルに追いやられてきたように。
それが解り易いですね。
>死滅は言い過ぎだけど淘汰はされてしかるべきだよね。
たしかに。
再販制はともかく (スコア:0)
電子書籍にも取次が必要ではないか。現状では出版社と電子書店がm*n個の契約を結んでいるわけで、数が増えてくるとスケールしない。出版社は取次に電子書籍を卸しさえすればどの書店も取次から配信を受けられるという仕組みならm+nで済む。
Re: (スコア:0)
・モバイルブック・ジェーピー
・メディアドゥ
・出版デジタル機構(旧Bitway)
・ブックリスタ
Re: (スコア:0)
電書協EPUBの仕様に対応できる出版社や印刷屋がどれだけあるか…
ワークフローが紙だけを考えて作ってるウチは取次が色々なフォーマットのEPUBをキレイにしてくれるサービスをしてくれないとスキャンpdfがいいとこでしょうね…
Re: (スコア:0)
書店ごとにバラバラに作らなければならない現状よりはマシでしょ?
細かな方法は任せるけど、日本全国どこの書店でも同じ本が買えるという紙ではあたりまえのことくらい早く実現してもらいたい。
一度、ぬるま湯を味わうと (スコア:0)
自分からは出ることができないんでしょうねえ
Re:一度、ぬるま湯を味わうと (スコア:2)
自分たちが、テクノロジーの進化と市場の変化についていけなくなると規制の声が大きくなるのかな。
あるいは別のところから金を毟るようになるか。
Re: (スコア:0)
そんな当たり前のことを言われても テクノロジーが、進化して市場が変化すれば
規制がかかるのは当然のこと
著作権的に (スコア:0)
閲覧する権利って販売できるの?
紙の本だと回数や期間制限のないレンタル相当ということだよね・・・
Re: (スコア:0)
(販売)契約により発生する閲覧する権利だよね。
再販でもいいが (スコア:0)
DRM無しを条件にしてもらえませんかね。
紙の本と同じように扱えるなら再販でもいいかと。
Re:出版って競争ないよね? (スコア:1)
まあそれゆえにというわけでは無いですが、体力の無い出版会社はぼろぼろと潰れてしまっている訳で、
(売れない会社がつぶれるのは当然といえば当然ですが)
そのうち、気が付いたらメジャーな出版業務をおこなっているのはKADOKAWAグループに統合されて(笑)