
甲状腺がんを嗅ぎ分けることのできる犬、その正確性は88.2% 31
ストーリー by hylom
がんの臭いってどういう臭いだろうか 部門より
がんの臭いってどういう臭いだろうか 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、
米アーカンソー医科大学で、甲状腺がんを嗅ぎ分けられるように犬を訓練するという研究が行われた。その結果、尿の臭いから88.2%の確率で正確な診断を行うことができたという(Discovery.com、Slashdot)。
フランキーと名付けられたジャーマンシェパードのミックス犬は34の尿サンプルのうち30を正しく「診断」することが出来たとのこと。これは針を挿して行う通常の甲状腺生検の正確さを僅かに下回るだけの精度だという。
現在の甲状腺がんの診断は不確定な場合も多く、不必要な手術や手術の繰り返しなどが多く行われているとのこと。研究者らはこのような犬の能力を使った検査を使えばより安価に、そして身体的負担も少ない生検を実現できると期待しているという。今後はオーバーン大学の獣医学部と連携し、2頭の爆薬検知犬を甲状腺がんを嗅ぎ分けられるよう訓練する予定とのことだ。
呼気から肺がんや乳がんを嗅ぎ分けたりと犬の嗅覚を利用したがん検知は今までにも研究されてきており、その正確性もかなりなもののようだが実用化に至ったという話はあまり耳にしない。訓練や頭数を増やすためにかかる手間や費用がやはりネックになるのだろうか。
もっとお手軽な方法が開発中やで (スコア:5, 参考になる)
「がん診断、尿1滴で=線虫の習性利用-10年後の実用化目指す・九大など」 [jiji.com]
がん患者の呼気や尿には、特有のにおいがあることが知られており、「がん探知犬」を使った診断手法が研究されている。しかし探知犬は育成に時間がかかり、普及には課題が多い。…
…研究チームは、実験動物として使われる線虫C・エレガンスを用意。この線虫は犬と同程度の嗅覚受容体を持ち、好きなにおいに集まり、嫌いなにおいから逃げる習性(走性行動)がある。事前の実験で、がん細胞のにおいを好むことが分かった。・・・
…がん患者をがんと診断できる確率は95.8%に達し、がんの種類や進行度にかかわらず判別できた。
九州大のプレスリリース [kyushu-u.ac.jp] (PDF)
癌の種類にかかわらずってところは、どこまでほんとかいなとは思うけど。
Re:もっとお手軽な方法が開発中やで (スコア:1)
しかし10年後の実用化を目指すってのも気の長い話だ。
人体に投与するような治療薬のたぐいじゃないんだから副作用の心配なんかしなくてもいいし、
コストもかからなそうだし、非侵襲的な検査法だからガンガン試験をしてデータを集めて、
2,3年で実用化とか無理なものなんだろうか。
検査キットは箱につめて倉庫に保管、というわけには行かなさそうなのが、欠点かな。
実用化されると、大病院なんかでは大量の蠢く線虫を日常的に扱うことになるわけで、
生理的にうけつけない医者もいそうだ。
Re: (スコア:0)
> 検査キットは箱につめて倉庫に保管、というわけには行かなさそうなのが、欠点かな。
検査キットの生産体制や配送なども含めての「10年後の実用化」なのではないでしょうか
Re: (スコア:0)
線虫有能すぎ。
名前もエレガンスとかタダもんじゃない。
Re: (スコア:0)
実際、学名のCaenorhabditis elegansのelegansはラテン語で、英語のelegantに相当しますからね。
Re: (スコア:0)
勝手な想像ですが、弱った人間ほど抵抗力がないので、そういう臭いに集まるようになっているのかもしれないな。
意外なきっかけ (スコア:3, 参考になる)
アニサキスは患者の胃壁にあったがん細胞に食いついており、早期の胃がんが発見できた [goo.ne.jp]
(朝日、日経などに掲載)
ということみたいですね。
一方、九大は匂いと受容体の対応関係を研究 [kyushu-u.ac.jp]していて、
線虫C. elegansを用いて匂いと受容体の対応関係を網羅的に解析していた。
ということが結びついたようです。
Re:意外なきっかけ (スコア:2)
アニサキスはなんで、がん細胞に食いついてたんでしょうね。
宿主を延命させる方向に進化した結果がん細胞を好んで食うようになったとか、そんな感じなのでしょうか。
Re: (スコア:0)
食べても食べても増えるからとか。
Re: (スコア:0)
単に、がん化した細胞だと、胃液の産生量が減って、局所的なpHが下がりにくく、結果、アニサキスが食らいつくには都合が良いとかじゃないですかね。
Re: (スコア:0)
どうか癌をアニサキスに食べさせて除去するという胃ガン治療法が出てきませんように。
Re: (スコア:0)
統計が出てきたら笑っちゃいますね
Re: (スコア:0)
アニサキスに胃を食われると激痛だそうなので、知らないうちにアニサキスを飲んでいたということは無いでしょう。
Re: (スコア:0)
研究のきっかけは、サバに当たった患者を治療したときに…
九大の研究とアーカンソー医科大の研究とごっちゃにしてない?
サバに当たった件は九大の線虫を使った癌診断研究のきっかけ。
このトピック自体は、アーカンソー医科大の犬を使った癌診断の話。これはサバに当たった患者がきっかけではない。
Re:意外なきっかけ (スコア:1)
てか、#2776826 [srad.jp]にぶら下げるつもりだったんじゃないかな。
線虫が犬より優れている点は、気温や湿度に影響されない(あるいは、されないように気温・湿度を制御しやすい)ってことらしいです。
気温・湿度によっては、犬はミスをしやすくなるらしい。
有効数字が.... (スコア:1)
↓
> 88.2%の確率
えっ...?
Re: (スコア:0)
尿サンプル数の真値は33.5個〜34.499...個の間のどこかにあって有効数字2桁で丸めてるってことですか?
Re: (スコア:0)
何がいいたいのか、もうちょっと詳しく。
「えっ」だけじゃわからん。
Re: (スコア:0)
4サンプル中3つだと75%じゃなくて80%ですか?
プレイ (スコア:0)
これは、M男に嗅ぎ分けを仕込んで女王様の尿の臭いをかがせるプレイが流行る!・・・・わけないか
Re:プレイ (スコア:1)
この線虫め!って言われながら鞭で叩かれるわけですねわかります。
針を挿して行う通常の甲状腺生検 (スコア:0)
> これは針を挿して行う通常の甲状腺生検の正確さを僅かに下回るだけの精度だという。
針を挿して行う通常の甲状腺生検の正確さってどうやって調べたのだろう?
Re:針を挿して行う通常の甲状腺生検 (スコア:1)
開けてみたら、癌化した細胞は無かったんだー!
な、なんだってー!
こんな感じだったかどうかはしりませんが、
単純に癌があった/なかったの割合なのでは?
Re: (スコア:0)
> 単純に癌があった/なかったの割合なのでは?
そのあった/なかったがどうやってわかるんですかね?
Re:針を挿して行う通常の甲状腺生検 (スコア:1)
いやだから、開けてみたら分かるもんじゃないの?
手術の経験は無いんだけど、
目視すれば分かるものかと思ってたので。
Re: (スコア:0)
同じような疑問が。尿サンプルは100%で「がん患者」と「がんでない人」とわかっている人から採ったと思うのだが、
「がんでない」って人も皮膚開けてみて、「ああ確かに見当たらない」とやってくれた人たちなんだろうか。
Re: (スコア:0)
超音波検査で甲状腺を検査して(触診もしたでしょうけど)がんの疑いがある人の甲状腺からサンプルをとったのでしょう。
犬も線虫もいいけど ネコもね (スコア:0)
我輩も負けてないニャー
飼い主の前立腺ガンを察知して知らせたネコ
http://gigazine.net/news/20110412_cat_discovers_owners_cancer/ [gigazine.net]
死のにおいをかぎつけ50人の入院患者をみとった「死を予知する猫」
http://gigazine.net/news/20100203_death_cat/ [gigazine.net]
Re: (スコア:0)
やはりお肉は死に際がうまいにゃ
がん患者の息や尿は臭いが違うというのが分かっているなら (スコア:0)
その特異な成分の化学物質を特定して、それ用の試薬とか作れないのだろうか?
あるいはガスクロで検出とか。
それでも線虫を使う方が安上がり、ということになるのかもしれないが。
独特な臭いの元になる化学物質って判明しているの?
Re:がん患者の息や尿は臭いが違うというのが分かっているなら (スコア:2, 興味深い)
これが関連ストーリーに入っているべきである
ともあれ、健常人とがん患者の息ではVOCの組成比が違うらしいよ