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著作権

「デジタル化権」という権利は有効なのか 57

ストーリー by hylom
この権利を作ったのは誰だ 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

マーユという企業が歌川広重の浮世絵「東海道五十三次」の画像データを公開していることがITmediaで報じられている。幅500ピクセル、72dpiのデータのみ無償提供で、高解像度のデータは有償で提供するという話だ。

東海道五十三次についてはすでに著作権は切れているが、これをスキャンして画像化するコストがかかるため、アーカイブを作って有償で販売するというビジネスについては非難されるべきことではなく、対価を支払うことに異論はないのだが、疑問なのがこの業者が「デジタル化権」なる権利を主張している点だ。

弁護士の岡村久道氏によると、デジタル化権というのは現行の著作権法の解釈では認めることが難しいとしている。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by akiraani (24305) on 2015年05月08日 15時57分 (#2810714) 日記

    リンク先の岡村氏の記載に全面同意

    いわゆる著作隣接権のようなものを想定しているんだろうけど、元が紙の出版物である場合、日本での著作権法上はそれらの権利は出版権として扱われる。

    出版権は、出版契約に際して著者が出版社に対して設定して初めて有効になる権利であって、著作権切れのものやパブリックドメインをスキャンした場合には著作者との契約もなく出版権の設定もされない。したがって、現行法では著作隣接権はないものと考えるのが自然だろう。

    ただ、丸コピーされると商売あがったりという理屈はわからんでもないし、対価を求めること、いわゆるただ乗りに対して何らかの対処手段を持つこと自体は否定するものでもないだろうと思う。

    たとえば、高解像度データは解凍時にパスワードが必要などの簡単なDRMでもつけておいて、高解像度データを配布している連中には不正競争防止法でガードかけるとか、著作権に頼らない防衛方法ならいいんじゃないかな。

  • 何が疑問? (スコア:3, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2015年05月08日 15時22分 (#2810689)
    この業者が契約内容の文言に「デジタル化権」という語を使っていますが、内容はあくまでもこの業者がデジタル化したコンテンツを商業利用する上でのライセンス契約に過ぎませんよね。
    どの辺が疑問なんでしょうか。
    「デジタル化権」という呼称から、他業者が浮世絵などをデジタイズしてデータ化することを制限するかのように解釈してませんか?
    • Re:何が疑問? (スコア:2, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2015年05月08日 15時36分 (#2810696)

      >デジタル化したコンテンツを商業利用する上でのライセンス契約

      そこは、問題ありません。
      ただその契約書。「【著作権】使用許諾契約書」ですよ?

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2015年05月08日 15時32分 (#2810693)

      「デジタル化手数料」
      なら話題にもあがらなかったと思われます。

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2015年05月08日 15時46分 (#2810702)

      うんにゃ。
      この業者の言うデジタル化権は、この業者がデジタイズしたデータをコピーすることを許諾する権利がこの業者にあるというもの。金かけてんだから勝手にコピーすんじゃねぇよ、ってこと。
      問題は、それを保護する法律がないんじゃないかってこと。著作権は元の浮世絵にあってかつ消滅しているのでコピーを制限する権利は誰にもないってこと。元々デジタイズってのが要はコピーであって新たな著作物を作っているわけでないので新たな権利は発生しないでしょってこと。金がかかってようがかかってまいが関係なし。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        データのオリジナルは、個人・団体・企業等所蔵作品及び古書等を採用し、スキャニング及び編集加工しております。

        ってあるんだけど、編集加工しても"単なるコピー"扱いになるの?
        たぶんここがキモなんだと思う。

        • by Anonymous Coward on 2015年05月08日 16時06分 (#2810719)

          一  著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。

          その編集加工が何らかの創作性のある物ならコピーではないでしょ。
          単にノイズ除去やトリミングをしただけなら、単なるコピー扱いになるわな

          親コメント
          • by Anonymous Coward on 2015年05月08日 17時35分 (#2810777)

            創作性のある編集加工しちゃったらそもそも「広重の東海道五十三次」ではなくなるので商品価値がなくなりますわな。
            1. コピーは制限できるが誰もコピーどころか買おうとすら思わない「浮世絵を元にしたオリジナル画像」
            2. 元の浮世絵をできるだけ忠実にデジタイズしたのがセールスポイントだけどその忠実さ故にコピーの制限はできない画像
            さあ、どっちを取る?

            親コメント
      • by Anonymous Coward

        もしかして、例の「有償著作物」という考え方を根拠にしているとか?

      • by Anonymous Coward

        そういうのは著作権云々じゃなくて、高解像度データの売買契約書(使用許諾書?)で縛るべき話じゃね?
        今までに無かった事柄に対応する法律が存在しないのは仕方のない事だけど、これはそうじゃないだろ

    • by Anonymous Coward on 2015年05月08日 16時04分 (#2810717)

      >「デジタル化権」という呼称から、他業者が浮世絵などをデジタイズしてデータ化することを制限するかのように解釈してませんか?

      その辺り、どこを問題にしているのかは曖昧に見えますね。

      ・せっかく労力を掛けて現物をスキャンできる体勢を整えデジタライズしたデータであっても、一度世に出たら誰でも好きにコピーして使える状態になってしまう
      ・他の人が別途デジタライズしてばらまいてしまうと、せっかくの労力が無駄になる

      普通に考えたら前者だろう、と思ったんですが、タレコミにある弁護士の方の話 [law.co.jp]を見ると、

      >著作物等の情報をデジタル方式により初めて電子媒体に固定した者に対し

      >将来的には技術の発展に伴い情報のデジタル化は誰もが容易にできるようになると考えられること

      というような文言があり、「デジタル化権」として後者も回避出来るような立法を目指していたようにも見えます。

      あと、前者を回避するための「このデータのコピーはばらまくな」と言うのは、個々の契約でも制限可能なように書かれていますね。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      この業者が契約内容の文言に「デジタル化権」という語を使っていますが、内容はあくまでもこの業者がデジタル化したコンテンツを商業利用する上でのライセンス契約に過ぎませんよね。
      「デジタル化権」という呼称から、他業者が浮世絵などをデジタイズしてデータ化することを制限するかのように解釈してませんか?

      他者が浮世絵をデジタイズしてデータ化する事を制限出来るか否かは、現浮世絵オーナーとマーユとの間の契約次第で、それが浮世絵のオーナーが変更されても引き継がれるか否かは、浮世絵の新オーナーと旧オーナーとマーユの三者間の契約次第。
      この他者デジタイズ制限引継契約が不成立でも、浮世絵のオーナーが変更により、デジタル化したコンテンツを商業利用するライセンス契約が失効する契約になっていなければ、期限(あれば)まで契約は有効でしょう。

      • 他者が浮世絵をデジタイズしてデータ化する事を制限出来るか否かは、現浮世絵オーナーとマーユとの間の契約次第

        そのような制限を行う根拠はないんじゃないか、ということがタレコミの主旨だと思います。

        私の考え: 浮世絵がすでにパブリックドメインである場合、「浮世絵オーナー」も、マーユも、浮世絵師の子孫も著作権を持っていないわけですから、パブリックドメインである浮世絵の複製を禁じるような根拠は無いと思います。「浮世絵オーナー」は、浮世絵という「物」に対する所有権にもとづいて、当然にスキャンを許したり許さなかったりできるでしょうが、スキャン結果である「著作物」に対する権利は元々持っていないわけです。

        親コメント
        • by Anonymous Coward
          スキャンを許さなかったときは当然スキャン結果も存在しないわけですが…?
          • by Anonymous Coward

            なにそれ?
            国家は犯罪行為を許してないからあらゆる犯罪行為はこの国には存在しないみたいな?

            • by Anonymous Coward on 2015年05月09日 0時51分 (#2810992)

              別ACですが、美術展とかだとたまにありますよね。
              展示はするけど、所有者の意向でカタログ本には載せられなかったとか。
              なので、物品貸借の契約に、貸してあげるけどスキャンは駄目よ、という条件は普通に運用されていると思います。

              スキャンして配るつもりなら、うちにある絵は貸さないからね、という意味合いで、
              許されなければ物が手元に来ない=スキャン結果も存在しない、ということでしょう。

              今回の話題の業者の場合、高解像度画像を購入した人が、印刷物を配布して、それをさらに高解像度スキャンして、
              となった以後はなんら効力をなさないですが。
              それ以前に、「著作物」としてデータを扱っているのは、ないな……と思ってますが、
              立体造形物の写真が含まれるかもしれないので、そちらなら納得しなくもない。

              親コメント
            • by Anonymous Coward
              じゃあスキャンするので屏風から虎出してください
              • by Anonymous Coward

                屏風から出た虎が三次元物体なら、それをスキャン(というか撮影)して二次元画像にすると、撮影者に写真の著作権が発生しますね。

          • by Anonymous Coward

            許されたスキャンでできたデータに対する扱いだろ。孫コピーまで制限できるのかどうか。
            まぁ、スキャンさせるときに無許可の再コピーは禁ずるって契約しておけば後は民事契約の範囲内じゃんね。自動で発生しないけど契約で発生させれば良い。
            契約ってのは法的に縛りがないものを縛るためにもするものなので。法に反する契約はできないけど、法に規定がないことを縛るのは自由。

        • by Anonymous Coward

          「デジタイズしてデータ化する事を制限できるか否か」って、「スキャンを許したり許さなかったり」じゃないの。
          デジタイズして得られたデータを再配布することとは別でしょ。
          後はデジタイズさせたときの契約次第だね。法に反さない範囲で契約を結んで縛るってのはできるんで。

          # パブリックドメインだからってコピーを強制的に保証するわけではない。保護が外れるだけ。GPLとは違う。

      • by Anonymous Coward

        オーナーまったく関係ない。オーナーは現物(江戸時代の紙媒体)の所有者であって著作権者じゃない。一旦コピーを認めちゃったらさらなるコピーにはオーナーもデジタイズ業者も口出す権利は一切無い。

  • 「デジタル化権」という非標準の用語を未定義のまま使っている契約書なんて、裁判になったときにどう解釈されるか予測の立たない (よって紛争を予防する効力も乏しい) 駄目な契約書の典型だと思うけど、誰か何か言ってやる人はいなかったのか……。

  • by Anonymous Coward on 2015年05月08日 15時32分 (#2810694)

    無償提供のサイズの画像を見て、永谷園のお茶漬け海苔に入ってた東西名画選カードを思い出した。
    今でも付いているのかなぁ?と思って、Google先生に聞いたら1997年に休止していたのか。

    • by Anonymous Coward

      御茶漬海苔の画像ってことはグロ画像かな?

  • by Anonymous Coward on 2015年05月08日 15時17分 (#2810684)

    「デジタル化権」単語を使って事実誤認誘ってはいるけれど
    使用料金額って書いてあるじゃん

    揚げ足撮るほうも取られる方も
    どっちもどっちだけどさ

    # 信じる者は掬われる

    • by Anonymous Coward on 2015年05月08日 15時22分 (#2810688)

      現行著作権法が規定しない「デジタル化権」と、浮世絵の現所有者との契約によって生じた「デジタル化権」取得契約を、混同させようとしているのでしょうか。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      法律で守られてる権利がないなら、
      高解像度のを誰かがコピーしてばらまいたら
      誰でも勝手にそれを使っていいことになるよね。

      自分はそれで構わないけど、ほんとにそうなのかしら?

      • Re:いやいや (スコア:4, 参考になる)

        by oguma (17986) on 2015年05月08日 16時17分 (#2810725)

        著作権法では取り締まれないでしょうけど、実際には不正競争防止法か民法の不法行為に問われる可能性が高いと思います。

        過去に著作権法では守られないフォントや新聞の見出しに関する裁判では、著作権ではなく、そういった法律・条文が争点となりましたから、誰かがコストを払ってデジタル化したデータを、第3者が勝手に配布すれば、裁判で争われることになると思われます。

        --
        Nullius addictus iurare in verba magistri
        親コメント
      • Re:いやいや (スコア:2, 参考になる)

        by Anonymous Coward on 2015年05月08日 15時54分 (#2810708)

        ほんとにそうですよ。

        説明の有名どころとしてはここですね。
        http://art.pro.tok2.com/L/Lists/Useage.htm [tok2.com]

        親コメント
        • by ma_kon2 (9679) on 2015年05月08日 19時11分 (#2810830) 日記

          で,この会社,
          高解像度データの素材集を10,000円で売ってるの。
          なかなかに良心的な会社と見た。
          (まあ,スキャンしたデータの善し悪し,ってのがあるけど。浮世絵だから版も関係してくるし)

          親コメント
  • by Anonymous Coward on 2015年05月08日 22時04分 (#2810920)

    少なくとも著作権の観点から言えば有効じゃないのはほぼ明らかだろう?

    むしろ問うべきは、スキャンする労力をどのように知的財産として保護すればいいのかだろう。
    解像度が高く、ノイズが少なく、フォーマットの汎用性が高い電子データがもっと流通してほしい。

    そのためには健全な競争が起こるよう、スキャニングがビジネスとして成立するのが望ましく、
    したがってスキャンの労力を知的財産として法的に確立する取り組みが必要だろう。

    • by Anonymous Coward

      よくわからないが、「著作物をスキャンする労力」のどのあたりが「知的」財産なわけ?
      労力だけなら、「πを計算する労力」あたりも知的財産として保護してくれる?
      「πの3兆桁目は初めて計算・公開したXXが、デジタル化権を有しています。無断公開は知的財産の侵害です!」?

      あと、PDにある著作物をスキャンする労力を知的財産と認めたくらいで、
      ビジネスとして競争が成立するようくらいにまで勃興するとか見通しが甘すぎ...

      • by Anonymous Coward

        デジタル化ってスキャナに紙を入れてポンとデータを
        出せば終わりくらいにしか思ってないんだねぇ。
        まぁそういう認識の人が言いそうな意見だわ。

        • by Anonymous Coward

          コストかけたからって関係ないよ。
          「この古文書、10年かけて複製したから1億円よこせ」っていう商売するのは勝手だし
          「おおすげえな、確かにきれいなスキャンデータだ、1億円やるわ」って買うのも自由だろうが
          そうしなければいけない、なんて根拠はどこにもない。
          「俺100年かけてスキャンしたけどタダでいいよ」という奴もいるだろうし
          「デジカメでざっくり撮っただけのデータ、100円で売ってるけど、ウチの仕事にはこれで十分だ」という取引もあるだろう。
          健全な競争ってのはそういうことじゃないのか。
          割に合わないと思うなら、初めから商売としてやらなければよい話。個人的趣味とか文化的寄付とかの名目で。

          この手の商売やろうと思ったら
          知的所有権に関する具体的運用例だの裁判判例だのには一通り目を通すだろうから
          客の無知にのっかるような契約書作っちゃってる(作れちゃってる)時点で誠実とは言えんわ。
          顔真卿のアレ、知らないヒトなんて居ないでしょ。

  • by Anonymous Coward on 2015年05月09日 9時43分 (#2811077)

    単に、法的には「デジタル化権」なるものは債権として株式会社マーユ(甲)と乙の間では有効に発生するが、乙が善意の第三者Aに譲渡して利用した場合、甲はAに権利を主張できない、というだけの話。
    しかも、契約書なるものを見ると、甲の損害賠償請求権についての定めがなんら存在しない。

  • by Anonymous Coward on 2015年05月10日 5時01分 (#2811542)

    結局、『著作権が切れた著作物はなんなのか』だと思うんだよね。
    個人的にはこれは「自然物」扱いが妥当かと思う。
    つまり、そこら辺の木や草と同じ。

    そう言うようにちゃんと法的に定義すれば
    「デジタル化権」とか訳の分からない権利を主張せずに、
    「撮影物」として著作権を主張できると思う。

    ※ディズニーの人が顔を真っ赤にしそうだけど

    • 結局、『著作権が切れた著作物はなんなのか』だと思うんだよね。
      個人的にはこれは「自然物」扱いが妥当かと思う。
      つまり、そこら辺の木や草と同じ。

      その辺は前のコメントの顔真卿自書建中告身帖事件 [wikipedia.org]にあるように、パブリック・ドメインと決まっていると思いますが。著作者人格権があるので自然物などとは明確に違います。以下、リンク先最高裁判例:

      著作権の消滅後は、(中略)著作物は公有(パブリツク・ドメイン)に帰し、何人も、著作者の人格的利益を害しない限り、自由にこれを利用しうることになるのである。

      親コメント
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あと、僕は馬鹿なことをするのは嫌いですよ (わざとやるとき以外は)。-- Larry Wall

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