クラウドファンディングで100万ドルを集めたE-Ink採用腕時計開発プロジェクト、破産 72
ストーリー by hylom
最近よく話題になるクラウドファンディングの失敗 部門より
最近よく話題になるクラウドファンディングの失敗 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、
クラウドファンディングで100万ドル以上の出資金を集めた、電子ペーパーE-Ink採用腕時計「CST-01」開発プロジェクトが破産したと報じられている(やじうまWatch)。
CST-01は「世界でもっとも薄い時計」として開発が進められており、2013年2月22日に7658人から総額102万6,292ドルを集めてクラウドファンディングキャンペーンが終了。当初は2013年9月に製品化が予定されていたものの開発は遅れ、2014年には財政上の問題も明らかになっていた。
今回、プロジェクトサイトには開発元のCentral Standard Timingが破産宣告を受けたとの書類が掲示されているとのこと。なお、集めた資金が何に使われたのかについての説明は現時点ではないという。
はいはい、出資者が通りますよ… (スコア:5, 参考になる)
モルフィーなんかと較べてる人が多いけど、こちらは一応物はできてるので…
ごく少数ですが、受け取れた人もいました。
初回ロットの送付と、財務的にもう無理というメールがほぼ同時期でした。
2015年の5月ごろの事です。
何がまずかったかというと、バッテリーですね。
プロトタイプは作れた。では量産品はというと期待したバッテリーが
調達できず、厚みが増してしまう事が発覚した。これでは「世界最薄」を
名乗れない。さて、どうしますかと出資者にアンケートが取られました。
厚くなってもいいか、世界最薄を目指すか、です。アンケートは後者が
勝ちました。
が、そのためのバッテリーの調達はやはり困難だったようで、充電台の
見直しやら何やらで非常に時間がかかっていました。結局、部品調達が
うまく行かず、ごく少数を作った段階で「製造業者からあと120万ドル追加で
払わないと生産できないと言われたが、もう資金が尽きた」と発表されたのが
丁度去年の5月です。
コメント欄が金返せコールの中、現在ある部品をどこか大きいところに
引き取ってもらって何とか継続したいという発表もあったのですが、
何分残りの送らなきゃいけないCST-01=負債が大きすぎる事もあって
手を挙げる企業はいませんでした、と。
こないだ、本当に久々に来たCST-01のメールは「債務者の皆様へ」という
清算通知でした。後悔というかがっかりはもう1年前に済ませたので
別段これといった感情はありませんでしたが、残念ですね。
写真で見るかぎり、ソニーのアレよりは格段にかっこよかったので。
FES Watch (スコア:2)
こっちも当初の予定より結構遅れてたけどうまく行ったらしい。
ソニーの電子ペーパー腕時計「FES Watch」、一般販売へ
http://ascii.jp/elem/000/001/079/1079446/ [ascii.jp]
#真夏に素手で装着してるとベチャッとひっつくのがちょと気色悪かった
Smart Canvas (スコア:2)
EPSONのも普通に売ってるし、E-Inkだからって珍しいわけでもない。
http://www.epson.jp/products/smartcanvas/ [epson.jp]
もっともウェアラブルって結構大変ってことじゃないかな。
Re:Smart Canvas (スコア:1)
一次電池で動く、超低消費電力なプロセッサコアと組み込みプログラミングはやはり独特な技術がいるんじゃなかろうか。時計メーカーはやっぱりそこは強いよ
Re:Smart Canvas (スコア:5, 興味深い)
部品を集めて組み立てるだけ、のはずだったんですけどね。
Kickstarterスタイルのクラウドファンディングは固定費を一切考慮しないんですよね。製品には競争力のある価格を付けつつ、
出資者にBOMも粗方把握されていることも踏まえつつ、初期投資をそこに組み込まなければいけないという圧力に晒されます。
CST-01の場合は、製造工程で問題が出て設計変更を何度かかけたことで止めがさされたと記憶しています。数ヵ月前には
薄型バッテリや基板が組みつけた時に破損してしまい、僅かな完成品、大量の故障品と組立前の部品を残して資金が尽きたという
報告をしていたはずなので、正式に破産するまでが長くかかっているんですね。
集めた資金が何に使われたのかについての説明は、公式ではないかもしれませんがKickstarterのプロジェクトページに残っています。
なんとなく初期から見ていくと、私的な使い込みという感じではないですけどね。
Re: (スコア:0)
CST-01のデザインと比べるとデザイン性のレベルが低いなぁと思ったけど(ソニーっぽさもないし)、結局スタイリッシュでいいデザインのものはコンセプトどまりで、ちゃんと製品化して一般販売できるものはイモっぽくなるってことなんだろうねぇ…
Re:FES Watch (スコア:1)
FESWatchがダサ過ぎるのは同意。
しかし、CST-01も表示が90度右に回ってるのって致命的じゃない?
その向きで腕時計見るのは不自然過ぎて話にならないように思う。
Re: (スコア:0)
おっとMicrosoft band [google.com]の悪口はそこまでだ。
Re: (スコア:0)
なるほど手首の内側につけるならその向きでも見られないこともないか。
しかし男がその向きに腕時計様のものをつけて奇異な感じがしないようになるには
相当な時間がかかるだろうな。
Re:FES Watch (スコア:1)
最近は女性も内向きでは無く外向きに付けることが多いですよ。Withingsのスマートウォッチ付けてるけど、やっぱり最近は生活活動量計と腕時計は別に付けた方がよくないかと思い始めている、そうなるとバンド型生活活動量計を内向きにつけたり、もしくは別の腕につけたりすることになるだろうね
Re: (スコア:0)
> 最近は女性も内向きでは無く外向きに付けることが多いですよ。
女が男のまねするのは良くても
男が女のまねするのは風当り強いよね。
内側に時計つけるのが普通になるには
やっぱり相当な時間がかかると思う。
Re: (スコア:0)
そこはMicrosoft bandの場合は「腕時計じゃなくてウェアラブルデバイスですから」という言い訳ができる。
CST-01の場合は知らない。
それに内向きにつけても、やっぱり目の前にディスプレイを持って来ようとすると腕を変にねじる
不自然な姿勢になると思うんだ。
Re: (スコア:0)
Band2はデフォルトが内側に代わってますけどね
Re: (スコア:0)
いつの間にか2世代目が出ていたのか。としてみると、そこそこ売れているのか。
Apple watch以上に見かけたことがないが。
Re: (スコア:0)
そもそも、日本では売ってないから
Re:FES Watch (スコア:1)
Re: (スコア:0)
むしろCST-01の方が安っぽい&ダセーと思ったけどなぁ…
Re: (スコア:0)
同意
クラウドファンディングっぽい安っぽさ満載なデザインだと思いました。
Re:FES Watch (スコア:1)
会社の製品紹介の写真を見るとうまく撮ってあるから高級そうに見えるけど、
実物を見るとプラスチッッキー [youtube.com]でおもちゃだよ。
Re: (スコア:0)
E-Inkのスクリーンが無ければ、
コスモスの自販機で売られてたんだったか、
小学生の頃似たようなのを持ってた気がする。
Re: (スコア:0)
実現するとこは流石だけど、あまり評判は高くないみたいね。デザイン何とかならなかったのかな? 邪魔な鏡面反射も目立つ。
Re: (スコア:0)
いっぱしのメーカーがやってるんだ、さすがもないよ。
できて当たり前というもんなのに、スケジュールを遅らせるとはSONYも堕ちた。
資金力もあり、マーケティングも自力でできる大会社が、
クラウドファンディングを利用するというのも個人的には気に入らないが。
Re: (スコア:0)
5年後同じことが言えますかな?
Re: (スコア:0)
なんで?
Re: (スコア:0)
見るときだけ表示って、かなり難易度高そうに思うが…。誤爆すると電池が直ぐ無くなるだろうし。
Re: (スコア:0)
実際誤爆してるんじゃないの?w
あの機能って意味がないよな。
e-inkディスプレイなんだから、始終表示していたって電気を食うわけじゃないのに。
加速度センサーを監視して、表示部が上向いたら表示を切り替えるだけでしょ。
いったん切り替わったら、しばらくの間は元に戻さないようにしておけば、
頻繁な表示切替による過度の電力消費は避けられる。
Re: (スコア:0)
そんな簡単なわけない。勉強中に時刻を見るときなんかは、表示部が上に向きっぱなしなわけで。
Re: (スコア:0)
なら表示しっぱなしになるだけでしょ。
Re: (スコア:0)
流石にそんなことはないでしょ。
Re: (スコア:0)
なんでしちゃだめなの?
上を向けておいてある時計に時刻を常に表示させておく。
ごく自然なことだと思うが。
Re: (スコア:0)
自然でもなんでも、消費電力的にそれが厳しいから今はE-Ink搭載の腕時計が主流じゃないんでしょ
Re: (スコア:0)
秒針を表示すると毎秒1回書き換えなければいけないが
秒針表示無しの時針分針なら60秒に一回書き換えればいいだけだ。その分電池が持つ。
同じく電子ペーパー採用のPebbleの場合、これを目的として
同じ文字盤デザインで秒針有りなしの2種類のスキンが用意されていることがけっこうある。
Re: (スコア:0)
E-inkは表示を止めたままなら電力を消費しないよ。そこのとこわかってる?
FES Watchは秒針がないから、最大でも60秒に1回画面を書き換えるときに電力を消費するだけ。
それももったいないというなら、時間を1分間表示した後、加速度センサーが動きを感知しなかったら
表示を消すという動作を入れておけばよいだけの話。
なにも難しいことはないと思うが。
Re:FES Watch (スコア:2, 興味深い)
電圧は書き換え時のみ必要ですが、その度に昇圧回路を駆動→ストレージ用コンデンサにそれを貯めて→書き換え動作という動作が入ります。
間欠動作なので電流値ではなく電流と時間の積の電流量(Ah)が効いてきます。
最近のものは改善が進んでると聞いてますが、まだこれが足かせになるケースがあるようです。
大人の事情でAC
一時期あったクーポンサイト問題思い出す (スコア:1)
クラウドファンディングのトラブルって、グルーポンおせちに代表されるクーポンサイトであった問題を連想するねー。
生産限界以上に人(と金)が集まっても断りにくい、サービス提供側の見積もりがそもそも甘い、このあたりの構造が共通した原因じゃあなかろうか。
しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
Re: (スコア:0)
そも、真っ当な事業計画があるならクラウドファンディングに頼らなくても出身者が見つかる可能性が高い。
クラウドファンディングに依存した事業計画はその時点で眉唾と考えるべき。他に出資者がいたり自己資金があって、宣伝も兼ねてクラウドファンディングしてるやつならまだわかるけど。
Re: (スコア:0)
いや、もともとはね、ニッチすぎ・需要が少なすぎて製品化なんか絶対されそうにない、
けど自分はとても欲しいし、世の中に数は少ないけど同じ思いの人は必ずいるはず、
というようなものを、ネットを通じて細かい需要を集め、前払いを資金源にして作りましょうというのが
クラウドファンディングのあり方だったんだよ。
なんか今はふつーにスタートアップの登竜門とか、ファウンダ候補を前にプレゼンするより楽な資金調達法
みたいな使われ方してるけど。
Re:一時期あったクーポンサイト問題思い出す (スコア:2)
Re: (スコア:0)
普通は金が集まればスケールメリットがある。
それがデメリットになるとか提供側の見積もりの甘さじゃ説明できない。
好意的な言い方をすりゃ無気力相撲ってとこか。
Re: (スコア:0)
全てがスケールメリットあるわけじゃないので、そう簡単ではない。
部品などの提供元が複数あればだいたい何とかなるんだけど、kickstarter の出資数は公開なので提供元が一つだけだと足元見られて高額をふっかけられたりすることがあるらしい。
あと開発時間をかけているうちに相場が変化してしまうリスクが結構ある。(アメリカからの)国際郵便の価格が大幅値上がりしたせいで配送費で破綻したプロジェクトすらあるからなあ。
モルフィーなんとかのパクリ (スコア:0)
また、資金調達ゴールかよ
Re: (スコア:0)
黒いぜ・・・
でもなんだか、ラノベかアニメの憎まれ役(でもホントはいいヤツ)のセリフみたいだ。
# 物語の中〜終盤で息絶えます。
# 間違いなく、薄幸の妹(生死問わず)がいます。
クラウドファンディングって (スコア:0)
破産詐欺のイメージしかないよね
Re: (スコア:0)
みんな誤解してるのが、Crowdfundingはよくて「投資」、もっと言うとほぼボランティアの募金・寄付ととらえるべきであって、普通にアマゾンでお金を出して商品を買うのとは違うんですよ。投資である以上、お金を出してそれと等価かあるいはそれ以上の見返りがかえってくるとは限らない。
なので投資をして失敗した人を「気の毒」に思うことはあっても、うまくプロジェクトが行かなくて失敗したり、最悪トンズラされて、プロジェクト主催側を責める気にはなりませんね。
まあ、明らかに法律に違反してる行為を行った、とかなら話は別ですが……。
# でもこの場合サイト運営国の法律に則ることになるのかな? そうなると厄介ですし、自分の国の常識が当てはまらないことも多々。何にせよお金の使いみちはよく考えましょう。
Re: (スコア:0)
試作レベルではほぼ目途がついて、量産資金がないからと資金集めして、対価に製品を提供するなら兎も角、
企画段階で製品できたら提供しますは、見通し甘すぎるし詐欺に近いと思う
研究開発の対価はささやかな粗品だけ、量産に目途ついたらまたよろしく と正直に言えばいいのに
Re:クラウドファンディングって (スコア:1)
詐欺だなんだって騒ぐのはおかしいというものだと思う。
Re: (スコア:0)
Kickstarterでは、ガジェットなどは動作する試作品がないとキャンペーンを始められないルールになっているよ。
それでもこのありさまというわけさ。
Re:クラウドファンディングって (スコア:3, 参考になる)
個人的に kickstarter だけでも100件以上出資しているけど9割以上はちゃんと完成して配布まで完了してるよ。時間的には予定より大幅遅延するやつらばかりで予定通りのやつは1割もないけど。
クラウドファンディングは単に運転資金集めだけでなくて、需要の掘り起ことか、売上げ見積りとか、口込み宣伝とかの効果を求めて賢く利用している所が多いと感じ。。
失敗しているプロジェクトは素人が困難度の見積りが甘くて破綻してるのが多いじゃないかな。そういうのは募集者の経歴とか過去の実績とかを見ればだいたい検討がつくので避けられる。もちろん、そういう怪しげなやつでもお金捨てたつもりで夢を買うのは自由だ(宝くじより割りは良いかも)。
その他にも一人プロジェクトとかだと募集者が病気になったりすると中断/破綻するので要注意だ。
そういうリスクまで折り込んで出資するかどうか決めるのがクラウドファンディグなので、予約注文と勘違いしてるやつらにはお勧めできない。(予約注文でも会社が破綻したら返金されないのが普通だけど)
Re:クラウドファンディングって (スコア:2)
資金が一度底をついたものの生産に成功、Amazonで買えるようになったCoolest Coolerの例がありますね。但し出資者に配る予算が取れないらしく、売れて利益が出て
配れるようになるまで待てなければさらに金を支払えと言っているようです。VR界隈で見聞きしたIMUおばけのPerception Neuronとか、振動体感ベストのKOR-FXとかは
普通に売ってるようです。3DプリンタのFormlabs Form 1は後継機が出てます。
なんといってもVRといえばOculus Riftですが、表示器の変更で延期こそしたもののDK1をきちんと出荷し、資金を得てDK2、買収、CV1と順調に成長しています。
但しこれも予約者より大手小売店ロットが優先されたりと、まあ急激に成長する必要から企業として不誠実でせこいイメージが付いてしまうところはあるかもしれません。
Re: (スコア:0)
んだね。
「自分は騙されない」と根拠もなく信じ込める奴が多いと楽だろうね。