英国のEU離脱をめぐる国民投票は
離脱派が過半数を占める結果となったが、英国会の請願サイトでは
国民投票の再実施を求める署名の受け付けが行われている。署名は400万件を超えているが不正な署名も多いようで、英国会の請願委員会では既に77,000件を削除したという(
請願委員会のツイート、
The Registerの記事[1]、
[2]、
VentureBeatの記事)。
請願サイトでは
署名の集計をJSON形式で提供しており、国別および英国の選挙区別の署名数を確認することもできる。署名は英国からのものが圧倒的に多く、日本時間6月30日午前1時の時点で387万件を超えている。そのほかの国で1万件を超えているのはフランス(27,303件)、スペイン(17,095件)、オーストラリア(16,737件)、米国(16,475件)、ドイツ(10,840件)の5か国で、次はカナダの6,128件と大幅に少なくなる。
しかし、6月26日12時43分39秒(UTC)にInternet Archiveが保存した
スナップショットを見ると、バチカン市国から42,260件、北朝鮮から24,868件の署名が行われている。現在ではいずれも2桁の署名となっており、削除された署名の大半がこれら2か国から行われたようだ。このほか、千件以上削除されているのはサウスジョージアおよびサウスサンドイッチ諸島、英領南極地域、セントビンセントとなっている。
これについてシリアのハッカーがWebサイトをハックして大量に署名したと
主張しているようだが、請願委員会では
ハッキングの可能性を否定している。このハッカーは通信が遅いとも述べていることから、主張が事実だとしてもボットなどを使用したものとみられる。
なお、この請願は投票率が75%未満で離脱・残留ともに60%以上得票できなかった場合に2度目の国民投票実施を求めるもので、皮肉なことに離脱派が開始したものだという。国民投票の投票率は72.9%、離脱派の得票率は51.9%となっており、いずれも請願の条件を満たす。また、署名が10万件を超えると国会で議論するかどうかを検討することになるとのことだ。