パスワードを忘れた? アカウント作成
13396750 story
人工知能

羽生善治、AIを語る 84

ストーリー by hylom
恐れない羽生 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

かつては将棋界のタイトル7つを独占し、現在でも王座・棋聖のタイトルを保有するプロ棋士・羽生善治氏が、人工知能について語っている(現代ビジネス)。

対談相手はNTT副社長の篠原弘道氏、「提供:NTT」のクレジット付きの記事ではあるのだが、羽生氏によるコンピュータ将棋への感想はなかなか面白い。自身はコンピュータ将棋ソフトウェアはあまり活用していないとのことだが、コンピュータ将棋界隈の流れはちゃんと把握しているほか、AIは絶対ではないなどと語るなど、冷静に分析しているようだ。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by NOBAX (21937) on 2017年09月01日 15時33分 (#3271683)
    「AI時代を勝ち抜くための次の一手」 [nikkei.co.jp]
    羽生善治2冠氏と日本トップクラスのAI研究者の一人である松尾豊さんの対談があります。
    • by Anonymous Coward on 2017年09月01日 23時38分 (#3272019)

      スコア5に乗じて感想文を書く

      羽生氏の謙虚さが印象に残った
      中学生の藤井氏も年に似合わぬ謙虚な受け答えをする人だった
      加藤一二三氏は天真爛漫だが…

      羽生氏の謙虚さというのはたとえば安易に答えを出さないといったところによく表れていると思う
      (スラド民とは正反対だ)
      だからこれは美徳としての謙虚さだけでなく、方法論でもあるのだろう

      方法論であれば凡人にも学ぶところはあるはずだ
      しかしドヤ顔したいのも凡人の常
      だからこれからは事実には謙虚でいつつ、他人を小バカにすることでバランスをとっていこうと思う

      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2017年09月01日 15時25分 (#3271672)

    現行のAIは、AIとか言ってるけど実際には思考しているわけじゃないからね
    こと将棋に関していうなら、読みの速さとこれまで出現した戦法に対する返しのセオリーのみで戦ってる
    ゆえに誰かが新しい戦法を開発する度に負けるっしょ
    そらもう戦法とは呼べないようなシロモノ、例えば成金にならずに歩のままさし続けたとか、そんなんでも負けるよ
    しかもそれは、というかどうしてそうなるのかは、我々技術者が一番良くわかってるだろ

    AI将棋が現行の指し方に満足せず、AI自らが藤井システムだとか、鬼殺しだとか、雀刺しだとか、ゴキゲン中飛車だとか、そういった戦法と呼べるものを考えだし指してこれるかどうかを、羽生さんは問うてるんじゃないのかな
    そしてそれができない限り、「思考している」とは言えない

    • by Anonymous Coward on 2017年09月01日 15時33分 (#3271682)

      >そらもう戦法とは呼べないようなシロモノ、例えば成金にならずに歩のままさし続けたとか、そんなんでも負けるよ

      これはやってみてから言った方が良いのでは・・・。

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2017年09月01日 16時25分 (#3271723)

      AIはすでに独自で定跡作るレベルになってますよ。
      人間側がそれを名前の付いた「戦法」として捉えられてないだけです。

      将棋ソフトに詳しい棋士がソフト独自の指し方について
      「(ソフト名)はこういう囲いが好きなんですよ」「よくこういう攻め方をしてきますよね」
      みたいなことを言うことは多いですが、ソフトの手に棋士が勝手に名前付けるわけのも変ですし
      一局のうちどこからどこまでを「戦法」と定義するかも難しいところがあります。

      それでも俗称としてなら「Ponanza囲い」くらいは言われてますね。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        定石を作ってるんじゃなくて評価関数の特性上有利な傾向の有る局面に収束しやすいってだけの話だと思いますけど。
        現代のAIはプログラムされたとおりにしか動きませんし、プログラムされたとおりにしか学習(最適化)しません。
        どれだけ不可思議に見えても何らかの評価軸に沿ったパラメータの最適化が現代のAIのデファクトです。

    • by Anonymous Coward on 2017年09月01日 20時21分 (#3271921)

      > こと将棋に関していうなら、読みの速さとこれまで出現した戦法に対する返しのセオリーのみで戦ってる
      未だに「棋譜の機械学習」をこんな風に解釈してる人もいるんだね。

      将棋の盤面の評価にはいろんな要素があるけど、例えば抽象的な「玉の固さ」を
      「玉の周りに金銀何枚いるか」「それぞれ何マス離れてるか」みたいな具体的な値から計算して
      点数化するための係数をチューニングするため、じゃないのかな?

      攻防それぞれ点数が高い盤面を重点的に読む過程でイレギュラーな(点数低い)盤面は捨てていたのを、
      セオリー外だからパニくった、とするのは違うよ。

      やねうらさんだったかな、人間の棋譜つかわずに機械同士の対戦棋譜だけ使う試みもすでに始まってる。
      著名な戦法や囲い・定跡みたいな奴でも「車輪の再発明」的に使用されてたら
      それは思考の結果といってやってもいいんじゃないの?

      # かつて盤面評価の偏りから特定の囲いを偏重するソフトがあって
      # 渡辺明に「一見素人くさいが攻略するのは厄介」と言わしめたぞ。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      思考って何?戦法って何?

      • by Anonymous Coward

        「将棋の名人は、盤面を見て直感で判断するから、思考はしてない」って言いたいんじゃね?
        #ホームズ原作のあのセリフを思い出す。

        でも名人の場合はAIと違って「だから名人は知的ではない」とは言われない不思議。

    • by Anonymous Coward

      AI自らが藤井システムだとか、鬼殺しだとか、雀刺しだとか、ゴキゲン中飛車だとか、そういった戦法と呼べるものを考えだし指してきても、たまたまそういう戦法を使えば勝つ確率が高かったというだけで、思考してるとは思えないですけど。

  • by Anonymous Coward on 2017年09月01日 16時08分 (#3271708)

    2015年にオックスフォード大学などが発表した「12 Risks That Threaten Human Civilization 1」(文明を脅かす12のリスク)というレポートに、リスクの1つとして人工知能もあげられていました。

    人工知能についてのTV番組で、羽生さんが上記についてコメントをされており「12のリスクのなかで唯一、人工知能は同時に文明を救う可能性を秘めている」と希望を提示されていました。
    (ご本人の意見なのか引用なのか分かりませんが)

    他にも羽生さんは、人工知能を研究している海外の学者さんと交流を持っていて議論に参加している発言などもしており、視聴していた自分は、AI学者にとってゲームは現在も変わらず良い研究材料であることを再認識したとともに、ゲームする側の羽生さんもAI研究の先端について行っているんだ(どの業界でもトップランナーの努力というのは凄い)と感じたものです。

    • by Anonymous Coward on 2017年09月01日 17時54分 (#3271806)

      >人工知能についてのTV番組で、羽生さんが上記についてコメントをされており「12のリスクのなかで唯一、人工知能は同時に文明を救う可能性を秘めている」と希望を提示されていました。
      >(ご本人の意見なのか引用なのか分かりませんが)

      あった。
      https://wired.jp/2017/02/14/habu-ishiyama/ [wired.jp]

      羽生
      ……
      オックスフォード大学のニック・ボストロムが創設した「人類の未来研究所」で「人類の抱える12のリスク」(12 Risks that threaten human civilisation)というのが発表されています。気候変動やパンデミックと並んで、いまの社会問題のひとつにAIが挙げられているのです。でも一方で思うのは、ほかのテーマは単なるリスクでしかないのですが、AIはそれが進むと残りのリスクを、一部ないし全部解決してしまうかもしれない可能性もあるわけです。

      本人の意見っぽい言い方です。
      ただ元の資料(日本語で読めるページだとたぶんこれ [nli-research.co.jp])を見ると、人工知能と並んで合成生物学やナノテクノロジーが上げられていて、「単なるリスクでしかない」というのは変な感じがします。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        擁護するなら「それらが制御不能に陥った時」で考えているのかもしれません。
        強いAIが出現して制御不能になった結果人類を救う可能性はままありえますが、
        その辺のテクノロジーが制御不能に陥った場合ろくなことにはならんでしょう。

  • by Anonymous Coward on 2017年09月01日 15時07分 (#3271652)

    >> どれだけAIが進化しても将棋そのものが完全に解明されることは理論上ありえない

    そんなわけないと思うんだが...

    • by qem_morioka (30932) on 2017年09月01日 15時23分 (#3271670) 日記

      今の強いAIってのはいわば何千万枚もある答えを書いたカードから、当りをできるだけ効率よく引くってやつなので、決して将棋というゲームのルールや特性を解明して強くなったというわけじゃないってことですよ。
      ※個人の推測です

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2017年09月01日 15時18分 (#3271663)

      投了の美学における「美」のあり方など哲学的な思辨は AI では解明できないんじゃないかな.

      親コメント
      • by nemui4 (20313) on 2017年09月01日 16時30分 (#3271729) 日記

        >投了の美学における「美」のあり方など哲学的な思辨は AI では解明できないんじゃないかな.

        そこもAIに理解されると、人のアドバンテージもなくなりそうだし。
        かと言ってすべての人がそういう思想を理解できているものでもなし。
        #感じることくらいはできる。はず。

        親コメント
      • by Anonymous Coward on 2017年09月01日 19時28分 (#3271889)

        「理由は説明出来ないが、この手で投了することが美しいか美しくないかは判断できるようになる」というのがまさに今はやりのディープラーニングなんだよね。

        それができるだけで「解明できている」と言えるのかどうかは微妙だが、人間のプロ棋士が投了の美しさの理由をちゃんと誰にも分かるように説明できるのかというとそれもまた微妙。

        つまり、「美」のあり方など、人間にも解明できているとは必ずしも言えない。

        親コメント
    • 無限とも言えるあらゆる局面の最適解が解明される可能性はゼロではないが、
      そこらの暗号解析に匹敵する難易度になるし、
      出そろったとして、それは人工知能じゃなくてデータベースのお話よねという事に。

      「眼前の局面に対して」「リアルタイムで」「制限時間内に」「最適解を計算する」
      という意味なら、まあ現状いくつのブレイクスルー必要になるんだよという意味で
      有りえんと言ってもいいのでは。

      親コメント
      • 先手なら必ず勝てるとかの必勝法が導き出されたら「解明」されたことになるのかな。

        親コメント
        • by Anonymous Coward

          必勝法自体が巨大な一つの定石になりそう。人間の脳みそに収まらないから定石じゃないとは言えないはず。

      • by Anonymous Coward

        存在しうる任意の局面において、そこからの「何故この手が良くてこの手がダメなのか」を人間が理解できる論理で説明し、
        最善手を指南できるようになったら、完全解明と言って良いんじゃね。

        • by Anonymous Coward

          そんなの説明してもらう人間の能力に依存してるじゃん。
          お馬鹿な人間はどうやったってこの手は理解できないよってのもあるかもしれない。

      • by Anonymous Coward

        将棋の局面って無限というほど多くないのでは。

        駒が合計40個。
        それぞれの駒の取りうるステータスは

        ・先手/後手(2通り)
        ・位置(9×9+駒台=82通り)
        ・成/不成(2通り)

        しかないので、たかだか 328(2×82×2)の40乗。
        成れない駒があるし、盤上の同じ位置には複数の駒は置けないからもう少し小さくなる。

        このすべての「局面」に対し、一意に次に指すべき手が決まれば完全解明。

      • by Anonymous Coward

        全局面での必勝となる1手のデータベースか、どの状態でも適用可能なレベルまで分割・細分化した定石の組み合わせで必勝法を構築できれば、「将棋そのものが完全に解明された」って表現できるとして。
        前者は完全にデータベースだけど、後者はエキスパートシステムの類と見なせばれっきとした人工知能の一種になるかと思います。

        後者の定石や定石の関係を出力するような学習系が実現されたら面白いんだけどそういうのはあるのかしらん?

    • by Anonymous Coward

      コンピュータが示した手も、やっぱり絶対ではないんですね。
      「水平線効果」と言って、あるところから先は評価の精度がガクンと落ちるということもあるので、
      それをどこまで信用したらいいのかは実はわからないんです。

      書いてあるじゃん

    • by Anonymous Coward

      理論上だったら、無限な記憶容量と無限な時間があれば、解明出来ちゃいますよね。

    • by Anonymous Coward

      3目並べみたいに必勝法(不敗法?)を導けなきゃ完全とは認められないってことじゃないの。
      重み付けを排除して全手走査するか偶然の産物(理論じゃないけど)でしか導けないと思うけどな。

      • by Anonymous Coward

        書き忘れた。
        全手走査ってAIじゃないよね。

    • by Anonymous Coward

      二人零和有限確定完全情報ゲームだから、理論上は完全解明できる。
      実行時間とか記憶容量の関係で、現実的にはできないだろうけど。

    • by Anonymous Coward

      ディープラーニングではなくて、純粋にアルゴリズムだけで最強のAIをくめれば解明できたといえるだろうね

typodupeerror

私は悩みをリストアップし始めたが、そのあまりの長さにいやけがさし、何も考えないことにした。-- Robert C. Pike

読み込み中...