中世欧州を襲ったペストの大流行、人に付いていたノミやシラミが感染源という説 11
昔の話なので調査が大変そうではある 部門より
たびたび大流行を引き起こし大量の死亡者を出していた伝染病ペストは、ネズミによって拡散されたと言われている。しかし、欧州の人口の3割が死亡したといわれている14世紀のペスト大流行では、ネズミではなく主にヒトに寄生するノミとシラミが細菌を媒介していた可能性があるという研究結果が発表された(National Geographic、PNAS掲載論文、BBC、Slashdot)。
ペストの流行の原因については、ペストに感染したネズミの血を吸ったノミに細菌が移り、今度はこれらが媒介となってペストが人間に感染するという説もあったが(過去記事)、今回の研究結果では、人間に寄生するノミやシラミが直接細菌を媒介したのが感染拡大の原因だとしている。この場合、感染の広がり方がネズミ経由の場合と異なるそうで、実際に統計的な計算を行ったところ多くの都市で実際の記録と合致したそうだ。