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お金

「超高額」な新薬、続々と登場 66

ストーリー by hylom
金で命を買う時代が来る 部門より

免疫療法向けのがん治療向け新薬「オプジーボ」はその価格の高さがたびたび話題になっているが、このような高額な新薬が続々と登場しつつあるという(産経新聞)。

たとえば今年4月にスイス・ノバルティスの日本法人が製造販売承認を厚生労働省に申請したがん治療向け新薬は、米国では投与1回分あたり47万5,000ドル(約5300万円)と非常に高額な価格が設定されているという。米国ではそのほか1回分あたり4200万円のリンパ腫治療薬や、1回分あたり1億円近い遺伝性網膜疾患治療薬も登場しているそうだ。

新薬の開発コストが大きく上昇しているのが価格高騰の理由とされるが、日本では高額な治療費を補助する制度があり、数千万円の薬でも多くの場合自己負担額は多くとも100万円前後となる。そのため、高価でも利用されるようになるという背景もあるようだ(過去記事)。

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  • by Anonymous Coward on 2018年10月30日 17時55分 (#3507011)

    製薬会社が勝手に値を付けてるわけじゃないからな・・・

    • by Anonymous Coward on 2018年10月30日 18時23分 (#3507031)

      これな。
      この話を知らずにこのニュースを捉えると見間違う。

      新薬における薬価の決定は、簡単に言うと、開発費を販売が見込める数で割って、それに薬一つ一つの製造原価を加えたものを、営業利益と流通費合わせて3割増しにした価格になってる。

      薬価=((開発費/販売数)+製造原価)*1.3)

      ただし、この算定方法があまりにも海外より高すぎるとか言う場合には調整が入るとか色々あるので、正確には以下の資料を
      https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000027ha4-att/2r98520000027p4k.pdf

      というわけで、使われる対象となる病気が非常に珍しい難病で、患者数が少なければ少ないほど、一人あたりの薬価は高くなる。開発費を割る人数が少ないから。
      一方で、数が出れば出るほど一人頭の薬価は下がる。開発費を割る人数が増えるので。

      この構造から、製薬会社は、開発費に関しては患者数が多かろうが、患者数が少なかろうが、新薬については少なくとも得る利益は19.1%と決まっている。
      また、使える領域が広がって適応患者数が増えれば、開発費を割る人数が増えるので価格がその分下がる。ただし、使われる件数が増えていくので全体の医療費は製造原価の分だけ増えていくということになる。

      今回やたらと価格が高いのは、患者数が少ない珍しい癌から病気から適応が始まるからで、そもそも使われる人数が少ないので医療保険全体へのインパクトはほとんどない。
      本当に優秀な薬で、今後、だんだんと適応範囲が広がっていけば、価格は下がっていく。 問題は、適応範囲が広がるのが年に4回あるのに、薬価改定はそれとリンクせず年2回だったこと。このため適応範囲が広がって使える患者が増えたのに前の患者数で計算された金額のまんま、という時期が発生して問題になった。

      そこで、今回は高い薬についてはそのタイミングを合わせて、使える範囲が広がったら同時に薬価も下げようぜ、ってことになっている。

      一定以上普及したが高い薬の薬価を下げるには、地道に製造方法を改善するしかない。免疫系の薬が高いのは薬が特別なタンパク質を使ったもののため製造が難しいと言うのも要因の一つ。

      親コメント
      • https://answers.ten-navi.com/pharmanews/13115/ [ten-navi.com]

        そしてオプシーボであれば、

        > オプジーボの年間販売額が薬価ベースで1500億円を超えると推定し、売り上げが予想を超えて巨額となった薬の薬価を引き下げる「特例拡大再算定」を適用。異例の薬価引き下げとなったのは周知の通りです。

        とのことで、大分安くはなったんかな?

        --
        M-FalconSky (暑いか寒い)
        親コメント
        • by Anonymous Coward on 2018年10月30日 23時20分 (#3507231)

          制度自体がオプジーボ適応で年間何億を百万円キャップで湯水のように使ってどうせ五年で再発して死ぬみたいなケースが続出してできたんじゃなかったか
          人権に関わるしお前の病気は死にやすいから自己責任とか金がかかるから自己責任というロジックが成立不可能かつオプジーボのような分子標的薬の発展が
          日本の競争的優位にキッチリ貢献するならコストを頑張って圧縮するしかなくてそうしているんだったような

          親コメント
      • by Anonymous Coward on 2018年10月31日 12時21分 (#3507510)

        薬価改定は2年に1回だよ、改定前は。年2回ではない。

        だから、爆発的に利用が広がったオプシーボに追従できず、問題視されて年4回に改訂された。

        ※まぁ誤記だと思うけど根本的間違いだから指摘しときます。年2回ならたいした問題になってないはず…。

        親コメント
      • by Anonymous Coward

        話を聞いていると、日本では相対的に患者の少ない薬が開発されやすい傾向ってあるのかしらん。
        たとえばアメリカでは患者が多い薬が儲かるとすれば、患者の少ない薬はアメリカの製薬会社は参入しないことが考えられる。

        まあアメリカはどうであれ、EUは日本に似た薬価制度なのかもしれないけど。

        • by Anonymous Coward

          そうだよ。貧富の差が響きにくい日本で良かったな

          • by Anonymous Coward

            糞貧乏人から健康保険巻き上げてるおかげじゃねぇかよ

            • by Anonymous Coward

              そこは免除や軽減の基準や運用に文句を言うところで、薬価制度に文句を言うところじゃなくない?

      • by Anonymous Coward

        医師の処方は適応外処方も告知せずに勝手にやりまくってます
        診断根拠は保険請求でほとんどチェックしません

      • by Anonymous Coward

        適用警察だ!
        さすがに「適応」と「適用」では意味が全く異なる。

    • by Anonymous Coward

      >米国では投与1回分あたり47万5,000ドル(約5300万円)と非常に高額な価格が設定されているという。

      盲腸で1000万とかの国だからフーンとしか思えないな。

    • by Anonymous Coward

      それはさすがに、言われるまでもなく知っている人も多いのでは。
      マスゴミとか言って新聞も読まない・読めない人たちと、そうはいっても新聞を購読している人たちとで、知っている割合がかなり変わってきそう。

      • by Anonymous Coward

        「ネットは紙の新聞を代替する」という論調が現在(ネット上では)主流だけど、
        情報量と深みが全然違うんですよね...

        「画面の大きさの違い」だけでなく「実際に掲載されている情報の量と質」において。

        別に一生懸命に紙媒体を擁護するつもりもないけど、
        実際に紙の新聞を読んだことがない人が物知り顔でその種のことを言っても
        この人が得てる情報の量と質って狭いんじゃない? と思ってしまう。

        • by Anonymous Coward

          「実際に掲載されている情報の量と質」がネットで見られる情報のほうが圧倒的に大きくない?
          もちろんネットニュースの記事のページ一つだけなら情報量少ないけど、そこからキーワード検索もリンクもあるわけで、見られる情報の量が文字通り桁違いなんだよな。
          単一ページだけでネットニュースを読んだ気になってるわけでもないとは思うけど、ネットでの物探しや情報見つけ方がわからないとかかな?

          一般紙レベルの新聞では記事含全部含めても、ネットで探せる情報の量から比較すれば煽りタイトルを眺めた程度の情報量しかないし、情報の発信元もわからんから嘘や誇張なんかの判断材料も皆無でしょ。

      • by Anonymous Coward

        >それはさすがに、言われるまでもなく知っている人も多いのでは。

        少なくともすらどでそういう奴は居たし(割合は少ないだろ、というのはさておき)
        ここはもの知らずでも書き込めるのでいつでも「新しく知る人」は居るし。
        (このストーリーでも高額医療への補助のことをカケラも知らなそうなコメントあるしな…)

  • by Anonymous Coward on 2018年10月30日 17時55分 (#3507012)

    日本の各種お得な制度を利用する為に、海外から来る治療ツアーが
    あるとか小耳にはさんだことがあるのですが
    本当なのでしょうか

    • 本当。特に中国から
      親コメント
    • by Anonymous Coward

      日本の公的医療保険に加入してなくてもお得になる制度があるんですかね。
      てっきり技術や環境・設備の良さで来ると思ってました。

      • by Anonymous Coward on 2018年10月30日 19時37分 (#3507089)

        これは、色々と怪しい手を使って日本の公的医療保険に一時的に加入するそうで、問題になってます。
        これに対策しようとすると、外国人差別だと騒ぐ人達が沸いてくるのもセット。

        移民を多く受け入れてるオーストラリアでも自国民と外国人では医療保険制度は別々だそうだけど。

        親コメント
        • by Anonymous Coward on 2018年10月31日 0時51分 (#3507272)

          そんな問題は過去の話。
          今の外国人は単純に踏み倒して帰るので病院が悲鳴を上げてる。

          診療拒否の正当な理由の中に「金を持っていない」も含めるべきだと思うんだが
          こんな当たり前の話が通らず議論が紛糾してる。

          親コメント
          • by Anonymous Coward

            生活保護もそうだけど、人権云々言うならその国の政府が補償する位すべきだよね。
            犯罪者引き渡し条約みたいにそういう条約結べればいいけど、国民がクズで国が素晴らしいなんてのはあり得ないからなぁ。

        • by Anonymous Coward

          これは、色々と怪しい手を使って日本の公的医療保険に一時的に加入するそうで、問題になってます。

          これは自民党が外国人労働者を入れたくて「外国人研修生・留学生も三ヶ月で国民健康保険に入れるようにする」っていう法改正の結果ですね。

          なるべく外国人単純労働者は入れないほうがいいと思うのだけど、現政権はそうは思ってないらしい。

          • by Anonymous Coward on 2018年10月31日 17時18分 (#3507725)

            留学ビザのほかに、管理・経営ビザもあります。
            日本国内に法人を作成して、社員に雇用したかたちで健康保険に加入です。
            しかしこれは、まだマトモな方法かもしれません。

            中国残留孤児を装って日本へ入国し、ヨーロッパだと数千万かかるような先進医療を、
            生活保護適用で1円も払わずに受けたり、健康保険に加入している中国人が、中国に
            一時帰国した際の中国での治療費をでっちあげて、還付金をだまし取る場合もあるとか。

            日本は医療費増大で福祉費用が足りないから消費税を上げる・・・とか言ってますが
            まずはこのズブズブの制度をなんとかしてからにしてほしいですね。

            親コメント
          • by Anonymous Coward

            いま拡充しようとしてるのは「外国人単純労働者」ではないはずですが

            • by Anonymous Coward

              どう見ても「外国人単純労働者」です。
              本当にありがとうございました。
              #直接的に書かないで誤魔化しているだけだろ。

      • Re: (スコア:0, フレームのもと)

        by Anonymous Coward

        単純に踏み倒して帰国するんでしょ。以前韓国人の妊婦がそんな事した事件もあったなぁ。

      • by Anonymous Coward

        保険すらいらないと考えてる金持ちは全額払って医療ツアーしに来るよ。

  • by Anonymous Coward on 2018年10月30日 17時56分 (#3507013)

    しかも完治するし。
     
    # これ高額医療費補助だしたら健康保険潰れないかね...

    • by Anonymous Coward

      マジレスで申し訳ないんですが、保険外の自費診療は高額療養費補助の対象外です。
      保健医療施設の医師は全員医師免許を持っていなければならない(保健医療法第64条)
      ので、ブラック・ジャックに頼んだら自費になるでしょう。

      # これでブラック・ジャックとピノコの岬の診療所は保険外確定だけど
      # 医者仲間から難しい患者の手術を頼まれたり、緊急事態だったりして
      # 普通の病院で手術するシーンもあるけど、これはどう扱われるんだろう

      • by Anonymous Coward

        医者仲間から頼まれるときは基本的には頼んだ医者が全額払っているようです
        縮んでいく医者の回では「タダでいいですぜ」と言っていたし、研究になるとかメンツがかかってるとかでタダ同然で負うこともあるようです
        BJの手術を他の医者や医学生に見学させたこともありました(謝礼はバッグに一杯)
        なんにせよ患者は払わないようです

        緊急事態は、BJ自身の判断で手術するときはタダ、頼まれた場合はピンキリ、別の人間からふんだくれる時はタダ(ベリリウム中毒の回など)、見殺しにすることもたまにはあるようです
        こちらは患者が払いますが、岬の診療所と似たような感じで、
        BJは報酬から病院に設備の使用料を払うのではないでしょうか(何千万円か渡して、これで手術させろと言ったこともあったように思います)

        • by Anonymous Coward

          恩人を救うために病院一つ即金で買ったこともありましたな
          大好きなエピソード

    • by Anonymous Coward

      マジレスすると、完治しなかった例もいくらかあったような…
      敵の癌を治してからと思ったら転んで死亡、でも治療費は娘さんがきっちり家と土地を売って持って来たとかもあるし。

  • by Anonymous Coward on 2018年10月30日 19時17分 (#3507071)

    意図的に吊り上げた悪例もあるのでややこしいけど、区別はしよう。

    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%A3%E3%... [wikipedia.org]

  • by Anonymous Coward on 2018年10月30日 20時34分 (#3507120)

    ネガティブに考えると貧乏人は病死しろと言ってるように聞こえるけど
    ポジティブに考えると
    金持ちは少しばかり寿命を伸ばすために散財してるわけだから
    長期的には格差是正になってると思うんだよな
    今は貧乏人は死ぬしかなくても
    特許が切れれば貧乏人にも回ってくる
    鄧小平の先富論みたいだが
    開発コストを維持するには仕方がないのかもしれない
    でも高額医療の先進地アメリカが平均寿命で
    代替医療先進地のキューバに負けているという現実
    最大の病巣は格差

    • Re: (スコア:0, 荒らし)

      by Anonymous Coward

      節穴か? ナマポならこういう日本の皆保険でしか量産できなかった数千万円の薬でもタダだぞ。
      ナマポじゃなくても高額医療費補助でキャップかかって定額使い放題だぞ。記事に書いてあるぞ。
      代わりに金持ちでも貧乏人でも一律の3割負担だぞ。全国民に消費税の如く平等だ。
      平等すぎて貧民の寿命が他国の金持ちを上回るくらいだ。

      • by Anonymous Coward

        いくら生活保障されて医療費タダでも俺は難病は勘弁願いたいなぁ

    • by Anonymous Coward

      金持ちって医者のことやねw
      アメリカは医者も病院も保険会社も儲けすぎなんよ。
      向こうの病院と日本の病院を比べると、アメリカの病院は無駄に豪華すぎる。

      • by Anonymous Coward

        他の産業も値上げや補助金要求しないんだもん
        儲けたもの勝ちさ

  • by Anonymous Coward on 2018年10月30日 21時23分 (#3507151)

    材料開発の分野では、ここ数年マテリアルズ・インフォマティクス(MI)の成果が大量に出てきて、開発期間が1/10になったとか1/100になったとか景気のいい話が出始めています。
    薬の開発でもこの種のコスト削減は進んでいくのかな?

    • by Anonymous Coward

      マテリアルインフォマティクスがうまく機能しているのは低分子じゃないのかな。

      今バカ高いのは抗体医薬品とかの高分子とか生体分子だから、関係なさそう。

  • by Anonymous Coward on 2018年10月30日 23時15分 (#3507226)

    オプジーボの問題点は健保財政へのダメージがあまりにも大きいから異例の薬価引き下げが行われる結果になった。
    一定の薬価を超えるものは自由診療で対応すべき。

    そもそも健康保険は「健康で文化的な最低限度の生活」に基づく制度なので、国民の平均所得を大幅に上回る値段の「薬」が最低限度なわけがなかろう。

    • by Anonymous Coward on 2018年10月31日 17時28分 (#3507733)

      少数者の難病でも最低限度の健康な生活は行う権利があるわけだよ。
      そのため努力してるのが製薬会社で、なぜ努力するかといえば儲かるからだな。
      そして支払うのは国という名の国民全員で薄く広く。

      なぜなら、その難病患者は自分だったかもしれないし、自分の親子肉親かもしれないし、今後自分がなるかもしれないから。

      リバタリアン的自由主義で弱者切り捨てな社会を望むのなら、切り捨てていいけどね。
      私は嫌だね…。

      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2018年10月30日 23時22分 (#3507232)

    一人の患者につき医療チームがつきっきりで何週間もかけてその患者のためだけの
    オーダーメードの薬(白血球)を作るってので、まあそら高いわな、とわかる。
    (しかもそれだけ高額な治療を受けても、最近になってどうも結構な割合で再発するらしいとわかってきた [nikkei.com]とか、救いがないw)

    けど、1億円の薬ってのは、はえー、上には上がいるんやな。

    これはどんな理由で高価なんかな。

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