粒子加速器を用いた材料評価実験で取得したデータを統計処理する新手法 12
統計術 部門より
高エネルギー加速器研究機構 (KEK) の研究者らが、量子ビームを用いた材料評価の計測実験を効率化する手法を開発したと発表した。この手法を利用することで、新材料の研究開発の際の構造計測をより高速に行えるという(マイナビニュース、Scientic Reports誌掲載論文)。
電子や中性子などの粒子を加速して量子ビームを作り、それを物質に当ててその反応を観察することで、物質の微細な構造を測定することができる。しかし、この手法で得られたデータから実際の構造を得る際には統計処理が必要であり、その処理に多くの時間が要されていたという。今回開発された手法はカーネル密度推定法という統計処理手法を利用するもので、これによってデータのバラツキを抑制でき、短時間の測定で得られたデータを高精度化できるという。
今回の結果は電気自動車向けモーターの新材料向けに応用される予定。